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アジアグルメ図鑑(香港)-広州酒家で飲茶


アジアグルメ図鑑(香港)

 
 広州酒家は、「食在広州」と言われる中で、広州の美食家を常に満足させてきたということで有名な店で、言わば、広州のレストランの横綱とでも言うべき存在です。1937年に開店した店で、既に70年を超える歴史があります。この建物全体が広州酒家となっています。日本からの観光客も多いと見えて、「食は広州にあり」などという日本語表記があるのは驚きです。

 広州酒家は、蓮香楼陶陶居がある広州の西関地区の東端にあります。 

 
  前回、この広州酒家に来たときは昼飯時で、飲茶をしに来たのですが、とにかく地元の人で混雑していて一時間待っても入れないほどでした。昼時がそんなに混雑するのであれば、飲茶をするなら朝一を狙うしかないということで、今回は朝の開店にあわせて、広州酒家に行くことにしました。
 写真は、朝7時30分の開店直前の風景です。思っていたよりお客さんが少なくてほっとしました。開店と同時にお客さんは店の中になだれ込み、階段を駆け上がって席を確保するのが広州流です。私はゆっくりと歩いて席に向かいます。この店は広いですから、十分に席は空いています。


 席は確保できました。しかも小さな4人席のテーブルです。この席なら、一人でゆっくりと飲茶できるかもしれません。しかし、ここは潮州スタイルの飲茶です茶盤の上に、各種の茶器が載っています。工夫茶のようにお茶を淹れなければなりません。でも、淹れ方が分かりません。
 と、その時、一人のお客さんがフラッと私のテーブルに座りました。相席していいですか、とか何も聞かずにフラッと座りました。品の良い60歳前くらいの紳士です。お蔭様で見よう見まねでお茶を淹れていたわけですが、そこで、その紳士が言いました。
「お茶の淹れ方を教えてあげましょうか?」普通語(北京語)で話しかけてきました。

 普通語なら、私も少し話せるので、実は、自分が日本人であること、一人旅で来ていること、広州酒家での飲茶は初めてであること、潮州スタイルのお茶の淹れ方が分からないこと、等を説明し、淹れ方を教えてくださいとお願いしてみました。
 さすがは、中国人の紳士です。まず、日本人だということに驚いて興味を示していましたが、順序だてて丁寧に教えてくれました。
 ①まず、洗杯する。
 ②茶葉を茶壷(小さな急須)に入れる。
 ③茶海の上に網を載せて、茶壷からできたお茶を注ぐ。
 ④皿の上に茶杯用の受け皿を載せ、その上に茶杯を載せたうえで、茶海からお茶を注ぐ。
というようなことを言っていたのだろうと思いますが、もう、1ヶ月以上前のことですから、ちょっと記憶が遠ざかっています。いずれにせよ、その中国紳士は、私に淹れ方を教えながら、「茶海(茶杯にお茶を注ぐ小さなピッチャーのようなもの)に一回お茶を入れる理由は何故だと思いますか」とか「網は使用しないときはどこに置くべきだと思いますか」とか、いろいろ質問してきます。
 一つ目の茶海については、「もし、茶壷から直接お茶を茶杯に入れると、濃さにバラツキが出る。濃さを一定に保つために茶杯が必要なんです」などと説明してくれます。二つ目の網については、「茶壷の上にかけて、蓋をするようにして置くのがマナーです」と教えてくれます。
 そして、完成したテーブルの上を見ると、上の写真のような感じです。何となく、それらしくなりました。
 なお、広州酒家では、やかんは各テーブルの上にあって、お湯がなくなれば自分でポットから入れに行きます。


 そうこうしているうちに、お茶の準備ができて暫くすると、お店の小姐(おねえさん)がオーダー用のシートを配りに来ました。ここの飲茶はオーダーシート式です。種類は沢山あります。
 その間も、中国紳士からの質問は途切れることがありません。一人客の日本人なんていうのは、よっぽど珍しいのでしょう。こちらは、普通語の勉強にもなるし、いろいろと話が続きます。話が終わらないので、注文できません。その中国紳士は、ほぼ毎日のように出勤時間前に広州酒家に来て、お茶を飲みながら新聞を読むのが習慣であるとのこと。私がしきりにオーダーシートに目をやるので気づいたらしく、自分は点心を帰り際に注文するだけなので、どうぞ先に注文してくださいとのこと。
 まずは、娥姐粉果です。娥姐粉果についての詳しい説明は、広州蓮香楼のところに書いてありますから、そちらをご覧ください。広州に来たら、やっぱりこの娥姐粉果を食べないといけません。広州酒家の娥姐粉果は絶品です。写真で見てもお分かりのように、具は色々入っています。どんなものが入っているか、ぜひ、想像してみてください。

