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香港・元朗はB級グルメの街|アジアグルメ図鑑(香港)


 香港・元朗はB級グルメの街


元朗の街には20世紀の香港が残っている 

香港・元朗の街並み

 元朗は香港の新界地区にある郊外の街。昔から栄えていた街なので、老舗の店が多く、昔ながらの香港が残っている街です。軽便鉄道(軽鉄)とも呼ばれる路面電車が走る街としても知られています。
 かつては地下鉄(MTR西鉄線)もなかったのでバスとこの軽便鉄道を乗り継いで来たものですが、今では地下鉄で香港中心部と約30分で結ばれているので、旅行者でもかなり行きやすくなった街です。

香港元朗の熟食中心

 元朗の街を歩くと、大声で広東語が飛び交っているオープンエアの飲茶屋があって、お茶を飲んでくつろいでいる人々の姿があります。こうした光景は元朗ならではの香港風情です。と言うより、20世紀の香港という感じかもしれません。

 
 香港でも冬になると10度以下になりますので、寒い日にはこんな形で風よけをしています。オープンエアの店ですけど、長居しなければ冬でも風邪をひくことはないでしょう。

 
 上の写真は3人で飲茶した時の写真です。この日は下で紹介する發記の粥を食べた後でしたから、焼売、春巻と馬拉糕だけ注文しました。これぞ、本当に使い古した伝統の蒸籠です。味は至って香港の普通の飲茶の味です。ここは美味いと舌鼓を打つほどではないにせよ、日本で食べる点心と比較したら雲泥の差で美味しい点心を食べられます。これ食べて普洱茶(ポーレー茶)を飲んで、わずかHK$80という良心的な価格です(2018年2月現在)。

 
 これが店内です。当然ですが相席です。広東語しか通じませんが、普通の飲茶屋と同じようにお茶と点心を注文するだけで、一時間もいれば、ずっとずっと昔の香港風情をじっくりと味わえるのです。
 スタバよりも安いのは当然ですが、マックコーヒーよりも安いです。ですから本当は午後も営業してくれると良いのですが、午後は飲茶でがきないようです。ここの飲茶を楽しみたいのであれば、朝10時か11時くらいには行くようにしてください。

香港・元朗の粥麺店
 
 元朗の街を歩くと、懐かしさがこみあげてきて嬉しくなります。1990年代、あるいは1980年代の香港がここにはあるのです。上の写真は香港粥や腸粉を食べさせてくれる専門店。もちろん、今の香港市街にも同様な店はいくつもありますが、店の雰囲気が昔風なんです。日本でいえば昭和の匂いを感じさせるという雰囲気なんですね。

元朗の焼味屋(焼臘店)
 
 焼臘(シウラップ)屋さんもショーケースを隔てずにぶら下げられているので、美味しそうな香りが周りに充満しています。こういう風景って、昔の香港です。こういう店が元朗には沢山あって、私は今でもどこに入ったらよいのか迷ってしまいます。正しく言うと、どの店も美味しそうに見えて目移りしてしまうのです。

 
香港元朗の熟食中心

 そんなわけで、元朗の魅力に取りつかれて元朗に数十回足を運んでいるうちに、なるほどこの店が美味しいなという自分なりの品定めというか店定めができてきました。そこで、香港B級グルメファンの方向けに、元朗のB級グルメ決定版をこのページで紹介します。
 いくつかの有名店は別ページでも詳しく紹介していますが、そうした有名店をサラリと紹介したうえで、元朗のB級グルメの隠れた名店をその後に紹介していきます。



元朗の有名店(好到底大栄華酒楼佳記甜品)

香港・元朗の好到底麺家

 まず、元朗のB級グルメは比較的有名な好到底の紹介から始めましょう。好到底は軽鉄大棠路駅から市場方面に歩いて2分のところにあります。上の写真のような大きな看板が出ていますから近くに来ればすぐに分かります。
 好到底は2011年から6年連続でミシュランに掲載されている名店です。でも2泊3日や3泊4日の香港に初めて来た観光客が行くような店ではありません。元朗は今では地下鉄で香港中心部と約30分で結ばれているとはいえ、往復で1時間かかりますし、元朗まで来れば香港スイーツも楽しみたいし街歩きもしたいということで、なんだかんだで3時間くらいかかりますから、初めての香港旅行者にはちょっとすすめづらい場所にあるのです。ですが、リピーターの方にはぜひ行ってもらいたい名店です。決して後悔しないと思います。

