深圳の観光、大鵬所城|アジア写真帳(香港)

深圳の観光、大鵬所城


深圳の観光地、大鵬所城の概要と行き方 

深圳、大鵬所城の南門

 かつては人口3,000人の漁村だった地域が、鄧小平さんの改革・開放路線の象徴として、1980年に経済特区に指定された以降、あっという間に人口が膨れ上がってきた街、深圳。私が初めて訪問した1992年にはすでに漁村の風景は市街地にはなかったのですが、今では1990年代の姿さえ、ほとんど見ることはできません。まるで昔のシムシティというテレビゲームを見ているように、街が作られ、そして壊され、さらに新しい街が立ち上がるという具合です。
 ですから、深圳市内には動物園・植物園や公園、そしてテーマパークといった類のスポットは多いのですが、いわゆる観光地、特に昔の中国を偲ばせるような観光地はほとんど残っていません。お寺でさえ再建されたものばかりです。

 
深圳市街から大鵬に行くバス

 そんな深圳ではありますが、市街から一時間半くらいバスに乗ったところに大鵬所城という昔の中国の街がそのまま保存されているエリアがあります。このページはその大鵬所城を紹介します。
 大鵬所城へは深圳市街からバスを乗り継いていきます。上の写真は深圳市街から大鵬に向かうバスが乗り換え場所である大鵬中心というバス停に到着したところです。

深圳から大鵬に行くバス乗場(福田バスターミナル)

 深圳市内から大鵬へ向かうバスは20~30分ごとに竹子林駅に隣接している福田バスターミナル一階の市内バス乗場から出発します。上の写真で分かるようにE26系統とM362系統が大鵬に向かいますが、E26系統を利用します。何故ならばE26系統は急行バスで停留所の数が少なく途中高速道路を走るので所要時間が一時間近く違います。E26系統に乗って福田バスターミナルから終点一つ前の大鵬中心まで一時間半の所要時間です。深圳市内では、羅湖駅付近や地下鉄黄貝嶺駅前などで停車して大鵬に向かいます。2016年7月現在、運賃は10元で、深圳市交通カードか現金で乗車時に支払います。
 
大鵬所城に行くバス路線
 
 大鵬中心で深圳市街から来たE26系統のバスを降りたら、バスの進行方向にある大きな交差点を渡り、核電站行きのバスに乗り換えます。 M471系統のバスです。大鵬王母というバス停から乗ることになります。分かりづらいのですが、この大鵬王母の道路を挟んで向かい側に深圳市街に戻るときのE26系統の大鵬中心のバス停があります。
 M471系統のバスに乗って10いくつのバス停を過ぎると大鵬所城というバス停があって、ここで降りることになります。車内放送など案内はありませんから、バス停を過ぎるごとに名前を確認し、上の路線図で自分の位置をチェックしてください。なお、この路線バスは乗降者する客がいないときはバス停を通過しますので、「○個目のバス停だからあと○回停まったら着く」という考え方で乗っていると乗り越してしまいます。気を付けてください。

深圳、大鵬所城
 
 大鵬所城のバス停を降りれば、大鵬所城の入口である南門はすぐ近くです。土日など休日であればバスを降りる人のほとんどは観光客ですから、彼らについていけば間違いないです。歩いて3分くらいです。
 大鵬所城ができたのは明代の1394年、倭寇の来襲に対抗するためにできた街です。清代になって水軍の基地が置かれ、アヘン戦争の時代は清軍の拠点の一つだったそうです。博物館に入りたいのなら入口で入場料を払う必要がありますが、そうでなければ無料で入れます。博物館ではアヘン戦争に関する展示などがあるだけのようですので、私は無料で入りました。なお、大鵬所城は2001年に中国国務院の全国重点文物保護単位に認定され、2009年に深圳市の深圳八大観光地に選定されました。まあ、それなりの観光地ではあるのです。

南門に続く道(深圳、大鵬所城)
 
 バス停を降りてしばらく歩いたところで、南門が見えます。中国の古い街は城壁で囲まれています。ここ大鵬所城も例外ではありません。東西南北に城門があります。私が行ったのは7月上旬の日曜日、暑い深圳でも最も暑い季節で、しかも嘘のような晴天でした。女性は日傘必携です。男性も帽子必携の季節です。せめてもの抵抗で朝8時ごろに深圳市街を出発したのですが、大鵬所城に着いたのは10時頃でしたので、もう暑さも本番の時間でした。それでも観光地のない深圳では人気のスポットらしく、観光客でいっぱいです。



