アジアグルメ図鑑(香港)-香港の飲茶、広州の飲茶   

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香港の飲茶屋、上環の蓮香楼

 香港島上環にある飲茶で有名な蓮香楼の入口。

 飲茶ができる店の隣りには新聞や雑誌などを売っている売店が有ることが多い。そこで、新聞などを買って飲茶をしながらのんびりと読む。香港人にとって飲茶をするのは日本人が喫茶店に入るようなもの。まさに「お茶」を飲みに行く感覚だ。お茶を飲みながら新聞を読んだり、友人と話をしたりしながら、いくつか点心をつまむ。
 これが飲茶なのです。
 ご飯を食べに行くのではなく、お茶を飲みに行くところ。ついでに、点心をつまむというのが本来の飲茶です。だから、次々とお皿の料理を平らげる必要なんてないし、思い出したように点心などをつまめばいいんです。


香港の飲茶屋、上環の蓮香楼

 同じく上環の蓮香楼の朝の風景。

 混んでいるので相席は当たり前。でも、知らないもの同士、話が弾む。どんなに周りがうるさくても、知らん振りして新聞を読み続ける人もいます。時々回ってくるワゴンを止めて注文する人もいるが、ひたすら食い続ける人はいません。

 飲茶なのです。お茶を飲みにくるのです。

香港上環の寶湖金宴

 飲茶のセット。上環の寶湖金宴のものです。上環の寶湖金宴なかなかレベルの高い飲茶を出してくれていますので、最近はよく行っています。
 さて、お皿の上には、直接食べ物を乗せないのが香港流です。常に、お皿の上にお碗を置き、食べ物はお碗に入れてから食べます。お椀をお皿から外して、お皿の上に直接食べ物を乗せているのはせいぜい外国人くらいです。ここは、郷に入れば郷に従えで、香港流に食べましょう。
 旅行のガイドブックなどを見ると、「このセットが来たら、まずお湯をお碗に入れ、箸を洗って……」というくだりがありますが、今は街中ではこのような事をしている人は殆どいません。これは作法ではなく、単に衛生上の問題からやっていたことなのです。香港の衛生状態は、もう立派に向上しています。
 私は、アジアの屋台でかなり衛生的にヤバそうな場合には、ビールやティッシュ等で綺麗にしています。私は決して無神経な人間ではないので、……。念のため。


香港中環の陸羽茶室

 こちらは、中環は陸羽茶室の飲茶のセット。さすがに洒落ていますね。陸羽茶室は、いつも入口をインド人が開け閉めしてくれることからして、高級感が漂っていますが、食器も高級感が漂います。
 さて、飲茶をしにお店に入って最初に聞かれることは「人数」ですが、その次には「お茶の種類」を聞かれます。私は多くの場合、普?茶を注文します。日本では、「ぷーあー茶」と呼ばれていますが、これは北京語読みです。香港では「ぽーれー茶」といいます。摂取した脂を分解して流してくれるという普?茶の効能については、日本でも良く知られるようになって来ました。私も最初はその効能を考えてダイエット対策として普?茶を飲んでいたのですが、今は、中華料理を食べながら飲むお茶として最も合うのが普?茶だという味覚になってきています。まあ、一種の慣れなんだろうと思います。要は、好きなお茶を飲みながら点心をつまめば、それが飲茶になります。

 初めて香港に来た頃は、飲茶をしながらビールを飲んで、時には紹興酒まで飲みながら点心をつまんでいましたが、こんな食べ方は自らをメタボの道に誘導しているようなものです。やはり、朝や昼の飲茶には、お茶が一番です。但し私も、夜の宴会などでは、中華料理を食べながら酒を飲みますよ。

