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ミシュラン一つ星のローストご飯、甘牌焼鵝|アジアグルメ図鑑(香港)


 ミシュラン一つ星のローストご飯、甘牌焼鵝


香港の焼味レストラン、甘牌焼鵝

 開店して1年にも満たないうちにミシュランの一つ星を取ったぶっかけご飯の食堂が香港島湾仔にあるという話を聞いて、2015年9月に初訪問した店です。甘牌焼鵝という名のこの食堂のオーナーシェフは、あの鏞記創業者の孫だそうです。鏞記と言えば、小さな屋台から初めて一代で香港を代表するローストの店になった伝説のレストランで、鏞記のガチョウのローストは今でも香港ナンバー1のローストだと言われています。

 
 上の写真は香港島中環威霊頓(ウェリントン)街にある鏞記です。
 私も香港に住んでいたころ、何度もこの鏞記で自慢のガチョウのローストをはじめ様々な料理を楽しんだものです。また、二階以上はレストランでしたが、一階は食堂スタイルになっていて様々なローストご飯を食べることができるので、ランチタイムにも何度も利用していました。
 でも、実は鏞記のローストは脂っこくて私は苦手でした。香港のぶっかけ飯、上品に言えばローストご飯は私の大好物だったのですが、何故か鏞記は苦手だったのです。

甘牌焼鵝はミシュラン一つ星の焼味レストラン

 その鏞記創業者の孫が独立してローストご飯の店を作り(それが甘牌焼鵝です。)、ミシュランの一つ星を開店後1年もたたないうちに取得したという話を聞いた時、正直言って期待感は半々でした。どうせ鏞記のローストなんだろうという否定的な考えとミシュラン一つ星を取ったのだからという肯定的な考え方が私の頭の中で衝突したのです。
 甘牌焼鵝の店頭には、2015年にミシュラン一つ星を獲得したという看板が出ています。期待と疑いが私の心に入り乱れる状態で、開店前の行列に並びました。甘牌焼鵝の開店は11時半です。その15分くらい前に行ったら、前から15番目くらいでしたので、開店とともに店内に入れました。店内に入れるのは30名強くらいです。開店の11時半と同時に店内は満杯になりました。なお、私はウィークデイに行きました。ウィークエンドはかなり混むようです。

 
 
 甘牌焼鵝の場所は地下鉄湾仔駅から歩いて3分くらいです。A4出口から出て軒尼詩道(ヘネシーロード)をコーズウェイベイ(銅羅湾)方向に歩いて、信号を一つ渡ってすぐのところです。



 史上最強のローストご飯(ぶっかけ飯)

香港、甘牌焼鵝のランチセット
 
 甘牌焼鵝のランチタイムには何種類かのセットがあって、私が選んだのはローストグース(ガチョウのロースト)ご飯セット、HK$72です。このセットではガチョウのローストともう一種類のローストをチャーシュー、チキンや豚ばら肉などから選択できます。また、ドリンクとして、スープやソフトドリンクから一品、さらにおかずとしてピータンと甘酢生姜、鹵水味の豆腐などから一品選択できます。
 私はもう一種類のローストを豚ばら肉、飲み物をスープ、そしておかずをピータンと甘酢生姜にしました。このHK$72という価格は、一般のぶっかけご飯に比べると、50%から2倍程度高いですが、これだけ充実したセットなら、味はともかく妥当な価格でしょう。

香港で一番美味しいぶっかけご飯
 
 甘牌焼鵝のローストご飯です。いい焼き色ですね。鏞記のローストも焼き色は素晴らしいものがありました。この時点でも半信半疑でした。

皮はパリパリ、肉汁たっぷりの焼味(香港の甘牌焼鵝)
 
 ガチョウのローストです。皮のパリパリ感が見た目にもわかります。食べてみると、パリパリに焼けた皮、肉汁がジュワッと口の中に広がる肉、素晴らしいの一言です。そして、脂っこさを全く感じさせません。これは明らかに鏞記のローストとはレベルが違います。美味しいです。食べた瞬間にミシュラン一つ星が伊達ではないことがよく分かります。

