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杭州・西湖を歩く−白堤と蓮の花


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白堤を歩く


 白堤は西湖の北部に築かれた堤で、あの白楽天(772〜846)が杭州の行政官だった時期に築かれたものです。この白堤周辺は最も西湖らしい風景が多く、「西湖十景」の「断橋残雪」と「平湖秋月」も、この白堤沿いにあります。約3kmくらいの距離ですが、大変よく整備された気持ちのよい道が続きます。散歩するも良し、自転車で走り抜けるも良し、また、夏なら柳の木の下にあるベンチから蓮の花を眺めても良し、人それぞれにリラックスできる場所といえます。


 「西湖十景」の一つ、「断橋残雪」といわれる白堤の東端にかかる橋です。「断橋残雪」という名は、東西に走る白堤がここで切れるのでつけられたようですが、冬の雪のシーズンが終わる頃、白堤の雪がこの端の部分から融けだして、遠くから見ると橋が折れているように見えるのでつけられたという説もあります。
 雪のない時期ですと、特に何の変哲もない橋ですが、橋の上からこれから進んでいく白堤方向を見ると、柳が両側に整然と植えられ、すがすがしい気分になります。

 

 「断橋残雪」から「平湖秋月」や西冷印社の方へ向かいます。白堤は西湖の東の一角に伸びています。夏であれば蓮の花が咲いている一角がありますし、季節を問わず西湖の優美な姿が全面に広がる散歩道です。
 両側に植えられた柳の木がとても綺麗です。

 
 
 白堤は遮るものがないので見通しが良いということが言えますが、一方で夏の時期は特に昼間太陽が高い時間に歩くとかなり体力を消耗します。そこで、暑い時期は朝早い時間に散歩することをお勧めします。後で説明しますが、蓮の花の時期(5月下旬〜6月)ですと、花が開花する時間も朝8時くらいまでですから、8時くらいまでが白堤を散歩するベスト・アワーになります。

 
 
 最近は、中国でも犬をペットとして飼う人が増えてきました。白堤をはじめとした西湖周辺で犬と散歩している人は、最近は随分と増えてきました。

 
 
 ここにもいますね。皆さん、杭州の方なのでしょうか。

 
 
 白堤の端を散歩している人もいます。なかなか健康的です。

 
 
 白堤の朝は以上のように散歩している人がたくさんいます。上の写真のようにベンチも数多く設置されていますので、景色をゆっくりと眺めたいと思った時ですとか、少し歩き疲れたと感じた時などは、ベンチで一休みすることができます。



 
 
  湖畔で体操している人も多く見かけます。地元の人たちなのでしょうが、毎日の日課として、朝白堤まで自転車に乗ってきて、西湖を眺めながら体操をして、また自宅に戻っているのでしょう。

 
 
 仲間同士で来て、体操をしている人もいます。上の写真のおじさんは、いよいよ体操開始というところです。


 昼間の白堤は、朝に比較するとやはり観光客が多くなります。それでも、ベンチは多いですから、空いているベンチに座って、美しい西湖の景色を堪能することができます。夏ですと直射日光を受けてかなり暑くなりますから、陽射しが気になる女性は日傘等を持参すると良いでしょう。


 白堤の途中にはこうしたボート乗り場があります。ただ、通常は一艘4人乗りですので、二人で観光しているときなどは、他の観光客と相席になります。当然のことですが、相席するのは中国人の観光客になります。中国語が話せないと、ちょっと辛いかも知れません。


 この白堤の乗り場から乗るボートは、上の写真の通り4人乗りのボートです。手漕ぎではなくエンジン付きのボートですから風情には少し欠けるところはあります。でも、ゆったりとした西湖遊覧は西湖観光の良い思い出になると思います。値段は一人当たりいくらという形で明記されていましたが、メモするのを忘れてしまいました。ですから、値段交渉は不要なはずです。

 
 
