中環(セントラル)-アジア写真帳(香港)

中環(セントラル)

 
 中環は香港きってのビジネス街、いや、世界をリードするビジネス街です。
香港の成長とともにビクトリア湾は埋め立てられていて、昔はトラムの走っているあたりが海岸線だったというのだから、いやいや相当に埋立が進んでいます。
その埋め立てられた土地に、超高層ビルが建ち並び、まさに威容を誇っています。
 最近では、湾仔地区の開発がすすみ、超高層ビル街としては湾仔の方が目を見張らせるものがあるけど、私としては、中環~金鐘地区のビル群に親しみを感じます。古いものですが、下の写真をご覧ください。


 一番上の写真は、湾仔地区が中心ですが、二つ目の写真は、中環~金鐘地区です。10年位前の写真です。

 私は、中環(セントラル)に3年勤めたので、中環のビジネス街にすごく親しみがあるのですが、香港全体から見ると、やっぱり異質なエリアだと思います。街全体がよそ行きといいますか、何となく冷たいんですよね。
 中環に勤める人も、他の地域の人とちょっと違って、何か、パリッとしてて、冷徹な感じがします。私は勿論、心の温かいハートフルな人間ですけど。


 中環の良いところは、ビルとビルの間が地下や空中でつながっていることです。
夏が長く蒸し暑い香港において、ビジネス活動を行う時、ビルとビルの間わずかな距離でも、外の蒸し暑い道路を歩かなくても良いのは、本当に助かります。
中環の街は、世界のビジネスマンが快適に効率よく仕事を進めていくための様々な工夫が施されているのです。




 皇后像広場から見た香港上海銀行本店です。
 今では香港には超高層ビルがいくつも建っていますが、「芸術的な」とまでいかないにしても「一番印象的な」ビルは、このビルではないでしょうか

 高さの面ではかなわないですけど、風格が感じられませんか? 


 香港上海銀行本店前の停車場に止まっているトラム。
 トラムなんかビジネスでは使われないと思われるかもしれませんが、私の場合は、特に近距離を動く場合によく使っていました。
香港のMTRは地下深くを走っており、改札を入ってプラットホームに行くまで意外に時間がかかるのです。その点、トラムは頻繁に走っていることもあり、すぐ乗れます。比較的近距離の移動で、急ぐ時こそトラムを使うのです。


 香港上海銀行の隣にあるのが中国銀行。
 香港上海銀行よりも高層ビルでガラス張りの美しいビルです。
 その建物の玄関で吠えた顔をしている獅子。私、この獅子のファンなんです。


 中環にある二つのホテル。リッツ・カールトン・ホテルとフラマ・ホテルです。
 同じ経営によるホテルだということですが、2001年12月でフラマ・ホテルは一旦閉鎖し、リッツ・カールトンホテルとつなげたうえで再開するそうです。
 フラマ・ホテルの最上階にある回転レストラン「ロンド」には何回も行きましたね。客層もいいし、ビュッフェ形式の食事の割にはおいしくて私の事務所から近かったこともあって、お客さんが来ると、よくここで昼飯を食いました。
 フラマ・ホテルが休業するのはちょっと寂しいですね。




 中環に行くと、近代的なビルと対比して、昔から走っているトラムにどうしても目が行ってしまいます。商売の街、香港では、古典的な乗り物のトラムも、車両全体が広告になっていて、色とりどりのトラムを見ているだけで、香港に来た実感が沸いてくるものです。
 写真のトラムは、キャセイパシフィックの広告が描かれています。1階の窓で女優の腰がちょっと抉られているけど、よくこのスペースにこんな広告を入れたもんだと感心してしまいます。


 皇后像広場の隣にある立法会大楼とその前を走るトラムです。
 立法会というのは日本で言えば国会みたいなもんですから、国会議事堂みたいなもんでしょうか。風格あふれる建物で、その前をトラムが走る姿はなかなか絵になります。
 ここは私の好きな場所です。


 中環周辺には特徴のあるビルが数多くあります。
 トラムの向こうに見えるデコボコしたビルはリッポー・タワーといいます。
 結構古いビルですけど、奇抜な形のため、よく写真に載っていますね。
 このビルにもお客さんがいて私も時々行きましたが、形が奇抜過ぎて使い勝手は良くないようでした。

 中環のプリンスビルの前です。
 プリンスビルといえば、シャネルをはじめ超一流ブランドのショップが店を出していて、建物の上の方には金融機関や法律事務所といった事務所が入っていて、香港をリードするホワイトカラーたちが働いています。まさに、中環の中心部ともいえるところです。

 この写真はウィークディなんですが、結構のどかですよね。
 朝夕の通勤時間は、スーツに身を包んだビジネスマン、ビジネスレディーたちが闊歩する街も、昼間はこのように庶民的な風景になります。
 颯爽としたビジネスマンたちはどこに行っているのでしょうか。
 彼らはセントラルの中を歩く場合はあまり表を歩きません。地下街や連絡通路を巧みに使って、暑い日には冷房の効いた、勿論寒い日には暖房の入った快適な連絡通路を背筋を伸ばして歩いているのです。

世界のビジネスの中心、中環も日曜日はアマさん(フィリピンから来たお手伝いさん)の溜まり場と化します。
共働きの多い香港の家庭では、家事や育児を任せるためアマさんを同居させているところが多いのですが、日曜日ともなると、一家水入らずの生活をしたいため
アマさんには家を空けてもらいたいようです。
そんなアマさんが中環に大勢集まり、まさに「リトル・マニラ」と化すわけです。
皇后前広場は特にアマさんが集まる場所です。
この写真はまだ朝早いため、アマさんの洪水のような群れを映し出していません。