深圳茶葉世界に中国茶を買いに行く

深圳茶葉世界に中国茶を買いに行く

深圳茶葉世界 

深圳の中国茶市場、深圳茶葉世界の鉄観音

 香港旅行をされる方から中国茶をどこで買ったら良いかというご質問をよく受けます。もちろん、香港にも良いお茶屋さんはありますし、私も香港に行きつけのお茶屋さんがあります。でも、香港のお茶屋さんは売れ筋である普洱茶(プーアール茶)の品揃えが良いかもしれませんが、鉄観音や龍井茶、紅茶といった様々な中国茶の品揃えでは、少し物足りなさを感じます。
 私がおすすめしたいお茶屋さんは、香港と陸続きの街、深圳にある深圳茶葉世界という卸売市場です。香港から電車一本で行ける深圳にあります。上の写真は、深圳茶葉市場の鉄観音です。香港と比較すると、激安です。卸売市場ですから、品揃えや価格で香港のお茶屋さんが敵うはずがないのです。
 上の写真の鉄観音の値段などを見てしまうと、深圳茶葉世界(中国茶市場)の価格に魅力を感じてしまい、香港のお茶屋さんで中国茶を買う気にはなりませんね。

 
深圳茶葉世界で中国茶を試飲
 
 中国茶には様々な種類の茶葉があり、しかもそれぞれの茶葉でもランクがいろいろあります。価格が高ければ美味しいのかというと、必ずしもそうは言い切れません。やはり自分の嗜好にあったものを選ぶべきなのです。
 そのためには試飲が欠かせません。中国のお茶屋さんではどこでも試飲をさせてくれます。ここ深圳茶葉世界の各店も試飲させてくれます。実際にお茶を淹れてもらって、香りや味、色を見ながら飲み比べてみると、自分の好みの味が分かってきます。多くの日本人は中国茶に親しんだ経験があまりありません。だからこそ、試飲をさせてくれる店で納得がいくまで品定めをした方が良いのです。

深圳の中国茶市場、深圳茶葉世界で中国茶を買う

 上の写真は私が深圳茶葉世界でよく行っている店、潮汕茶人です。普洱茶(プーアール茶)の散茶(歯を短く切ったお茶)を袋詰めしてもらっているところです。実は、私は血糖値が高く、血糖値対策として一日500ccの普洱茶(プーアール茶)を飲んでいます。その結果、ピーク時に比較すると体重が30%弱低下し、血糖値も良好に推移しています。(中国茶の健康やダイエット効果については、姉妹ページで紹介しています。)
 そんなわけで普洱茶を毎日飲んでいるわけで、飲み続けられるのは自分の嗜好にあった味のお茶を選んでいるからだと思います。
 


 私のおすすめの店は潮汕茶人

深圳の中国茶市場、深圳茶葉世界店内

 深圳市にある中国茶専門の卸売市場、深圳茶葉世界の店内です。上の写真のように店舗が200店かそれ以上入っています。規模からいうと、広州の芳村茶葉市場には店舗数で大きく見劣りするものの、何と言っても香港からの行きやすさが格段に違います。深圳茶葉世界への行き方については、後ほど詳しく説明します。
 「卸売のお店だけど小売りもしてくれるの?」という質問が出てきそうですが、その点は全く問題ありません。卸売でから、店によっては普洱茶を得意にしていたり、龍井茶を得意にしていたり、鉄観音を得意にしていたりして、例えばジャスミン茶を扱っていなかったりもします。そういう場合も、全く問題ありません。近くの店からその場で仕入れてくれますから、一つの店でワンストップショッピングができるのです。

 深圳の中国茶市場、深圳茶葉世界
 
 私が通っている潮汕茶人です。
 この店に通うようになった理由は、たまたま初めて深圳茶葉市場に行った時に買ったからというだけです。特に、日本語が話せるとか、英語が話せるとか、安いとかいうことはありません。ただ、この店で買ったお茶には外れがない、品質が良いということが、毎回利用する理由なのかもしれません。
 深圳の中国茶市場、深圳茶葉世界のお茶屋さん