元朗、好到底の蝦子撈麺
 
 この日は朝食を好到底で食べる計画でした。ここ好到底は香港人にも人気の店で、昼前にもなると香港各地からお客さんが集まってきてしまうので行列ができてしまいますが、朝イチに来ると待たないで済むのです。開店は朝9時、それにあわせてホテルを出てきたというわけなのです。
 この日、好到底で食べたのは、もちろん蝦子撈麺(エビの卵がけ混ぜ麺)です。プチプチしたエビの卵が自家製麺にどっさり乗っていて、美味しいのです。香港で蝦子撈麺を食べさせてくれる麺店はいろいろありますが、私の経験ではここで食べた蝦子撈麺がベストです。
 わざわざ元朗まで行きたくないという方や時間が足りないという人は、少し味は落ちるけど、中環(セントラル)にある黄枝記が良いでしょう。黄枝記はマカオが本店ですが、香港中環でも全く同じレベルの味を楽しめます。リンク先のページで香港店の場所も紹介しています。

香港・元朗、好到底のエビワンタン
 
 一方、好到底で最もよく注文されているのはこの雲呑麺(ワンタンメン)でしょう。香港ではワンタンメンと言いますが、日本式に言えばエビワンタンメンです。つまりワンタンは肉ワンタンではなくエビワンタンなのです。
 テーブルに運ばれてきたときは麺に隠れてワンタンの姿は見えませんが、ワンタンは麺の下に隠れています。 上の写真は麺の下からワンタンを掘り出したところです。
 人により好き好きはありますが、麺だけでいうと中環のウェリントン街にある沾仔記のゴム麺の方が香港の麺らしくて私は好きです。ですけど、どちらが日本のラーメンの麺に似ているかというと好到底の方ですから、香港慣れしている人でなければ好到底の麺を好むと思います。
 一方、雲呑を含めた総合評価ということでは、私も好到底の方が上だと思っています。実は入っているエビのプリプリ感も沾仔記の方が勝っています。それでも好到底のワンタンメンの方が美味しいという私の推薦理由は、好到底の雲呑に入っているエビ味噌の素晴らしさなのです。コクがあって旨みがあって最高なのです。このエビワンタンを食べてしまうと、香港の他の店や、ましてや日本のエビワンタンなど、子供だましのように思えてしまうのです。
 上の写真を見てください。見るからに美味しそうなワンタンに見えませんか。好到底についてはリンク先で詳しく紹介しています。

元朗で飲茶するなら、大栄華酒楼
 
 続いての香港元朗B級グルメは飲茶の大栄華酒楼です。元朗では最も格式の高い酒楼(レストラン)です。とは言っても壁の花輪みたいなのを見てもらえば想像できる通り、大変レトロなレストランで、昔ながらの香港の飲茶風情を楽しめる店です。2016年に内装を改装しましたが、雰囲気はいまだにレトロです。

元朗・大栄華酒楼のイカのニンニク蒸し
 
 大栄華酒楼の点心は、香港の中で際立って美味しいというほどの点心ではありません。特に何が美味しいということでもありませんから、奶黄馬拉糕(カスタードクリーム入りのマーライコー)以外は、私はその日の雰囲気で適当に注文しています。例えば日本人が大好きな焼売、香港では平凡な水準の焼売です。それでも、日本のものに比べれば、どんな中華料理レストランよりも美味しいとは思います。
 香港の飲茶で食べる点心というのは洗練されたものが多いのですが、ここ元朗の大栄華では昔ながらの素朴な点心が多いのが特徴です。例えば、上の写真のイカの煮物などはニンニクがたっぷり効いていて、これはこれでかなり美味しいです。お茶を飲みながらつまむのにちょうど良いです。まさにお茶を飲むために注文するのに適した点心なのです。大栄華酒楼のイカのニンニク蒸しは私の定番です。