香港中環、陸羽茶室の焼売

 飲茶に行くと食べたいものが多くて、本当に目移りしてしまいます。
 飲茶するときには、できるだけ大人数で行って、それぞれの点心を一口ずつ食べるというのが、私のおすすめ。
 餃子の種類は色々あって、写真上は陸羽茶室の蟹子のせ焼売。焼売は店によっていろいろな種類があります。私は、点心では蒸し物が好きなので焼売は必ず注文しています。私にとっては美味しい焼売を食べさせてくれる店が美味しい飲茶屋さんです。
 焼売を食べるからといって、焼売だからといって、間違っても、醤油とか辛子とかを欲しがらないでください。あくまでも、店が醤油を持ってくれば醤油をつけて食べる。売り子さんが醤油を入れたら、醤油をつけて食べるのです。それが、この店がおすすめする食べ方ですから、それに従うのが美味しさを味わうコツでしょう。しかも、陸羽茶室のようなプライドの高い店では、店のおすすめに従わないと、不機嫌な顔をされてしまいます。フレンドリーでも、店の格調にはこだわりがあるのです。

 
広州の飲茶屋、陶陶居の焼売
 
 これは、広州の陶陶居の蟹焼売です。広州の飲茶はレベルが高くて、私も最近はまってきています。とにかく美味しい飲茶の店が多いと思います。それは恐らく飲茶の文化が広州には根強く残っているからではないかと思います。
 香港で飲茶というと、「早茶(午前中)と「午市」(昼飯時)が飲茶の時間で、その時間には飲茶を出している店でも、夕食時になると飲茶メニューがなくなるというのが一般的です。
 でも、この広州は違います。お店を大別すると、「点心を中心としたメニューでお茶を飲む店」と「料理を中心に提供する店」とに分けられます。その中の「点心を中心としたメニューでお茶を飲む店」に行くと、一日中、飲茶が楽しめるのです。すなわち、
  早茶………午前中
  午市………昼飯時
  下午茶……ランチタイム後午後5時くらいまで
  晩市………夕食時
  夜茶………夕食時間後深夜まで
といった具合です。

 ここ陶陶居も、一日中飲茶が楽しめます。夜は11時半まで飲茶ができます。

広州酒家の飲茶、エビ焼売
 
 今度は広州の老舗、広州酒家のエビ焼売です。旨そうですね。実際に旨いんです。「食は広州に在り」なんて言われますけど、確かに広州の料理は旨いんです。90年代ごろは、広州の調理人が香港に引き抜かれてしまって、広州の広東料理店の水準が落ちてきているなどということを聞いていましたが、その頃の広州での食事というのは、自分でもそんなに旨かったという記憶はありません。最近、よく広州に行って飲茶をすると、値段は香港の半分程度なのに、味は香港と変わらないか香港より旨いくらいです。広州の飲茶はおすすめです。

 
広州の飲茶屋、蓮香楼の娥姐蒸粉果
 
 蒸し物で私が好きなものに粉果があります。これは、同じく広州の蓮香楼の娥姐蒸粉果です。香菜やマンゴー、バナナ、しいたけや豚肉などがくるまれています。
 粉果というのは、米の粉で作る餃子で、蒸して出てくる場合は特に中身が透けていて見るからに美味しそうです。「娥姐」とは、蓮香楼の小姐(ウェイトレス)の話によれば、昔、この粉果を生み出した女性の名前で、その女性はしかも若くて美しかったので、大変な人気だったようです。彼女はガラス張りの厨房でこの娥姐粉果を作り続けていたといわれています。そんな伝説的な点心が、この娥姐粉果です。確かに、旨いです。大満足!!

広州の飲茶屋、泮渓酒家の焼売
 
 広州の飲茶屋さんの紹介が続いているなかですから、もう一軒、広州で大人気の美味しい飲茶の店を紹介しましょう。広州の老舗広州料理店、泮渓酒家です。60年を超える歴史を有するこの店最大の人気ポイントは、動物点心をはじめとした像型点心です。味覚だけではなく、視覚にも訴える点心です。実は、以前、昼飯時に行ったときは、1時間以上待つことになりそうですと言われて諦めたこともあります。

