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上海料理の江南厨子で旬の上海蟹(深圳)|アジアグルメ図鑑(香港)


 上海料理の江南厨子で旬の上海蟹(深圳)


秋の中国に上海蟹は欠かせない

 深圳の江南厨子で食べた上海蟹

 中国での秋の味覚と言えば、文句なしに上海蟹(大閘蟹)です。香港や深圳、広州を歩くと街のあちこちに大閘蟹の看板が出ています。上海蟹(大閘蟹)というのは大閘蟹という蟹を蒸すだけの簡単な料理ですから、どこで食べても大して変わらないように思うかもしれませんが、蟹の良し悪しが味を左右します。
 では、どんな店で食べるのが良いか、というと、信頼できる高級店で食べるのが無難でしょう。でもそうなると、日本と変わらない値段になってしまいますから、何かおトク感がありません。そこでおすすめするのが、深圳の上海料理レストラン、江南厨子です。江南厨子は、上海料理の老舗、西湖春天の姉妹店で、西湖春天の高級バージョンの店です。2017年1月現在、深圳市内に4店あります。羅湖区(大劇院駅近く)、福田区(会展中心)と南山区(世界の窓、海岸城)にありますから、行きやすいところに行ったら良いと思います。香港から深圳へはイミグレーション通過時間込みで1時間ちょっとです。深圳への行き方や深圳の概要についてはこちらのページで紹介しています。

上海蟹(深圳の江南厨子)
 
  江南厨子では上海蟹が廉価に食べられます。上の写真にあるように小さいものだと88元、大きいものでも148元です。日本円に直すと1,500円から2,500くらいで上等の上海蟹を食べることができます。上海蟹の良し悪しはカニみそ、卵や白子といったものの入り具合です。言い換えれば蟹の育ち具合で価格は変わります。ただ大きければ良いというものではありません。
 また、産地は陽澄湖産が良いとされていて、それはその通りなのだろうとは思いますが、江南厨子の大閘蟹は陽澄湖産ではありません。でも、私が食べても一緒に行った中国人が食べても美味しかったという感想ですので、産地は問題ありません。陽澄湖産とうたっている蟹でも本当に陽澄湖産かどうかは疑わしいものです。かえって陽澄湖産ではありませんとレストランの人が言っている方がまともな蟹を食べさせてくれるかもしれません。

上海料理の前菜、鎮江肴肉(深圳の江南厨子)

 ということで蟹を注文して蒸しあがるのを待ちます。ここで大切なことは、蟹が来るまでにあまり味の濃い料理を運ばせない方が良いということです。この日もスープや肉料理などは上海蟹(大閘蟹)を食べ終わってから出してくださいと予めレストランのスタッフに伝えておきました。上海蟹の繊細の味を楽しむためにはそうした方が良いからです。こういう注文にきちんと対応してもらうためにも、一定レベル以上のレストランを選ぶのがおすすめなのです。
 で、前菜の鎮江肴肉だけ先に出してもらうことにしました。上海蟹(大閘蟹)が蒸しあがるのには20分くらいはかかります。それまでは鎮江肴肉でおしゃべりタイムです。

鎮江肴肉は上海料理で定番の前菜
 
 さて、鎮江肴肉です。鎮江は、上海や蘇州から長江(揚子江)に沿って南京方面へ行ったところにある街で、鎮江黒酢でよく知られています。鎮江は長江に沿った街で、劉備が孫権の妹である尚香とお見合いした甘露寺多景楼があったり、劉備と孫権が天下を収められるか石を切ったりした遺跡があることで有名です。鎮江肴肉は、豚もも肉の塩づけハムで、鎮江名産の黒酢をつけて食べます。
 この江南厨子の鎮江肴肉は本場の味そのもので、大変口当たりが良く、食感も良いです。香港の上海料理レストランでこのレベルの鎮江肴肉を出してくれる店はそうそうないと思います。



 いよいよ上海蟹(大閘蟹)

深圳で旬の上海蟹(深圳の江南厨子)

 待つこと20分、お待ちかねの上海蟹(大閘蟹)の登場です。先ほども書いたように陽澄湖産ではありません。
 ところで、この「上海蟹」という言い方は日本特有のもので、中国では「大閘蟹」と言い、陽澄湖産のものが最高級とされています。陽澄湖は蘇州市や昆山市などに属していて、上海からは車で2時間くらいかかります。少なくともその陽澄湖やその一帯を中国人は「上海」とは決して言いません。ですから、蘇州人の友人は私に言います。「日本人は何故『上海蟹』と呼ぶのですか。大閘蟹は蘇州の蟹です」と。
 だからというわけではありませんが、私は上海で上海蟹を食べたのはたった1回です。大閘蟹のシーズンに蘇州に行くと必ず食べています。