元朗・大栄華酒楼の?黄馬拉?(カスタードクリーム入りのマーライコー)
 
 そして、奶黄馬拉糕(カスタードクリーム入りのマーライコー)です。この点心は大栄華酒楼の一番人気のメニューです。一般的な馬拉糕(マーライコー)に比較すると、カスタードクリームの味が強い分だけ甘みが増しています。私は飲茶の時にあまり馬拉糕(マーライコー)は注文しないのですが、ここ大栄華酒楼に来た時だけは例外です。やっぱり何度食べても美味しいのです。
 美味しい普洱茶(ポーレー茶)を飲みながらつまむ甘い馬拉糕(マーライコー)に、レトロな香港の飲茶風景が良く似合います。

元朗、大栄華酒楼の飲茶風景
 
 大栄華酒楼の店内です。店内は改装されたばかりだから綺麗になっています。でも、昔ながらの広々とした酒楼の雰囲気はそのまま残っています。ここにいると聞こえるのは広東語ばかりです。私は香港に住んでいましたが広東語は全く話せません。ですから、相席していても隣が何を話しているか全くわかりません。それでも気軽に話しかけてくる方もいて、そんなところに下町の飲茶風情が感じられます。そんな時は私は北京語で対応しますが、何とかギリギリのコミュニケーションはできます。
 嬉しいじゃないですか。相手は私が香港人でないことはとっくに見抜いていますし、それでも気軽に話しかけてきて、あれこれ話し相手になってくれる。そんな温かさがここ元朗の茶楼には残っているのです。この大栄華酒楼も点心の注文はオーダー式です。本当のことを言えば、レトロな元朗の雰囲気に合わせてワゴン式であればもっと魅力的ではあります。でも、言い方が悪いですが、店自体は改装したモダンになっても、制服は赤を基調にしたモダンなものになっても、やはりここは大栄華酒楼です。老舗の貫禄というか、昔ながらの香港の飲茶風情が感じられるのです。
香港には美味しい点心を食べられるお店は沢山あります。わざわざ元朗まで行って飲茶をするのも如何なものかと感じる方も少なくないでしょう。でも、私がこの大栄華酒楼を気に入っているのは香港庶民の生活に溶け込んでいる飲茶風情を見れるからなのです。香港リピーターの方には是非お勧めしたい酒楼です。
 大栄華酒楼についてはリンク先で詳しく紹介しています。

佳記甜品の店内
 
 さて、昔ながらの香港の風情を残す元朗の街を当てをなく彷徨い、気が付いてみたら12時を回っていました。スイーツの佳記甜品が開店する12時半が近づいています。この佳記甜品も香港人に大人気のお店ですから、比較的空いている開店時間直後が狙い目です。
 上の写真は1時くらいの佳記甜品店頭の様子です。開店時は行列ができるわけでもなく、食べ終わった1時くらいでも、広い店内はほぼ満席になったものの外に行列ができるほどではありません。
 佳記甜品は美味しいスイーツ店ですから、時間さえ作れれば香港旅行の中でぜひ足を延ばしてもらいたいものです。ざっと見渡すとグループで来ているお客さんが多いです。たまたま若者同士のグループが横にいましたが、家族連れだったり中年の夫婦だったりで、客層は老若男女が年齢問わずで集まっています。一方でお一人様も意外に多く、それも男性客が一人で来ているのが目立ちます。

B仔涼粉(香港元朗の佳記甜品)
 
 佳記甜品にはマンゴーやドリアンのデザートがいろいろあります。マンゴーの腸粉などもあって、迷ってしまいます。が、何と言っても佳記甜品の看板メニューはB仔涼粉です。B仔涼粉というのは、山盛りのフルーツの上に涼粉を載せたデザートで、とにかくそのボリュームには驚きます。一人で食べるとさすがに飽きてしまいそうなサイズです。
 そこで一人で来るのならB仔船というB仔涼粉を1サイズ小さくしたものにしたら良いと思います。でも、B仔涼粉にしてもB仔船にしてもメインはフルーツですから、香港デザートを楽しむなら、マンゴーかドリアン系列からもう一品選択した方が良いでしょう。

