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アジアグルメ図鑑(上海・中国江南):南京路の揚州飯店

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 この日は、日が暮れてから外灘に繰り出して夜景を楽しみました。一緒に来たメンバーの中には上海が初めての人もいたので、上海に来たからには外灘からの夜景を見せてあげようという私の思いやりです。この日は天気も良く、昼間も一度外灘に来て浦東のビル群を見せたのですが、その時は天気は良かったものの見晴らしが悪くて、あまり喜んでもらえなかったので、もう一度今度は夜景を見に来たわけです。
 夜になると、汚れている上海の空気も澄んできて、浦東方面もくっきりと見えます。この夜景の美しさには、その初めて来た人も大喜びでした。


 浦東には上海のこの10年の歴史が見え、外灘には上海のこの100年の歴史が見える、とよく言われますが、外灘の素晴らしさは、前面に浦東、背面に外灘のビル群が好対照を成して見ることができ、その両方ともが夜警になるとその美しさを増すことにあります。

 そんなロマンチックな夜を満喫した後、9時くらいになってしまいましたが、これから夕食です。この日も3時ごろ腹いっぱいになるまで中華料理を食べていたので、ちょっと気軽に南京路辺りで食事をしようということになり、選択したのがここ揚州飯店です。
 揚州飯店は歴史のある老舗レストランで、南京東路のホテル・ソフィテル・ハイランドの近くにあります。南京路から曲がってすぐのところにあるのですが、写真の通り9時くらいになるとあまり賑わいのない街並みです。


 しかし、店内は待っている人がいるくらいの混雑振りです。それもそのはず、この揚州飯店は各種の賞をもらっている老舗レストランなのですが、低廉な料金でおいしい料理を食べさせてくれるという評判のレストランなのです。
 



 この日の前菜は、まず揚州肴肉。肴肉といえば、揚州の隣町、鎮江の名を冠した鎮江肴肉が有名ですが、それと同じです。ちょっと脂っこい料理なのですが、鎮江の酢を付けて食べると意外においしく食べられる料理で私の大好物の一つです。ここの肉は小さく切ってあるので食べやすく、脂っこく感じません。まさに酒の肴にぴったりの一品です。


 続いて、ブロッコリーの貝柱乗せ。これは、広東料理みたいにさっぱりした味付けで貝柱の味がブロッコリーによく調和して旨いですね。今日のメンバーは広東料理が好きな人ばかりなので、彼らにも大変好評でした。


 そして、江南料理らしく蟹粉蝦仁です。ムキエビを炒めたものに蟹粉をかけています。蟹と蝦という江南地方の湖沼の名物を組み合わせたこの料理は、かつて江南の富が集中した揚州らしい料理です。


 蝦も新鮮でプリプリしていて、蟹の濃厚な味がこれに加わって、さすがは評判のレストラン揚州飯店の味です。実は、昼間の中華料理がヘビーすぎて余り空腹感もなかったのですが、次から次へと箸が進んでしまいます。上海に来たらこういう料理を食べないといけませんね。




 今度は、蟹粉獅子頭です。揚州料理として有名な一品です。蟹味のハンバーグとでも言いましょうか、私は好きな料理でよく注文している料理です。ここ揚州飯店の蟹粉獅子頭も私にとってはいつも以上においしい蟹粉獅子頭だったのですが、同行の人たちに言わせるとちょっとしつこい味だと言います。
 この料理はちょっと評価が分かれてしまいました。


 そして、仕上げはもちろん揚州炒飯です。揚州炒飯は日本で食べる炒飯の原型で、中国のおいしいレストランでは、強火で炒めご飯の粘り気を飛ばしパラパラと炒めあがった炒飯が出てきます。この店は、きっと本場の揚州炒飯が食べられるはずだという確信に近いものを持っていたのですが、……。
 ご飯は粘り気があります。もち米のようです。全然自分イメージと違っていました。私は揚州にはまだ行ったことがないので分かりませんが、本場の揚州炒飯ではもち米を使うのでしょうか。うーん、期待はずれなのか、本場の味なのか、いずれにしても私が求めていた味ではありません。でも、それなりにおいしかったので完食でした。
 後日、揚州に、本場の揚州炒飯を食べに行きました。これは本当に旨かったのですが、ご飯はパラパラして粘り気が飛んでいました。。
 それと、上の写真の右に写っているキュウリの漬物、これがニンニクが効いていて旨いんです。キュウリがここの揚州炒飯によく合うのです。キュウリ10元、揚州炒飯20元でした。(2010年8月)

 揚州飯店、さすがに地元の人気レストランだけあって、総合的に見れば良い店です。外観は古ぼけた建物で日本人を含め外人客も少ないのですが、気軽に入れて上海らしい料理が食べられるおすすめのレストランです。


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 中華美味紀行という題名の本ですが、内容の殆どがいわゆる小吃(点心や麺類などの軽食)をテーマにしたエッセイです。最近読んだなかでは、一番面白かった本です。
 作者の南條竹則さんは、高級料理店の料理は日によって味にバラツキが出ることがあるけれども、小吃の味は安定していて旨い店は旨いのだということを書いていますが、これは私と全く同意見です。
 あるときは「小林秀雄の蟹まんじゅう」を求めて揚州の小路に入り込み、あるときは杭州の高級料理店で満漢全席の至福に身を委ねる。中国の千変万化の食文化の魅力にとりつかれた作者の思いが全編にみなぎる力作エッセイです。

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