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羽根つき餃子、深圳・老辺餃子


 本場の羽根つき餃子を食べてみよう

羽根つき餃子の元祖、老辺餃子

本場の羽根つき餃子(深圳・老辺餃子)

 羽根つき餃子は東京・蒲田の名物として知られ、大変人気のある餃子の一つです。あたかも蒲田が発祥の地のように言われていますが、実は中国では180年前に既に生まれていて、その味は発祥の店で延々と継承されています。
 上の写真は深圳・南山にある老辺餃子の冰花煎餃(羽根つき餃子)です。老辺餃子は深圳に4店舗を有するチェーン店で、発祥は中国遼寧省瀋陽市です。なお、深圳は広東省にあって香港に隣接した大都市です。

200年弱の歴史、深圳・老辺餃子

 南山の老辺餃子です。1829年開業で当時から冰花煎餃(羽根つき餃子)発祥の店として知られていたそうです。餃子一皿(9~12個)で日本円400円以下という庶民的な店です。

深圳・老辺餃子の羽根つき餃子

 この老辺餃子は餃子専門店で、名物の冰花煎餃(羽根つき餃子)と水餃子と蒸し餃子を扱っていて、むしろ水餃子や蒸し餃子の方が好まれて食べられています。
 中国では焼餃子は鍋貼と呼ばれ、餃子とは一線を画しています。ですから餃子といえば、老辺餃子が生まれた瀋陽のように東北部では水餃子を指し、深圳のある広東省や香港では蒸し餃子を指します。彼らに言わせれば、焼餃子は美味くない、邪道だということになります。私も長く中国に住んでいるとそう思います。

老辺餃子の餃子メニュー
 
 老辺餃子店の餃子メニューです。煎餃と書いてあるのが焼餃子で、焼餃子のジャンルにあるメニューが羽根つき餃子です。メニューにはすべて最初に冰花が書いてあって、最後に煎餃と書いてあります。その間に餃子の皮に包む材料が記載されていて、その素材により価格が異なるわけです。



 老辺餃子店の冰花煎餃(羽根つき餃子)

老辺餃子は羽根つき餃子発祥の店

 では、老辺餃子店の冰花煎餃(羽根つき餃子)は美味くないのかというと、私は美味いと思います。一緒に食べに行く中国人は美味くないわけではないけど、水餃子とか蒸し餃子の方が油っこくなくて美味しいですという対応です。私は甲乙つけがたく美味しいと思うのですが、油っこい料理が多い中国料理に慣れている彼らが、冰花煎餃(羽根つき餃子)を油っこいというのはちょっと不思議な気がします。
 写真からもお分かりの通り美味しそうに焼けていますよね。羽はパリパリ、餃子はふっくらとした見事な焼け具合です。

ニンニクたっぷり餃子のタレ

 この餃子をニンニクと辣醤(辛い調味料)をたっぷり入れた中国酢でいただきます。餃子のタレはタレのコーナーがあるので、自分の好みで作ります。醤油を少し入れる人もいますが、日本人のように醤油を主にしてたれを作る人は殆どいないと思います。メインは酢です。油っこさを緩和したいからです。水餃子や蒸し餃子を食べる時も私は同じ要領でタレを調合します。

深圳の餃子

 中国ではニンニクを使った料理が多くニンニクの匂いは、バスや電車の中でも嫌がられません。そんなわけで私はすっかりニンニクたっぷり派になってしまって、日本に戻った時に日本の食べ方に戻せるかちょっと不安があります。
 でも、餃子はこの組合せのタレで食べるのが一番美味いんです。

老辺餃子では水餃子も美味しい

 老辺餃子店で私が食べるのは冰花煎餃(羽根つき餃子)か水餃子です。二人以上で行く場合は両方注文します。ここ老辺餃子は中国東北地方の店ですから、やはり水餃子が美味しいですね。一人で行くときや出前(宅配)では水餃子を食べることの方が多いかもしれません。豚肉と野菜入り(酸菜猪肉)の水餃子は美味しいですよ。



餃子のお供になるつまみいろいろ

羽根つき餃子発祥の店(深圳・老辺餃子)

 餃子以外のメニューもいろいろあって、朝鮮冷麺も自慢料理の一つですが、私はまだ試したことがありません。たいてい一人か二人で行くときに利用する店ですので、餃子を人数分注文してしまうと、他の料理をあまり食べられなくなってしまうのです。
 そんな時でも皮蛋豆腐などは食べやすくて良いと思います。豆腐ですから心配ありませんが、日本で食べる皮蛋豆腐より数倍大きい豆腐が来るのでびっくりしないでください。

 
深圳・老辺餃子

 干し豆腐のサラダもさっぱりした味付けでおすすめです。餃子だけ食べていると、少しさっぱりした味の料理が欲しくなります。皮蛋豆腐かこの料理あたりが一人飯の時には良いでしょう。

深圳・老辺餃子

 茄子のニンニク香り乗せ(卤蒜茄子墩)もおすすめです。量が半端なく多いので、二人以上で来た時に注文したい一品です。さっぱりした味で餃子にも合います。

深圳・老辺餃子の店内風景

 老辺餃子の店内です。こんな感じですから、一人か二人で気軽に来る店という位置づけです。蒲田の餃子店のように、羽根つき餃子を大勢で食べに行くなどという気負いは全くありません。羽根つき餃子というのは、日本では珍しがられていますけれども、中国ではごくごく一般的な料理で、餃子の中では格下にランクされている商品ですから当然こうなるわけです。

 
元祖、羽根つき餃子(深圳・老辺餃子)

 最後に一つお断りしておきますが、夕方に行くと冰花煎餃(羽根つき餃子)が売り切れていることがよくあります。また、冰花煎餃(羽根つき餃子)は他の餃子に比較すると調理時間がかかるようです。30分くらい待っていただくことになりますがよろしいですかなどと聞かれることもしばしばです。
 とは言え、日本人にとっては大変珍しい冰花煎餃(羽根つき餃子)。しかも蒲田よりも美しくて美味しい羽根つき餃子を、あなたも深圳で食べてみませんか。


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