 この泮渓酒家には、昼に来ると、像型点心だけのコースがあったりするようですが、朝は限られたメニューしかありません。しかも、一般の点心と同じようにメニューに品名が記載されているだけですので、どれが像型点心なのかもよく分かりません。
 メニューを見て、これは恐らく動物点心だと分かったのがこれ、緑茵白兎餃。白いウサギの餃子と書いてありますからすぐ分かります。緑の茵(しとね)は、何と香菜でした。白いウサギの方を食べてみると、中にはエビが入っていました。
 何と、蝦餃(ハウガウ=エビ餃子)の皮をウサギ風にしたものだったのです。しかも、ハウガウの味はさすがに超一流のものです。プリプリしたエビの感触が素晴らしいです。しかも、形が可愛らしいウサギです。人気が出るのも分かります。

香港ZENでの飲茶、蝦餃(ハウガウ)
 
 蒸し料理の点心で忘れてはならないのが、蝦餃(ハウガウ=エビ入り蒸し餃子)です。上の泮渓酒家の動物点心に負けない香港の誇る蝦餃(ハウガウ)を紹介しましょう。
 これは香港に来たからには絶対に食べなければなりません点心です。写真は、地下鉄金鐘駅そばの太古廣場(PACIFIC PLACE)にある采蝶軒(ZEN)の蝦餃(ハウガウ)です。プリプリしたエビの食感は、香港ならではです。餃子の皮も透明感があって綺麗です。


香港ZENでの飲茶、小龍包

 蒸し料理の点心で人気のあるものの一つに小龍包があります。写真は、太古廣場(PACIFIC PLACE)にある采蝶軒(ZEN)の小龍包です。
 小龍包はもともと上海や蘇州など中国江南地方の点心で、一般的に言えば、概して香港・広州の小龍包は中国江南地方の小龍包とはちょっと味が違います。そもそも小龍包は、同じ中国江南地方でも上海と無錫でも随分と異なりますので、
香港の小龍包の味が違うからといって、驚きはありません。ただ、せっかく香港に来たのですから、小龍包よりも焼売や蝦餃(ハウガウ)などの点心をおすすめしたいと思います。


香港湾仔の飲茶屋、龍門大酒楼の山竹牛肉球
 
 もう一つ、私がよく食べる蒸し料理点心に、山竹牛肉球があります。上の写真は、湾仔のトラム駅前、龍門大酒楼の山竹牛肉球です。山竹牛肉球は、基本的には焼売の一種と考えて良いと思います。「牛肉焼売」マイナス「焼売の皮」だと思えばいいですね。中国では、牛肉というのは高級品でもなければ旨い食材でもありません。安物の肉(牛肉のこと)を使った焼売なので、焼売の皮もないと思えばいいのです。
 じゃ、これは旨くないのか、というと、結構私は好きなんですよ。サクサクした感じもいいですし、生姜の利いた味付けも好きなんですね。


 こんな写真を見ていたら、日本でも飲茶したくなっちゃいますね。
 このホームページの管理人の店、e-asianmarket.comでは、自宅でも食べられる点心やいろいろな中国茶を取り扱っています。興味があったら、立ち寄ってください。



香港の飲茶、鮮蝦腐皮巻

 揚げた点心も少し紹介しましょう。
 香港でよく食べる点心に湯葉巻きがあります。写真は、上環にある順徳料理の店、鳳城酒家は順徳料理の鮮蝦腐皮巻(エビの湯葉巻き揚げ)です。
 湯葉巻きのサクサクに揚がった食感とエビのプリプリ感が何とも言えない味で、本当に癖になってしまいます。この店の鮮蝦腐皮巻は、ご覧のとおり醤油が出てきていますので、醤油をつけて食べます。

広州の飲茶、什果蝦網筒

 上の写真は、広州の蓮香楼の什果蝦網筒です。「果物とエビの筒型サクサク揚げ」とでも訳したらよいのでしょうか。エビのすり身とマンゴーを包んで揚げたものです。サクサク感とマンゴーの甘さが印象的です。美味しいです。見た目以上にサクサクしてますよ。