香港、甘牌焼鵝のローストご飯
 
 そして、豚のバラ肉のロースト(焼腩)です。これまた、皮はパリパリ、肉汁ジュワッです。広東料理で人気のある高級なローストに子豚の皮のロースト(化皮乳豬)がありますが、その化皮乳豬のような皮です。パリパリとバリバリの間くらいの食感です。この食感が素晴らしいのです。また、写真からも分かるように、とろけるような肉、口の中にあふれ出る肉汁にも感激します。
 これで、HK$72は安すぎます。倍の値段を払ってでも食べたい焼味です。甘牌焼鵝のローストご飯は、まさに史上最強のローストご飯です。

 
 甘牌焼鵝のセットには、今紹介した「ガチョウのローストと豚のバラ肉のロースト(焼腩)」以外にも、チャーシューや白切鶏(蒸し鶏のネギソースかけ)などとのセットもあります。
 この日食べたのは「豚のバラ肉のロースト(焼腩)と白切鶏(蒸し鶏のネギソースかけ)のセット」です。これだとセットでHK$62になります。手前が豚のバラ肉のロースト(焼腩)で、これは確かに安定した味で間違いなく最高に美味しいです。では、白切鶏はどうでしょうか。

 
 写真で見ると美味しそうな白切鶏です。食べてみると確かに美味しいです。こういったロースト屋ばかりでなく香港のきちんとしたレストランでもよく白切鶏を食べる機会の多い私ですが、甘牌焼鵝の白切鶏の味はその中でも抜きんでて、美味しいと私は思います。

 
 ただ、甘牌焼鵝で看板商品であるガチョウのローストを食べないのはやはり寂しいです。といって、私のお気に入りの豚のバラ肉のロースト(焼腩)を食べないのはもっと寂しいのです。ですから、白切鶏とかチャーシューをどうしても食べたいという場合には、三品乗せるしかないなあというのが私の結論です。普通であれば、「ガチョウのローストと豚のバラ肉のロースト(焼腩)」のセットを注文するのが、甘牌焼鵝における私のおすすめです。



 焼味、ぶっかけご飯のイメージが変わった

甘牌焼鵝のスープ

 そして、セットのスープにもガチョウの肉が惜しげも無く使われています。どうせセットのスープだろうなどと考えてソフトドリンクなんか飲んだら大損します。ドリンクは迷わずスープを選びましょう。ガチョウ肉のだしがよく出ている絶品のスープです。私のお椀には大きなガチョウの肉が4~5切れも入っていました。


 おかずの皮蛋もトローリとした本格的な味です。このピータンを食べながら思い出したのは、鏞記で私が唯一気に入っていたのが、このピータンと甘酢生姜だったなあということです。

 すべて美味しいです。この甘牌焼鵝については、実際に食べてみるまでは半信半疑だったのですが、食べてみてこの完成度の高さに脱帽です。20数年来私が持ち続けていた焼味やぶっかけご飯のイメージが、この一食で変わるほどの変化です。
 毎月のように香港に行く私ですが、当分は甘牌焼鵝通いが続きそうです。心配なのは食べ過ぎによるカロリー過多だけです。





甘牌焼鵝が大行列だったら

再興焼臘飯店は甘牌焼鵝に入れないときの代替策
 
 甘牌焼鵝のローストは、香港で一番美味しいと私は思っています。でも高いですし、それ以上に問題なのは大行列ができてしまってかなりの時間並ばなければならないことがよくあるということです。でも、ただただローストご飯を食べに湾仔まで来て大行列に恐れをなして帰ってしまうというのはなかなかできません。もう胃の中はローストご飯を待ち受けています。
 そんな時におすすめなのが香港人に大人気のローストご飯屋、再興焼臘飯店です。ここも大人気の店ですから店外にお客さんがあふれていますが、回転が速いですからすぐに順番が回ってきます。

再興焼臘飯店のローストご飯
 
 この店の一番人気はチャーシューです。チャーシューは必ず注文しましょう。それに焼肉(豚バラ肉)を組み合わせたのが上の写真です。これでHK$30ですから甘牌焼鵝の半値以下です。それでいていつも満足させてくれる味なのです。香港人で大混雑するのも納得できます。
 場所は甘牌焼鵝があるヘネシーロードを銅羅湾方向に歩き一つ目の信号を渡ったところですから、歩いて1分です。せっかく甘牌焼鵝に来たけれど、この大行列を待つ気にはなれないという時はこの再興焼臘飯店を代替策として利用するということにしたら如何でしょうか。もちろん甘牌焼鵝に比べたら満足度は落ちるものの、美味しいローストご飯は食べることができます。