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広州酒家で美味しい飲茶(2012年情報)

 湖南料理を食べに深圳に行こう

 深圳には沢山の湖南人が住んでいます


深圳湾に建つ華潤集団ビル

 香港に隣接する大都市深圳。人口約1800万人の大都市は、香港とは七つの国境で結ばれ、香港深圳間の往来は年々拡大しています。
 もともと1980年以前の深圳は人口数千人の漁村でしたが、その後、鄧小平の改革開放政策に乗って都市としての発展を続けています。深圳にはいまだに先端企業が集積し、人口拡大も続いています。深圳にいると、深圳出身者(親の時代から深圳に住んでいる人)は殆どいないことに気づきます。殆どが深圳以外の人で、その中では広東省と並んで湖南人が多いかなという気がします。それでも、比率で言ったら10%程度でしょう。。


近年の発展が著しい深圳・前海地区
 
 深圳にはそういうことで、中国全土から人が集まってきます。海外で食べる日式料理が日本の料理と全く異なっているのと同じで、中国内でも本場の料理は地元の人の調理にはかないません。そこで、各地域の調理人も深圳に来て店をオープンさせるのです。
 ですから深圳には、広東、上海、北京、四川、東北、西北(西南)、江西、湖北、河南、福建、新疆といった具合に、各地方の専門料理店があって、その数がまだまだ増殖中です。最も多いのは広東料理だと思いますが、次に多いのは恐らく湖南料理だと思います。中国では湘菜と言われています。


深圳湾のボーダーを深圳へと移動する香港人たち
 
 上の写真は香港と深圳を結ぶ国境の一つ、深圳湾ボーダーです。ウイークデイはビジネスや通学客で込み合うのですが、この写真は週末の昼前後の様子で、香港側から深圳に向かうところです。家族連れの人が多く、実はウイークデイよりも混み合うようになっているのです。
 この現象がなぜ起こるかというと、週末は香港人が主としてグルメ目的で深圳に行くことがブームになってきているからです。日本ではこのことはあまり知られていませんが、香港人の北上行動(深圳は香港の北にあるので深圳に行くことを「北上」という)は香港経済にもマイナス影響を与え始めているのです。


農耕記は深圳最大の湖南料理チェーン店

 深圳発祥の湖南料理レストランの農耕記。深圳市内に数十の店舗を有するだけでなく、中国各地に支店を出し、とうとう香港でも2-3店オープンさせました。私も試しに香港の農耕記で3回食べましたが、味的には全くダメです。同じチェーン店とは思えないほど料理の質が違います。農耕記でもそうなのですから。香港にある他の湖南料理店も本場の味とは異なるのです
 そんなこともあって、「香港人は美味しいご飯を食べに深圳を目指す」という週末現象が起こっているのです。これは湖南料理だけではなく、潮州料理、順徳料理、揚州料理や広東料理でさえも起こっている現象なのです。



  代表的な湖南料理(湘菜)

湖南料理の辣椒炒肉
辣椒炒肉は湖南の代表料理

 代表的な湖南料理を挙げていきましょう。まず、辣椒炒肉(唐辛子と豚肉炒め)です。湖南省産の辣椒(らーじゃお。唐辛子)を使っている店では、辛さが違います。上の写真は辣椒炒肉を全国で最も販売している店舗だと自称している費大厨の辣椒炒肉ですから、肉が多めです。一般的には肉はもう少し少な目です。となると、炒めた青唐辛子をキャベツか白菜みたいにムシャムシ食べる感じになります。そういうシンプルな、まさに青唐辛子の善し悪しが味の決め手になる料理です。
 日本ではこの料理を見たことがないです。そもそも日本では、中国では青唐辛子を使う青椒肉絲や回鍋肉でもピーマンで代用しています。もし、辣椒炒肉を日本で作ったら豚肉のピーマン炒めになってしまって、全く迫力がありません。辣椒炒肉は湖南のギンギンに辛い唐辛子を炒めて初めてその美味しさが分かる料理になるのです。

湖南料理の費大厨
中国で辣椒炒肉を最も食べさせている費大厨

 そうした意味で、辣椒炒肉はどこの湖南料理店でも食べられるものの、良い唐辛子を使っている店を選んだほうが良いということになります。日本から来られる方にお勧めできるのは農耕記と費大厨です。どちらも深圳に数十店舗を有する巨大チェーンですから、深圳で地図で検索して最寄りのお店に行けば良いと思います。
 どちらもカジュアルなレストランですけど、品数は農耕記の方が豊富かも知れません。でも、辣椒炒肉は費大厨の方が美味しいかな。どちらの店でも満足できると思います。

