アジア写真帳アジア写真帳(中国)アジア写真帳(杭州)>新新飯店と北山街

新新飯店と北山街-アジア写真帳


アジア写真帳(杭州)

新新飯店


 北山街は西湖の北岸を通る幹線道路で、断橋から新新飯店やシャングリラホテルを右手に見ながら、一方で蘇堤や曲院風荷を左手に見て、岳王廟の先までつながる道路です。上の写真の通り、西湖の湖畔を通り、しかもプラタナスの木が日陰を作ってくれるので、一日中散歩に適した通りです。


 西湖に沿って走る道路ですから、適度にカーブがあり、それがこの通りに良い意味で変化を与えてくれています。素晴らしい環境にある道路です。

 

 ですから、昔からこの北山街にはホテルや別荘が建てられ、杭州の中でも少し洒落た味わいを持つ通りとなっています。20世紀初頭に建てられた洋館も多く、そうした洋館の前ではロケや写真撮りをするモデルさんや俳優さんをよく見かけます。

 
 
 ところどころ花壇やプランターがあり、華凜な花がこの北山街に彩りを添えてくれています。上の写真の右手の方に白堤の断橋が見えます。

 
 
 新新飯店はそんな北山街に面している洋館のクラシックホテルで、1921年に開業して以降、蒋介石、宋美齢や魯迅といった中国の著名人やあの芥川龍之介も宿泊したという由緒正しいオールドホテルです。

 
 
 ロビーはあまり広くないですが、洋館のホテルですから雰囲気には重厚なものがあります。

 
 
 いかにも20世紀初頭のホテルといった内装です。芥川龍之介は、朝日新聞の特派員として杭州を訪問した際に、この新新飯店に宿泊したそうです。芥川龍之介は杭州が好きになれなかったようですが、その理由は洋風の建物が建ち始めてしまったからということだったようで、そういう意味ではこの新新飯店も芥川龍之介にとっては好きになれないホテルだったに違いありません。
 私は新新飯店に3泊しましたけれども、とても落ち着ける良いホテルだと思いました。



 
 
 
 上の写真は北山街から見た新新飯店の中楼です。杭州に来るたびにこの建物を見ていて、一度はここ中楼の部屋に泊まりたいとは思っていたのですが、どうやら現在は一般客の宿泊には使われていないようです。

 
 
 敷地の中から見ると、さらに素晴らしさを感じるクラシックホテルです。

 
 
 せめて中に入るだけでもと思ってぐるりと一周したのですが、どこのドアもすべて閉まっていました。中楼入口の重厚な雰囲気だけをカメラに収めました。

 
 
 上の写真では、右手が中楼です。左手の建物とメインフロントがある東楼が宿泊に使われているようです。
 この新新飯店に宿泊した感想ですが、落ち着いた四つ星ランクの良いホテルです。ホテルの周りにはあまりレストランなどはありませんし、コンビニもありません。また、タクシーもつかまりにくい場所でもあります。ではそれが不便かというと、移動に関してはバスが頻繁に走っていますからそれを利用すれば問題ありませんし、コンビニは近くにはないという前提で街中であらかじめ調達しておけば特にそれが問題とはなりません。
 ただ、ホテルからの眺めは良いのかというと、北山街の並木が大きくなっていますから、殆どの部屋では西湖方面の眺望は期待できません。私もレイクビューの部屋を予約しましたが、木々に覆われていて西湖方面の視界が遮られていたため部屋をチェンジしてもらったくらいです。


 食事はどうかというと、ホテルの中の新新庁というレストランで本格的な杭州料理を食べることができます。私も旅先では食事にこだわる自称グルメ人間ですが、この新新庁の料理は杭州の中でも指折りのものです。
 上の写真は糖耦といって蓮根にもち米を詰めて甘く味付た杭州の伝統料理で、昼間、杭州の美しい蓮の花を見た後に食べると、ますます味わい深くなります。


