「現代中国小説」勝手格付……現代中国を読んでみよう!

2007年1月1日から  人目の訪問者です。

 永年の友人・大切な隣人である中国と中国人を理解していくうえでは、現代の中国を舞台にした小説を読むことも有効です。
そのような小説は数多くありますが、現代中国作家の小説では、まだまだ、和訳されたものは少ないと思われます。
そこで、このコーナーでは、中国人作家の小説に加え、日本人の作家による現代中国を舞台にした小説も紹介し、
独断と偏見で、中国の理解にどの程度役立つのかを勝手に格付したいと思っています。
自分の読んだ小説だけですので、あまり数多くのものを紹介できませんが、
私がこれまで読んだ作品のうち、記憶に残っているものを、下表に紹介しています。
掲載されている小説以外に、何かおすすめの小説等がありましたら、掲示板やメールで教えて下さい。

 現代中国と中国人を理解していくために、もっと数多くの中国現代作家の著作が和訳され、
一層多くの日本人に読まれる時代が来ることを期待しています。
なお、勝手格付の評価基準は次の通りです。

総合評価

 ビジネスマンの目で、次の4区分で評価しています。
    A:必見  B:おすすめ  C:お暇なら  D:時間の無駄

項目評価

 次の6つの視点から5段階評価(「5」が最も高く、「1」が最も低い。) しています。

文学度

→ いわゆる文学として優れているかという点です。但し、判断は「そんざー」の個人的な
  ものですので、あてにならないと考えて下さい。

政治度

→ 中国の政治背景を知るうえで有益か否か、という視点からのポイントです。

ビジネス度

→ 中国でのビジネスを知るうえで有益か否か、という視点からのポイントです。

文化度

→ 現代中国の文化や生活を理解するうえで有益か否か、という視点からのポイントです。

ストーリー性

→ 小説としてのストーリー性・読み応えという視点からのポイントです。

コミカル度

→ 内容のコミカル度という視点からのポイントです。

そんざーの「現代中国小説」勝手格付

作者 作品名 出版社 初版 総合
評価
項 目 評 価 備    考
文学
政治
ビジネス
文化
ストーリー
コミカル
張戎 ワイルドスワン
・下)
講談社 93年  文革時代の知識階層の苦悩と悲劇を描いた傑作。文化大革命の悲惨さを知ることのできる作品。(文庫本あり)
山崎豊子 大地の子
・中・下)
文芸春秋 91年 二つの祖国の間で揺れる中国残留孤児の心を描いた傑作。NHKテレビでの放映で有名だが、ぜひ原作も読んでみたい作品。(文庫本あり)
佐藤正明 望郷と訣別を 文芸春秋 97年 華南地区で大成功を収めた日本人ビジネスマンをモデルにした小説。ちょうど私が香港で仕事をしている頃の時代背景がよく描かれている。
買平凹 廃都(・下) 中央公論 93年
中国の都市の文化人の苦悩を描いた作品。
中国社会の難しさを知ることができる。
大胆な性描写で中国では発禁本。
買平凹 土門 中央公論 96年 都市化されようとしている農村を舞台に人々の揺れ動く心を描いた小説。市場経済化の急速な進展のもとでの人々の葛藤が読みどころ。
陳放 天怒(・下) リベロ 政府高官の汚職をテーマにした作品。中国では地下刊行物として百万部売れた。
虹影 裏切りの夏 青山出版 92年 天安門事件を体験した作者の事件直後の苛烈な数週間を描いた問題作。
虹影 飢餓の娘 集英社 97年 A 5 4 2 4 5 1 重慶のスラム街から這い上がる一人の少女の闘いを描いた自伝的小説。少女の心の成長がよく描写されている。ストーリー性も素晴らしく感動的。
王朔 北京無頼 学研 87年 北京の若者の生態や心理を軽妙なタッチで描いた小説。気楽に読める作品。
谷崎光 中国てなもん
や商社
文芸春秋 96年 中国貿易商社に勤めたOLの、中国との格闘を
ユーモラスに描いた作品。
格非 時間を渡る鳥たち 新潮社 97年 現代中国人の心の内面を描きだしている。
高い文学性を感じさせる短編集。
雁翼 長江は
知っている
集英社 98年 文革時代の自身の体験をもとに、本当の自由を
勝ち取るまでを描いた作品。
沈〔丹彡〕 革命寸前 草思社 92年 天安門事件の学生リーダーの半生を描いた作品。
天安門事件の背景などを実感できる。
瓊瑶 恋恋神話 早稲田出版 96年 B 台湾の流行作家による恋愛小説。
ストーリー性抜群の内容。
莫言 豊乳肥臀 平凡社 95年 日本統治の時代から現代までの農村の変化を描いた問題作。政治体制の変化に翻弄される人々の生活に焦点を当てている。中国では禁書。
馬波 老鬼
わが青春の
文化大革命
集英社 96年 文革時代に反革命の容疑から差別を受けた学生を主人公にした小説。内モンゴルが舞台。
「ワイルド・スワン」に匹敵する感動の作品。
遅子建 満洲国物語 河出書房新社 03年 中国人から見た満州国の話。
日本の侵略により中国人が悲惨な生活を強いられていく様子を描いている衝撃作。
加藤幸子 長江 新潮社 01年 A 5 4 3 5 4 1 幼少時代を第二次大戦後の中国で暮らした日本人と、同時期、すなわち、文革時代を生き抜いた中国人との心のふれあいを描いた傑作。
鄭念 上海の
長い夜
原書房 88年 A 5 5 3 5 5 1 元国民党政府外交官の未亡人が書いた文革時代の実体験。文革が当時の中国人に残した精神的な傷跡を赤裸々に描いている。
張 平 十面埋伏 新風舎 99年 1 2000年のベストセラー大賞等中国三大文学賞受賞作品。 急速な市場経済化の裏ではびこる汚職や黒社会との癒着とこれに立ち向かう公安たちを描く。
李佩甫 羊の門 勉誠出版 03年 5 4 2 5 5 1 中国人とはどういう人間なのかということをつくづく考えさせられた本。平原の貧村を舞台に、中国の政治・ビジネスが動くメカニズムを描いている。
馬 建 レッドダスト 集英社 03年 4  舞台は、文化大革命が終わりケ小平の改革・解放政策が始まった頃である。自由とは何か、愛とは何かを問う問題作。当初中国では発禁本。
水木楊 北京炎上 文芸春秋 07年 B 2015年の中国。様々な矛盾、汚職、貧富の拡大などで共産主義社会が崩壊していく。そんな革命の様子を日本人記者の目から描くサスペンス小説。
作者 作品名 出版社 初版 総合
評価
項 目 評 価 備    考
文学
政治
ビジネス
文化
ストーリー
コミカル