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横浜中華街・萬珍楼點心舗で飲茶


 横浜中華街・萬珍楼點心舗で飲茶

横浜で点心を食べるなら萬珍楼點心舗

 
 アジアグルメ図鑑(香港)は、香港や広州、深圳等で行ったレストランや食べた料理を紹介しているサイトなのですが、広東料理の紹介がちょっと少ないので、番外編として、横浜中華街の広東料理専門店、萬珍楼本店で食べた記録を載せています。萬珍楼は明治25年創業の広東料理専門店で、さすがに高級店らしく、本格的な広東料理を食べさせてくれます。
 今回は、春節(旧正月)の元旦に点心をお腹いっぱいに食べようという試みで横浜中華街に来ました。点心については、もちろん萬珍楼本店でも食べられるのですが、同じ横浜中華街に萬珍楼が経営している点心専門店、すなわち萬珍楼點心舗があるので、今日はこちらにやってきました。
 点心専門店とは言え、さすがは満珍楼チェーンです。立派な建物です。
(萬珍楼點心舗には、点心以外の中華料理も豊富にあります。念のため。)

 
 この日は、旧正月の1月1日です。正月らしく飾られていますね。
 実は予約を入れようとしたのですが、一週間前から予約が取れない状況でした。やむを得ず、11時の開店直後にフリーで来て「空いていればラッキー」という乗りです。開店直後ですから、さすがに店の中はガラガラで、1時までの二時間なら、という条件で席が確保できました。


 萬珍楼はいつも本店に行っていたので、點心舗には初めての訪問です。内装もなかなかゴージャスですね。

 
 テーブルセットです。老舗っぽいというよりも、カジュアルで可愛らしい食器です。「寿」の箸入れが正月らしい雰囲気を醸し出しています。


 飲茶しに来たのですから、飲み物は当然お茶、それも普洱茶(プーアル茶)です。香港で飲茶を食べる時、お茶の銘柄を指定しなければ通常は普洱茶(プーアル茶)が出てきます。何故なら、普洱茶(プーアル茶)は体内の脂を落としてくれるので、脂の多い料理を食べても消化が良いし、太らないのです。
 普洱茶(プーアル茶)のダイエット効果については、こちらの姉妹ページをご覧ください。

 



前菜と点心、どれも満足


 今日の昼食のホスト役は私です。
 点心を注文する場合には、各人それぞれに好きなものを注文させるやり方もありますが、今日はバランス良く注文するという条件で、ホスト役の独断で料理構成を考えました。

 まず、一品目です。飲茶に来たとは言いながらも、今日は春節、正月らしい前菜を食べたいではないですか。そこで、旧正月の特別メニューから「吉慶福満堂」なる前菜を注文です。「祝い鶏」なんていう日本語名が付いていました。いわゆる冷菜盛り合わせですけれども、「吉」「慶」「福」「満」が今年1年、我が家に訪れることを願いながらいただきました。
 美味しいですし、縁起もいいですね。

 

 はい。ここからが点心になります。
 この日は満席になるとのことですので、厨房も大忙しになることが予想されます。そこで、点心についてはまとめて10品くらい注文したのですが、待つこと30分で最初に出てきたのがこれ、エビの紙包み揚げです。サクサクッとしたコロモが香ばしく、中に入っているエビはプリプリです。オー、旨いです。


 二品目は牛肉焼売です。(申し訳ありませんが、メニューの写真を撮っていないものですから、料理名がメニュー記載の名称になっていないのはお許しください。)
 この点心も私の大好物です。焼売から焼売の皮を取ったようなもので、牛肉球などと名づけられていることが多い品です。この点心は少し脂っこいし臭みもあるので、お酢をつけて食べると良いと思います。
 点心の本場の香港や広州では、基本的にお店の人から指定されない限り点心には何もつけずに食べます。点心師が点心それ自体に十分な味付けをしているので、食べる人が別の調味料を使ってしまうと、点心師のせっかくの味付けが死んでしまうからです。そんな香港や広州でもこの牛肉焼売には中国酢が添えられて出てきます。「酢をつけて食べなさい」という意味なのです。
 というわけで、ここ萬珍楼でも、私はお酢をつけて牛肉焼売をいただきました。牛肉の臭みが消えて美味しいですね。