 また、こちらは西湖の幸を使った宋嫂鱼羹というスープで、杭州に来たら一度は味わうべき料理です。これも美味しいですね。
 ということで、レストランは近くにはないものの、この新新庁で食べるとか、あるいは街中にバスで出て食べるといった楽しみ方ができる方には、全く足の便の悪さなど苦にならないホテルだと言えます。そもそも、新新飯店からレストランやショッピングセンターが集まる湖浜エリアまで歩いたところで20分程度です。
 私としては、このホテル、杭州の旅を静かに楽しむ大人の拠点としてお勧めしたいと思います。

 なお、新新庁での食事は新新飯店の新新庁で詳しく紹介しています。



 北山街を歩く


 昼前後の北山街です。
 この時間は、花が開いている蓮は少ないのですが、蓮の葉の緑が目にまぶしい時間です。北山街に数多く設置されているベンチでは語らう人、本を読む人、休息を取る人など、それぞれが思い思いの楽しみ方をしています。


 北山街のエリアは西湖が広がっているので見晴らしが良く、白堤の姿も間近に見えるので、散歩する人が一日中絶えません。


 ベンチに座ると、蓮が西湖の湖面に浮かび、その先に白堤が走り、さらに奥に杭州の街が見えます。湖面にはボートが遊んでいます。こんなところで読書ができたり勉強できたりというのは、何とぜいたくな時間なんだろうと思ってしまいます。


 目を凝らすと、白堤の断橋の上を人々が通り過ぎていくのが見えます。杭州らしい風景です。


 私が新新飯店に宿泊したのは5月下旬に杭州に来た時です。5月下旬ですから、ちょうど蓮の花が咲き始める季節です。蓮の花は朝6時前から8時くらいまでが最もにぎやかに咲く時期ですので、西湖に歩いて出れるホテル、しかも近くに蓮畑の多いホテルということで、新新飯店を選択したわけです。


 これはまさに最高の選択だったと言えます。新新飯店では目の前に蓮畑が広がり、また新新飯店を拠点にすれば、断橋、白堤、孤山、曲院風荷といった蓮の鑑賞地点までは、朝の散歩エリアなのです。

 
 
 蓮の時期ではなくても、北山街には花あります。この辺りは花壇がないので、ところどころプランターに花が植えられ、散歩する人たちの目を楽しませてくれます。北山街の東側、言い換えれば断橋から市街側には花壇が多くあり、一年中花が咲いています。

 

 また、北山街の新新飯店付近からは逸雲寄廬(別名を明鑑楼とも言います。)という洋館が見えます。これが西湖から孤山に入るところに建っていて、木々の緑の中で良いアクセントになっています。

 
 
 
 逸雲寄廬(別名を明鑑楼とも言います。)です。瀟洒な洋館ですね。

 
 

 北山街が蘇堤から来る道とぶつかるあたりでは、北山街は湖畔から10mくらい離れるので、そこには公園が広がります。この辺りも静かな西湖を楽しみたい方には穴場としてお勧めしたいエリアです。

 

 その公園の中に建つ風雨亭。風雨亭越しに見えているのが蘇堤で、風雨亭からは右手に蘇堤、左手に孤山を見ながら、正面に西湖が広がります。眺めの良いところです。朝は太極拳を楽しむ地元の人も見かけます。

 
このサイトをご覧になって杭州に行きたくなった人は
専用サイトから安いチケットや安いツアーを探してみましょう。
チケットはこちらをクリック      ツアーはこちらをクリック


 北山街はガイドブックなどでは紹介されない地味な場所ではありますが、一方で洗練された杭州のもう一つの味わいを楽しめるエリアです。

   

 蓮の花が満開となる時期でしたら、蓮が最も開花する朝8時までが最も良い時間帯ですから、朝早起きして北山街まで来てみましょう。
 感動的なほど美しい蓮の花畑が一面に広がるのです。


関連するページ  
アジア写真帳(杭州)
西湖を観光する トップページ  
白堤と蓮の花 西冷印社 私のおすすめ、孤山
蘇堤 柳浪聞鶯 柳浪聞鶯の茶館、聞鶯閣
曲院風荷 三潭印月 雷峰夕照
花港観魚 郭庄 茅家埠
 朝の西湖 西湖で見た蓮の花  新新飯店と北山街  
     
杭州の街を歩く お茶を訪ねる 杭州のグルメ


 アジア写真帳(杭州)