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 これは、蜜汁又焼腸。チャーシュー入り腸粉です。「粉」という字が入ると米から作られたことを意味します。そして、「腸」というのは豚の腸に似ているからつけられたといいます。とすると、腸粉というのは、米からできた豚の腸みたいな意味合いなのでしょうね。
 この又焼腸粉は、醤油だれで味は濃い目ですが、腸粉がつるっとした感覚でとても滑らかなせいか、全体としては、さっぱりした味付けで旨いです。娥姐粉果に続き、合格です。


 そして、広州干蒸売というのを注文したら、エビのせ焼売みたいなものでした。これについては、日本の焼売に比較すると、比較するのが憚られるほど旨いのですが、広州の他の店に比べると、ちょっと皮が硬くなってしまっているのが残念なところです。決してまずいと言っているわけではなく、むしろ、美味しいと言いたいのですが、他の二品に比べると、ちょっと点数が厳しくなるというところです。

「アジアグルメ図鑑」では中国茶の販売を開始しました

 中国茶には、質も値段もピンからキリまであります。今回販売を開始した中国茶は、ご家庭で家族や友人たちと気軽に飲めるお値段ながらも、おいしい中国茶ばかりです。特に、日本中国茶普及協会の役員をしている中央茶葉公司の各種中国茶を多く取り扱っています。なお、聘珍樓の点心などもありますので、飲茶もお楽しみいただけます。
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 で、私が食い気に走っている間に、同席の中国紳士は新聞に夢中です。上の写真で右に写っている新聞が彼が読んでいる新聞です。これぞ、飲茶屋さんという感じですね。
 広州に来ると、お茶の文化を強く感じます。ある意味、香港以上に茶の文化が根付いている気がします。この店に来たり、中国最大のお茶の市場である芳村茶葉市場に行ったりすると、ますます、そうした印象が強くなります。


 よそのテーブルを見ると、殆ど一人で来ている人ばかりで、相席は当たり前。ただ、それぞれが自分の世界に入っているという感じです。私は3階の席でしたが、ここは常連さんが多いらしく、それぞれが顔を合わせると一言、二言、何か話しています。でも、部外者の私も、あまり違和感なく過ごせました。
 同席の中国紳士に感謝しなければなりません。

 そして、4人席の私たちのテーブルに、もう一人お客さんが来ました。この人も常連のお客さんのようで、先客の中国紳士と時々話を交わしていますが、基本的には、新聞を読みながらお茶を飲んでいます。
 私のほうは、そろそろ焼売も食べ終わりそうで、おなかが一杯になってきました。


 広州酒家の中です。建物の外から見るより、ずっとモダンな内装です。
 上の写真は、三階から二階と一階を見たところです。あまりにモダンで、中華料理屋ではないみたいですね。でも、この広州酒家は、味は抜群、雰囲気は格式高く、値段は意外に安いです。気に入りました。また、飲茶したいですね。
 また、ここの看板料理である文昌鶏も、また、食べてみたいですね。さすがは、「食在広州」をリードしてきただけのことはある名店です。


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 中華美味紀行という題名の本ですが、内容の殆どがいわゆる小吃(点心や麺類などの軽食)をテーマにしたエッセイです。最近読んだなかでは、一番面白かった本です。
 作者の南條竹則さんは、高級料理店の料理は日によって味にバラツキが出ることがあるけれども、小吃の味は安定していて旨い店は旨いのだということを書いていますが、これは私と全く同意見です。
 あるときは「小林秀雄の蟹まんじゅう」を求めて揚州の小路に入り込み、あるときは杭州の高級料理店で満漢全席の至福に身を委ねる。中国の千変万化の食文化の魅力にとりつかれた作者の思いが全編にみなぎる力作エッセイです。

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