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アジアグルメ図鑑(上海):上海で食べる寧波の海鮮料理


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 私には中国人の永年の友人がいます。彼は寧波生まれで現在は深圳に住んでいるのですが、その彼が故郷自慢でいつも話していたことは、寧波市の海鮮料理です。私が中国の海鮮料理が好きだと知ると、寧波に行けばもっと旨くて安い海鮮料理が食えると、しばしば言っていたものです。寧波では海の素材のほか、うなぎやタニシといった湖沼の素材も有名で、私の友人が好きなのは酔泥螺というタニシの紹興酒漬けです。
 私はまだ寧波に行く機会に恵まれていないのですが、上海には寧波の海鮮料理を食べさせてくれるレストランがあります。寧波漢通海鮮大酒店です。漢通グループは上海市内にいくつも店舗を持っていますが、私が行ったのは地下鉄交通大学駅近くの淮海西路にある淮海店です。



 寧波漢通海鮮大酒店のセールスポイントは、「寧波直送の素材を寧波風の味付けで」ということにあります。寧波市は中国浙江省の都市で、上海から行くと杭州市、紹興市と続きその隣にある海外貿易で知られた都市です。長い海外線と多数の島々があり、海の幸に恵まれていることから、海鮮料理が昔から発達している地域です。
 この寧波漢通海鮮大酒店も、一階は生簀が並び、生簀から食べたい海の素材を選んで調理法を説明するというシステムになっています。


 香港の鯉魚門や南Y(ラマ)島で海鮮料理をよく食べていた私にとっては、最も好きなシステムの店で、素材を見ながら自分で調理法を考えるという贅沢なグルメ経験ができるレストランなのです。基本的に価格は重さで決まっていて、調理法に関わらず同一価格です。
 寧波漢通海鮮大酒店では、一階の玄関を入ると、すぐ横の生簀などのあるコーナーに案内され、そこで料理を注文することになります。


 ロブスターです。香港ではよくチーズソースをかけて食べていました。蒸して食べたり、焼いて食べたりしたこともありますが、私の経験では茹でたロブスターにチーズソースをかけて食べる「チーズ・ロブスター」が一番です。とは言え、これは次回、もっと大人数で来た時にしようということになり、さらに素材を探してみます。


 基尾蝦を発見です。香港でよく食べた白灼蝦(茹でエビ)では、この基尾蝦が旨いのです。蝦は大きければ大きいほどよいと考える方も中にはいるかもしれませんが、白灼蝦をするならちょっと小ぶりなこの基尾蝦がおすすめなのです。
 写真だと見づらいのですが、500gで98元という価格が見えます。また、価格の横に「白灼」と「塩水」という字が見えますが、これがレストランのおすすめの調理法です。このように価格が明朗で、おすすめ調理法も書いてありますから、海鮮料理初心者の方や中国語のできない方でも何とかなるでしょう。


 私たちが品定めをするときには、必ず小姐(お店のお姐さん)が横について回ってくれて、こんなやりとりをします。例えば、「基尾蝦をください」「調理法はどうされますか」「白灼がいいな」「分かりました」という具合です。すると、小姐が生簀係りのスタッフにその旨を伝え、スタッフが網で基尾蝦をすくったうえで、「二人だからこのくらいでいいかな。350gです」と対応してきます。小姐が電卓で単価をかけて料金を示し、商談成立すれば注文シートに記載するのです。
 この日は二人で来ましたので、この基尾蝦に加えて、梭子蟹(ワタリガニ)、明蝦(車えび)を注文しました。それぞれどんな調理法を指示したかは後のお楽しみです。


 寧波漢通海鮮大酒店では、この生簀コーナーの隣に、上の写真のようにメニューの陳列棚があります。その他の料理についてもこの場で指差しで注文出来ますから、言葉の出来ない日本人も安心ですね。もちろん、このコーナーを見て回るときにも小姐が横について注文をとってくれます。
 さあ、それでは注文もしたので、小姐に指定された3階の15番テーブルに行ってみましょう。テーブルまで小姐が案内してくれるわけではないので、言葉に自身がない人はテーブルの階数と番号を紙に書いてもらってください。

 



