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本場の潮州料理、深圳の郷里頭鵝肉飯店


 郷里頭鵝肉飯店で本場の潮州料理


郷里頭鵝肉飯店 

これが本場の潮州料理

 日本で中華料理というと、麻婆豆腐、チンジャオロースやエビのチリソースといった料理や餃子や焼売などの点心が思い浮かびますが、中国の分類では、麻婆豆腐、チンジャオロースやエビのチリソースなどは四川料理といって素材が悪い分を香辛料で補って味付けている庶民の料理であり、餃子や焼売に至っては小吃(しゃおち)といっておやつみたいな料理であって、高級な中華料理の分類には入らない料理ばかりです。
 このページで紹介するのは潮州料理です。潮州というのは広東省の福建省寄りにある街です。潮州料理は素材の味を生かした海鮮料理で知られるとともに、ガチョウ料理や家庭料理でも有名です。いずれも日本人の嗜好に合う料理で、私が最も好きな中華料理は広東料理の中でもこの潮州料理です。

郷里頭鵝肉飯店入口
 
 潮州料理はもちろん香港でも食べられます。庶民的な家庭料理や麺(正しくは粉です。うどんのようなものです。)料理を出してくれる食堂もありますが、超高級海鮮料理を売り物にしている入りづらいレストランも多くあります。中間に位置する店が少ないのです。
 このページで紹介する郷里頭鵝肉飯店はまさにその中間に位置するレストランで、潮州人の友人に連れてきてもらったレストランです。彼曰く「この店こそ本場潮州の料理を出してくれるレストラン」なのだそうです。深圳には数多くの潮州人がいます。私の周りにも社内外を問わず沢山の潮州人がいて、いわゆる老板(ラオバン・社長)、言い換えれば実業家が数多くいます。そうした彼らが好むのは、当然ながらふるさとの味である潮州料理です。深圳にはそうした潮州出身の実業家が多く居住しているので、本場の潮州レストランがいくつもあるのです。
 場所は地下鉄红岭南駅が最寄ですが、大劇院駅からも歩いて10分かかりません。詳しい地図はこちらを参照してください。

美味しそうな焼鵝(本場の潮州料理)

 郷里頭鵝肉飯店に入ると店名にもなっているガチョウのロースト(焼鵝)が沢山ぶら下がっています。私はガチョウのロースト(焼鵝)が大好物ですので、この雰囲気はたまりません。

 
ロブスターと潮州凍蟹(本場の潮州料理)

 そして、広い店内の厨房に沿ってシーフードや惣菜が数多く並べられ、この店に慣れている人はその並べられた素材や惣菜を見ながら店員に注文していくスタイルです。自分のテーブルでメニューを見ながら注文するのではなく、厨房を確認して注文するわけです。これも潮州スタイルで、香港の潮州レストランにはないオーダー形式です。私も郷里頭鵝肉飯店には数回来ていますので、この厨房確認方式でオーダーしています。
 因みに上の伊勢海老は毎回のように注文していて、1尾98元です。(2018年1月現在)冷たくして食べる伊勢海老で、日本人が好む味です。夕食時に郷里頭鵝肉飯店に来たらぜひオーダーしてください。但し遅い時間になると売り切れていることもありますので、早めに店に来ることをおすすめします。



 本場の潮州料理のメニュー

魚料理も美味しい(本場の潮州料理)

 それでは厨房の近くを回りながらメニューを確認していきましょう。地論、テーブル上には丁寧なメニューもありますので、テーブル上のメニューを見て注文することもできます。ただ、文字のメニューで料理の内容がすぐわかるかというと、実はこの店では潮州の家庭料理も多いのでなかなか分からないのが実態です。ですから、文字のメニューより現物を見た方が自分のイメージに合った注文ができるのです。
 上の写真のような魚だったりすると、やはり鮮度も気になりますから自分の眼で現物を見た方が安心だということもあります。但し、海鮮の素材から選ぶ場合には調理法について店員とやり取りしないといけないので最低限の料理用語が分からないと注文には困るかもしれません。

厨房で素材を探す(本場の潮州料理)
 
 ここの辺りは潮州の過程でよく食べられている魚で、逆に香港ではほとんど見かけません。私の場合にはどうやって食べるのですかとこちらから質問して注文することになります。

絶品のホタルイカ(本場の潮州料理)
 
 ホタルイカもあります。これはここにおいてある時点で茹でてあって、既に冷ましてあるものです。日本のホタルイカよりもかなり大きめで中に卵が入っていて大変美味しいです。夕食時には酒の肴として私は毎回のように注文しています。

潮州家庭料理の惣菜(本場の潮州料理)
 
 この辺りは潮州家庭料理の惣菜で、もちろん紙のメニューにも出てはいますが、字を見ても料理の姿を想像できなかった料理です。こうやって実物を見れば、これが美味しそうだとかあっちの方が美味しそうとか、日本人でもわかりやすいので、指差しで注文できるコーナーです。

