アジア写真帳アジアグルメ図鑑アジアグルメ図鑑(上海・中国江南)広東料理の唐宮海鮮舫

広東料理の名店、唐宮海鮮舫で飲茶:アジアグルメ図鑑(上海)


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 唐宮海鮮舫は高級広東料理レストラン

上海、唐宮海鮮舫入口

 上海で中華料理と言えば、当然上海料理が主流です。日本でも地方地方に独自の食文化があるように、中国でも地域によって食文化が異なります。特に中国のように国土が広く、地域によって食材に大きな違いがある国では、食文化の差も最も大きなものになります。
 上海料理(准揚菜)は少し味付けが甘く湖沼の素材をよく使います。四川料理というのは海から遠い地方の料理なので素材の新鮮さに欠けることもあって、香辛料の強い味付けになっています。一方、広東料理は海の幸をふんだんに使い、素材の味を大切にする味付けになっています。
 私はかつて香港に住んでいたこともあって、最も好きな中華料理は広東料理です。上海で美味しい広東料理を食べさせてくれる店としては杏花楼丁香花園申粤軒あたりが有名ですが、このページで紹介する唐宮海鮮舫も広東料理の名店です。

上海、唐宮海鮮舫店内

 唐宮海鮮舫は、中国各地に店舗を有する唐宮チェーンのレストランです。チェーン店というと聞こえは悪いのですが、唐宮の場合は高級広東料理チェーンで、私が中国各地で何回も利用した経験では、どこも一定以上の水準の料理を出してくれます。価格は高めですけれども、それに見合うだけの料理が出てくるレストランです。
 内装も上の写真を見ていただければわかる通り、清潔で高級感あふれるものです。

上海の広東料理レストラン、唐宮海鮮舫
 
 唐宮チェーンには様々な形態のレストランがあって、上海でも「唐宮」というレストランもあれば、ここのように「唐宮海鮮舫」と海鮮を売り物にしているレストランもあります。
 上の写真をご覧ください。龍蝦(ロブスター)は500g当たり798元、日本円に直せば約1万2千円です。また、帝皇蟹(タラバガニ)は500g当たり268元、日本円に直せば約4千円です。立派で美味しそうですが、値段も立派です。

上海の広東料理レストラン、唐宮海鮮舫の生簀
 
 上の写真のように生簀には様々なシーフードが並んでいて、広東料理に欠かせない高級魚であるガルーパの中でも上等な東星斑には500g当たり698元の値がつけられています。少し手頃なガルーパである老虎斑は500g当たり238元です。夕食時にディナーも食べるのでしたら、こうしたガルーパを蒸してもらって食べたら良いと思います。

上海の広東料理レストラン、唐宮海鮮舫のカニ

 季節が秋ですと、上の写真のように大閘蟹(上海蟹)も食べられます。値段は重さによって異なります。2.5両までの蟹は一杯88元、4両までの蟹は一杯118元などと書いてあります。「1両」は50gです。いずれにしても日本で食べることを考えれば、産地が近い分だけ激安です。もっとも大閘蟹(上海蟹)については、産地である蘇州の陽澄湖まで行けばもっと安い価格で食べられるのは言うまでもありません。



 唐宮海鮮舫の美味しいお茶と点心で充実した飲茶

唐宮海鮮舫(上海の広東料理レストラン)で飲茶

 さて、本題の飲茶です。飲茶というのは昔から広東省で広まった食習慣です。広東省の飲茶は、お茶を飲む習慣のことを意味しますが、その時に広東点心を一緒につまむ食習慣で、それが今の飲茶の原点です。したがって飲茶をするなら広東料理レストランに行くのが最も正統です。ここ唐宮の飲茶は、お茶も美味しいですし、点心も素晴らしいです。
 最初の点心はエビ餃子(蝦餃)です。プリプリのエビが二つ餃子の皮の中に包まれています。美味しくない店では鮮度の悪い海老がドローンと厚めの皮に包まれていますが、ここ唐宮のエビ餃子の場合はプリプリのエビ二尾が薄くて透明感もつやもある皮にくるまれています。食べた瞬間に違いが分かる味です。
 残念ながら上海で飲茶をしても、このレベルのエビ餃子を食べられる店は丁香花園申粤軒など限られています。