 3階の食事フロアーに到着です。客層を見ると、圧倒的に家族連れが多いようです。もっとも、この日は土曜日ですからそんな感じになってしまうのでしょうか。
 東京を朝に出て、昼飯に機内食と南京路の泰康湯包を食べて、そして今は上海時間で夕方7時半(日本時間8時半)、これから中国海鮮料理が食えるのですから便利な世の中になったものです。週末に「ちょっと上海に海鮮料理を食いに行ってくるね」という時代に入りつつありますね。


 そんなことを話しているうちに、白灼蝦(茹でエビ)が出てきました。香港で食っていた白灼蝦と同じ感じです。これは、見るからに旨そうです。
 実際に食べてみると旨いのです。カッパえびせんのように食べたら止まらなくなって、当然ですがカッパえびせんよりも旨いのです。大きさもちょうど良い基尾蝦でしたし、二人で食べるにはちょうど良い量でもありました。


 ここで、白灼蝦の上手な食べ方を教えましょう。香港仕込みの食べ方です。エビの殻を上手に取れるようになると、白灼蝦が食べやすくなります。
 まず、エビの尾のほうを他方の手で持ち、もう片方の手でエビの頭をひねると、エビの頭が取れます。


 エビの頭が取れると、周りの殻や足が簡単に取れるようになります。写真上のように殻を取っていきましょう。するりと殻がむけるはずです。


 綺麗に殻がむけたエビをタレにつけます。写真のようにエビの尻尾をつまんでタレにつけるのが私の方法です。白灼蝦には、ちょっと辛味の効いたタレが合いますね。
 こんなに美味い料理なのに、日本では何故この食べ方をしないのか、特に日本の中華料理レストランが何故この料理を出さないのか不思議でなりません。




 そうこうしているうちに、梭子蟹(ワタリガニ)の登場です。渡り蟹のねぎ野菜炒めです。牡蠣油で炒めたものです。
 今日の素材は3種類ですが、一つは蒸して、一つは炒めて、そしてもう一つは焼いて、という感じで、バラエティに富んだ料理にした方が食べる方は楽しいですね。ですから、例えば上海蟹(大閘蟹)は基本的には蒸し料理ですから、上海蟹を注文するなら白灼蝦(茹でエビ)は頼みません。似た感じの料理になってしまうからです。上海蟹(大閘蟹)を注文するなら、エビは焼くか炒めるかして食べた方が食事に変化が出て良いと思います。ただ、人数が多くて注文する料理が多い場合は(中国では基本的には「人数+1」の料理を注文することが標準です。)その限りではありません。また、刺身にもしてくれますが、私は鮮度の問題もなしとは言えないので、おすすめしません。


 渡り蟹は2匹注文しています。二人ですからそれぞれが甲羅の裏についている蟹の身をを食べたかったからです。ねぎなどの野菜にも蟹の香りや味が染み付いて、なんと美味いことか。この店、本当にに満足させてもらえますね。


 明蝦(車えび)は鉄板焼きにしてもらいました。ガーリックだれで味付けされた車えびも美味いですが、先に出された白灼蝦や渡り蟹の感動もあって、ちょっと印象が薄くなってしまいました。メニューの組み合わせとしては、これをロブスターのチーズ焼きにしても良かったかもしれません。


 合間に食べることを考えて、四川泡菜も注文しました。四川風の漬物です。漬かり方がちょっと足りないけど、箸休めですからこれでいいでしょう。


 今日は上海旅行の初日です。同行者が朝の飛行機の中から言っていたことは、上海焼きそばが食いたいということでした。太目の焼うどんのような上海焼きそばが、この数日夢にも出てきたというのです。
 それにしても、ドーンと大皿に5~6人前の焼そばが出てきました。上海焼きそばは見た目に脂っこいのですが、それほどでもありません。それでも油が気になる場合は、
中国の黒酢を少しかけて食べると大変食べやすくなります。


 ここの上海焼きそばは美味いですね。私にとっても久しぶりの上海焼そばなのですが、こんなに美味かったかなという印象です。二人でせっせと食べたのですが、半分弱は残ってしまいました。