 
上海蟹のメスとオス

 大閘蟹のオスとメスは裏返すと分かります。右下の真ん中にふたみたいなものがついているのがオスで、左上の横線だけのものが雌です。この日は11月中旬で、季節的にはオスの白子が育ってきていてオスが美味いと言われる時期なので、私が食べたのがオスです。一緒に来た中国人女性は卵が好きなのでメスを注文しました。因みにメスが食べごろと言われているのは旧暦の9月までです。でも、この日食べたメスは卵がいっぱいで同行者は大満足していました。私も少し食べましたが、美味しかったです。

 
深圳の江南厨子で美味しい上海蟹

 オスの大閘蟹の足を取って、分解したところです。味噌がかなり詰まっていて白子もいっぱいです。良い大閘蟹ですね。

深圳で美味しい上海蟹(江南厨子)

 食べ甲斐と言うか、しゃぶり甲斐のある大閘蟹です。今日は上の写真にはない3両のものです。味噌が濃厚で本当に美味しいです。今年は先月蘇州に行ったときにメスを食べたので、オス、メス両方を食べる機会に恵まれました。
 上海蟹は陽澄湖産の偽物が多かったたり、古くて衛生上問題があるものが売られていたりで、胡散臭い食べ物になりつつあります。でも、食べるとやっぱり美味しいので、この時期になるとどうしても食べたくなってしまいます。来年も食べますよ。



その他の江浙菜(上海料理)も美味しい

深圳の江南厨子は一流の上海料理レストラン
 
 さて、上海蟹を食べ終わるタイミングでスープが運ばれてきました。二人だとスープは飲みきれませんが、今日はこの牛肉球ときのこのスープが半額だったので、残すことを前提に注文しました。
 上海料理によくある白濁したスープで、このスープが美味しいんですね。

深圳の江南厨子のスープ
 
 いくら美味しいと言っても牛肉球が沢山入っていて、スープもたくさんありますからお腹いっぱいになってしまいますね。この白濁スープは鶏の出汁のスープでコクがあります。そして、意外にあっさりしているのです。家族で香港に住んでいたころは、上海料理レストランに行くとこの白濁したスープを気に入って毎回飲んでいたのを思い出します。

 
深圳の江南厨子で食べた東坡肉
 
 そして、今度は東坡肉です。杭州料理です。上海一帯の杭州、蘇州といったエリアの料理をまとめて江浙菜と中国では言われています。これらの街ではそれぞれ別の食文化(といっても似ていますが)が育っていましたが、近いですから互いに影響を及ぼしあって、最近はひっくるめて江浙菜と呼んでいるようです。
 さて、東坡肉という料理の由来です。詩人として知られる蘇東坡は宋の時代の杭州地域の太守(首長)でした。蘇東坡は西湖に蘇堤を作ったことでも名を残していますが、この工事に関わった労働者たちの労苦に報いるために、蘇東坡が振舞った肉料理がこの料理です。「東坡肉」という名は蘇東坡の名を取ったものです。
 この店の東坡肉は油っこくなく美味しいです。軟らかく煮こまれていて、相当な時間煮込んだものだろうと思われます。もともと豚膝肉の煮込みを注文しようとしたのですが、「二人では量が多いから絶対に食べきれません。東坡肉にした方が良いですよ」とスタッフの人にアドバイスされ、注文を変更した経緯にあります。次回はもっと大人数で来て豚の膝肉に挑戦しようと思います。

深圳の江南厨子で食べた鶏毛菜炒め
 
 鶏毛菜炒めです。鶏毛菜というのはチンゲン菜のようなものです。鶏毛菜と湯葉が炒められています。これはさっぱりした味付けで、良いレストランで食べると油も良いので大変食べやすいです。大閘蟹の後に肉料理が多かったので注文したものです。
 二人で来るとこれでもうお腹いっぱいです。江南厨子にはデザートも美味しそうなものがいろいろありましたが、それもパスして、マイタン(会計)です。一人3,000円もしないで食べられました。この味、この高級感でこの値段は深圳ならではです。大満足の夕食でした。

陽澄湖の大閘蟹

 上の写真は、陽澄湖で撮影した大閘蟹(上海蟹)です。上海蟹のファンであれば、ぜひ一度陽澄湖まで行かれたら良いと思います。上海から日帰りもできますし、蘇州に泊まれば蘇州には素晴らしい観光地がいろいろあります。陽澄湖の大閘蟹はこちらのページで紹介していますので参考にしてください。