唐宮海鮮舫(上海の広東料理レストラン)で飲茶


 唐宮の他の店舗での経験によれば焼売などの点心も美味しいのですが、ここには毎回一人で来ているので、なかなか焼売を食べる機会に恵まれていません。きっと美味しいと思います。
 上の写真は大根のXO醤炒め(XO酱炒萝卜糕)です。これは点心の定番の一つです。まるでジャガイモの煮込みのように見えるかもしれませんが、これが大根です。大根はとろとろに煮込まれていてXO醤の香りが十分に染み込んでいます。トッピングされたXO醤をつけるとますます美味しくなります。これは普通に広東風の大根のXO醤炒め(XO酱炒萝卜糕)になっています。上海では、真似しているけれども広東風になっていない料理が多い中で、やはり唐宮は貴重なレストランです。

唐宮海鮮舫(上海の広東料理レストラン)の腸粉

 チャーシュー入り腸粉です。腸粉の美味しさは具(素材と味付け)と皮にあります。ここ唐宮海鮮舫の腸粉は具は美味しいのですが、皮が今一歩です。滑らかさとか食感とかが不足しています。美味しくないとまでは言いませんけれども、唐宮にしては期待外れな味です。



流沙包(上海、唐宮海鮮舫)

 私は飲茶した時にチャーハンとか焼きそばとかを注文しません。チャーハンとか焼きそばも注文できるのですが、そういった料理を注文してしまうと、お腹にたまって他の点心が食べられなくなってしまうからです。むしろ、チャーシュー饅頭をはじめとした饅頭とか腸粉とかで満腹にすることが多いです。
 上の写真は流沙包、日本語でいうとカスタードクリーム饅頭です。日本で中華まんじゅうというとチューシュー饅頭、肉まんやあんまんの人気が高いですが、中国では香港も含めてこの流砂包の人気が高いのです。

カスタード饅頭(上海、唐宮海鮮舫)

 饅頭の中には上の写真のように、トロトロのカスタードクリームが入っています。ここ唐宮でもカスタードクリームが流れ出そうなくらいです。人によっては甘すぎるのではないかなどと不安になる方もいるかもしれません。決してそんなに甘すぎません。男の人も喜んで食べている点心です。私も大好きです。ここの流沙包はレベルが高いです。

中華饅頭(上海、唐宮海鮮舫)

 同じように饅頭ものになりますが、上の写真は「当店の人気商品」として紹介されていた黒椒焼汁包(黒胡椒バーベキュー味饅頭)です。この手の饅頭を食べるのは私は初めてです。人気商品でもあるし、黒胡椒味、バーベキュー味の饅頭ということで興味があったので注文してしまいました。見た目に美しいのは、さすがに唐宮です。

中華饅頭(上海、唐宮海鮮舫)

 饅頭の中にはバーベキューソースに黒胡椒がたっぷりかかった豚肉が入っていました。美味しくなくはないけど、と言うか、私の嫌いな味できないけど、どんな饅頭なのか知っていれば、好き好んで食べる点心ではありません。やはり、日本人と中国人の嗜好は異なるんです。

パンダのデザート(上海、唐宮海鮮舫)
 
 紹介が遅れましたが、お茶は私は普洱茶(プーアール茶)にしています。中華料理はどうしても油を大量に使用するので、普洱茶ですとそうした油を落としてくれるのです。最悪なのはランチタイムは点心を食べながらビールを飲み、ディナータイムはビールや紹興酒を飲みながら中華料理を食べるというパターンで、それではカロリー過多、油の過剰摂取で、体重などすぐに増えてしまいます。
 私の場合、中華料理を食べた時にはアルコールを慎み、むしろデザートを楽しみます。上の写真はパンダ・ドリアン・アイスクリームです。ここ唐宮海鮮舫の人気商品の一つです。

パンダのデザート(上海、唐宮海鮮舫)
 
 この可愛いパンダの中に、ドリアンの独特な風味をたっぷり楽しめるアイスクリームが入っているデザートです。パンダがドリアンを食べるわけではありません。あくまでも中国人に人気のあるパンダとドリアンをセットしたデザートなのです。
 私はドリアン好きなので参考にならないかも知れませんが、このデザートはかなり美味しくて満足度が高いです。ここ唐宮海鮮舫の飲茶は、全体として満足度が高かったのですが、その理由の一つにこのデザートの存在もあるかもしれません。
 上海で飲茶をするならここ唐宮海鮮舫がおすすめです。最後に、唐宮チェーンの上海での店舗へのリンクを紹介しておきます。



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