 大鵬所城の楽しみ方‥‥ブラブラ街歩きすること

南門からの眺め(深圳、大鵬所城)

 大鵬所城に着いたら、まず南門に上ってみましょう。上の写真はバス停から歩いてきた道の延長線方向、すなわち南門から北方向を見たところです。道の両側に店舗が軒を連ね、観光客があふれかえっています。でも、確かに清代の建物が修復はされているもののそのまま残っていて、古鎮としての佇まいは感じられます。

 清代の街並み(深圳、大鵬所城)
 
 同じく南門の上から、北東方向を見たところです。結構建物が連なっていることが分かります。
 メインストリート(深圳、大鵬所城)

 では早速南門から北へ延びる道を歩いてみましょう。深圳の街中には超高層のビルやマンションが建ち並んでいますが、ここ大鵬所城では低層階、特に平屋建ての建物が建ち並びます。清代の建物が多いのでしょうか。

清代の建物(深圳、大鵬所城)

 中国の古鎮巡りは私の趣味の一つで、特に江南の古鎮巡りは大好きです。江南とは長江の南、すなわち揚子江の南側を意味しています。(上海周辺の江蘇省、浙江省の一帯を指しています。)例えば、西塘同里周荘といった水郷古鎮です。また、同じく浙江省にある諸葛孔明の子孫が住む諸葛八卦村も古鎮としての魅力があふれています。
 そうした中国を代表する古鎮と比較してみると、歴史の古さでは見劣りするものの、逆に映画等で時々見る清代の中国がここにはあって、何か清末の中国にタイムスリップしたような感覚になるのがここ大鵬所城の特徴です。
 上の写真にある二階建ての建物などはよく映画に出てくる感じがします。

行先表示(深圳、大鵬所城)

 大鵬所城の中はぐるぐる回っても一時間から二時間あれば見終わります。
 大鵬所城のハイライトは城門と将軍の邸宅です。特にアヘン戦争で武功を挙げた有名な将軍数名の邸宅は、中国では歴史教育の一環として大切に保存されています。しかし、こういったハイライトはあくまでも政府が考えていることであって、観光客はそうした歴史教育を目的に大鵬所城に来るのではありません。昔の中国の街並みをぶらぶら歩いて、小吃(軽食、おやつ)をつまんで、お店を冷かして歩くのを楽しみにしてくるのです。
 中国人でさえそうなのですから、外国人である私たちもこの街並みを楽しめば良いのです。上の写真の通り、行先表示がしっかり立てられていますが、そうした先にあるスポットが私たちにとって興味深いものかというと決してそんなに見る価値があるわけでもありません。ですから、あまり行先表示は気にせずに、ぶらぶらとあてもなく歩き清代の中国の街の香りを楽しむのが、大鵬所城の楽しみ方だと私は思うのです。

壁面アート(深圳、大鵬所城)

 清代の中国の街を歩いている時にふと見かけた芸術的な壁面アート。こういったものがあまり増えてしまうと興醒めしてしまいますが、私があちこち歩いて見かけた壁面アートはこれ一つ。このくらいなら清代の街中にもあったかもしれません。
 しかし、なかなか出来が良い壁面アートです。中国語は「私は古城(古い街)にいます。あなたはどこにいるの?」と書いてあります。ここで観光客が記念写真を撮るのでしょうか。

 
ショップ(深圳、大鵬所城)
 
 ショップが並ぶ街中も、ショップが扱う商品はそんなに現代を感じさせない商品ラインアップです。清代の商品とは言えませんが、垢抜けていない商品、垢抜けていない陳列が、かえって微笑ましく感じます。

  
 路地(深圳、大鵬所城)
 
 メイン通りだけでなく上の写真のような路地に入り込むと、商店の数も減ってきて古鎮らしい風情が現れます。道に迷うような街の構造ではありませんから、どんどん路地に入っていきましょう。

北門(深圳、大鵬所城)
 
 ぶらぶら歩いていたらいつの間にか北門に出てしまいました。この北門付近は城壁の構造が立派ではありますが、ただそれだけのことで、写真には撮りませんがイベント広場のようになっていて、風情というものはあまり感じられません。
北門からの風景(深圳、大鵬所城)
 