 湖南料理の小炒黄牛肉
小炒黄牛肉も大人気メニュー

 辣椒炒肉と双璧をなす人気メニューが小炒黄牛肉(牛肉の赤唐辛子炒め)です。何故かこの料理の場合は必ず赤唐辛子が使われています。辣椒炒肉とどちらが辛いかというとほぼ同じです。辛さというのは、私の経験では先ほども書いたように、料理の種類よりも店の善し悪しの方が影響が大きいと思います。
 先ほども書いたように、深圳市内にある農耕記と費大厨なら大丈夫でしょう。

 
湖南料理の剁椒魚頭(魚の頭の唐辛子蒸し)
魚料理では剁椒魚頭(ドゥオジャオユートウ)を注文したい
 
 魚料理では剁椒魚頭(魚の頭の唐辛子蒸し、ドゥオジャオユートウ)がおすすめです。湖南省は周囲を山で囲まれた地形ですが、洞庭湖という大きな湖や長江(揚子江)やその支流に魚が多く、そういった川魚料理が盛んな地域です。剁椒魚頭はそうした湖南省の中で、最も人気の高い魚料理です。

 湖南料理の剁椒魚頭(魚の頭の唐辛子蒸し)
赤唐辛子を無理して全部食べないこと
 
 赤唐辛子を魚と一緒に全部食べるようなことは湖南人でもしません。赤唐辛子は味付けですから、食べる時には赤唐辛子をよけながら食べ進むようにしましょう。私の場合は口の中に運ぶ時に、このくらいの唐辛子を一緒に食べますが、これ以上は乗せません。うちの社員の湖南人でも同じ感じです。

湖南料理の剁椒魚頭(魚の頭の唐辛子蒸し)
剁椒魚頭の鍋に麺類(米粉)を入れることも可能

 剁椒魚頭を食べるときに麺類(米粉)を入れることがあります。日本でも鍋にうどんを追加することがありますが、それと同じです。湖南人はそうした食べ方が好きなようです。
 私はそれでも良いのですが、湖南料理の時はむしろ湖南の素朴な饅頭の方が好きです、後で紹介します。

 湖南料理のレバニラ炒め
 
 日本人が大好きなレバニラ炒めに似たようなものは湖南料理にあります。爆炒猪肝と言います。これがレバニラ炒めの原型かも知れませんね。これはあまり良くない店で食べたもので、唐辛子が見るからに良くないですよね。唐辛子にはこのくらいはっきりとした差があって、それが味や料理の満足度に直結するのですよ。

 湖南料理の剁椒小芋頭(里芋の唐辛子蒸し)
 
 この料理は代表的な湖南料理ではないですが、私が最近気に入っている剁椒小芋頭(里芋の唐辛子蒸し)です。日本では煮物以外では里芋はあまり食べなかったのですが、こちらに来てからは剁椒小芋頭ですっかりお世話になっています。里芋の甘さと赤唐辛子の尖った辛さのコンビネーションが素晴らしいのです。他の料理が辛くて口の中を中和したくなった時は、唐辛子をすっかり払って食べたりもしています。



 湖南料理いろいろ

湖南料理の擂辣椒皮蛋(唐辛子とピータンのすりつぶし)
擂辣椒皮蛋(唐辛子とピータンのすりつぶし)
 
 湖南料理を食べに来て前菜として最もよく食べるのは擂辣椒皮蛋(唐辛子とピータンのすりつぶし)です。ちょっと良い店だと、写真のようにお店のスタッフがすりつぶしてくれます。

 湖南料理の擂辣椒皮蛋(唐辛子とピータンのすりつぶし)
擂辣椒皮蛋(唐辛子とピータンのすりつぶし)は辛いです
 
 お店の人がすりつぶしてくれない時でも自分ですりつぶすのは、ゴマをすりつぶすのと同じ要領ですから、日本人なら苦になりません。上の写真くらいすりつぶすと美味しく食べられるレベルですが、もう少しすりつぶして良いと思います。
 唐辛子は跡形もなくすりつぶされますが、当然のことながら辛いですから、油断されずに召し上がってください。
 
 
 湖南料理(湘菜)は深圳で食べる
  
 湖南料理は炒めた料理や蒸した料理が沢山あります。写真は豚肉と芋とネギだったかな、何だったか忘れましたが、そういった炒め物です。日本人なら中国語のメニューを見て半分くらい分かると思います。そうでもないかな。

  
湖南料理の青椒攸县香干
青椒攸县香干(唐辛子と干し豆腐炒め)