 こういった揚げた点心は少し脂っこいので、一人で一皿も食べると、少し飽きが来てしまいます。揚げた点心については、二人で一皿くらいの分量で注文するのが私流の注文方法です。それから、普洱茶をしっかり飲んで脂を流してもらうことも忘れずに。
広州酒家の腸粉
 
 折角久しぶりに行く香港であれば、いろいろな種類の点心を食べてご飯や麺類は頼まないのが普通ですが、少しお腹にたまるものも紹介しましょう。そもそも焼売や餃子もお腹にたまっていくので、私の場合は、チャーシュー饅頭みたいな饅頭ものや腸粉を食べることが多いです。また、朝であれば皮蚤痩肉粥(ピータンと豚肉入りの粥)を注文して、2~3人で分けて食べることもあります。
 上の写真は広州にある広州酒家の蜜汁又焼腸粉。チャーシュー入り腸粉です。腸粉の語源ですが、「粉」という字が入ると米から作られたことを意味します。そして、「腸」というのは豚の腸に似ているからつけられたといいます。とすると、腸粉というのは、米からできた豚の腸みたいな意味合いなのでしょうね。
 この又焼腸粉は、醤油だれで味は濃い目ですが、腸粉がつるっとした感覚でとても滑らかなせいか、全体としては、さっぱりした味付けで旨いです。

飲茶デザートの定番、マンゴープリン

 
お腹一杯になっても、デザートは欲しいですね。よく食べるデザートは、やっぱりマンゴーブリンでしょうか。
 私は何度食べてもマンゴープリンに飽きません。
 日本では、残念ながらおいしいマンゴープリンになかなか出会えません。誰かおいしいマンゴープリンを食べさせる店を日本で知りませんか?
 マンゴープリンがない場合でも、やっばり何かデザートを食べたいですね。さっぱりしたデザートを食べたい時は、西米露(サイマイロ=タピオカ入りココナツミルク)などがおすすめです。


飲茶デザートの定番、カスタードタルト

 またまた、広州の蓮香楼です。この店の小姐(ウェイトレス)に聞いたおすすめのデザートがこれ、カスタードタルト(蛋達)です。これも旨いですね。甘すぎず、といってもキリリとしまった味です。日本の有名ケーキ屋さん顔負けです。
 カスタードタルトは、意外に点心に合います。というか、普洱茶(ポーレー茶、プーアー茶)に合うのでしょう。私もこの日以来、飲茶の締めくくりにお勧めしています



 古い写真で恐縮ですが、香港島中環のCITY HALLにある飲茶屋さん。
 チェーン店の美心の経営です。大会堂酒楼といいます。オーダーとワゴンの併用という店はいくつか残っていますが、中環では他にワゴン式の飲茶のできる店がなくなったと思います。オーダー式の飲茶の店はいくつもありますけど、オーダー式の飲茶屋さんでは、どうしても香港の飲茶の雰囲気に浸れないという方は、ぜひ、こちらをお使いください。
 飲茶の売り子は自分が売っているものを大声で呼びながら歩いています。英語は通用しないと思ってください。
 この店(CITY HALL)ではワゴンの前に品名が出ていますから、これを見ると大体想像がつきますが、何を売っているかわからない場合は、「ムゴイ」とか言いながら、セイロのふたを開けて中を見せてもらいましょう。というか、そうしないと、いつになっても食べられないことになるんです。


広州酒家の伝統的な飲茶スタイル

 飲茶の楽しさは、香港・広州の伝統文化に触れることです。飲茶は、食文化であり、生活文化でもあります。最後の写真は、広州にある広州酒家での朝の飲茶風景です。広州酒家では、潮州スタイルの飲茶です。茶盤の上に、各種の茶器が載っています。工夫茶のようにお茶を淹れて飲みます。まさにお茶を楽しむ文化がこの店では残っています。
 そんな雰囲気に浸りながら、上質の点心をつまんで美味しいお茶を飲む。心にも体にも健康的な食事になります。
 ぜひ、今度の香港旅行では、本格的な飲茶を体験してみてください。時間があったら、広州にも足を伸ばしてください。


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