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蘇堤−アジア写真帳(杭州)


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蘇堤について


 蘇堤は、11世紀末、詩人としても有名な蘇東坡が杭州知事の任にあった時、西湖の南北を結んで作った長さ2.8kmの堤です。西湖の深さは1.5mといわれており、泥をかき出さないと泥に埋まってしまう恐れのある湖です。西湖の泥を掘り出し西湖の南北を結んだことは、蘇東坡の一つの功績で、彼が行政官としても特筆した手腕を有していたことを示すものではないかと思います。蘇堤という名前はその後彼の功績を讃えてつけられた名前ですが、蘇堤の南側の入口には、このように蘇東坡の像が建てられています。


 同じく蘇堤の南側の入口です。蘇東坡の像と並んで、この場所が中国人の写真スポットになっています。杭州への観光客は、圧倒的に中国人が多く、最近は増加してきたとはいえ、まだまだ日本人や欧米人は少ない状況にあります。07年1月に上海から杭州まで新幹線で1時間半で来れるようになりましたから、これからは上海とあわせて杭州に立ち寄る観光客も増えるでしょうね。



北山街から朝の蘇堤へ


 蘇堤は長さ2.8劼△蠅泙后西湖の眺めが良く歩きやすいので、杭州滞在時にぜひ一度は歩いてもらいたい道です。とは言え、暑い時期などの午後に歩くと随分と汗をかかされてしまいます。また、蘇堤は杭州の中でも人気のあるスポットの一つですから、9時くらいにもなると、観光客で混雑します。そこで、おすすめしたいのが朝の散歩です。朝食後すぐに蘇堤に向かうくらいのタイミングが良いと思います。8時か8時半くらいから1時間くらいかけて歩くイメージです。
 上の写真は朝8時15分に蘇堤の北端、すなわち北山街から蘇堤に入ったところの写真です。沢山の人が散歩していますが、まだまだ人が少なくて歩きやすい時間帯です。


 両側に西湖が広がる白堤と異なり、蘇堤はこのように道の両側を木が覆っています。こんな感じでずっと西湖を南北に走っているわけです。途中いくつもの橋があって、西湖の視界が広がります。
 蘇堤というのは、大変絶妙の位置に作られた堤だと私は思います。もしも、西湖の中央に作ってしまったら西湖の雄大さは失われてしまいますが、逆に本当の端っこに作っても利用価値は少ないわけです。冒頭書いた通り、蘇堤を作った理由の一つは西湖の浚渫(泥をかき出すこと)にあったわけですので、それをどこに盛土するかということについては、蘇東坡の美意識が働いたのかななどと思ってしまいます。蘇堤を雷峰塔の上から見ると、なるほど絶妙の位置です。
 蘇堤の場合は白堤ほど道が広くないので、時間帯を選ばないとせっかくの蘇堤の風情が楽しめません。このくらい人が少ないと、気持ちよく散歩できます。


 この日は、北山街を岳王廟の手前から蘇堤に入って、蘇堤を南下して花港観魚の入口前を抜け、南山路まで南下するコースです。蘇堤に入るとすぐに、前方右手に曲院風荷と蘇堤とを結ぶ橋が見えます。宋代の橋を思わせる優雅なフォルムの橋です。


 蘇堤の右側には曲院風荷の蓮畑が見えます。蓮の花の開花時(例年、6月上旬から中旬頃)に杭州を旅するなら、この曲院風荷で蓮を鑑賞することを強くおすすめします。杭州の中でも蓮の花が咲くスポットはそれこそ無数にありますが、ここの蓮畑はその中でも屈指のものです。


 曲院風荷の手前を小舟が通ります。観光客向けの遊覧船です。さらに西湖らしい風景になります。


 さらに橋が近づいてきました。湖面に映る姿もきれいです。


 せっかく橋の脇に来ましたので、橋の上からの風景も楽しみましょう。
 蘇堤は2.8劼△蝓△修譴鮟珍するほど時間が取れない方は、この橋を渡って曲院風荷に入って見学し、岳王廟の方へ抜けていくというコースも考えられます。