 潮汕茶人の店主です。普洱茶を袋詰めしてもらっています。彼女が持っている茶色い袋は普洱茶(プーアール茶)、手前にある赤い袋はキーマン紅茶(祁門紅茶)です。我が家では毎朝紅茶を飲みますし、先ほども書いた通りダイエットと糖尿病対策として普洱茶(プーアール茶)もかなり使います。この二種類のお茶については、普及品を大体3か月分くらいまとめ買いしています。
 中国の紅茶というと全くイメージが湧かないかもしれませんが、イギリスでは清の時代からこのキーマン紅茶(祁門紅茶)がよく飲まれています。これもピンからキリまでレベルが様々ですが、普及品でもこれを飲んだら、日本のカフェで出てくる紅茶など飲む気がしなくなります。500g(一斤)100元も出せば、かなり美味しい紅茶をゲットできます。
 中国で茶葉を買うときは「斤(ジン)」という単位で注文します。「一斤(イージン)」とか「半斤(バンジン)」とか言います。一斤で買っても250gずつとか小分けして包装してもらうと鮮度や香りが保たれるので良いと思います。

小沱茶は1回分の普洱茶(プーアール茶)を固めたもの

 普洱茶(プーアール茶)でダイエットしたいと思っている方に、中国茶を簡単に淹れられる小沱茶をおすすめします。小沱茶は1回分の普洱茶(プーアール茶)を固めたもので、茶葉の分量に悩まずに飲むことができます。私の経験では、1回分の小沱茶で500ccくらい飲めます。普洱茶(プーアール茶)でダイエットする場合は1日に1.5ℓくらい飲む必要がありますから、1日に3個使うという計算になります。
 小沱茶も様々な種類がありますから、試飲をさせてもらって自分が長続きできそうな茶葉を選ぶことがコツです。

香港旅行でお茶を買うなら深圳に行ってみよう

 試飲タイムです。片言でも中国語を話せる人なら、かなり楽しく飲むことができます。中国語が話せない人も手振り身振りや筆談で意思疎通は可能です。
 結局、この潮汕茶人の女主人は中国語しか話せません。でも、愛想が良いので最近はすっかり友達になってしまいました。このページの写真を持っていけば、私の友人だと理解してくれるでしょうから、親切に応対してくれるでしょうし、また、若干の割引もしてくれると思います。



深圳の中国茶市場、深圳茶葉世界

 潮汕茶人の「潮汕」とは「潮州」と「汕頭(スワトー)」のことで、どちらも広東省の福建省寄りの都市です。この店が得意とするのは潮汕地域のお茶なのです。
 上のお茶も汕頭(スワトー)の名産品で、こういった飲んだことのないお茶をいくつか飲ませてもらって、自分のお茶のレパートリーを増やしています。ですから、いろいろなお茶を試飲していると一時間や一時間半くらいはすぐに経ってしまいます。

 
 
 一つ上の珍しいお茶は鳳凰単樅といって、広東省潮州のお茶で、烏龍茶と同じく半発酵茶です。飲んでみると、日本人受けする味です。美味しいです。飲み続ければダイエットや高血圧対策などに効果があるとのことで、その旨の説明が茶葉を入れた袋に記載されていました。
 これまでずっと普洱茶を飲み続けてきた私ですが、そろそろこの鳳凰単樅も飲み始めようかと思っています。

  
 
 せっかく中国茶が安く買えますので、私もいろいろと高級茶にもチャレンジしています。以前からよく飲んでいるのは大紅袍(ダーホンパオ)というお茶です。烏龍茶や鉄観音と同じく青茶の一種ですが、岩茶と言って岩肌に生育するお茶で武夷山の岩茶が有名です。甘い香りと独特の香ばしさに特徴があって、日本人には大変合う味わいだと思います。この大紅袍(ダーホンパオ)はその味わいだけでなく、疲労回復、コレステロール低下、脂肪分の除去(ダイエット効果)、老化防止、安眠効果、冷え性・下痢・便秘防止や動脈硬化の予防といった幅広い効能も人気の秘密です。



 
 また、紅茶では金駿眉という超高級紅茶がおすすめです。これはさすがに高いので毎日飲む紅茶としては贅沢すぎると思いますが、大切な客人や友人が来た時に自宅や事務所で私が良くお出ししている紅茶です。紅茶という品種にはなるものの、日本人が考える紅茶よりずっと上品で味わい深いお茶です。ぜひ試飲して気に入ったら買ってみましょう。

