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アジアグルメ図鑑-北京ダックの全聚徳(王府井店)


(アジアグルメ図鑑)


 久しぶり、十数年ぶりに北京に来ました。北京に来たら、一度は北京ダックを食わないといけません。北京ダックといえば、何と言っても、便宜坊と全聚徳が有名です。歴史としては、便宜坊が1855年に、また、全聚徳が1864年に創業ということですから、便宜坊が若干歴史が長いとは言え、いずれもまさに老舗の北京ダック店です。
 今回、私が選択したのは全聚徳。全聚徳は北京市内に沢山の店を持っていますが、その中でも最大級の店、王府井店で北京ダックを食べてみることにしました。予約せずに6時前くらいに来ましたが、意外にも待たずに店内に入れました。


 全聚徳王府井店の店内です。北京ダックが焼けると、こんな風に調理人がお客さんの前に来て、皮の部分を切ってくれます。
 さて、北京ダックは中国語では北京烤鴨と書きます。この「烤」という字は、日本では「あぶる」という意味です。中国の食文化は火を通す料理が多いので、同じ「焼く」でも色々な漢字が使われます。 
オーブンや直火であぶり焼く 強火で短時間で炒める
たっぷりの油で揚げる 高温の油等に通し、瞬間的に火を通す
炒めたり揚げたりした後、煮汁で味付けする 少量の油で表面を色づくくらいまで焼く
 中国で「烤」の字は「あぶり焼く」という意味で、バーベキューも烤肉といいます。
 北京ダックは表面をパリパリに、しかも、色艶よく焼き上げないと、お客さんから人気を得られません。通常、北京ダックは蒸し焼きにする店が多いと聞きますが、ここ全聚徳の北京ダックは、吊るし焼きといって、まさに直火であぶり焼きます。その際に、棗(なつめ)の木を使って香ばしく焼くことが、全聚徳独特の方法です。
 今日は、二人で食べに来たので1羽は食べられません。半羽の北京ダックを注文しました。


 北京ダックが来るまで、他のものをつまんでみましょう。
 まず、注文したのが、ダックの砂肝です。コリコリしていておいしいですね。ビールのつまみに最高です。北京ダックは皮を中心に食べますので、それ以外の部位は別の料理で注文することができます。メニューにも単品料理として色々出ていますし、王府井店ではダックづくしみたいなメニューもありますので、興味のある方はどうぞ。


 そしてサラダもダックの入ったものはないか探してみると、ダックの干し肉のサラダなるものがあって、それが上の写真です。ポテトサラダの中にダックの干し肉が入っているもので、味は大体想像していたとおりのものです。
 全聚徳に来て、ポテトサラダまがいのものを食べなくても、と思われるかもしれません。しかし、これが、北京ダックの箸休めとして、相性が良いのです。それ以上に、ダックの入ったサラダまで食ったぞという満足感も大きいですね。

 

 ダックに関係ない料理として私が注文したのは、王府泡菜、日本語で言えば、王府井漬物。どんなものか見たかったのと、北京ダックを食べるときは、少しサッパリ系の料理を多めに頼んでおくと食べやすいというのがありました。
 ところで、王府泡菜、キムチのように見えますが、キムチとは違う味付けで、チョイ辛のサッパリ目です。注文して正解でした。

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 さあ、いよいよ、北京ダックが出てくるのでしょうか?
 荷葉餅(北京ダックを包む皮)と、ねぎ・甜麺醤セットが来ました。因みに、荷葉餅は10枚で10元、ねぎ・甜麺醤セットは2元です。


 いよいよ、お待ちかねの北京ダック登場です。半羽なので見た目に迫力はないですが、料理人が近くまで来て、皮の辺りを切ってくれます。手さばきが鮮やかで、もっとシャッター速度を速くしないと手だけぶれてしまいますね。