香港元朗・佳記甜品のマンゴーのスイーツ
 
 そんな時に私が注文するのはマンゴー腸粉とかのマンゴーのもち米団子(芒果糯米巻)とかです。美味しそうでなのですが、私はいつもマンゴーのもち米団子(芒果糯米巻)はテイクアウトして後でホテルで楽しむようにしています。このマンゴーのもち米団子(芒果糯米巻)やマンゴー腸粉にはにはパックがついているのです。マンゴーのもち米団子(芒果糯米巻)をホテルに持ち帰りホテルで食べるか、それとも香港元朗のB級グルメ店をもう一軒回るか、そんなことは悩むべきではありません。B級グルメの街、元朗には魅力的な香港B級グルメがあふれているからです。
 佳記甜品についてはリンク先で詳しく紹介しています。



 香港スイーツの許留山、発祥の店

許留山発祥の店(香港・元朗)
  
 上の写真は香港ではどこでも見かける許留山のお店に見えますが、実は許留山はここ元朗が発祥の地です。香港では涼茶といって漢方薬系のお茶やデザートを出す小さなお店がいくつもあります。許留山もそうした涼茶のお店の一つだったわけです。1950年代に創業した許留山は1990年代からフルーツ系のデザートも扱うようになり、今ではむしろ香港デザートの老舗として知られるようになったわけです。看板の許留山の文字の下に特種亀苓膏と書いてありますが、これが亀ゼリーです。他の許留山のお店の看板にはこの文字は入っていません。

許留山は涼茶舗としてスタート
 
 この元朗にある発祥の店はお客さんが10人も入ればいっぱいになってしまうくらいの小さなお店で、元朗の昔ながらの風情を残す一角にあります。しかも許留山のお店は香港の風景になじんでいますから、元朗の街歩きをしていても通り過ぎてしまいそうなお店です。入り口わきの大きな釜が当時の涼茶舗だった名残を残しています。
 でも、発祥の地だからと言って特に美味しいとか特別メニューがあるとかといったことは全然ありません。他の店舗の方がむしろゆったりしていて快適なくらいです。では、どんな人におすすめなのかというと、もう許留山のファンで、「私は許留山の発祥の店にも行ったことがある」と言って自慢したくなる許留山フリークの方だけです。

許留山の亀苓膏(亀ゼリー)
 
 亀ゼリーです。この元朗の発祥の店には特種亀苓膏(亀ゼリー)と霊芝亀苓膏(亀ゼリー)がありますが、この日注文したのは霊芝亀苓膏(亀ゼリー)です。
 にがいですね。私が亀ゼリーを初めて食べたのは新界の上水のある涼茶舗だったのですが、そこは本当に苦くて全部食べるのに時間がかかってしまいました。その時一緒に行った香港人女性の弁によれば、ガンの予防にもなるし高血圧にも効くとかで、何にでも効く薬なんだね、などと信じてもいないのに同調したりしました。これは体にいいのだ、と言い聞かせないと食べられない代物だったからです。
 その亀ゼリーに比べれば、ここ許留山の亀ゼリーはいくらか食べやすいですね。この程度の苦さを我慢して食べるだけでガンにも高血圧にも良いのであれば週に一回くらいは食べなきゃなどと思ったりもしますが、やはり私にはそんなに食欲が沸く食品ではありません。



 元朗の美味しいB級グルメ(發記腸粉粥品)

香港のB級グルメ(元朗・發記)

 さて、元朗のB級グルメを紹介していますが、ここまでは日本でも比較的知られているお店だったと思います。ここからは、少しマニアックな店をいくつか紹介していきます。どこも私の判断基準では評価の高いB級グルメ店ばかりです。
 まず、發記腸粉粥品です。看板にある通り腸粉とお粥の専門店です。私はもっぱら朝食をとる場所として利用しています。朝食時などは次から次へとお客さんが入ってきてお粥と腸粉を食べていきます。厨房を見るとすごく丁寧に調理していることがわかります。味は文句のない味ですし人気が出るのもうなづけます。

