香港のスターフェリー(天星小輪)

香港のスターフェリー(天星小輪)


スターフェリーとは 

香港のスターフェリー

 香港の魅力の一つはスターフェリー。観光客がよく使うスターフェリーは、尖沙咀(チムシャツィ)と香港島側の中環(セントラル)または湾仔(ワンチャイ)を結ぶ路線。(紅磡(ホンハム)と香港島を結ぶフェリー路線もありますが、これはスターフェリーではありません。)
 例えば、尖沙咀と中環を結ぶ路線なら、乗船時間は7分足らずなのですが、ゆったりとした船上からの香港の風景は、香港の思い出の一つとなるはずです。

尖沙咀のスターフェリー埠頭

 上の写真は、尖沙咀碼頭です。尖沙咀の時計台をバックにスターフェリーの写真を撮るなら、船上から撮らないといけません。すなわち、尖沙咀を出たばかりか、尖沙咀に着く直前です。スターフェリーは乗り慣れると、そののんびりとした時間が好きになってしまいます。
 私は、中環と尖沙咀間を移動する場合は、このスターフェリーをよく使っています。地下鉄よりは時間がかかりますけど、これに乗ると、やっぱり香港に来た気がするんですね。スターフェリーから見える時計台、私の好きな風景でもあります。

中環(セントラル)のスターフェリーピア

 こちらは、中環(セントラル)碼頭です。以前は大会堂の横にありました。2006年に、今の場所に移動してしまいました。以前の場所は、中環のショッピングエリアから近くて便利だったのですが、ここは、ちょっと遠いですね。なお、碼頭とはフェリー乗り場を言います。

スターフェリーピアの前にはバスターミナル

 昔、まだMTRや海底トンネルが無い頃は、 九龍側と香港島を結ぶ唯一の手段がスターフェリーだったので、碼頭(フェリー乗り場)の前には、広いバスターミナルが必要でした。例えば、九龍サイドのある地点から香港島のある地点に行く場合、尖沙咀碼頭までバスで行き、スターフェリーで香港島に渡り、碼頭の前のバス乗り場から目的地に行くといった具合です。
 その名残で、今でも、香港の乗合バスは碼頭行きが多くなっています。上の写真は中環碼頭の前のバスターミナルです。こんな感じで、香港島各地へのバスが並んでいます。

スターフェリーと香港島

 スターフェリーから見た中環のビル街です。ちょっと靄(もや)がかかっています。
  香港人に聞くと、九龍サイドから見た香港島が美しく見える理由の一つに、両サイドの間に横たわるビクトリア湾の幅を挙げる人が沢山います。要は、このビクトリア湾がこれ以上広くても、また逆に狭くなってもこの美しさが失われるというわけです。埋め立てにより年々ビクトリア湾は狭くなってきていますが、まだまだ、最適な距離であると言い張っています。
 この景観を壊さないようにするために、ビクトリアハーバーには橋は架かっていません。香港島の九龍サイドを結ぶMTR(地下鉄)も道路も、海底トンネルで繋げているのも、こうしたところに理由があります。



スターフェリーで、灣仔から尖沙咀へ 

灣仔ピア

 それでは、スターフェリーに乗ってみましょう。
 観光客におすすめの路線は、湾仔尖沙咀線です。どちらを起点にしても終点にしてもかまいません。尖沙咀・中環線は、ビクトリアハーバーをほぼ南北に直進する路線であるのに対して、湾仔・尖沙咀線はビクトリアハーバー内を横に走る区間が長いので、香港島側の景色を長い時間楽しむことができるからです。今回は、湾仔から尖沙咀に行くスターフェリーに乗ってみます。
 上の写真は湾仔碼頭から見た九龍サイドです。

スターフェリーの改札口

 湾仔碼頭の改札口です。なお、スターフェリーでもオクトパスカードが使えます。オクトパスカードは専用の改札口を入ってください。オクトパスカードがない場合は、改札口でコインを入れます。上の写真にあるようにウィークデイとウイークエンドで料金が異なりますので注意してください。
 なお、スターフェリーは、船の写真を見ると下が緑で上が白く塗られていることで分かるように、上層と下層の二段の造りになっています。但し、湾仔・尖沙咀線は下層を使っていませんので、料金は一律です。一方、中環・尖沙咀線には、上層・下層の二種類の料金があります。値段はどちらにしても安いので、上層に乗りましょう。フェリーから見える眺めは上層の方が優れていると思います。
 

 スターフェリーの碼頭は、どこも同じ構造で、改札口を入ると、上の写真のように待合室がありますので、そこで出航までの時間、待つことになります。古い扇風機が全力で回されているもののエアコンがないため、暑い季節は蒸し風呂のようですので、できるだけ外で待った方が健康的です。


 上の写真はスターフェリーの船内です。乗車スペースが広いので、朝夕の通勤時間帯でなければ、いつもガラガラです。
 観光客が湾仔・尖沙咀線で席を確保する場合、ビクトリアハーバーを横走りするときに香港島のサイドに座るべきでしょう。湾仔から尖沙咀なら、進行方向左手の窓側に座るのが良いと思います。逆に、尖沙咀から湾仔なら進行方向左手の窓側が良いのです。また、写真を撮りたいなら、スターフェリーの窓は汚れが目立ちますので、エアコンは効いていませんが窓のないスペースで席を取った方が良いと思います。きっとお気に入りの写真が撮れるはずです。最後にちょっとアドバイスです。
 
 

 フェリーのドアを乗組員が締めています。いよいよ出航です。

スターフェリーから見る香港島・灣仔

 湾仔碼頭を出ると、まず、湾仔の香港会議展覧中心が間近に見えます。この香港会議展覧中心のビルのデザインは、モダンで気に入っています。また、背後にそびえる中環広場の建物等と一体となった風景は、いかにも現代都市香港です。

スターフェリーから見る香港島のビル群

 銅羅湾から北角方面は、このようにマンションが林立しています。

スターフェリーから見る中環(セントラル)

 中環(セントラル)方面もスターフェリーの中からだと、ずっと間近に見ることができます。


 エアポートエキスプレスの香港駅がある国際金融中心ビルを中央に左が中環、右が上環です。


 上の写真の左側に中環碼頭が見えます。スターフェリーが中環碼頭に出入りする様子が見えます。
 ここまで来ると、ビクトリアハーバーを横に(西から東に)走ってきたスターフェリーは向きを北に変え、ビクトリアハーバーを横切るように走ります。つまり、中環・尖沙咀線に乗っても、ここからの風景しか見れないということになります。
 右手が赤いラインの入ったビルはマカオフェリー・ターミナルです。ここに出入りする船の多くはマカオと結んでいます。


 尖沙咀碼頭を降りて、尖沙咀プロムナードの方へ移動したところから振り返ると、スターフェリーが浮かぶビクトリアハーバー越しに、香港島中環の風景が広がります。香港らしい風景です。

香港らしいビクトリアハーバーの風景

 運が良ければ、自分が乗っているスターフェリーの横を帆船が通り抜けることもあります。こういったことは珍しいのですが、すごくラッキーな気持ちになります。わずか40~50円くらいの10分程度の船旅ですが、満足度高いですよ。