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香港の九記牛腩で牛肉カレーラーメン


 九記牛腩で牛肉カレーラーメン


九記牛腩は香港の大人気店 

香港の九記牛腩

 香港には美味しいグルメがいっぱいあります。お金をたくさん出せば美味しいものはいくらでも食べることができますし、廉価な店でも美味しい料理を出してくれるレストランはいくらでもあります。
 B級グルメに関しても、とにかく香港にはB級グルメがあふれています。そのなかでいつ行っても行列ができている店というのもいくつかあります。なかでも香港島上環にある九記牛腩は一時間待ちは当たり前の店で、ひどい日には待つ人の列が延々と続いてしまいます。ここに来る殆どのお客さんのお目当てカレー牛肉ラーメンです。そんなに美味いのか、と聞かれると、実に美味いのですと答えるしかありません。癖になってしまう味なのです。
 この日は、昼食時を外して2時過ぎに来ました。店内は30人も入れば一杯という小さな店ですが、外にも10人くらいしか待っていません。客の回転は悪くないので20分ほどの待ち時間で中に入れました。ラッキーです。


 上の写真は九記牛腩のメニューです。
 この中でカレー味を探すと、「咖喱」という字が見えますね。これがカレー味です。

香港・九記牛腩のメニュー
 
 小さくて見づらいので、字を大きくしましょう。
 「咖喱」という字がついているメニューは四つあります。このうち、河粉とか米粉とかいうのは、米から作られている麺で、米粉はご存じのビーフンで、河粉はビーフンを太くしたうどんのようなものです。粗麺は平打ちの中華麺で、私の好みとしては汁なし麺には合うと思います。好みではありますが、スープ入りラーメンを食べるなら、私は中華麺である「伊麺」をおすすめします。
 そうするとお目当てのカレーラーメンは、「咖喱」と「伊麺」という字がついた二つの商品に絞られますが、その二つの違いは「撈麺(ロウメン)」という字の有無です。撈麺(ロウメン)は汁なし麺です。
 そこで、私は左から四つ目の牛バラ肉入り入り汁ありカレーラーメンを選択し、指さすわけです。旅行者が広東語で注文しても99.9%は通じません。指さしてください。日本語メニューもありますから、不安だったらそちらをご覧ください。私の場合は日本語メニューを出されたことは一度もありません。

 
 九記牛腩は香港島上環にあります。場所は少しわかりづらいかもしれませんが、私がよく行く伝統的な飲茶店、蓮香楼を目印にして歩いていくと分かりやすいですし、長い階段を上らないで済みます。実は少し遠回りなのですが、このルートの方が楽なのです。  
 話は横道にそれますが、香港蓮香楼はワゴン式の飲茶が楽しめる数少ないレストランです。この九記牛腩と蓮香楼は私のお気に入りの店で、この二つのレストランが上環にあるので、私は上環のホテルを選ぶことが多いのです。



九記牛腩のカレー牛腩牛筋麺

 さて、待つこと5分、カレーラーメンが出てきました。牛バラ肉がいっぱい乗っています。因みに店の名前にも入っている「牛腩」とは「牛バラ肉」のことです。美味しそうですね。丼はそんなに大きくはないですが、麺の量は日本のラーメンと同じくらいでしょう。

九記牛腩のカレー牛腩牛筋麺

 麺が見えなかったので、麺を下から引き出したところです。これは伊麺という中華麺です。メニューのところで説明したとおり、他にビーフンや河粉(うどん)などもあります。ただ、私はカレー味ということであれば伊麺が最も合うと思っています。
 河粉については潮興魚蛋粉の潮州式ラーメンがおすすめです。

 
九記牛腩のカレー牛腩牛筋麺

 そして、牛バラ肉です。上の写真を見ても美味しそうですよね。実に美味いのです。柔らかくよく煮込まれていて、日本ではなかなかお目にかかれない牛肉です。
 スープに関して言えば、ここに来るといつも「Please make spicy and spicy」と言っているので、普通の味がどうだったか分からなくなってしまいましたけれども、「spicy and spicy」までいかなくても「spicy」くらいにはした方が良いのではないでしょうか。因みに、「spicy and spicy」にすると食べ終わる頃には、汗が顔にじっとりと浮かんできます。
 よくも飽きずにこのカレーラーメンを何年間も食べているなあと我ながら感心するのですが、残念ながらまだまだこの九記通いは続きそうです。とにかく美味しいB級グルメなのです。

九記牛腩のカレー牛腩牛筋河粉
 
 別の日の九記牛腩です。もちろん、カレー牛腩牛筋なのですが、この日は麺に河粉(うどん)を選んでみました。テーブルに運ばれてきたときの姿では麺がスープの下に隠れてしまっていて分かりませんね。代わりに、牛筋が激しくそそり立っていて、ビジュアル的には迫力あります。