香港のB級グルメ(元朗・發記)

 發記の朝の店内風景です。行列ができるほどではないですが、相席してもテーブルが足らず5・6人の人がいつも待っている状態です。ですが、この店で長居をする人は少ないので回転は速いです。先ほども書きましたが調理は丁寧で、注文を受けてから調理していますから料理が出てくるまで5分ほど待ちます。

元朗・發記の腸粉

 まず、腸粉から紹介しましょう。腸粉は飲茶の時に食べると腸粉の中に少し具が入っている感じです。でも、ここ發記の場合は具だくさんです。上の写真はエビと豚肉の腸粉です。ここ發記の腸粉は手作りです。いろいろな店で腸粉を食べている私にとってもこの腸粉は記憶に残るほぼ最強の腸粉です。なめらかな食感といかにも出来立ての香りがする腸粉にエビと豚ひき肉がたっぷりと包まれています。たれも私好みの味付けです。素晴らしい腸粉です。

元朗・發記の蝦米炸兩腸粉

 普通の腸粉も美味しいですけれども、私のおすすめは蝦米炸兩腸粉です。蝦米とは中華料理によく使われている干しエビのこと、そして炸兩とは油条をアツアツの腸粉でくるんだものです。油条というのはよく香港でお粥に入れているパンみたいなやつですね。油条がお粥に合うのと同様にこれが意外と腸粉にも合うのです。それに干しエビが絡まっているところが上の写真でもわかりますよね。

元朗・發記の蝦米炸兩腸粉

 私はこの炸兩腸粉が大好きで朝から食べたくなってしまいます。それでも普通の腸粉に比べたら脂っこいですから、さっぱり目の食事を好まれる方は普通の腸粉の方が良いとは思います。エビ(蝦)の入った腸粉などもありますから、 メニューで蝦と腸粉の字がある部分を指さして注文してください。そうです。この店は広東語しか通じないからです。

元朗・發記の中華粥
 
 先に書いた通り、私は朝食時に發記を利用しています。では、朝食を腸粉だけにしているのかというとそうではありません。腸粉と一緒にお粥も食べています。実はお粥だけでもおなか一杯になるのでお粥だけでも良いのですが、發記の腸粉があまりにも美味しいので腸粉も注文してしまうのです。周りの人を見ると、両方食べている人の方が多いみたいです。
 そして、中華粥は上の写真でもお分かりの通り、トロトロに煮込まれています。もう大感激の味付けです。予め煮込んでいる中華粥を注文を受ける都度土鍋に入れて具と一緒に煮込んで出てきますから、テーブルに出てきたときはもうアツアツのお粥です。そして、具も粥によくなじんで出てきますからとても美味しいのです。上の写真は定番の皮蛋痩肉粥です。

元朗・發記の中華粥
 
 中華粥では具が下の方に沈んでいますから、上の写真は皮蛋痩肉粥の下から具を掘り起こしたところです。どうですか、美味しそうでしょう。この美味しいお粥を腸粉もおかずにしながら食べるのです。皮蛋痩肉粥の場合はさっぱりしていますから、蝦米炸兩腸粉を合わせるのが私流です。

元朗・發記の中華粥
 
 一方、こちらは猪潤粥、豚の内臓粥です。初めて行ったときに腸粉だけ注文したら、お店の人からも「うちのお粥は美味しいんだからお粥も食べていきなさいよ」と声をかけられて、「じゃあ一番美味しいお粥ちょうだい」と言って出てきたのがこれです。

元朗・發記の中華粥

 具を下から掘り起こせば、これまた具だくさんのお粥で大満足の味です。
 気持ちだけの問題ですけど、この猪潤粥を食べる時は炸兩腸と組み合わせると食べ過ぎになりそうな気がして、いつも普通の腸粉にしています。カロリーは大して変わりませんでしょうけどね。
 ということで、この發記、私の元朗での朝食のおすすめナンバーワンの店です。朝7時から夜も12時までやっているようですから、ぜひ一度お試しください。