 次に出てきたのはチャーシューきしめん包み(チャーシュー入り腸粉)です。中国語の料理名で「粉」という字が入ると米から作られたことを意味します。そして、「腸」というのは豚の腸に似ているからつけられたといいます。とすると、腸粉というのは、米からできた豚の腸みたいな意味合いなのでしょうね。
 このチャーシュー入り腸粉は、今回注文した料理の中で唯一の不人気メニューでした。そもそも、腸粉の皮に滑らかさもないし潤いもない。チャーシューの切れ端がポツンポツンと輝きを失った腸粉の皮に寂しく包まれているという、見た瞬間に寒気が襲ってきてしまうような点心です。当然ながら、今日の昼食会参加者である我が家の四人全員から「不合格」の烙印です。ひょっとしたら、「きしめん包み」って腸粉とは別物なのかな?
 同じチャーシュー入り腸粉でも、中国広州の広州酒家ではこんな美味しそうな腸粉です。


 さあ、ここで私の大好きな蒸し点心が続々と運ばれてきました。注文を受けてから蒸してくれるレストランでは、蒸し点心は出来上がりまで少し時間がかかります。この日は30分以上かかっていましたのでちょっとかかりすぎではありますが、……。
 でも待たされたけど待たされた甲斐のある美味しい焼売です。これは確か香港エビ焼売と名づけられていた焼売ではなかったでしょうか。小ぶりの焼売ながら、味付けが良く香港の本場の味を思い出します。ここ萬珍楼で点心を味わいたいなら、勿論、醤油なんかつけてはいけません。ましてや、からし醤油で食べるなどというのはもっての外です。点心師の味付けを堪能してください。


 続いて、香港・広州での点心の人気商品、エビ餃子です。
 香港や広州では、エビ餃子の良し悪しも飲茶屋を評価する重要な判断基準の一つです。その際に、現地の人たちが言うには、餃子の皮の透明感、薄さ、甘さといった皮に対する評価と、エビの新鮮さ、甘み、大きさといったエビ自体に対する評価が大切で、それらに価格の納得感を加えて評価されるべきだそうです。
 ここは日本ですから、そんなことよりも、まず本場の味が出ているか、見た目に美しいか、えびはプリプリしているかといったベーシックな基準を満たしていてくれさえすれば、私は満足です。エビ餃子を食べてみます。旨いです。エビはプリプリしているし、口の中にエビの甘みと皮の甘みが広がります。うーん、幸せです。


 続いてニラ入り餃子です。皮がちょっと厚めですが、これは粉果といって「粉」の字が付いていますから米の粉から作った皮で包まれたものです。薄い皮で作ったニラ餃子ですとニラの緑が皮から透けて見た目にも美しくなります。逆にこの粉果ですと、皮がしっかりしていて多めに具を入れることができるので、バラエティに富んだ餃子が食べられます。
 その割には、このニラ入り餃子は具の種類が少し少ないかなあという気がします。そんな気はするものの、まあ、美味しいからいいか、と許してあげたくなる美味しさなのです。


 こうやって自分の小皿の上に点心を乗せながら食べると、まるで本場で飲茶をしているようなそんな気さえしてきます。まだまだ料理は半分くらいです。このレベルの点心が続くと、ますます今後が楽しみです。




 さて、今度は貝柱餃子です。みずみずしい皮に包まれた美しい餃子です。この点心と次の点心は、点心の部の仕上げに出そうと思っていたものなので、ちょっと時期を遅らせて注文していたものですから、私の意図通り点心の仕上げの段階で運ばれてきました。
 こんな風に、テーブルに運ばれてくる時間も考えながら点心の注文をすることも大切です。お店がすいているときは、料理の順番を予め言っておけさえすれば、一流店ならその通りに出してくれますが、厨房のキャパシティの問題なのでしょうか、混んでいる時は一流店でもそうは行かないようです。
 今日は春節で大変混んでいますので、料理の順番にこだわりたいなら、それなりに注意が必要なのです。


 さて、余計なことばかり書いていて、肝心の料理の評価をしていませんでした。この貝柱餃子は、ご覧の通り、皮の中には大粒の貝柱とひき肉がたっぷり入っていて、その味がバランスよく調和されています。また、透明感のある皮は少し厚めですが、程よい甘みとうまみがあって美味しいです。高級点心ということで値段が若干高めなのですが、値段なりの価値はあります。