深圳で食べた本場の潮州家庭料理
 
 この日に注文したのはこれです。カボチャや豆腐などが入っているまさに家庭料理です。中華料理には間違いありませんが、食べてみるとさっぱりした味付けで、日本の家庭料理にも相通じる親しみやすさがあります。潮州の場合は、潮州砂鍋粥もそうですが、日本人にとって食べやすい中華料理と言えるのではないでしょうか。

深圳で食べた魚フライ(本場の潮州料理)
 
 こちらは魚のフライです。一つ6元ですから日本円約100円です。これも以前食べた時に美味しかったので今回も注文しました。後ほどまた紹介します。上の写真のように、料理名や価格が一緒に示されていますから、日本人にはわかりやすいですね。

潮州小吃
 
 このコーナーには潮州小吃が並んでいます。潮州小吃は潮州のデザート(お菓子)です。潮州人はこれらのお菓子を食後にデザートとして食べるのではなく、食事中につまみとしておかずとして一緒に食べます。これらも昔の日本の味付けに近くて、特に年配の日本人には懐かしい味に感じられるかもしれません。



二人で潮州料理のランチ

深圳で食べた美味しい焼鵝(ガチョウのロースト)

 この日のランチは焼鵝(ガチョウのロースト)を食べようと心に決めていました。二人でランチタイムを迎えたものですから、ロースト店ではなく郷里頭鵝肉飯店でランチを摂ることにしました。
 まずはガチョウのローストです。一皿45元です。

  
深圳で食べた美味しい焼鵝(ガチョウのロースト)
 
 絶妙な焼き具合を見ていただくために拡大しました。肉汁が口の中でジューっと広がる様子がこの写真から想像できると思います。普通のロースト屋とは一味もふた味も異なる美味しい焼鵝です。

貝料理の金不换炒薄壳(潮州料理の郷里頭鵝肉飯店)

 この日は潮州出身の社員と一緒でした。彼女のお気に入りの料理である金不换炒薄壳です。薄壳という潮州沿岸の海にたくさん生息する小さい貝を炒めたものです。長さ2cm、厚さ1cmくらいの小さな貝で、潮州ではたくさん採れるので米と名付けて主食のように食べている貝だそうです。

金不换炒薄壳(本場の潮州料理)
 
 この店に来るときはいつも別々の潮州人と一緒なのですが、誰もがすすめてくれるのがこの金不换炒薄壳です。確かに美味しくて食べる手が止まりません。最も良いのは酒のつまみなのですが、彼女にとってはランチタイムでもこの料理は欠かせないようです。
 間違いなく美味しいです。ぜひ一度お試しください。

アサリ料理(本場の潮州料理)

 そしてアサリ料理です。このアサリは小ぶりです。味付けはさっぱりしていて大変食べやすいです。でも、金不换炒薄壳と比べると物珍しさがない分、感動に欠けます。金不换炒薄壳を食べるならアサリはパスしても良かったと思います。



 潮州家庭料理らしいメニューが続きます

炸九肚鱼角は魚のフライ(本場の潮州料理)

 続いて、さきほど魚のフライとして紹介した料理が来ました。正しくは炸九肚鱼角と言います。九肚鱼という魚を揚げたものです。この九肚鱼という魚はポピュラーな魚で、そういう意味で炸九肚鱼角、日本でいえばアジフライみたいなものです。私としてはサクッと揚げられていてアジフライより好きです。上の写真右の専用だれをつけて食べます。

潮州料理の野菜料理

 野菜料理はジャガイモの葉のニンニク炒めにしました。ジャガイモの葉は中国でも場所によっては食べない葉なのですが、潮州では一般的によく食べられています。葉自体には甘みがあって、それにニンニク化の味が利いていてとても美味しいです。

潮州小吃(里芋)
 
 潮州小吃の一つ、反沙芋头です。これは結構甘い小吃で、読んで字の通り里芋を揚げたものです。お芋ですのでお腹にたまるということもあって、ランチでこれだけ食べた後にはあまり食べられなくなってしまいます。残念ながら二人で完食できずという結果になりました。
 小吃の注文については、このように一種類だけ注文することもできますし、小吃盛り合わせというセットで注文することができます。二人ですとセットの最小単位は多すぎるので今回は単品にしましたが、三人以上であればセットの方がいろいろな小吃が楽しめるのでおすすめです。

 
 以上の通り、郷里頭鵝肉飯店を紹介してきましたが、ガチョウについて若干補足です。私はガチョウの中でも肉の部分が最も好きなので、普通は今回の注文にもあった鵝肉を注文しています。ガチョウについてはローストした後に、上の写真にあるように様々な部位に分けられます。頭とか内臓とか脚とかです。中国の友人たちはそれぞれ好きな部位があって彼らと食べるときは、私も鵝肉以外にも様々な部位を食べています。皆さんもここ郷里頭鵝肉飯店に来たら様々な部位にチャレンジしてみてください。ガチョウは美味しいですよ。




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