深圳大芬油画村でゴッホの複製画|アジア写真帳

深圳大芬油画村


深圳大芬油画村とは 



 深圳大芬油画村は、複製画では世界の6割以上の複製画を制作しているエリアで、画廊や卸売店などが集積しています。もともと1980年代に香港の画商がこのエリアに画家の卵を集め、複製画の制作拠点を築いたのが始まりです。世界の複製画はその80%が中国で生産されていますけれども、そのうちの4分の3がここ大芬村で生産されているということになると、当然ながら中国の画家志望の若者たちがこの村に集まってくるわけで、このエリアでの画家ならびに画家志望者の人口はすでに1万人を超えているといわれています。

 
 
 複製画を作成している画家です。彼に聞いてみたところ、この大芬村には画家と画家の卵がいて、卵から画家になるためにはこの地域の展覧会で入選しないといけないそうで、それは決して簡単ではないとのことです。でも、画家としての資格を得れば、仕事は増えるしこの村で様々な特典も得られるので、一定の地位が築けるとのことです。こうした仕組みが中国で画家を目指す若者にこの大芬油画村を目指させる原動力となっているのでしょう。
 彼は既に画家としての資格を得ていて、自分の画廊を持っています。路上で絵を描いている画家の卵の作品に比較すると、彼の作品は確かに上質なものだということが素人目にもわかります。



 
 深圳大芬油画村は、深圳地下鉄の大芬駅から徒歩5分程度の場所にあります。羅湖駅から地下鉄で30分くらいの所要時間です。
 この大芬油画村がある深圳市布吉一帯は、この村がスタートした1980年代ではまだ山の中で、90年代になって来料加工の工場が次々に建てられたような地域でした。当時、私もこの布吉エリアに時々来ることがありました。それが今は住宅街に一変しており、住宅街の中に大芬油画村があります。駅からはウォルマートを目印に歩くと良いと思います。ウォルマートを超えたところに大芬油画村があります。

 
 大芬油画村に入ると、上の写真のような路地に画廊や店舗がひしめくように建っています。こんな道から奥に入っていきましょう。


 道端に無造作に飾られているというか置かれている複製画です。この店はモナリザあり、中国風の絵画あり、という感じで、いろいろなジャンルの複製画が置かれています。一般的にはこうした店舗が多いような気がします。


 一方、右側の店は人物画専門の店です。こういう専門性のある店の方が、何となく複製画の質も良さそうな気がします。


 道路端では複製画を製作中です。複製画の制作は、受注したものを受注枚数分作る場合と、ある程度売れ筋の絵画の複製画を在庫として作る場合とがあります。例えば、海外の画商から誰々の〇〇の複製画を100枚納品してくれ、というような発注が来るケースが前者です。この大芬村全体が世界の複製画の工場となっているのです。


 道端で描いているこの女性の作品はすべて漫画チックなものです。これらはかなり安いでしょう。

 

 ひまわりの複製画を製作中です。ゴッホの作品は特徴がはっきりしているので、複製しやすいという話を聞いたことがあります。このサイズの複製画ですと、30元とか50元とかで手に入れられると思います。もっと安いかもしれません。

深圳の大芬油画村

 こちらの複製画の方がいくらか良いですけど、ゴッホのタッチがあまり出ていません。まだまだ修行が足りません。

深圳の大芬油画村

 上の絵はこれまでの二人に比べると、かなりまともです。最近はゴッホを描く人が増えてきたように感じます。それは、2016年にオランダと中国の共同制作でリリースされた「中国のゴッホ」という作品の影響かも知れません。



 中国のゴッホ、趙小勇の「印象画廊」

中国のゴッホ、趙小勇の「印象画廊」(深圳大芬)

 「中国のゴッホ」という映画で採り上げられたのが、趙小勇です。彼は1997年からゴッホの複製画を10万点以上製作しており、彼の作品はおもにヨーロッパに輸出されています。私は10年くらい前に彼の画廊を偶然見つけ、以来、大芬に来るたびに立ち寄るようにしています。
 彼の作品自体は持っていないのですが、一番の弟子である彼の奥さんの絵は10点弱保有していて、 家や事務所に飾っています。彼女の作品を持って日本の額縁屋に行ったときに、額縁屋から複製画に見えないと高い評価をもらっています。
 今は弟子を20人くらい抱えているとも聞いています。彼の作品はほぼ注文を受けてからの製作になるようですから、この画廊には殆ど置いていないと思います。一番弟子である奥さんの作品を買い求めるのが無難だと思います。
 以下は私が初めてこの画廊を見つけた時の記録です。


 10年くらい前のこの日、私が探していたのはゴッホの複製画です。「オーヴェールの教会」という作品です。実は20年以上前に家族旅行でフランスに行った際にこの教会の建物を見るためにわざわざオーヴェールまで足を伸ばしたくらい、私はこの作品が気に入っているのです。ところが、この大芬村ではなかなか「オーヴェールの教会」の複製画が見つかりません。
 そんな時見つけたのが、ゴッホの複製画の専門店である印象画廊です。

 
 こちらを向いているピンクのシャツを着た女性がこの画廊のオーナーである趙小勇の奥さんです、当時この店で売られている絵はすべて彼女の作品でした。しかし、残念なことにこの店でも、「オーヴェールの教会」の複製画は飾られていません。


 額に入れると、複製画も見栄えがいいですね。特に、「夜のカフェテラス」はいい感じです。これは買って帰りましょう。
 でも、縦1m以上の立派な作品です。もう少し小さいのはないのでしょうか。画家であり店長でもある奥さんに聞いてみます。すると、半分のサイズがあるとのことです。また、ゴッホの描いた教会の複製画もそのサイズであれば描いた記憶があると言います。


 こちら側に日本のF12サイズ(絵寸:606X500mm)より若干大きめの複製画が積まれていて、この中に「オーヴェールの教会」と「夜のカフェテラス」もありました。1枚120元とのことでしたが、2枚買うので少しまけてもらい、1枚100元になりました。(2017年11月現在、1枚300元に値上がりしています。映画で有名になったことばかりでなく、深圳の物価が大幅に上昇し、原価が上がっていることが原因です。)
 今、複製画の在庫を見ているのは、たまたまこの店で出会った日本語通訳ガイドさんです。私と奥さんがいろいろ話していて私が日本人だと知り、日本語で話してきました。彼女もゴッホの絵が好きで、時々この店に来るとのことでした。


 この日、私が買った作品です。まあまあ良い買い物をしたかなと思います。この店では、絵を丸めてテープで留めてくれるだけです。近くの画材などのショップで8元のケースを買い、このケースに入れて日本まで持ち帰りました。
 日本に持ち帰り、困っているのは額縁です。日本のF12サイズとも合いませんので、額縁はオーダーになってしまいます。先日額縁のオーダーの見積もりをしてもらったら4万円もしました。100元(1600円)の油絵を4万円の額縁に入れるのもなあ、と考え込んでしまいます。店のお姉さん(画家)と日本語通訳ガイドさんの話では、深圳市の樟木頭(ジャンムートウ)に安くて良い額縁屋があるとのことでしたが、額縁を持って帰るのはいくらなんでも大変なので日本で買おうと思っていたのです。ちょっと遠いけど、やっぱり樟木頭で買って船便で送るべきだったかもしれません。(この大芬村でもそれなりの額縁は手に入ります。)
 次回、深圳に行ったときに、樟木頭で額縁を仕入れましょう。そして、またこの大芬油画村で、今度はモネとかシスレーの絵を手に入れたいと思います。


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