 これ、シイタケ焼売と言う名前だったでしょうか。肉厚の椎茸が焼売に乗っている逸品です。肉厚の焼売も良く味付けられて美味しいですし、何といっても焼売のプリプリ感がたまらないのです。何でできていた焼売なのか今は思い出せないのですが、豚肉、タケノコといったものばかりでなく、ほかの素材も入っていたような記憶があります。凄くおいしかったことだけは記憶にあります。

 

姉妹ページ 中国茶でダイエット,そして健康


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萬珍楼点心鋪の美味しいデザート


 点心でお腹が一杯になっていたのですが、私の独断と偏見で追加してしまった焼きそばです。実は、「干炒牛河」という香港で大好きだった「いわゆる一つの」焼きそばをここのメニューで見つけてしまったからです。萬珍楼點心舗では牛ひれ肉きしめん炒めとかいう名前になっていたと思います。
 「いわゆる一つの」香港焼きそばと断った理由は、香港で食べる焼きそばには色々あるということなのです。一番メジャーなのが伊麺でしょうか、いわゆる玉子麺ですね。これを炒めて焼きそばとする(乾焼伊麺などと言われます)ものが主流だと思いますが、いわゆる炸麺といって油でパリパリに揚げた麺に餡をかけたものもあれば、焼ビーフンもあれば、労(本当は手偏がつく)麺という和え麺もあります。
 それじゃ、色々ある香港の焼きそばの中でどれが一番好きかと聞かれれば、私は迷わず、干炒牛河という河粉という麺でできた焼きそばを選びます。河粉は米でできた麺です。因みに、米でできた麺を中国では「麺」ではなく「粉」といいます。すなわち干炒牛河とは、米でできている麺と牛肉の焼きそばなのです。
 香港の焼きそばは脂っこいのでお酢をかけて食べます。見た目にいかにもB級グルメなものですから、同行者に最初は人気がなかった干炒牛河ですが、いざ食べ始めるとお代わり続出であっという間に食べ終わってしまいました。香港で食べるときの牛肉は吸い牛肉で硬いけど、ここ點心舗で食べる牛肉はひれ肉で柔らかいですしね。こんなに旨いのなら二人前、注文すべきでした。


 さあ、楽しい飲茶の時間もデザートの時間になってしまいました。四人それぞれに注文します。さっぱりした杏仁豆腐を食べた人もいました。この杏仁豆腐は山桃シロップがかけられた萬珍楼特製なのです。食べた人の言を借りれば、上品な味だったそうです。


 定番の西米露を食べた人もいました。フルーツが沢山入っているところが、さすがに萬珍楼です。
 それぞれ、「美味しい!」を連発させながら食べています。


 このデザートを注文した人は、今日の料理に満足してはいるものの、まだまだ胃袋に余裕があるのでしょう。まだまだ行けるという食欲を感じさせるデザート選択です。とは言え、アイスクリームがさっぱりしていてデザートとしてなかなかだというのが、このデザートを選択した人の感想です。


 そして、このデザートを選択したのは私です。中華料理とは思えない、この洗練された盛り付けにまずは感心してしまいます。キーマン紅茶のゼリー 甘栗のモンブラン仕立てといいます。モンブランの下のゼリーが、祁門(キーマン)紅茶味なのです。


 ちょっとアップにしましたけど、一見したところ甘そうなのですが、祁門(キーマン)紅茶による味付けですから、紅茶の香りを堪能できる大人の味です。祁門(キーマン)紅茶はダージリン、ウバと並んで世界三大紅茶の一つとされている紅茶で、日本ではあまり有名ではありませんけれども、イギリスを中心にヨーロッパでは根強い人気を持っています。甘栗のモンブランが持つ上品な甘さと祁門(キーマン)紅茶の大人の味わいがミックスされた、上品な甘さを持ったデザートです。今日の素晴らしい昼食コースを締めくくるにふさわしい満足感一杯のデザートでした。


 お店との約束通り1時に食事を終えて外に出れば、春節の横浜中華街はご覧の通りの混み具合です。レストランも、有名店は予約が一杯のようですし、人気店に入ろうとする行列が長く伸びています。
 11時に開店とともに萬珍楼点心鋪に入って大正解でした。


 三国志の関羽を祀る関帝廟も、春節らしく参拝客で一杯です。本堂の中に入るには行列に加わらなければなりません。今日は食べすぎたけど、今年もお腹一杯食べられる一年間にしたいな、線香の香り漂う関帝廟でそんな願いをかけた私でした。


ナビーション