 切り分けられた北京ダックです。まさに、パリパリに焼けていて、色ツヤも良く、また香りもいいですよ。旨そうです。
 久しぶりに来た北京ですので、北京ダックも10数年ぶりです。あまりに旨そうなので、感激です。


 一緒に食べに来た人も、北京ダックは超久し振りということなので、食べ方をレクチャーです。
 まず、荷葉餅(北京ダックを包む皮)に北京ダックとねぎを乗せます。大勢で来た時は別として、今回のように二人で来たときは、少しずつ乗せていると荷葉餅をまた注文しないといけなくなります。荷葉餅もお腹にたまりますので、その食べ方はあまりおすすめできません。少人数で来たときは、1枚の荷葉餅に少し多めに北京ダックとネギを挟んで食べると良いと思います。


 そして、甜麺醤を少しつけます。荷葉餅で包んだ後に甜麺醤をつける人がいますが、それは日本の餃子発想の食べ方です。正しくは、北京ダックに甜麺醤をつけ、それから荷葉餅で包みます。写真では、甜麺醤を少しつけすぎたかもしれません。


 そして、荷葉餅をこんな風に巻いて食べます。底も折り返して、食べている途中で具が落ちないようにします。ダックとかネギは箸で荷葉餅に乗せますが、荷葉餅は手で巻きます。ですから、これを食べるときも手づかみで食べます。
 旨いです。旨いです。最高です。


 ダックのスープです。注文するときに他のスープを頼もうとしたら、北京ダックを注文するとダックのスープが付いていますとの説明がありました。なかなか親切です。ですが、スープが出されるタイミングは、調理人が北京ダックを切りに来た後です。これは、北京ダックになったダックからスープを取りましたという演出なのでしょうか。でも、スープはもっと早く来たほうが良いと思います。
 で、お味ですが、「うーん、ちょっと脂っこいなあ」というのが率直な印象です。ここまで、全聚徳では美味しい料理ばかりだったのですが、こればかりは私の口にはちょっと合わないかなと言う感じです。慣れれば、美味しいのかもしれませんが。


管理人が最近読んだ本

中華美味紀行 (新潮新書)

 中華美味紀行という題名の本ですが、内容の殆どがいわゆる小吃(点心や麺類などの軽食)をテーマにしたエッセイです。最近読んだなかでは、一番面白かった本です。
 作者の南條竹則さんは、高級料理店の料理は日によって味にバラツキが出ることがあるけれども、小吃の味は安定していて旨い店は旨いのだということを書いていますが、これは私と全く同意見です。
 あるときは「小林秀雄の蟹まんじゅう」を求めて揚州の小路に入り込み、あるときは杭州の高級料理店で満漢全席の至福に身を委ねる。中国の千変万化の食文化の魅力にとりつかれた作者の思いが全編にみなぎる力作エッセイです。



 さすがに北京随一のレストラン、全聚徳です。大変満足できる食事です。実は、もう少し食べたい気持ちもあったのですが、北京の夜はわずか3日間。その間に、王府井の屋台街、東安門美食坊にも行きたいという気持ちが強く、この日は、王府井をぶらぶらして小腹を空かしてから屋台街へ行こうという計画があったのです。
 王府井の屋台街、東安門美食坊は、恐らくは200店舗くらいあるのでしょうか、かなりの数の屋台が集中しているエリアです。中国各地の小吃が、本当に安い価格で食べられます。王府井小吃街よりも、観光客ずれしていない分だけ、私は好きですね。サソリなんかも串焼きで売っています。


 結局、この日食べたのは、平凡に、北方の水餃子と四川の坦々麺です。四川の坦々麺は旨かったですね。上の写真のように、麺がポリ製のお碗に盛られていて、これに坦々麺のスープをかけて出来上がりです。これぞ、庶民の味、B級グルメの決定版ですね。
 実は、屋台で坦々麺が食いたいという気持ちが強くて、全聚徳では麺類や飯類を注文しなかったんです。何と言っても、全聚徳から東安門美食坊までは、歩いても5分くらいですからね。



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