香港・深圳に行く機内での読書は、私はいつもこれです。


 元朗の美味しいB級グルメ(天鴻焼鵝)

元朗・天鴻焼鵝の店頭(香港B級グルメ)

 次に紹介するのは、香港B級グルメの一方の雄である焼臘店です。焼臘(シウラップ)というのは読み方も難しいし日本ではなじみが薄い言葉なので、私のページでは焼味店というように紹介していますが、要はローストご飯の店です。
 元朗にはたくさんの焼味店があります。私が知る範囲ではその中で最も美味しいローストご飯を食べさせてくれるのが上の写真の天鴻焼鵝です。いかにも素朴な店舗風景が元朗らしさを出しています。
 この天鴻焼鵝は既に紹介した發記から徒歩1分、發記は佳記甜品の向かい側ですから、この3つの店は徒歩1分の距離の中に集中しています。さらに、好到底からも徒歩3分くらいです。もっと言えば、元朗から軽鉄で1駅の大棠路駅を挟んで、北に大栄華酒楼と許留山、南に好到底、佳記甜品、發記と天鴻焼鵝が半径300mくらいの中に位置しています。このように元朗に来れば、香港B級グルメ店が狭い場所に集結しているのです。

元朗・天鴻焼鵝の店内(香港B級グルメ)

 天鴻焼鵝の店内です。店内と言っても調理場は外の道路に面しています。焼味店と言うと道路に面したショーウィンドウにガチョウなどがぶら下がっているのですが、天鴻にはそうしたショーウィンドウはなく、道路に面して調理場があるのです。

天鴻焼鵝のメニュー

 店内に貼られているメニューです。なんといっても店の一番のおすすめはガチョウです。丸ごと一羽で468香港ドル、その他部位ごとに値段が出ています。観光客が焼味店を利用するときはたいていはローストご飯です。ローストご飯の価格は、上の写真では見づらいですが、右上の方に出ています。

ローストグースは香港焼味の頂点(元朗・天鴻焼鵝)

 上の写真が焼鵝飯です。2017年8月現在、52元です。日本円に直せば700円くらいですから香港では高くもなく安くもないまあまあの値段です。天鴻焼鵝の場合、乗せているガチョウの量と質が良いのです。肉がどんぶりから大きくはみ出しているところなんか、最高です。そして、見るからにおいしそうな焼き色。そうです。焼き具合も良いのです。
元朗・天鴻焼鵝のガチョウのロースト
 
 焼き具合はアップしてみるとよくわかると思います。香ばしさが写真からも伝わってきます。そして口に入れた時にジューっと口の中に広がるうまみと甘みがガチョウのローストの醍醐味です。
 私も初めて香港に行った頃は、こうした焼味店に行ってもチャーシューばかり食べていました。チャーシューは日本で食べなれていたし、香港のチャーシューは日本のチャーシューとは違う美味しさがあるからです。でも、ガチョウの美味しさがわかってしまった今では、やはりガチョウを食べることの方が多いです。

ローストグースは香港焼味の頂点(元朗・天鴻焼鵝)
 
 上の写真はどんぶりの外にはみ出していた部分の肉をひっくり返したところです。パリパリに焼けた羽の内側にジューシーな肉が詰まっています。この天鴻焼鵝のガチョウのロースト(ローストグース)のレベルは、香港市街だったら100香港ドル出してもなかなか食べられないのではないでしょうか。一流の広東料理レストランに行ってもなかなかお目にかかれない水準です。ましてや香港島中環(セントラル)にある鏞記( ヨンキー)の脂っこいだけのローストグースが香港焼味の水準だと思っている方には驚きの食体験になること、間違いありません。香港では値段や店の見かけによらず美味しいグルメがあるのです。

元朗・天鴻焼鵝の叉焼焼肉飯(香港B級グルメ)
 