 青椒攸县香干(唐辛子と干し豆腐炒め)は伝統的な湖南料理の一つです。香干は干し豆腐の意味で、湖南料理の素材としてよく使われるので覚えておいた方が良いでしょう。攸县は湖南省の中の地名です。
 見た通り唐辛子で炒めているので辛いですが、湖南料理全体で見ると、比較的辛くない部類に入る料理だと思います。美味しいので、私もよく食べる料理です。

山菜と野菜炒め(湘菜)
 
 山菜と野菜炒めです。湖南省は山に囲まれているので山菜が豊富です。日本では食べたことがないような山菜も沢山あります。私の経験では、それほど食べづらい山菜には当たったことがありません。美味しく食べられると思います。

湖南料理の萍郷小炒肉(萍郷地方の肉炒め)
 
 萍郷小炒肉(萍郷地方の肉炒め)です。これは湖南省萍郷市を発祥とする蒸し料理です。萍郷市は湖南省南部にあって、湖南蒸菜の発祥と言われる邵陽市に近いことから、その影響を受け炒めた後に蒸して独特な小炒肉を発展させてきたのだと思います。脂っこくないので私はこれをよく食べています。
 これをメニューに入れている店はそれほど多くはありません。私は自宅や会社にいるときなどに宅配で注文することが多いです。



辛くない湖南料理も紹介します

湖南料理の野菜
辛くない料理の筆頭は野菜

 湖南料理だからと言ってすべてのメニューが辛いわけではありません。辛くない料理ということで注文する料理の筆頭は野菜です。白菜や瓜は年間を通じてありますので、これらを単純に茹でたり、ニンニクで味付けしたりしたものを注文します。メニューにも単に野菜と書いてあって、そのうえで今日は何がおすすめかと聞いて注文することもあります。
 最近はスマホ注文が増えたので、その場合は野菜の種類も選択します。

湖南料理の茄子
茄子も茹でたりニンニク味で蒸したりします

 ナイフとフォークで切ったところです。コリコリした食感、アワビの甘みとチーズの香りが意外にマッチします。ウーン、と唸ってしまいます。潮州料理の味付けというよりもフランス料理を食べているかのようです。中華料理の香りが全くしません。香港で海鮮料理を食べても、やはりこの料理のように西洋料理のような味付けをすることがよくありますので、別に驚くほどではないのでしょうが、この料理を食べたのは深?です。深?の料理水準もこのレベルまで上がってきたかと思うと、嬉しくなってしまうのです。
  大連産の鮑もいいですし、味付けも最高です。とにかく美味しいです。

湖南料理のカボチャ蒸し
カボチャ蒸しはよく食べられています
 
 湖南省はコメの生産も多いですし、野菜も唐辛子だけだなく様々な野菜の産地になっています。カボチャの産地としても有名で、さきほどちょっと触れた湖南蒸菜の店では必ずと言って良いほど置いてあるメニューです。
 当たり前ですが、日本で食べるカボチャの味と変わらないですし、ということは大変甘くて美味しいので、私もよく食べています。

 湖南の卵料理(蛋角、蛋餃)

 辛くない料理ということでは、各種の卵料理もあります。写真にあるような料理は蛋角なり蛋餃と言われます。小さな玉子焼きが餃子の形に近いと蛋餃となって、上の写真のような形だと蛋角になります。
 他には、辣椒鶏蛋(唐辛子と卵炒め)とか韮黄炒鶏蛋(にら玉)などもあって、それらは日本語から想像される料理に近いので写真を省略します。因みに辣椒鶏蛋(唐辛子と卵炒め)は日本の子供でも食べられるくらい殆ど辛くないのが一般的です。

湖南の饅頭

 先ほども書いた通り、湖南省はコメの産地です。ですから湖南料理を食べる時は普通は米を食べます。どのレストランでもご飯は5-6合入るお櫃や炊飯器で出てきて食べ放題です。
 でも、饅頭も豊富で美味しいのです。ですから、湖南人と食事をすると時々饅頭を注文して食べることがあります。上の写真も湖南省の饅頭の一種です。

湖南の饅頭でランチ
 
 この写真はある日の私のランチです。先ほど言った湖南蒸菜の店でのランチです。湖南蒸菜の店というのはカフェテリア方式の店になっていて、写真にあるような料理を好きなだけ取ってレジで精算する仕組みです。この日のおかずは鍋とカボチャ。ご蘩楼を取らずに代わりに饅頭を取っています。これ、結構大きな饅頭です。このように、湖南には饅頭文化もあるのです。

 深圳で食べた酸菜魚(湖南料理)