九記牛腩のカレー牛腩牛筋河粉
 
 河粉と牛腩(牛バラ肉)をスープの下から掘り出してみました。見えている麺が河粉です。日本のうどんのようなものです。米から作られていて、中国や香港の若い人は中華麺よりも河粉や米粉(ビーフン)を好んで食べます。私としては中華麺の方をおすすめします。
 それにしても牛腩(牛バラ肉)がトロトロの様子が分かりますね。美味かったです。

 なお、九記牛腩は日祭日は休みで、その他の日は 12:30-22:30の営業です。土曜日は混みあいます。ウィークデイの日を選んで行ってみてください。



香港島天后にある華姐清湯腩のカレー牛腩麺

香港天后にある華姐清湯腩のカレーラーメン

 九記牛腩のカレー牛腩麺は美味しいです。だから食べに行きたいのはやまやまですが、とにかく混んでいて30分待ちは当たり前で、最も混んでいるときはせっかく九記牛腩まで行っても行列を見て諦めて帰ることだってあります。しかも九記牛腩は地下鉄やトラムの駅から坂を上ってかなり歩くので、諦めて帰るときのむなしさはかなり大きいです。
 九記牛腩以外で美味しいカレー牛バララーメンを食べられる店はないのでしょうか。そんな時に私がスペアとして利用するのが香港島の天后にある華姐清湯腩です。地下鉄天后駅から徒歩1分です。

華姐清湯腩の清湯麺

 華姐清湯腩という店は清湯牛腩でミシュラン一つ星を取った店です。清湯牛腩というのは、清湯のスープ麺の中にトロトロの牛腩(牛バラ肉)が入ったラーメンです。そういう意味では、ここでカレー牛腩は邪道かも知れません。確かにお客さんの半分以上は清湯牛腩を注文しています。
 カレー牛腩麺を注文すると、清湯麺とカレー牛腩が別盛りで出てきます。さすがに清湯スープにこだわりが感じられる店です。

華姐清湯腩のカレー牛腩

 こちらはカレー牛腩です。トロトロの牛腩が美味しそうです。これを自分で清湯麺に入れてしまいます。

 
香港の華姐清湯腩で食べたカレー牛腩麺

 九記と違ってスープがドロッとしていないから、太麺を選ぶべきだったかな。なんて思いましたが、細麺も美味しいので大満足です。でも、牛バラ肉は柔らかくスープともども大変美味でした。カレーは少し辛目でカレーラーメンを食べるには程よい辛さです。
 正直言って、九記のカレー牛腩と比べても、こっちの方が美味しいじゃないかなんて思うことがあります。
 
香港島天后の華姐清湯腩

 華姐清湯腩へは天后の地下鉄駅を電気道方面に出て、道路がカーブしているところに上の写真のように小さな店が見えます。 華姐清湯腩は小さな店ですが、ランチ時でも行列ができるほどではありません。私は時間があまりない時とか30分も行列に並ぶ気力がないときには、迷わず華姐清湯腩に向かいます。このスペアを知っていると、香港でカレー牛腩麺を食べたい欲求に襲われた時も安心なのです。

 



彌敦粥麺店の牛筋カレー入り撈麺(和え麺)

香港、彌敦粥麺家のカレー牛腩撈麺
 
 九記牛腩はスープの入ったカレー牛肉麺が有名ですが、九龍・佐敦にある彌敦粥麺家ではカレー牛腩がかかったスープなしの撈麺を食べられます。九記牛腩は超人気店ですから、せっかく行っても長蛇の列を見て食べるのを断念する人も多いのではないでしょうか。その点、彌敦粥麺家は人気店ですが行列ができるというほどではないので、いつでも食べられます。
 上の写真がカレー牛腩撈麺です。うん、美味しそうです。

香港のカレー牛腩撈麺はおすすめ
 
 カレーは意外にしっかりした辛さです。香港人は辛い料理を苦手にしていますからちょっと意外です。日本人には中辛くらいの味でしょうか。牛筋はとても柔らかくて合格です。朝からこれを食べろと言われてもちょっと困りますが、ランチや夜食にはほど良いボリュームです。麺も典型的な香港の撈麺の味で、撈麺を食べ慣れない日本人が多いと思いますが、すぐに好きになる味だと思います。
 そういうわけで彌敦粥麺家のカレー牛腩撈麺には大変満足できます。でも、ここ彌敦粥麺家は九龍サイドのお粥屋さんでは私の一番のお気に入りですから、お粥も食べてほしいものです。九龍サイドのホテルに宿泊しているのなら、朝は粥、ランチか夜食はカレー牛腩撈麺、と二回行かれることをおすすめします。




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