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アジアグルメ図鑑(中国江南・揚州)-老舗の小吃店、共和春


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 上海から蘇州、無錫と広がってきた都市化の波は、とどまることなく周辺地域へと広がってきています。歴史の街、揚州にも再開発の波が押し寄せていて、揚州の街のシンボルである文昌閣も広い道路のロータリーの中心にポツンと鎮座しています。


 それでも、揚州の街中には上の写真のように昔ながらの中国の地方都市らしい風景も残っていて、鄧小平さんの社会主義資本経済が始まる以前の中国を知る者にとってはとても懐かしいものがあります。揚州の街中は殆ど再開発されていて近代都市に生まれ変わってしまったのですが、なぜかここだけ取り残されたように昔の揚州の町が残っています。
 この通りは、国慶路、右側に進んでいけば揚州点心の老舗、隋の時代から営業していると言われている富春茶社があります。


 富春茶社に朝の点心を食べに行ったとき、こんな昔ながらの道を歩いていて、後でこのあたりの店も冷やかしてみたいな、などと思ってしまうのは私だけではないでしょう。富春茶社は左奥の三輪車の停まっているところを左に折れたところにあるのですが、ここに行き着くまでに、私としては今日の昼飯のお店を見つけていたのです。




 それが写真の共和春で、ここも小吃(軽食)の老舗として、揚州を紹介する各種ホームページ(勿論、中国語です。)で紹介されている食堂です。「百年老店」という文字が見えるとおり、隋代から続いている富春茶社に比べれば「ひよこ」のような存在ですが、立派な老舗食堂です。
 中国語のグルメサイトなどを見てみると、蝦籽餃麺という海老餃子入りラーメンというか、むしろ海老ワンタンメンというか、とにかくその手のラーメンがおすすめの料理のようです。


 この日の朝飯は、富春茶社でしっかり食べたものですから海老ワンタンメンだけでも良かったのですが、海老ワンタンメンがあまりにも安かったものですから、もう一品頼んでしまいました。蒸し餃子です。日本で食べる蒸し餃子と何ら変わりありません。むしろ、具がたっぷり入っていてお得感があります。
 この蒸し餃子と海老ワンタンメンで合計8元(2011年5月現在)ですから、日本円で120円しないというのは激安です。

 

 そして、こちらがおすすめ料理の海老ワンタンメンです。
 ラーメンの類については、まずスープから味わうのが私の流儀です。鶏がらのスープの味がちょっと濃い目で、私としては嫌いではないスープです。麺はゴムのような弾力が感じられて、香港の面にちょっと似ているかなという感じです。旨いです。


 そして、9個も入っている海老ワンタンですが、これがまた意外に旨いのです。日本で食べる海老ワンタンメンよりずっと海老のうまみが生かされています。そして、この海老の香りがだんだんスープに馴染んできて、食べ終わる頃には海老の出汁の効いたスープになるのです。
 このスープ、この麺、そしてこの海老ワンタン。どれもが旨いですし、組み合わさった味がまた素晴らしい! 流石にインターネットのグルメサイトで高い評価を得ている店、そしてそのおすすめ料理です。
 ここ共和春のメニューはまさにB級グルメばかりです。揚州にはおいしい湯包や包子を食べさせてくれる富春茶社や冶春茶社のような茶楼や冶春花園のようなレストラン、揚州炒飯や蟹粉獅子頭といった揚州名物のグルメもあります。そんなグルメの街、揚州なのですから、「せっかく揚州に来てまでB級グルメを食べることはない」などと思う方もいるかもしれませんが、ここの海老ワンタンメン(蝦籽餃麺)はそんな方にも後悔させない私の超おすすめ料理です。とにかく、一回食べてみてください。



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