アジア写真帳アジアグルメ図鑑アジアグルメ図鑑(上海・中国江南)>無錫風小吃店

アジアグルメ図鑑(中国江南)−蘇州・拙政園近くの無錫風小吃店

   「蘇州古典園林の魅力」へ        アジアグルメ図鑑(中国江南特集)へ



 蘇州観光のハイライトは何と言っても庭園めぐりです。四大名園と言われている滄浪亭、留園、獅子林、そして拙政園は、それぞれ異なった趣があり、どこも見応えがあります。なかでも、拙政園は見所いっぱいで、しかも広いので、しっかり観光すると、ちょっと小腹が空いたなあという気持ちになります。
 そこで食べたくなるのが、蘇州麺などの小吃(しゃおち)です。拙政園を出て、すぐに小吃店を探したのですが、お目当ての小吃店が見つかりません。拙政園の近くには、上の写真のような土産物屋が軒を連ねているのです。
 因みに、写真には宜興の紫砂陶器直売所と書いてあります。紫砂陶器で有名な宜興市は、蘇州市から近くにあります。私も使っていますが、宜興の紫砂陶器は、お茶の渋みやあくを抜き、茶をまろやかにしてくれます。ちょっと高いと思われるかもしれませんけれども、確かにそれだけの価値はある陶器です。そのうち、宜興市にも行って紫砂陶器の窯元めぐりなどをしてみたいものです。


 なかなか小吃店が見つからないまま歩き続けていると、だんだん土産物屋がなくなってきて、地元の人向けのエリアに入ってしまいました。
 写真は自転車修理屋さんです。最近は、電動式自転車というのが蘇州市では流行っています。原動機付き自転車ではありません。まさに自転車に電池をつけて、電動で走らせる自転車です。日本でもパナソニックやブリジストンなどが発売していますが、価格は10万円位していて原付自転車とあまり変わりません。ところが、中国の電動式自転車は日本円で1万円くらいと安いので、都市部ではすさまじい勢いで普及しています。電池の寿命は3年くらいといわれています。そこで、その交換電池が自転車屋の最前面にあるのです。


 果物屋さんです。大きな店舗です。陳列も綺麗です。
 中国の果物は安くて美味しいですね。特にお勧めはスイカで、これはあまりハズレがありませんす。季節が合えば、ライチやロンガンといった日本ではあまり食べられない果物もおすすめです。
 腹が減ってきているので、こういった店でいくつかフルーツを買って、小腹を満たすということも考えられますが、やはり、所期の目的どおり、小吃店を探しましょう。




 そんな時、道の向かい側に見えました、小吃店です。遠香麺館と書いてあります。ちょっと蘇州麺でも食ってみましょう。時刻は3時くらいなので、お店はガラガラです。

 

 地元の人向けの食堂ですが、麺と飯があると書いてありますし、何と言っても「無錫特色」という字に惹かれます。無錫には行ったことはありませんが、無錫風の味付けというのに興味を感じたのです。無錫小籠包とか鶏スープワンタンとかの字も入口脇のガラスに書かれています。
 さあ、入ってみましょう。
 写真では分からないのですが、入口の左のガラスの裏におばさんが座っていて、店に入ったとたんに、注文は何かと聞かれました。ちゃんとメニューを見て注文すべきなのでしょうが、無錫小籠包とワンタンをとっさに注文してしまいました。


 私が注文したワンタンは、三鮮ワンタンです。
 無錫小龍包も有名ですが、ワンタンもまた、無錫で旨いものの一つとして有名です。スープはあっさりした鶏がらスープで私の好きなタイプです。ワンタンは、ちょっと皮が厚めで、それがかえって旨いんです。大きいワンタンが沢山入って4.5元です。


 ちょっとアップしてみましょう。
 ワンタンの上には、錦糸玉子と海草が乗っています。錦糸玉子、これはワンタンには欠かせませんね。そして、海草。恐らくは、太湖をはじめとした江南地方の湖沼の草だと思いますが、これがしこしこした食感でいいですね。しかも適度に塩気があるので、あっさりした味付けのワンタンスープの良いアクセントになっています。
 旨い。うーん、無錫ワンタン、気に入りました。

無錫風小籠包

 そして、無錫小籠包です。
 無錫の小籠包といえば、王興記。そこの小籠包は皮に20以上のひだをつけて包み込みます。そういう意味では、ここ遠香麺館の小籠包も、はっきりとしたひだをつけてひねって包み込むところが、無錫風です。例えば、上海の南翔饅頭店の小籠包この写真を見ると分かるのですが、ひだがもっと少ないのです。さらに言えば、ちょっとサイズが大き目のところも無錫風です。
 さて、食感ですが、まずは、スープの量に驚かされます。沢山入っています。皮は底が厚くて周りの皮が柔らかいんです。これは、スープの量が多いので、壊れないようにする工夫なのでしょうか。スープは濃い目の鶏がらです。アツアツのたっぷりスープの入った小籠包、旨いです。生きていて良かった、そんな思いに満たされる至福の時間です。
 因みに、小籠包は4個5元です。(2009年9月)


 無錫風味の遠香麺館、満足です。私のようなB級グルメ族にはたまらなく嬉しいお店です。拙政園に行かれたら、ぜひ、足を伸ばしてみてください。周りは庶民の街です。路上で象棋(中国将棋)に熱中する人たちも、よく見かけます。
 アジアの旅の醍醐味は、地元の生活に触れ合い、地元の食事に親しむことだと思っています。そんな私にとっては、こんな日常性との出会いが、まさに旅の楽しみなのです。


「蘇州古典園林の魅力」へ        アジアグルメ図鑑(中国江南特集)へ


アジアグルメ図鑑(上海・中国江南) 蘇州編 主な内容

蘇州旅行指南(蘇州旅行の楽しみ方)

松鶴楼  こじき鶏の王四酒家  得月楼の桜桃汁肉  唐宮海鮮舫で飲茶  ワンタンの熙盛源
蘇州麺の朱鴻興麺館  蘇州麺の老舗、同得興本店  山塘街の秘伝臭豆腐  品芳茶社の点心

蘇州のグルメ(アジアグルメ図鑑(上海、中国江南)へ)