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アジア写真帳(紹興)−魯迅故居の三味臭豆腐

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  紹興という街の名前を聞いで、日本人が思い起こすのは、第一に紹興酒、そして次に、この魯迅です。魯迅は、紹興で生まれ、16歳まで、この紹興で暮らしています。紹興はまさに魯迅の故郷なのです。
 この魯迅故居には、魯迅の生家や咸亨酒店〔魯迅の小説「孔乙己(こんいーちー)」の舞台となった居酒屋〕などがあり、紹興一の観光地となっています。なお、「故居」とは「住んでいた家」という意味です。

 
 その魯迅故居のエリアにある三味臭豆腐です。「三味」というのは、三味書屋〔魯迅が通っていた塾〕を連想させるものがあります。魯迅生家のすぐ前にありますから、恐らく魯迅もこの店で臭豆腐を食べたことでしょう。ちょっと入ってみましょう。


 入口で、カウンターの上に出ているメニューを見ながら注文します。列なんかありませんから、早い者勝ちです。
 メニューには、臭豆腐5元、茴香豆3元、紹興黄酒3元などと書いてあります。私は、臭豆腐、茴香豆、紹興黄酒2杯を注文、わずか14元です。


 観光地ですから、店内も綺麗です。
 ただ、込み合いますので、どうしても相席になってしまいますね。土日などは席を確保するのも大変です。お客さんが席を立ったら、その瞬間に席を押さえる素早さが求められます。店員がテーブルを片付けるのを待っていたら、その間に他のお客さんに席を取られてしまいます。




 茴香豆です。茴香豆は、茴香(ウイキョウ)で味付けしたソラマメです。初めて食べましたが、とにかく硬い。歯が折れてしまいそうなくらい硬いのですが、噛めば噛むほど味が出るので、酒のつまみにもなります。この硬さですから、3元の茴香豆を全部平らげようと思ったら、大変時間がかかります。
 金に困っていた孔乙己(こんいーちー)が、咸亨酒店で毎晩のようにこの茴香豆をつまみに、黄酒を飲んでいたという小説のくだりは、この茴香豆の硬さと味を知って、初めて実感できました。


 そして、臭豆腐です。特に、ここで食べる臭豆腐が旨いわけでもありません。街のどこで食べても臭豆腐は旨いものです。まあ、昔、魯迅もこの臭豆腐を食っていたんだろうな、などと思いをめぐらせると、何かすごく価値のある臭豆腐を食べているような気がします。それだけで、満足です。


 そして、黄酒です。一杯3元です。これはいわゆる紹興酒ですが、紹興では「紹興酒」とは呼びません。黄酒といいます。また、花彫酒とか加飯酒とか種類で呼ぶこともあります。
 ところで、ここの黄酒は甘いです。むちゃくちゃ甘いです。太彫酒(咸亨酒店の黄酒)は8元していましたが、太彫酒にすべきだったのでしょうか。
 いえいえ、今日の目的は、おいしい酒を飲みに来たのではなく、孔乙己(こんいーちー)の気分で酒を飲むことにあるわけですから、やはり安酒の黄酒でいいのです。


 三味臭豆腐で、二人でおやつ代わりに黄酒を一杯です。
 茴香豆をかじりながら黄酒を飲めば、気分は孔乙己(こんいーちー)。臭豆腐を食べれば、気分は魯迅。気持ちだけは贅沢になれるおやつでした。
 魯迅故居に来たら、一杯くらい黄酒も飲むことをおすすめします。ここ三味臭豆腐か咸亨酒店あたりが、雰囲気があっておすすめです。



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