 橋の上から南側を見ます。朝8時半ごろですから、霞がかかって見晴らしはそれほど良くありませんが、このベールのかかったような雰囲気が西湖らしさでもあります。西湖の中を、あたかも岸辺のように、蘇堤が一直線に伸びています。


 反対側は意外にはっきりと見えます。左側が曲院風荷です。この日は5月下旬です。まだ蓮の開花は始まったばかりなので、蓮の葉の緑だけが目立ちます。


 それでも目を凝らすと、ところどころに蓮の花が開花している様子が見えます。あと10日ほど遅く杭州に来れば、このあたり一帯が蓮のお花畑になっていたわけです。


 それでもさらに目を凝らせば、このように蓮の花がちらほら開花している様子を楽しめます。ここが一面、蓮の花で埋まる様子は本当に見事なものです。


 翌日、曲院風荷で撮影した蓮の花です。年によって若干の変動はあるものの、例年5月20日過ぎくらいから少しではありますが蓮が開花しますので、蓮の花を楽しむことはできるのです。



蘇堤春暁


 さて、曲院風荷への橋から、また蘇堤に戻って、さらに南下を続けます。2.8劼箸いΦ離ですから、自転車で走るというのも一つの選択です。貸し自転車屋は杭州の街のあちこちで目にしますから、探すのに困らないと思います。ブレーキの効き具合だけはチェックしてから借りましょう。


 蘇堤春暁の碑です。蘇堤には柳と桃の木が植えられていますが、柳の木がけむり赤い桃がかすむ春の夜明けが最も美しいとされています。蘇堤を見るなら、春の暁なのです。「蘇堤春暁」という言い方は南宋の時代から言われていますが、清代に康熙帝が杭州を訪れた際(南巡の一つです。)にこの蘇堤の美しさに心を打たれ、皇帝自ら揮篆したとされています。この碑に書いてある「蘇堤春暁」の四文字は康熙帝の作です。
 蛇足ですが、清の康熙帝は大の杭州ファンで、西湖の美しさに強く惹かれていたと言われています。後に揚州の塩商人たちが康熙帝を揚州ファンにするために、杭州の西湖を真似て痩西湖を揚州に造ったのは有名な話です。痩西湖に行くと、杭州西湖のような風景が広がっているのはそのためです。


 蘇堤春暁の碑の近くにある不思議なくらいに曲がった木です。横に枝が伸びて湖面にせり出しています。


 この蘇堤春暁の碑のあたりまで来ると、歩いている人はかなり少なくなり、自転車の人ばかりが目立つようになります。暑い時期だからでしょうか。まだ蘇堤を半分も歩いていないのですから、私も戻ろうかなどと弱気になってしまいそうです。


 自転車のお姉さんがわざわざ自転車を止めて写真を撮っています。レンズの先を目で追ってみると、……。


 釣り場でした。
 蘇堤のほぼ中央部分だけは釣り場として認められているようで、恐らくはこの橋とこの橋の間だけは釣りをしても良いということになっているのでしょう。沢山の人が釣りを楽しんでいました。


 この辺りまで来ると右手に郭庄が見えてきます。郭庄はもともと個人の別荘で西湖を借景にした庭園が見事なところです。円洞門(丸い門)の向こう側が庭園になっていて、庭園側から円洞門を通して西湖の風景を楽しめるような設計になっています。


 さらに蘇堤を南下します。少し歩いている人も増えてきたので何か嬉しくなってしまいます。しかも白人観光客です。蘇州では珍しいですね。


 左手に見えていた雷峰塔もだんだん大きく見えてきました。雷峰塔は南山道と蘇堤がぶつかったところからすぐにありますので、雷峰塔が近づいてきたということは蘇堤の南端が近づいてきたということです。


 観光客向けの船もこのあたりに来ると現れてきます。蘇堤の北端と南端の両方に、こうした遊覧船の乗り場があります。


 この辺りは数多くの遊覧船が客待ちをしています。写真を見ると分かるように、もう西湖の南岸がかなり近くなってきています。

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 蘇堤からの晴れた日の眺め

 