 さて、ガチョウのロースト以外はどんなものでしょうか。天鴻焼鵝ではチャーシューや焼き肉も美味しいです。
 その前に焼味店でのローストご飯の注文方法を若干説明します。ご飯の上に一種類の焼味を乗せるのを単拼、二種類乗せるのを雙拼と言います。乗せる具のレベルによって価格は違うのですが、一般的にチャーシュー、焼鴨、焼肉、白切鶏や油鶏あたりは同じくらいの値段ですので、チャーシュー一品だけ乗せるチャーシュー飯を注文しても、チャーシューと白切鶏の雙拼飯にしても同じ値段になり、乗せる具の値段が違う場合は高い方の値段が全体に適用される店が多いです。
 そこで、上の写真はチャーシューと焼肉の雙拼飯です。42元です。ちなみに単拼の値段と同じです。

天鴻焼鵝のチャーシュー(香港元朗のB級グルメ)
 
 上の写真をご覧ください。どうですか、このチャーシュー、美味しそうに見えますでしょうか。横浜中華街ではこんな美味しそうなチャーシューにお目にかかれません。実際に食べてみるとこれがまた実に美味しいのです。ジューシーで甘さが程よくて、私好みの味です。だけど、チャーシューだけでご飯を食べてもちょっと飽きてしまうかもしれませんね。そこで雙拼飯にすると良いわけです。

天鴻焼鵝のチャーシューと焼肉(香港元朗)
 
 この日チャーシューと組み合わせたのは焼肉です。上の写真奥に見えるのが焼肉です。豚バラ肉をローストしたもので、店によっては焼腩と言います。焼腩については湾仔にあるミシュラン一つ星の甘牌焼鵝に比較すると見劣りしてしまうのですが、それでもチャーシュー一本に絞って食べるよりも味に変化がついて良いのです。チャーシューはどうしても味付けが甘くなるので飽きてしまうんですよね。天鴻焼鵝の焼肉自体の味はまあまあです。

 元朗には美味しいB級グルメがいろいろ

老馮茶居は伝統的な茶室(香港元朗)

 次に紹介するのは茶室です。老馮茶居です。茶室と言うのはお茶を楽しむ店のことで、お茶を楽しむための点心なども出します。茶楼や酒楼というとレストラン形式です。一方、茶室は喫茶店のようなもので茶楼を小さくしたような店です。元朗で飲茶と言うと既に紹介した大栄華酒楼の名前が出ますが、このような茶室でも飲茶はできます。特に老馮茶居は昔ながらの内装と美味しい点心で有名な茶室です。

老馮茶居のノスタルジックな店内(香港元朗)

 ということで老馮茶居に入ってみましょう。上の写真は朝9時ごろの様子です。この日私は8時半ごろに行きましたが、その時間は既に満席で私も二人掛けのテーブルに先に来ていた香港人の女性と相席で座りました。9時を過ぎて一瞬店内がすいたときに撮影したのが上の写真です。
 このノスタルジックな店内、泡年くらい前の香港にタイムスリップしたような感じです。

老馮茶居の茶具(香港元朗)

 そして、このノスタルジックな茶器も店の雰囲気にぴったりです。後で元朗のお店を見ていたら、この図柄の茶器が売られているのを見ました。どうやら普及品の茶器のようですが、ここ老馮茶居で使用されているとそれなりに良い雰囲気が出てきます。

老馮茶居のウズラ焼売(香港元朗)

 老馮茶居の点心の数は酒楼などと比べると種類は少ないものの、酒楼ではあまり見かけない点心がいろいろあります。上の写真はウズラ焼売です。焼売の上に鶉が乗っているというか、焼売の中に鶉が入っているというか、とにかく見たことのない焼売です。
 老馮茶居にはもちろん普通の焼売もありますが、このノスタルジックな店ではウズラ焼売の方がしっくりきます。味は美味しいです。とても美味しいですというレベルには達しないものの、十分に美味しいレベルです。焼売部分はとても美味しく、問題はウズラの味が焼売に合うんだろうかという点だけです。実際には一口で入る大きさの焼売ではないので別々に食べることになってしまいます。そうすると、ウズラ焼売って何なんだろうということになります。繰り返しになりますが、焼売部分は焼売としてはとても美味しいのです。どうしてウズラを乗せたのでしょう。

老馮茶居のイカのカレー味の点心(香港元朗)
 
