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アジアグルメ図鑑(上海)−田子坊のタイ料理レストラン

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 上海で何日か生活していると、上海料理、飲茶、麺等々バリュエーションは変えているものの、毎日、毎食が中華料理の連続で、さすがに少し飽きてきます。とは言え、私は日本料理屋に行く気もしないので、そうなるとイタリア料理やフランス料理、またはタイ料理などのエスニック料理を食べようかなどと考え出してしまいます。
 私の大好きなタイ料理については、レストランが田子坊に沢山ありますが、まだ一度もトライしたことがありません。ランチセットで60元というメニューのあるこの店に衝動的に突入です。


 タイ料理レストランの店内です。里弄(リーロン)の建物ですが内装はしっかり直してあって明るい感じのレストランです。ただ、タイ料理レストランらしい装飾がなくて、ちょっと寂しい感じです。
 今日のランチメニューから、チキンカレーセットを注文しました。レストランのウェイターに、これは辛いかと聞いたところ、辛さは抑えてあるとのことでしたから、タイ料理では「辛い料理が旨い料理」という考えを持っている私には、ちょっと物足りない味付けかもしれないと、この時点から嫌な予感がしていました。




 チキンカレーが出てくる前に、セットで付いてくるトムヤムクンが出てきました。スープの色は良い感じです。
 食べてみると、まずスープが冷めています。トムヤムクンは熱くて辛いのが好きな私としては、第一印象悪いです。スープ自体は味がよく出ていて辛さもまずまずですし、クン(エビ)も入っていますから間違いなくトムヤムクンなのですが、スープが長い時間置かれていたような感じで、味が沈んでいる気がします。どんよりした味に、心までがどんよりしてしまいそうです。
 


 出てきました。チキンカレーです。これだけドロッとした感じでカレーが出てくると、タイカレーというよりも日本のカレーライスみたいです。本場ではこんなカレーなんかないぞ、というのが第一印象です。
 食べてみると、これは辛さが全く足りない、味付けはタイ風ですがタイカレーではありません。あまり辛い料理を好まない中国江南地方の人や白人客の舌に、味を合わせているのでしょう。
 考えてみれば、日本でタイ料理を食べても、いくら「本格的タイ料理」などという看板を出している店であっても、お客さんの大多数の味覚に合わせてアレンジするのが常識と言うか、生き残っていくためには必要ですから、上海でタイ料理を食べても本場の味そのものを求めるのは酷なのでしょう。

 

 要は、中華料理をちょっと食べ飽きた時に、引き続いて中華料理を食べた方が良かったのか、今回のタイ料理モドキの方がが良かったのか、という問題です。私としては、中華料理を1回パスして良かったかなという気持ちが強いのですが、ここ田子坊には他のタイ料理レストランもあるし、ベトナムレストランもあるし、フランスやイタリア料理を食べさせてくれるレストランもあるのですから、何も、冷めたトムヤムクンを食べさせるようなレストランを選ぶ必要はなかったわけです。
 食後、田子坊をぶらつきながら、レストランはこんなにあるのにどうしてあんなレストランに入ってしまったのだろうと後悔に暮れる私でした。

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