 城門があって高いところに上れるのを見ると、すぐに登りたくなってしまうのが私の癖です。この北門に登ると四方を見渡せるではありますが、眺めはあまり良いものではありません。南側、すなわち古鎮方面はイベント広場が見えるだけで古鎮の街並みは見えません。四方を見て最も良いのが上の写真の北方向で、古鎮の外を写しています。
 自然が多く残っていて、私が初めて来た1990年代の深圳を見ているようです。送電線が多く見えるのは、近くに原子力発電所があるからです。確か1990年代にできたものだと記憶しています。言うまでもありませんが、これまで無事故の原子力発電所です。



 深圳の観光地で清代の中国の街を感じる

大鵬所城の見どころは路地

 さて、深圳の観光地、大鵬所城の街をもっと歩いてみましょう。上述した通り、歴史を感じさせるのはむしろ路地です。上の写真のように商店のない街並みの方がかえって歴史を感じさせますし、生活の匂いまでが漂ってきます。

 
生活感が漂う古鎮(深圳、大鵬所城)

 家の前には洗濯物が干されていて、生活そのものが見えます。こういう古鎮巡りで生活の香りをかぐのも楽しいのではありますが、一方でプライバシーも大切にする必要があります。日本人として恥ずかしい行為や迷惑な行為は厳に慎みましょう。常識で考えて撮影すべきでない場面はカメラを向けないことも気持ちよく観光するうえでは大切なことです。

古鎮にある住居(深圳、大鵬所城)

 この古鎮における民家の一般的な門構えです。この街特有というよりも極めて一般的な中国の民家の門構えと言った方が良いと思います。ここに来る観光客の殆どは、中国人と香港人、それに台湾人っぽい人も見かけました。そういう観光客からすると何も珍しいものではないわけです。こういうもんを撮影していると、中華系の人間でないことがバレてしまいます。バレても別に都合が悪いわけではありませんが。

古鎮で見かけた犬(深圳、大鵬所城)

 このワンちゃんはこの家のワンちゃんですかね。こういう犬や猫などを入れて写真を撮っている分には外国人であることがバレません。反日感情が強い時期などに覚えた手法です。

大鵬所城の地図

 ところどころにこうした地図があります。とにかくこの日は日差しが強かったので見づらいのですが、こうした地図で自分の位置を確認しながら歩くと良いと思います。

食堂とカフェ(深圳、大鵬所城)

 大鵬所城には食堂やカフェもたくさんあります。カフェについては洒落たカフェもいくつかできています。そんなカフェで休みながら見て回らないと、身体がまいってしまいます。上の写真からも分かる通り、昼間は日差しが強いし建物の影が殆どなくなってしまうのです。低層の建物ばかりですからこうした現象になります。女性なら日傘を、男性なら帽子必携と上の方で書いたのには、こうした理由があります。

食堂のメニュー(深圳、大鵬所城)
 
 大鵬所城の中の食堂は、レストランというよりもまさに食堂レベルのところばかりです。日本人にとってはその方が注文するのに楽だと思います。
 上の写真はある食堂のメニューですが、左上から牛肉ラーメン、担担麺、下の方にはワンタン(雲吞)や焼きそば(炒麺)、チャーハン(炒飯)などの文字が見えます。これなら日本人でも指さしで注文できるはずです。私でしたら、激辛好きですから、担担麺などよりも辛い重慶小麺(唐辛子がいっぱい入ったスープ入りラーメン)や燃麺(激辛のスープなし麺)を選択します。


姉妹ページで深圳の美味しいグルメを紹介しています。

四柱推命、風水(深圳、大鵬所城)


 古鎮にはいろいろな店があります。上の写真は占い屋さんです。風水や陰陽といった中国の伝統的な手法で占ってくれる店です。中国語を話せる人や予め通訳やガイドさんなどを帯同している場合には楽しめる店でしょう。

 大鵬所城の将軍第(将軍屋敷)
 
 ここで少し将軍屋敷(将軍第)もいくつか紹介しましょう。
 上の写真は頼世超という将軍の邸宅です。頼世超(1750-1832)は貧しい家庭で生まれたが、武功を挙げ、闽粤(今の福建と広東)両省を管轄する将軍に昇った人です。アヘン戦争が勃発したのは1839年ですからその直前に亡くなっています。
 三代五将の一人とされていますが、意外に質素な邸宅です。門構えも一般の民家と変わるところはありません。