 もう一品はイカのカレー味です。この点心はそう言えば20年くらい前に香港で仕事をしていたころ、一緒に仕事をしていた50過ぎの香港人のおじさんが大好きな点心でした。最近はあまり見かけないと思っていましたが、ここ元朗の茶室でとうとう見つけました。
 味付けは意外に辛くお茶が進んでしまいます。何か酒の肴みたいだななんて思いながら食べる点心です。懐かしい香港の味です。お皿からこぼれているイカの姿も、元朗の茶室らしいところです。
 この老馮茶居は、香港の飲茶に相当慣れてきた人におすすめの店です。ちょっと風変わりな昔ながらの点心で飲茶を楽しめる茶室、それが老馮茶居です。老馮茶居は軽鉄大棠路駅から好到底に向かう道をさらに3分くらい直進したところにあります。ここも軽鉄大棠路駅から半径300mくらいの中に位置しているのです。

鄭洪記の店内(香港元朗)
 
 元朗で食べる香港B級グルメ、最後に鄭洪記というラーメン屋を紹介しましょう。好到底から徒歩1分の熟食街の一角にあります。エアコンはありませんが、強力な扇風機がいくつも回っていますから、熱いラーメンを食べていても暑すぎると感じたことはありません。むしろ、いかにも元朗らしい食事を経験できる場所として強くおすすめしたい店です。

鄭洪記のエビワンタン入り牛肉麺(香港元朗)
 
 メニューは店内に貼られていますが、牛肉麺とかエビワンタンメンとかがあります。スープのないラーメンや河粉といってコメからできている麺を選ぶこともできます。
 この日私が注文したのは牛肉ワンタンメンです。メニューにはありませんが、牛肉麺にワンタンをトッピングしてもらう形になります。ただ、上の写真の通り、ワンタンは麺の下に隠れていますからテーブルに運ばれてきたときは牛肉麺のような感じです。

鄭洪記のエビワンタン入り牛肉麺(香港元朗のB級グルメ)
 
 せっかくですから、下からワンタンを掘り出して三つ麺の上に乗せてみました。こうすると牛肉ワンタンメンであることがわかります。
 さて、鄭洪記の味ですが、もちろん美味しいです。美味しいからおすすめしているのです。ですが、エビワンタンという具だけ見てみると、上で紹介した好到底に比較するとかなり落ちます。価格的にも好到底の3分の2くらいですから、そこはそれなりの味ではあります。でも牛肉は美味しいし麺も合格レベルですので、どうせなら牛肉麺とワンタンメンを両方味わいたいという人は鄭洪記で、とにかく美味しいワンタンメンを食べたいという方には好到底をおすすめしておきます。

鄭洪記の店内(香港元朗)
 
 鄭洪記の店内です。安っぽいテーブルと丸椅子だけの店内です。強力な扇風機が店内の隅々まで涼しくしてくれますが、やはり特等席は外側に面したテーブルです。この外側のテーブルに座ってぼーっと元朗の街を行き交う人を見るのが私は好きです。

香港のB級グルメ(元朗熟食中心)
 
 鄭洪記がある熟食中心には上の写真のように、外側の道路に面したテラス席みたいな席があります。一つ上のページで特等席と呼んだ席がこのテラス席です。元朗流におしゃれな空間です。上の写真では、奥が鄭洪記で手前は別の店です。

香港元朗の市場風景
 
 香港のB級グルメが集積している街、それが元朗です。元朗に行けば美味しい香港B級グルメにたくさん出会うことができます。MTRに乗れば一時間もかからずに行くことができますが、では元朗にはグルメ以外に何があるのか、と言うと大した観光スポットはありません。市場を歩いたりして香港の生活感みたいなものを感じたり古い街角にオールド香港を見つけたりという楽しみ方が元朗を楽しむ基本でしょう。
 また、軽鉄に乗って屏山文物径(屏山歴史文化道)まで行けば、香港の知られざる歴史や文化に触れることができます。屏山文物径へは元朗から20分くらいで着きます。ぜひ元朗まで足を延ばして香港のB級グルメを満喫してください。

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元朗の街歩きと屏山文物径(屏山歴史文化道)

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