ヒルサイドエスカレーターでソーホーへ|アジア写真帳(香港)

ヒルサイドエスカレータでソーホーへ


 ヒルサイドエスカレータ

 
 香港は所得水準によって住む場所が変わってきます。
 最近はその傾向は弱くなってきていますが、やはり、住宅費というか家賃はピークが高く、山の中腹がその次に高く、海沿いの低地は安くなっているという具合です。さらに言えば、香港島が高く、九龍が少し安く、新界が一番安くなります。

 ミッドレベルというのは、山の中腹という意味ですが、香港で「ミッドレベル」というと、中環の南にある中腹を指す固有名詞になります。中間層が住むエリアのように聞こえますが、このあたりの新しいマンションは3LDKで月60~100万円くらいの家賃が一般的ですから、高所得の人しか住めないエリアです。
 ただ、ミッドレベルから上環方面に行くと、骨董品屋さんですとか、文武廟ですとか、オールド香港を感じさせるエリアもあって、なかなか興味深いところです。

 そのミッドレベルと中環を結ぶのが、これ、ヒルサイドエスカレータです。今話題のSOHOとも結んでいます。
 中環から、ミッドレベル、そして、上環へと散歩してみましょう。

 
 ヒルサイドエスカレータは中環街市付近から始まります。もっとも、そのあたりは歩道橋という感じです。
粥麺店など小食の店が多いウェリントン街がすぐに見えます。ワンタンメンで人気の「沾仔記麺食」とマックズ・ワンタンメン・ショップが見えます。もう3時を過ぎたというのに、どちらの店も、店の外に数人待っている人が見えますね。
 ウェリントン街は、このヒルサイドエスカレータに直結しています。一番上の写真の左の階段を下りたところがウェリントン街です。


 ヒルサイドエスカレータの面白いところは、山を上がるにつれて、街の様相がめまぐるしく変わるところです。道が一本違うと、街の様相が全く異なるという香港島の面白さを味わってください。このあたりは老朽化した建物やアパートが多いですね。でも、看板が香港らしくて、ローカルっぽい味のある道です。
 ヒルサイドエスカレータでは、途中、通りに降りられるようになっていますから、時間があれば、こうしたエリアを散歩すると、新たな発見があったりして面白いですよ。




 ヒルサイドエスカレータは、さらに進んでいきます。「Welcome to SoHo」の看板が見えましたから、そろそろソーホーが近づいてきたようです。
 ヒルサイドエスカレータの両側は、花が飾られていて綺麗ですね。


 急に、ヨーロッパ風の街並みになって、道の奥、山の中腹に高級マンションが林立しているのが見えます。いよいよミッドレベルらしい雰囲気になってきました。

香港島のヒルサイドエスカレーターは世界最長
 
 上の写真はヒルサイドエスカレーターの一番上の方から見た風景です。ヒルサイドエスカレーターの距離は約800mあって、世界最長だと言われています。山の傾斜もあるので、途中何回か乗り継ぎながらの800mではありますが、こうして上から見ると、なるほど世界最長かも知れないなと感心するわけです。



 SOHO(ソーホー)


 SOHO(ソーホー)に着きました。
 ヒルサイドエスカレータに沿って、ピークバーという店があります。この店は、もともとヴィクトリア・ピークにあった店で、雰囲気は当時と同じ感じです。昼間はこんなのんびりした雰囲気ですが、夜も9時ごろになると、香港の若者や欧米人で賑わいます。


 ソーホーのメインストリートは、このスタントン・ストリート(士丹頓街)です。ご覧の通り、英語の看板が並び、香港の他のエリアとは全く異なる雰囲気を持っています。ソーホーには、洒落たレストランやバーも多いですが、香港のニューウェーブ雑貨を取り扱う店も沢山あります。ソーホーに来たら、折角ですから、色々な店をのぞいてみましょう。こうした店の雑貨は、香港のお土産にも良いと思います。


 SOHOで、私が立ち寄る中国陶器の店、利豊瓷荘です。ヒルサイドエスカレータを挟んでピーク・バーの斜め向かいくらいのところにあります。この店は、1階と2階に売場があって、1階は日常生活で使えるような廉価な陶磁器から、ちょっと高級なものまで、幅広く品揃えされています。香港の記念に、茶器などを買いたいときなどは、この店がおすすめです。


 2階は、一転して超高級陶磁器の売場です。景徳鎮の花瓶をはじめ、1万香港ドルを越えるような値がついている商品も少なくありません。私のような貧乏人には縁のないものばかりですが、暫く見とれてしまいました。目の保養になりました。

香港のソーホー(SOHO)
 
 SOHOのエリアではヒルサイドエスカレーターの両サイドの階段沿いに洒落たお店が建ち並びます。この階段の通りも、必ず歩いてみましょう。山に沿ってビルが立ち並ぶというのは香港らしい風景ですが、店のデザインや看板は香港らしくない風景が続いています。


 再び、スタントン・ストリート(士丹頓街)です。暫くこのあたりをぶらぶらしてみましょう。
 こじゃれたレストランが並んでいます。右は、イタリア料理のレストランでしょうか。香港にいることを忘れてしまいそうな一角です。


 ここは、スペイン料理レストランでしょうか? こんな風に、各国料理の店が並んでいるのが、ソーホーの特長です。
 でも、折角香港に来たのですから、私としては、ソーホーでヨーロッパの料理を食べるよりも、やっぱり本場の中華料理を食べたいですね。


 ここの看板は、カラフルで派手ですね。なかなか香港の街中ではお目にかかれない色使いです。ビヤホールですね。午後の3時くらいなんですが、お客さんが結構沢山入ってます。夜になると、もっと賑わいを増します。街全体も、昼とは、また違った姿になるわけです。
 ところで、SOHOと言う名は、「South Of HOllywood Road」から来ています。すなわち、ハリウッドロードの南側ということです。高級なアンティークショップが並ぶハリウッドロード、そして、昔、泥棒市場と言われたキャットストリートは、ソーホーのすぐ近くです。昼間、ソーホーまで来たら、ハリウッドロード、キャットストリートを通って、上環まで山を下ってみましょう。