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麻婆豆腐が旨い!四川料理の渝郷人家(北京)


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北京の渝郷人家、入口

 この長い「アジアグルメ図鑑」の歴史の中で、四川料理を採り上げるのは、驚いたことに、これが初めてなんです。
 中華料理のなかで私が特に好きなのは、広東料理や潮州料理のように、新鮮な魚介類の味を生かした料理です。私が以前香港に住んでいて、香港人からいつもそのように聞かされていたからなのかも知れません。また、もう一つ重要な要素として考えていることは、その地に行けばその地の地元料理が美味しいということです。だから、上海へ行けば上海料理が、杭州に行けば杭州料理が旨いのです。では、北京では何が旨いのでしょうか?もちろん、北京ダックをはじめとした北京料理、それに山東料理といったあたりでしょうか。
 実は、10数年前に5・6回北京に来ているのですが、私の遠い記憶として、その時食べた四川料理が旨かったという記憶があります。もともと辛い料理が好きなうえに、日本や香港ではなかなか本場の辛さの四川料理に出会えなかったこともあって、北京で数回食べた四川料理の辛さが忘れられなかったわけです。それで、今回の北京では、本場ではないのですけど、ぜひ四川料理を食べてみようということで心に決めていました。
 今回、選択した四川料理店は、チェーン店の渝郷人家です。王府井を歩いていて、ふと目に留まった店です。日本の「郷」の字が、写真のように簡体字では「へん」だけになりますので、気をつけてください。
北京の渝郷人家、魚香肉絲

 今日は、二人でこの店に来ています。一緒に来ているのは、日本風の甘い麻婆豆腐は好きだけど、一般的に辛い料理は苦手という人です。
 私がまず注文したのは、魚香肉絲です。四川料理で有名な料理にチンジャオロース(青椒肉絲)があります。魚香肉絲はこれに似た料理ですが、魚香という調味料を使って細切り肉を炒めたものです。魚香は見た目ほど辛さはありませんので、辛い料理が苦手な同行者も、気に入って随分と食べてくれました。私にとっても、この魚香肉絲は魚香の味付けが良くて旨かったです。ご飯にかけて食べたいところです。

北京の渝郷人家、バンバンジー

 次は定番料理のバンバンジー(棒棒鶏)です。
 冒頭に書いたように、私は中国では滅多に四川料理店に来ません。そこで、どうしても定番料理が食べてみたくなってしまうのです。でも、日本だともっと細切りの鶏肉が使われている店が多いと思うんですけど、中国の棒棒鶏は鶏肉があまり細くないんですね。
 見た目にもいい色してますね。見るからに辛そうです。食べてみると、ちょっと辛いですけど、旨いです。同行者はかなり苦労して食べていますが、私はパクパクと箸が進んでしまいます。

北京の渝郷人家、棒棒鶏

 上の写真では、ちょっとアップして旨そうな鶏肉をお見せしています。
 そもそも、中国やアジアの鶏肉は結構旨いと私は思っています。この渝郷人家の鶏肉も、柔らかくて噛めば噛むほど味が出てくるような旨い鶏肉です。これをバンバンジー(棒棒鶏)にしているわけですから、旨くないはずがありません。味付けは日本で食べる棒棒鶏とはちょっと違って、しっかりした辛味があります。後からじわじわと来る辛さです。

 
 

 
北京の渝郷人家、マンゴーと海老のサラダ

 辛い料理ばかりですと辛さに弱い同行者に気の毒なので、私が選んであげた料理が上の海老マンゴーサラダです。さすが四川料理の高級店です。こんなにかわいいサラダが運ばれてきました。同行者は十分に私の気遣いを感じてくれて、しかも辛い料理の箸休めにもなったようです。

北京の渝郷人家、麻婆豆腐

 さあ、いよいよ麻婆豆腐です。
 これ、旨いですね。最初のうち、辛さはそれほど感じなかったのですが、しっかりと後から辛さが追いかけてくる感じです。そのうち、額に汗がにじんできます。これ、快感です。花椒(四川料理で使われる胡椒)や八角の香りが本場の味を引き立てます。これぞ、求めていた味です。感激です。
 

 辛さを中和するために泡菜を注文しておきました。でも、ここの泡菜は、泡菜自体がしっかり辛くて中和できる状況にありません。辛さを中和できるのは、先ほど出てきた海老マンゴーサラダだけですね。
 この泡菜、結構旨くて、殆ど一人で食ってしまいました。

渝郷人家の麻婆豆腐は辛くて旨い

 そして、得意のパターンで、白飯を注文です。
 この渝郷人家は、それなりの高級店ですから、周りを見る限りご飯の上に麻婆豆腐をかけて食っているお客さんの姿は見えませんでしたが、この旨い麻婆豆腐があるのに、麻婆かけご飯にしないのはもったいないです。
 幸せです。満足です。汗を拭き吹き、しっかりと麻婆豆腐完食です。辛いものが苦手な同行者も、この味の深みを感じさせる麻婆豆腐が気に入ったのか、ご飯にかけてしっかりと食っています。どうやら、米飯が麻婆豆腐の辛さを中和させる最良の組み合わせだったようです。

 この渝郷人家は、雰囲気も良いですし、味も美味しいです。本場の四川料理に比べたら、辛さは手加減していますが、このレベルであれば、私としては及第点を差し上げたいですね。旨かったです。



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陳麻婆豆腐調料(麻婆豆腐の素) 50g×4p

 我が家で利用している麻婆豆腐の素です。麻婆豆腐の本場、中国四川省成都市で作られた麻婆豆腐の素です。さすがに本場の麻婆豆腐だけあって、日本製とは辛さのレベルが違います。ただ、花椒が別になっていますので辛さが調節できます。この1パックで、3~4人前を4回作ることが出来ます。
 辛い料理が苦手な家族もいる我が家では、出来上がった麻婆豆腐を二つの食器に分けて盛り付け、片方にだけ花椒を入れることで、激辛麻婆豆腐と中辛麻婆豆腐の二つの麻婆豆腐がテーブルに並びます。私としては、
絶対におすすめの麻婆豆腐の素です。これは食べたら、日本製の麻婆豆腐の素は使えません。
 私の場合は麻婆豆腐の香りをさらに強めるため、五香粉(ウーシャンフェン) を入れています。ここまでやると、もっと刺激的な麻婆豆腐になります。