 蘇堤から見える西湖の風景です。朝ですと、どうしても靄がかかるので、ここまで鮮明に見えることはありません。
 蘇堤から見る西湖は本当に心を和ませてくれます。こんな風景を見ていると時間が止まっているような気さえします。手前に見える島が三潭印月がある小瀛州で、奥に杭州の街が見えます。


 上の写真は、弧山方面を見たところで、平湖秋月も見えます。白堤はこの弧山の裏手になります。
 蘇堤から見える西湖の姿はいずれも美しく、蘇東坡が読んだ歌も、なるほど分るような気がします。

   湖の水が輝く晴天の日が良い。 
   山々が霞んで朦朧とした風情も一興である。
   西湖を西施に例えるならば、
   淡い化粧の時も濃い化粧の時も、いずれ劣らず素晴らしい。

 ここでいう西施とは中国史上最も美しいといわれる女性のことです。(詳しくはトップページを参照してください。)

 

 上の写真は、 三潭印月がある小瀛州を手前に見ながら、雷峰塔を見たところです。昼間になると、観光客を乗せた遊覧船が西湖の湖面に沢山浮かぶので、杭州・西湖らしい雰囲気になります。

 

 そして、こちらは 清河坊(河坊街)がある呉山方面をかなり拡大してみたところで、
呉山頂上に建つ城隍閣も見えます。


 晴れた日に蘇堤から見た風景の最後は、 杭州の街です。杭州の街がこんなにくっきりと見える日には、私はあまり出くわしません。
 午後であれば必ず景色が優れるかというと、決してそうではないわけで、したがって私は蘇堤を散策する時間帯を、景色が悪いのを承知で朝にしているのです。ただ、昔から蘇堤を愛した人たちは、「蘇堤春暁」といって、柳の木がけむり赤い桃がかすむ春の夜明けが最も美しいとしてきたわけで、霞んでいるからこそ蘇堤なのではないでしょうか。



朝が過ぎれば雑踏の蘇堤に


 8時15分から蘇堤の散歩を始めて、現在は9時半です。蘇堤の風景・風情を十分に楽しみながらゆっくりと歩いてきましたので、1時間以上も散策してることになります。途中、気に入った風景があればベンチで休みながら楽しんできましたので、こんなに時間がかかってしまいました。
 このくらいの時間になるとすごい数の観光客が現れてきます。静かな蘇堤の時間はそろそろ終わります。前にも書いた通り、9時半よりも前に蘇堤を通り過ぎるのが、静かに楽しむポイントなのです。


 西湖遊覧船の花港観魚ターミナルが前方に見えてきました。観光客がたくさん集まっているのが見えますね。


 左が遊覧船乗り場、右が花港観魚の入口です。
 写真だけ見ていると、観光客が多いと蘇堤が混んで歩きづらいということだけのように見えるかもしれませんが、実はそうではありません。中国の団体客の誘導では、マイクを使ってひっきりなしに案内をしていて(日本もそうですね。)、しかもその音がかなり大きいものですから騒々しいのです。


 遊覧バスも走り出しました。遊覧バスもクラクションが音楽になっていて、これまた騒々しいのです。蘇堤春暁の静かな雰囲気は、この時間になるとなくなってしまうのです。
 私も遊覧バスで蘇堤を縦断したことがありますが、ゆっくり走ってくれるとは言え、5分もかからずに縦断できてしまって、蘇堤の雰囲気を楽しめません。なお、遊覧バスは環境を考え、電気自動車になっています。

 
 
 この遊覧バスは時速20劼らいのスピードでしか走りませんから、写真も撮れます。
 
 
 そうはいっても、写真を撮りたくても停まってはくれませんから、蘇堤などはあっという間に通り過ぎてしまって、私にはちょっと味気ない旅行のように感じてしまいます。やっぱり蘇堤は自分の足で歩きたいものです。


 最後に混雑に多少巻き込まれましたが、まあまあ静かに蘇堤の散歩を楽しむことができました。
 龍をあしらった船が見えたら、もう南山道です。雷峰塔が背景に見えます。


 正面から見ると、龍も可愛らしい顔をしていますね。
 蘇堤を北から南へ縦断しましたが、ここから雷峰塔まで歩き観光をします。あと10分くらいの歩行時間でしょう。


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