 ここ寧波漢通海鮮大酒店は、庶民的な店ですが味は確かです。これだけ食べて二人で2,500円くらい(2011年9月現在)です。これ、二人の合計金額です。こんなに美味いものをこんなに安く食えるなら、週末にシーフードを食いに上海に来てもいいなという気にもなります。また、まだ行けていない寧波に、私の友人の故郷で彼がシーフードのパラダイスだと自慢している寧波市に行ってみたい気にさせてくれた寧波漢通海鮮大酒店でした。



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再訪!!! 三人で行った寧波漢通海鮮大酒店


 寧波漢通海鮮大酒店、すっかり気に入ってしまいました。後日、上海に中国に来るのは初めてという人と来る機会がありましたので、再訪です。二人では食べる種類が限られてしまうため、今回はもう一人、上海在住の友人を連れて三人で来ました。その上海在住の友人は日本人ですが、上海在住は二回目で、かつ、中国グルメ通です。とは言っても、私と一緒に香港にいたこともありますので、料理の趣味も極めて近似しています。
 彼にとっても寧波漢通海鮮大酒店は初めての訪問です。一階の生簀で既にハイテンションになってしまいました。
 まず、最初の料理は白灼蝦(茹でエビ)です。これは私にとっても彼にとっても定番料理なのです。


 続いて、梭子蟹(ワタリガニ)のねぎ野菜炒めです。ここまでは、前回二人で来たときと同じですね。料理の紹介は、省略しましょう。


 あわびですよ。1個29元、日本円で400円くらいは激安です。私たちが日本人だと気づいて、 「刺身でもいけるよ」とかレストランの調理人は言いますが、さすがに私も中国では刺身は食べません。しっかり火を通した料理にすることが大切です。
 あわびは一人一個ずつ注文しました。


 いやあ、旨そうですね。食べてみると、これがまた想定を超えて旨いのです。醤油とニンニクベースのタレもあわびに合います。もう一個ずつ食うかどうかで三人の話し合いが行われましたが、まだ他にも料理が来るから、結論はその時にということになってしまいました。
 今になって思えば、もう1個ずつ食っておくべきだったと後悔しています。


 次はイイダコです。一階の生簀スペースでイイダコを見て、上海の友人が強い食欲を覚えてしまいました。しかしながら中華料理ではどのように食うべきかが、私にも浮かびません。そうした時は調理人におすすめの食べ方を聞いてみるのです。
 すると、寧波ではイイダコを高菜などと炒めて食べることが良くあるなどと説明してくれます。それまでに決めたエビ、カニやあわびの料理と重ならない味付けなので、その調理人のアイデアを採用です。


 なるほど寧波ではこのようにイイダコを食べるのか。なかなか旨いではないかと感心しながら食べています。イイダコは深圳でコリコリしています。高菜の酸味もイイダコに合いますね。日本ではタコ料理をあまり好まない私でも、この日は随分と沢山食べてしまいました。




 海鮮以外の料理については、一階にメニュー代わりに見本が置いてあるので、それを見ながら注文します。上の写真はソラマメの煮込みです。この料理は、ここ寧波漢通海鮮大酒店の人気料理の一つのようです。味付けのベースはガーリックですが、これに中華調味料がいろいろ入っていて、今まで食べたことのない味です。これが旨くて、食べだしたら止まらなくなってしまう味なのです。豆板醤や唐辛子も隠し味で入っていてちょっとピリ辛ですので、酒のつまみにもいいですね。


 これは、上海の友人が注文した卵料理。こんなのメニューにあったかなあと思うのですが、本人に聞くと間違いなく注文したということです。海鮮料理ばかりだとバランスが良くないので、変化をつけるためにもソラマメとか卵料理も注文して、良い組み合わせのメニューになったと思います。
 そんなわけで、ここ寧波漢通海鮮大酒店はやはり三人以上くらいで来るべきレストランですね。三人いれば素材もいろいろ食べられますし、メニューにも変化をつけられます。


 で、仕上げは前回同様に上海焼きそば、18元です。これ、三人でも食い切れないですよ。でも、本当に旨いので、三人ともお腹がはちきれそうになるまで、この焼きそばを食べてしまいました。上海焼きそばについての解説は、上の方に記載した一回目の解説をご覧ください。

 寧波漢通海鮮大酒店は最高です。今のところ、上海に行ったら必ず一階は食事したいレストランの一つです。ぜひ、皆さんもお試しを。但し、料理用語をある程度中国語で話せることが必要ですよ。


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