 酸菜魚です。これは純粋な湖南料理ではないですが、辛い料理なので湖南料理店でもメニューに入れている店が増えてきました。四川などの酸菜魚と味は同じです。

 
 深圳で食べた酸菜魚(湖南料理)

 酸菜魚ではこうやって魚の頭がちゃんと入っている店が良い店だと思います。
 酸菜魚はご飯が進みます。これを注文してしまうと私の場合はご飯を食べすぎてしまう危険にさらされます。皆さんもご注意ください。

 
 湖南省の黒い臭豆腐
湖南省の黒い臭豆腐

 臭豆腐です。ご存じの方も多いと思いますが、湖南の臭豆腐は豆腐の色が黒く、かなり臭いです。匂いは違いますが、日本のクサヤと同じくらい臭いです。臭豆腐は一般的には屋台料理だとされていて、レストランメニューには入っていないことが多いです。
 私はこの臭さにもこの辛さにも病みつきになっているので、レストランでメニューに入っている時は思わず注文してしまいます。おすすめ店の一つ、農耕記の一部の店では臭豆腐もメニューに入っています。

 

 最後に少しだけ、西湖南省の料理の特徴に触れておきます。
 西湖南省の料理も湘菜という呼び方は変わりませんし、湖南省以外の出身者は殆ど気にしていないかも知れませんが、少し違うメニューを揃えています。
 上の写真は 豚バラ肉の唐辛子蒸しです。これは思いっきり脂っこいですけど美味しいですね。いろいろな湖南料理店で探してもなかったので、湖南人の食通に聞いてみたら、西湖南の料理なので湘西菜とはっきり書いている店を探せば、そこにはあるはずだと教えてくれました。実際にその通りでした。

 

 その時に合わせて注文した料理ですが、何だったか忘れてしまいました。湘西料理店に行く機会はそれほど多くないので、まだ確認ができていないのです。湘西料理は見た目通り、強烈な辛さは感じないです。

 
 湖南省の腐乳は臭くて辛いご飯の供
湖南省の腐乳は臭くて辛いご飯の供

 上の写真は腐乳と言います。湖南省、特に西部でご飯のおかずとして食べられている臭くて辛い食品です。これは湘西料理店だとほぼ置いてありますが、普通の湖南料理店では置いてないことが多いです。チーズを思いっきり腐らせて辛くした感じです。中国版の「ご飯がすすむ君」だと思ってください。



臭豆腐と湖南の麺

<深圳にある人気の臭豆腐店
深圳にある人気の臭豆腐店

 番外編です。
 まず、先ほど紹介した臭豆腐、普通は上の写真にあるような路上店舗または屋台で買って、路上で食べるのが一般的です。何故ならば臭いから室内で食べないのです。混みだすのは夜です。24時くらいまで営業している店が沢山あります。香港だと臭豆腐店はそれほど多くないですが、深圳には多いですよ。

深圳の屋台で買った臭豆腐
屋台で買った臭豆腐

 屋台で買った臭豆腐です。買う時は器の大きさを言って、辛くするかしないかを指定するだけです。これで小サイズです。一人で食べると結構食べ甲斐があります。臭豆腐は夕食後ぶらぶらして少しお腹を減らしてから食べるイメージですね。

湖南省のスープなし混ぜうどん(拌粉 )
湖南省のスープなし混ぜうどん(拌粉 )
 
 最後に、湖南省の麺(ラーメンとうどん)事情です。
 中国で麺(面と書きます)は日本で言う中華麺を指していて、うどんを粉と言います。うどんは麺類に入りません。そういう整理をしたうえでお話しすると、湖南省では免職の機会はかなり少なくて、粉がメインです。
 粉を食べる時は、スープに入れて食べる湯粉とスープなしの混ぜうどん(拌粉 )とに分けられます。上の写真はスープなしの拌粉です。具はいろいろな湖南料理を乗せられますが、私はだいたいいつもこれです。辛くて美味いのです。

湖南省のスープなし混ぜうどん(拌粉 )
湖南省のスープなし混ぜうどん(拌粉 )

 今度の写真もスープなしの混ぜうどん(拌粉 )ですが麺の形状が違います。一つ目の写真は円状の粉で、二つ目の写真は幅広の粉です。店によっては注文時にこの形状も指定する必要があります。

湖南省のスープ入りうどん(湯粉) 
湖南省のスープ入りうどん(湯粉)

 これはスープに入れて食べる湯粉です。私はどちらが好きということはないのですが、深圳は暑いのでスープなしの拌粉を食べることが多いです。周りの中国人を見ていても同じような感じです。
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