 
 こういうお茶屋さんに来たら遠慮しないで試飲することが大切です。一般的な日本人が知っている中国茶の種類などというものは、品種の多い中国茶のほんの一部にすぎません。試飲してみたら、自分の買いたいお茶の品種が変わってしまうことがよくあります。
 ですから、ある程度買いたいお茶の品種にアタリをつけておいた方が良いのですが、いくつか気になるお茶を試飲してから注文した方が良いと思います。

 深圳の中国茶市場、深圳茶葉世界
 
 中国茶は本当に種類が沢山ありますから、こうやってお茶屋さんと仲良くなると、いろいろなお茶を経験できます。沢山の種類のお茶を飲めば飲むほど、自分のお茶の好みがはっきりしてきます。中国茶は深いです。



 深圳茶葉市場への行き方

深圳のイミグレーション、羅湖口岸

 さて、香港から深圳茶葉市場への行き方を説明します。香港から深圳に行く方法には、電車やバス、船などで行く方法がありますが、深圳茶葉市場はMTR東鉄線の羅湖(ローウー)駅に近いので、MTR東鉄線で羅湖(ローウー)に行くことになります。
 MTR東鉄線の羅湖(ローウー)駅で降りると、乗客はほぼ全員が深圳に入るイミグレーションに行きますので、彼らについて、まず香港の出境手続をして、中国・香港間の境界である小川を渡って、今度は中国の入国手続きをします。中国に入るとそこが深圳で、上の建物の前に出ます。
 なお、香港サイドから紅磡(ホンハム)駅に向かう方は、トンネルバスで紅磡(ホンハム)駅に行くのが便利です。香港島からのトンネル手前の道路にはバス専用レーンがあるので、バスで行ってもトンネルの手前で大渋滞に会うリスクは小さいのです。香港島からトンネルを抜けて最初のバス停ですから、間違えることはないと思います。
 深圳への行き方については、別のページで詳細に紹介していますので参考にしてください。

深圳駅前

 深圳のイミグレーションを出たところから前方を見ます。左に中国国鉄の深圳駅で、中国各地と列車で結ばれています。
 正面の回転展望台付きのビルがシャングリラホテルです。ここは、1990年頃にできましたが、当時はこのビル以外、安心していられる場所がなかったと言うと言い過ぎかもしれませんが、我々外国人からするとオアシスみたいな場所でした。そのくらい、深圳では、市街地であっても色々と事件が多かったということです。
 右に見えるのが、人気の商業ビル、羅湖商業城です。深圳に来たら、ぜひ、立ち寄ってもらいたいショッピングスポットです。週末になると、深圳の街には沢山の香港人の若者が買物に来ますが、彼らに人気のショッピングスポットの一つがここ羅湖商業城なのです。

深圳駅前

 深圳茶葉世界へは深圳駅とシャングリラホテルの間の道を進みます。地下道に入って、シャングリラホテルに出るようにすると分かりやすいと思います。地上を歩いても、シャングリラホテルの手前で地下に入らないといけなくなります。

鄧小平が書いた深圳の字

 地上を歩いていると、深圳駅ビルに上の深圳という字が見えます。これは鄧小平さんが書いた字です。意外に鄧小平さんは字が上手ではないですね。
 冗談はさておき、鄧小平さんの改革・開放路線や経済特区がなければ今の深圳の発展はなかったわけで、鄧小平さんが中国の実権を握っていなければ、深圳には昔のままの漁村風景が広がっていたかもしれません。
 彼はまさに、深圳の産みの親であり、現代中国を築いた偉大な指導者だと言うことができます。

深圳駅前の風景

 上の写真は、深圳シャングリラホテルの客室から見た深圳駅前の様子です。2014年5月の写真です。右に深圳駅、正面に羅湖口岸が見えます。深圳駅の正面の壁には鄧小平さんの書いた深圳という字が見えます。