 暑い時間に白堤を見て回るのはあまりお勧めしませんが、朝が苦手な方でどうしても昼間白堤を見学しないといけない方は、上の写真にある電動バスを利用する手もあります。音楽を鳴らして走っていますから、乗りたいときには手を挙げて行先をドライバーに告げてください。あるいは地図で行きたい場所を指さしてください。
 本当は白堤を歩いてゆっくりと風景を楽しむのがベストなのですが、このバスを利用するのも次善の策としておすすめしておきます。

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 孤山の風景

 
 
 白堤を東から西に進み、狐山の南側、ガイドブックで有名な楼外楼に行く手前に、「西湖十景」の一つである「平湖秋月」があります。平湖秋月のテラスは湖面とほぼ同じ高さにあって、西湖に突き出すように設けられています。秋の日にはその正面に月が昇り、西湖の湖面が月に照らされる風情ある風景を眺める絶好の場所となります。

 

 平湖秋月から見た西湖です。右側に見えるのが小瀛州と呼ばれる島で、「西湖十景」の一つ「三潭印月」がある島です。左手奥に同じく「西湖十景」の一つ「雷峰夕照」の雷峰塔がかすかに見えます。晴れた日であれば、もっと見事な風景なのでしょうし、何と言っても秋の空気の澄んだ夜に満月が浮かぶ姿が最高だといわれています。

 
 
 
 平湖秋月から西湖の湖面を見ると、一艘の観光船が見えます。船の向こうの島が小瀛州です。
 私も経験がありますが、こういった小さなボートで西湖を遊覧すると、大きな船で渡るのとはまた異なった趣があります。

 

 天気さえ良ければ、この平湖秋月からの景色には素晴らしいものがあります。満々と水を湛える西湖と、それを取り囲む山々の深い緑が印象的です。残念ながら、朝は霧でかすみやすいので、午後の日射しの強い時がここからの眺めのベストタイミングでしょう。

 

 孤山という島には、白堤から続く道が伸びていて、断橋から来ると 平湖秋月を左手に見て、すぐその後に右側に楼外楼というレストランが現れます。この楼外楼は杭州料理の名門レストランで、杭州の最高級レストランの一つです。私がこの楼外楼で食事をしたのはもう10年以上も前のことですが、確かに料理は見た目にも美しく華やかで、味はすこぶる美味というものでした。


 楼外楼の隣には、篆刻で有名な西冷印社があります。素晴らしい篆刻を見ることができますし、この門をくぐり中に入りますと、孤山ですから山に登るようになりますが、山の上からの西湖の風景も素晴らしいものがあります。
 西冷印社については別のページで紹介しています。

 

 楼外楼や西冷印社を通り過ぎ、白堤からの道が右にカーブするあたりから、蘇堤が西湖を南北に分けるように走る姿が見えるようになります。上の写真で正面に見える橋は蘇堤にかかる橋です。蘇堤の向こうにも西湖が広がっているわけで、 船が蘇堤をくぐれるようにいくつもの橋が架けられているのです。
 このあたりも夏になると蓮の花が華麗な花を開きます。

 

 孤山から見た蘇堤です。まるで対岸の岸を見ているようですが、林に覆われているのが蘇堤です。手前に広がっているのが蓮畑で、夏になると蓮の花が咲き広がります。

 
 

 平湖秋月から蘇堤方面を見ると、一艘の船が見えました。西湖と船、蘇堤の緑がとても美しく、杭州の喧騒がうそのようにのどかな景色です。
 蘇堤の右側の方に橋が見えますが、この橋をくぐると、さらに西湖が広がっています。

 


 

 さて、孤山という島は白堤から続く道をまっすぐに歩いても、それはそれで大変美しい景色を楽しむことができるのですが、白堤から孤山に入ったところで、右に曲がると、ということは北側に回る道を通ると、そこにも見所が広がっています。この北側に回る道を孤山后山路といいます。
 その孤山后山路に入る角に立っているのが、上の写真の逸雲寄廬という文化財の建物です。


