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アジア写真帳(チェンマイ)−ドイ・ステープ


アジア写真帳(チェンマイ)

ドイステープの概要、そして行き方

チェンマイの寺院、ドイステープ

 ドイ・ステープは、標高1080mのステープ山にある寺院で、チェンマイのランナータイ王朝のクーナ王統治時代の1383年に建てられた寺院です。境内は黄金の建物や建造物であふれていて、なかでも高さ22mの仏塔が見事です。
 タイ北部で最も神聖な寺とされているこのドイステープは、さすがに美しく、また、荘厳です。

チェンマイの寺院、ドイステープ

 ドイ・ステープへは、市内から車で20分から30分程度かかります。かなりの急坂を登っていくので、ドイステープまで行く道ではトゥクトゥクは通行禁止になっています。ですから、通常、ソンテウ(トラック型のバス) で麓まで行きます。
 麓まで行くと、そこから306段の参道があり、これを足で登っていくのが正しい参拝の方法なんでしょうけど、自動のケーブルカーがその脇を走っていますので、軟弱な方はそちらを利用することになります。
 私も毎回軟弱にケーブルカーを利用し、ドイステープに到着します。北部タイ様式の建物が目に入ってきます。雰囲気ありますね。


 ドイ・ステープには、4つの仏塔を囲むように回廊があって、その回廊の近くまで、ケーブルカーが運んできてくれます。この建物の曲線や、建物に施される彫刻はまさに北部タイ様式のものです。
 チェンマイはかつてのランナー王国の首都です。ランナー王国は15世紀から16世紀にかけて繁栄を極めた時代があって、仏教を統治の大きな手段として奨励したこともあって、独特の仏教文化を育みました。このランナー王国で育まれた仏教文化を「ランナー様式」もしくは「北部タイ様式」と呼びます。
 気品のあるスタイルで、大変神聖な雰囲気を漂わせています。
 この建物は、前回、旧正月の時期にドイステープに来た時、回廊の外側で人が沢山集まっていた建物です。


 近づくと仏像と絵が渾然一体となっている建物で、おそらくはこの寺院の高僧などが像になっているのではないかと思います。前回の旧正月時には、沢山の仏像を前に、おおぜいのタイ人が新年のお参りをしていました。線香と花を捧げ、深くお辞儀をしながらお願い事をするのがタイ式です。この日も写真撮影後、私がこの地の作法に従ってお参りをしたのは言うまでもないことです。

ドイステープのガネーシャ像(チェンマイ)

 仏門の両側に鎮座するガネーシャ像です。日本ですと仁王が立っていたりする場所なのですが、ここドイステープでは、ガネーシャが座っています。
 ガネーシャはインド神話に登場するキャラクターで、富と繁栄、学問の神様といわれています。ガネーシャが象の頭を持つ由来については、概略次の通りです。
 ガネーシャは創造のための破壊を司る神様シバァの長男です。シバァの逆鱗に触れて首を落とされましたが、半男半女の神パールワティがそれを嘆き悲しんだため、最初に通りがかった動物の頭をシバァがつけてやったということです(つまり、それまでは人間の頭が付いていたわけです。)。「ラマーヤーナ」と並ぶインドの二大叙事詩「マハーバーラタ」を速記したのがガネーシャといわれており、そんなことから学問の神といわれているのでしょうか。ふくよかな胴体と4本の手を持っています。
 なお、ガネーシャは日本ではほとんど見かけませんが、これはガネーシャが日本に渡った仏教の中では、祀り方を間違えると後でたたる神様として位置付けられていたからとされています。

 インドでは、斧、蓮の花とお菓子を持ち、もう一つの手には卍の字が書かれているガネーシャですが、タイのガネーシャは違うようですね。
 このあたりは、ヒンズー教と仏教の中のガネーシャの位置づけの違いなのでしょうか。



ドイステープの素晴らしさ……仏塔周辺


 さあ、仏門を抜けて回廊に囲まれた中に入りましょう。
 写真にある金の仏塔は高さ22mある見事なものです。正しくは金色の仏塔というべきで、銅板が金色に輝いているものです。四隅に金色の傘が建っていますが、これも北部タイ様式です。
 バンコク、ワット・プラ・ケオの仏塔にも勝るとも劣らない美しい仏塔です。


 仏塔の周りの建物やその装飾も見事なものです。特にこの日は雲一つない晴天でしたので、青空に金色の寺院が一層映えます。

ドイステープの大仏(チェンマイ)

 建物内に安置されている大仏です。大仏も見事ですし、壁画も見事です。ここドイステープに来ると、タイの仏教芸術の奥深さを感じないわけにはいきません。チェンマイ旅行に来たら、ドイステープは必ず見てもらいたい寺院です。他の有名な寺院に比べると往復に時間はかかるものの、きっとそれ以上の感動・感銘を受けるに違いないからです。