姉妹ページで深圳の美味しいグルメを紹介しています。

深圳の中国茶市場、深圳茶葉世界入口


 そして、シャングリラホテルから線路に沿った道(建設路)を歩いていくと、3分~5分くらいで徳興ビルという古いビルがあって、そこの二階が深圳茶葉市場です。そんなに大きな看板が出ていませんので見落とさないようにしてください。新都酒店というホテルまで来てしまったら行き過ぎです。

 深圳の中国茶市場、深圳茶葉世界入口
 
 深圳の中国茶市場、深圳茶葉世界へはこのエスカレータで行きます。羅湖のイミグレーションで通過に30分くらい(日によって15分の時もあるし1時間の時もあります。)、イミグレーションを出てから徒歩5分~10分の道のりです。

 
 
 深圳茶葉世界への道はわかったけど、深圳茶葉世界が広いので潮汕茶人に辿り着けないというメールをいくつかいただきました。そこで、潮汕茶人と相談して出迎えサービスをするようにしました。一つ上の写真のエスカレータまで来たら、次の電話番号に電話して、日本語で「日本人」と言ってください。すると、エスカレータの二階に上がったところで上の写真の女性または別の女性が出迎えてくれます。(1分くらい待っていただくかもしれません。)
   潮汕茶人の電話番号:8232-4883
 なお、上述の通り日本語は話せませんので、その点はお含みおきください。中国で使える電話のない人は、紙に潮汕茶人と書いて二階の店の人に見せれば、場所を教えてくれるかもしれません。



深圳駅周辺の散策

 

 上の写真はシャングリラホテルです。深圳の雑踏に疲れたら逃げ込むホテルです。ここにいると深圳にいることを忘れそうになります。レストランの香宮(シャンパレス)の飲茶も有名です。

 


 人気のショッピングセンター、羅湖商業城の中です。このけばけばしい広告の張り方は、いかにも中国ですね。私の感覚からすれば、広告がないほうがスッキリしていていいと思うんですが、さすがに商売熱心という熱気が広告からも伝わります。
 この羅湖商業城は、中国の特産品など土産物みたいな商品も売っていますし、電気製品も売っていますし、アクセサリーやファッション関連の商品も沢山売っています。ディスプレイの方法はまさに中国式で、深圳といえども、まだまだ香港のディスプレイを見習ってほしいなという感じです。
 でも、商品はとにかく豊富ですし、価格は香港より明らかに安いですね。驚いたのはニセモノ商品もこのビルの中で堂々と売られていることです。でも、深圳市内は、最近ますます各種の取締りが厳しくなっていますので、いつまでもこの状態は続かないと思います。


 私は近年、広州や深圳の中華料理のレベルが相当に上がってきたという印象を持っています。私の香港旅行の目的の第一がグルメにあるのですが、そうすると香港に旅行するだけではどうしてももったいなく感じて、短い旅行期間であっても、広州や深圳まで行きたくなってしまうのです。上の写真の広東料理の丹桂軒も、深圳でのグルメのレベルがあがったと感じさせたレストランの一つです。深圳駅から深圳茶葉世界を通り過ぎたところにある新都酒店の二階にあります。

 
 
 丹桂軒の蟹子麻辣焼売です。焼売については良く中国内でも食べている私ですが、この味は私にとっては初めての味です。蟹子が焼売の上に載っていて、これに辛い辣油などがかかっているのです。


 丹桂軒の斜め向かいにある佳寧娜広場いうビルです。ここには潮州料理の佳寧娜や香港デザートの満記甜品があります。スターバックスもあります。このあたりまでぶらぶらと深圳の街を散歩して、また、香港に戻ったら如何でしょうか。


 深圳の羅湖に戻るためには、シャングリラホテルから地下に入って、地下道を上の写真にあるように、香港方面に歩いていきます。そうすると中国の出国用イミグレーションがありますから、来た時の逆の順序で、中国と香港のイミグレーションを通り、MTR東鉄線の羅湖(ローウー)駅へと向かってください。
 なお、イミグレーションはいつも多くの人で込み合います。スリとかも多いので、身の回り品には十分に気を付けてください。特にパスポートや携帯電話が狙われやすいのでご注意ください。

 香港から深圳への行き方については、別のページで詳細に紹介していますので参考にしてください。


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