 上の写真が孤山后山路の角に建つ逸雲寄廬(別名を明鑑楼とも言います。)です。対岸の北山街からもよく見える目立つ建物で、1930年代に建てられた洋館です。
 白堤から来て、この逸雲寄廬のところを右に曲がると孤山后山路になるのです。

 

 孤山后山路を曲がると中山公園という広い芝生の公園が広がり、そこに巨大な魯迅像が建てられています。太極拳をしている人と比べてみると、 その大きさが分かると思います。

 

  しかし、孤山后山路の見どころは、何と言っても蓮の花のシーズンです。ここには数多くの蓮の花が咲き乱れ、蓮の花越しに白堤を眺め、そのさらに先に杭州の街が見えるという贅沢な風景が広がるのです。

 

 ですから、蓮の花のシーズンともなると、蓮畑の前はカメラを持った人、静かに蓮の花に見入る人などでいっぱいになります。いっぱいになったとしても、日本と違って、上の写真の通り湖岸のスペースでさえ十分に空いています。
 朝6時くらいから8時くらいまでが、蓮の花が開くピークですから、この時間を狙って孤山后山路に来るのが良いと思います。

 

 上の写真は孤山后山路の蘇堤寄りの一帯です。こちらにも蓮の花畑が広がっています。場所によって、開花時期が早いところも遅いところもありますから、いくつか蓮畑を回ってみて開花状況の良い蓮畑を探すと良いと思います。



 蓮の花の風景

 
 
 ということで、白堤から孤山に至るまで説明してまいりましたが、最後に蓮の花についてお話しします。

 
 
 杭州には何度も行っている私ですが、なかなか蓮の開花している時期には行けていません。杭州における蓮の花のベストシーズンは、年によって若干の変動はあるものの概ね6月の上旬から中旬だと思いますが、この時期になかなか行けないのです。上の写真や下の写真は5月下旬の撮影ですが、いくつか蓮の花が開き始めた状態で、つぼみが圧倒的に多いのがこの時期の特徴です。

 
 
 上の写真のような咲き掛けの蓮の花もきれいだなあとおもいますが、やはりしっかりと咲いた蓮の花が一面に広がっている時期に行きたいと思います。

 
 
 まばらに咲いている蓮の花と白堤です。ベストシーズンですと、手前に蓮の花が一面に広がるのです。以前に、6月中旬に杭州に来たときはそうしたベストシーズンだったのですが、その時は良いカメラを持っていかなかったので、その絶景は私の脳裏にあるだけです。

 

 孤山后山路から北山街方面に広がる蓮畑です。このあたりの風景も素晴らしいものがあります。

 
 
 白堤をつなぐ橋をバックに蓮の花を見ていると、いかにも杭州らしい風景になります。橋の向こうに対岸の呉山頂上に建つ城隍閣も見えます。

 
 
 断橋手前の蓮畑です。ここはほとんど蕾だけの状態で、開花まではもう少しかかります。橋の脇の蓮の花が咲いている時の断橋は、それは見事なものです。

 
                      
    蓮の花もない、そして、もちろん雪も積もっていない時の断橋は、背景に杭州の街を入れて見るといくらか杭州らしく見えますかね。


 こちらは、孤山后山路から蘇堤方向に出る手前のあたりの風景で、こちらの蓮はいくらか開花時期が早いようです。

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 ここは白堤や孤山后山路の対岸になる北山街です。美しい並木道で白堤を見ながらの散歩は気持ちの良いものです。

 
 

 北山街から見た白堤方面です。奥にうっすらと杭州の街も見えます。

 

 蓮の花が満開となる時期は、暑い杭州が、それこそ最も暑くなる時期と重なります。汗っかきの私がこの暑い時期を選んで杭州にわざわざ来たいと思うのは、まさに蓮の花を見るためです。
 感動的なほど美しい蓮の花畑が一面に広がるのです。


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