 
振威将軍第(深圳、大鵬所城)
 
 こちらは振威将軍第(振威将軍の邸宅)です。振威将軍というのは伝統的な中国における官位の一つで、朝廷が任命する称号です。よく知られているところでは、三国時代の董卓も振威将軍でした。
 大鵬所城にある振威将軍邸はアヘン戦争時に振威将軍に任命された将軍の公邸だと思います。ここには入場できなかったものですから確たることは申し上げられませんが、頼世超の邸宅と比較すると格段に門構えも立派ですし、衛兵まで立っています。国威をかけた戦いであるアヘン戦争時に任命された将軍のための公邸であれば、そのくらい立派であっても不思議できないのです。

秘園(深圳、大鵬所城)
 
 上の写真は大鵬所城で見かけた雰囲気にある建物。秘園という旅館です。もともとは由緒ある建物なのでしょう。興味があったので家に帰ってから調べてみたのですが、日本円で3,000円位から宿泊できて、5,000円位出すと35㎡の部屋に宿泊できます。深圳で土日を過ごすときに、ちょっと田舎のこんな旅館に宿泊するのも良いかもしれません。

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大鵬所城の観光スポット

 大鵬所城の天后宮

 大鵬所城は古鎮としての風情を楽しむところであって観光スポットは大したことがないということは既に書いた通りです。観光スポットとしては、城門や将軍屋敷のほかにどのようなものがあるかについて、少し触れておきます。
 上の写真は天后宮です。天后宮は海の守り神である媽祖を祀る場所で、中国各地やマレーシア、シンガポールなど華僑が渡った場所には数多く作られている信仰の場所です。媽祖はもともと福建の人で海難防止の霊験あらたかだったことから朝廷から天后という称号を賜ったとされています。

 
大鵬所城の天后宮内部


 天后宮の中です。渦巻き型の線香が特徴です。他の地域で見る天后宮とほぼ同じような光景です。ここ大鵬所城の天后宮は、外観写真を見ると分かるように、近年建て直されたものですから周りの建物と比較すると新しく、古鎮の雰囲気にちょっと馴染んでいないような気がします。

百家祠(深圳、大鵬所城)

 上の写真は百家祠です。これも新しい建物です。家祠というのは先祖の霊を祀る祠ですから、百家祠というのはたくさんの家の先祖の霊を祭る祠なのでしょうか。

 大鵬所城の百家祠
 
 新しいけれども雰囲気の良い場所です。ただ観光客は敷地内に入らずにほとんど素通りしてしまっています。

百家祠

 たまたまだとは思うのですが、私が行った時にはお参りする人が殆どいない状況です。

中国に多い姓400(深圳、大鵬所城)


 観光客が群がっていたのは、敷地内に彫られている「現代中国で多い姓400傑」です。ここだけは観光客が多くて上の写真を撮るのに3分くらい待ちました。
 最も多い姓が李、続いて王、張、劉、陳の順に多いようです。上の写真では上位84の姓の部分を撮影していますが、確かにこれらの姓は多いですね。ということで、どうしてこの大鵬所城にこんなものが作られているか分かりません。大したスポットではありません。

梁氏書屋(深圳、大鵬所城)
 
 続いてのスポットは梁氏書屋です。行先案内板を頼りに行った先ですが、私としては立派な伝統的な書院をイメージしていました。上の写真は入口から見た梁氏書屋です。期待通りに良い雰囲気です。

梁氏書屋の内部(深圳、大鵬所城)
 
 一つ上の写真で正面奥に見えた部屋です。伝統的な中国の客間で、家具の華やかさはないものの、質実剛健な格式にのっとった客間ではあります。
 雰囲気は良いのですが、観光客が入れるのは入口からここまでで「えっ、これだけ?」という印象です。名称を改めて見たら書院や書家ではなく書屋ですから、期待した私がいけなかったのかもしれません。

大鵬所城の城壁
 
 大鵬所城にあるスポットというのはこんな感じで、はっきり言うと大したことはないのです。ですから観光スポットを見て回るというよりも、古鎮の雰囲気を味わう場所なのです。超近代的な深圳の中心部から一時間半、ちょっと足を伸ばしたところに清代の中国を垣間見れる古鎮があることに価値があるのです。
 皆さんも機会があればぜひ足を伸ばしてください。

    

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