 仏塔の周りを歩いてみましょう。右側が仏塔のあるエリアでほぼ正方形の敷地の中に仏塔が建てられています。その周囲を回廊が巡っていて、その回廊が上の写真の左側になります。この仏塔のあるエリアと回廊の間にも素晴らしい銅像が多く建てられ、このスペースがタイの人々の祈りの場所にもなっています。この点については、後ほど紹介します。


 一つ上の写真で差しかけの屋根があるところにはこの像が置かれています。周りの立像とあわせて、いかにもタイらしい風景です。

ドイステープに並ぶ仏像(チェンマイ)

 仏像ということでは、回廊に鎮座している仏像もそれぞれ制作の時代が異なっていて異なる表情・スタイルをしています。また、回廊に描かれている仏陀の生涯を描いた壁画も見所の一つです。
 美しい寺というのは、時代を超えて、そこに参拝する人々の心を捉えるものですね。私は、この回廊をゆっくりと回りながら、15〜16世紀のランナー王国にいるような錯覚を起こしそうになりました。ドイステープの仏教美術はうっとりするような美しさです。


 仏塔を囲むように、仏像が並んでいて、そこは、敬虔なタイ人が祈りを捧げる場所です。この日はウィークデイの8時ごろにドイステープに来ましたので、ゆっくりとドイステープを観光し、その美しさを独り占めしていたのですが、お参りしているタイ人がいないと逆に寂しい感じもします。


 このあたりは、誕生日の曜日ごとの仏様だったでしょうか。色々な仏様がドイステープにはいらっしゃるのです。


 そして、その一つひとつが美しく彫られているのが良く分かります。


 ここから二枚は、以前、旧正月の時期にドイステープを訪れたときの写真です。
 同じ場所からの写真は既に紹介していますが、こうしてタイ人の方々が参拝に来られていると、立ち上る線香の香りで何とも神聖な雰囲気を漂ってきす。

ドイステープで祈りをささげる人々(チェンマイ)

 観光客も沢山いて騒々しいのですが、タイ人たちは一心不乱にお祈りをしています。ご利益がありそうなので、この時以来私もドイステープに来ると、線香と花を買って祈りを捧げるようになりました。さらに今回は特にお祈りしなければならないこともあって、お賽銭20バーツを三箇所で捧げ、記帳もしてきました。



ドイステープを満喫する

ドイステープの屋根(チェンマイ)

 ドイステープの魅力は、金色の仏塔や仏像群だけではありません。先ほども書いたように、ランナー様式の建造物などの美もぜひ味わってほしいと思います。
 上の写真は屋根に描かれた蛇の図柄。これは蛇神ナーガといいます。蛇神ナーガは、釈迦が悟りを開くときに保護したという伝説の中に出てきています。天候を左右する力を持ち、怒らすと旱魃が起こり温和にさせると雨を降らすとされ、農業の収穫を拡大(アジアでは古代からこれが大切でした)するために欠かせない存在とされていました。仏教の中では龍王として、仏教を保護する神とされています。中国においては龍として描かれることが多いようです。

ドイステープの四角に立つ柱(チェンマイ)

 仏塔を取り囲むブロックの四隅に立つ柱も見事です。

チェンマイのドイステープ

 その柱の下では、象が土台を支えています。


 回廊の外にまた出てみました。冒頭書きましたとおり、ドイ・ステープは標高約1700mの山上にありますから、晴れた日には、チェンマイ一帯を見渡すことができます。
 展望台の周りには沢山の人がいましたが、残念ながらこの日は靄がかかって素晴らしい眺めを堪能することはできませんでした。

ドイステープの鐘(チェンマイ)

 回廊の外には、鐘が並んでいます。
 壁の色などを見ると、日本の仏教寺院とは全く異なる雰囲気や色づかいですよね。むしろキリスト教の教会のような雰囲気です。


 回廊の外は、特に展望台近くにおいてはタイの人々の安らぎの場となっています。
 家族連れ、若者同士、あるいは、老夫婦など、それぞれがリラックスして過ごしています。私もドイ・ステープ見学後、このあたりでしばし佇んでこの霊山ドイステープ参拝の余韻に浸りながら、幸せそうなタイ人ウォッチングを楽しみました。

ドイステープの鐘(チェンマイ)

 霊山ドイステープを去る前に、大きな鐘を見つけたので、最後のお祈りも兼ねて、一度たたいておきました。
 ここまでお参りをすれば、今年の私はきっと幸せな1年を過ごせることができるでしょう。(おかげさまで、以前のチェンマイ旅行でドイステープに参拝した年はいつも大変充実した1年になりました。ドイ・ステープのご利益だと思っています。)


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