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広州・沙面の高級レストラン、西関粤の飲茶


 広州・沙面の高級レストラン、西関粤の飲茶


 沙面に行ってみよう

 
  広州は、宋代や元代の昔から南洋貿易の拠点だった街で、清代半ばからは対外貿易が許される清国唯一の港として発展した街です。その時代、外国の公館などの設置は広州にしか認められず、外国人の保護・隔離を目的として清国は広州市内に外国人居住区を設置していました。その後のアヘン戦争後の交渉で、その外国人居住区はイギリスやフランスの租界地となったわけですが、それが沙面島です。

 
 東洋の魔都といわれた上海のようにスケールの大きな建物は少ないのですが、今でも、沙面に行くと上海の外灘ほどではないものの、ヨーロッパのような街が広がっているのはこうした歴史によるものです。


 朝の沙面を散歩して、そのまま沙面で朝食を取るところがないかを大衆点評という中国のグルナビのようなサイトで探していたところ、沙面にある勝利賓館というホテルの二階に西関粤という高級レストランがあって、朝8時半から飲茶ができることがわかりました。
 勝利賓館は沙面の入口に当たる沙面北街にあって、租界時代の雰囲気を残す歴史ある建物です。



 西関粤は勝利賓館の二階


 西関粤の入口です。勝利賓館の二階にありますから、勝利賓館のロビーから入ることもできますし、横にあるレストランの専用入口から入ることもできます。西関粤というレストラン名のデザインも洒落ていますね。少なくとも雰囲気は期待できそうです。


 朝の沙面での散歩を終えて、8時40分くらいに西関粤に来たのですが、テーブルは既に満席状態で入口脇の一つしかあいていませんでした。ひょっとしたら、8時半よりも早い時間から営業していたのかもしれません。
 勝利賓館のホテルのロビーも立派で驚いたのですが、この西関粤のレストラン内も豪華です。客層も良く雰囲気に気品が感じられます。


 席に着くとまずお茶のオーダーを聞かれ、いつも通り普洱茶を注文しました。食器のセットは派手さはないもののシックです。


 普洱茶を飲みながらゆっくりと点心のオーダーを考えます。この時間が飲茶している時間の中でも幸せを感じる時間であり、心のゆとりを感じる時間です。じっくりとメニューを見ながら品定めをするわけです。
 このレストランはこのオーダーシートでオーダーしますから、中国語が話せない人でも問題ありません。メニューから料理が思う浮かぶ程度の中国語理解力は、中国語は漢字で構成されていますから、日本人なら少しの訓練でできるようになるはずです。先ほど紹介した大衆点評というサイトでおすすめ料理を事前に見ておくのも良いでしょう。



 西関粤の美味しい点心


 最初に出てきた点心は蟹子焼売です。飲茶の定番料理ですが、こうした定番料理を食べることによって、そのレストランの大体の味のレベルを把握することができます。
 ここ西関粤の焼売は合格です肉がたっぷりの焼売はかなりのハイレベルですし、。エビのプリプリ感も良いです。


 いかがですか、この焼売。
 見た目にも美しいですし、食べてみるとこれがまた素晴らしい味なのです。他のページでも書いていますが、広州や香港など、中国で食べる点心には醤油などをつける必要はありません。点心をそのまま食べて美味しいように点心師が味付けしているのです。口に含めば、味付けされた肉汁が広がり、至福な時間となります。


 二品目は香茜牛肉球です。この牛肉球という点心には、どのレストランもお酢をつけてきます。醤油のように見えるかもしれませんが、蒸篭の横の小皿に入れられているのはもちろん中国酢です。
 牛肉球は私の大好物なのであちこちのレストランで注文していますが、この西関粤の牛肉球は軽い歯ざわりと香菜の微妙な味付けが牛肉球のこってりとした味付けを中和してくれていて、食べやすくなっています。おいしいです。

 そして、三品目はまず、XO酱炒萝卜糕(大根のXO醤炒め)です。大衆点評というサイトでも評判の良かった料理です。蒸籠と同じくらいの大きさで出てきますから、結構な分量の料理です。炒める段階でXO醤を使っていますので大根の下の方には炒めた時のXO醤が入っていますが、さらにXO醤の味付けを強くしたい人向けに、小皿にXO醤が添えられています。


 まるでジャガイモの煮込みのように見えるかもしれませんが、これが大根です。大根はとろとろに煮込まれていてXO醤の香りが十分に染み込んでいます。ピーマン、トマトとたまねぎも細かく刻まれ、大根とともに炒めまれていて、味に広がりを与えてくれています。このままでも十分に美味しいのですが、さらにXO醤をつけるとますます美味しくなります。これは確かに絶品の味付けです。西関粤というレストランは素晴らしいです。


 本日のデザートとして注文したのは椰香千層糕です。椰子の香りがするカステラです。思っていたより甘いですし、千層といいながらも、ご覧の通り6層です。そもそも千層糕というのは揚州の富春茶社で有名な点心ですが、薄い皮が何枚も重なっている点心で、この皮自体がほのかな甘みを持っているものです。私としては、その富春茶社の千層糕みたいなものをイメージして注文したわけです。これはちょっと外してしまいました。むしろ、他の甜品をオーダーすべきでした。



 西関粤には美味しいメニューがいろいろ


 その後も何回か西関粤を利用していますが、広州には行きたい店がいろいろあってそれほど通っているというほどではありません。でも、行くたびに素晴らしさを感じさせてくれるお気に入りのレストランです。ある意味、レベルが高い位置で一定しているレストランです。
 上の写真は順徳料理の本場、順徳(広州からバスで30分かからない距離)にグルメ旅行に行った帰りに立ち寄った時に、順徳で食べ損ねた倫敦糕(ロンドンケーキ)という牛乳のお菓子です。倫敦というのはイギリスのロンドンではなく順徳にあるロンドンという地名で、酪農が盛んなエリアです。そこで牛肉から作ったお菓子が広東料理で広く食べられていてそれを倫敦糕(ロンドンケーキ)というのです。ここ西関粤のロンドンケーキは甘すぎず、牛乳の香りがしていて美味しいです。


 上の写真は、ある時粽(ちまき)を食べたいと思って西関粤に来た時に、海鮮ご飯の蓮の葉包みというメニューを見つけて、衝動的に注文したものです。蓮の葉を開いたところで撮影したのが上の写真です。見るからに美味しそうです。まるで日本のちらしずしのように見えるかもしれませんが、もちろん酢を使っていません。海鮮の入ったご飯です。


 茶碗に盛り付けると、ご飯のパラパラ具合もよく分かると思います。中国のご飯で油を使わずにこれだけさっぱりしていて素材の味が生かされている料理も珍しいです。中国内の中華料理レストランに1000店以上は行っていると思いますが、こうしたご飯を食べたのはここ西関粤だけです。日本人の味覚に合う料理です。


 最後に紹介するのは点心ではありませんが、ランチの時間や夕食の時間帯に注文できるエビの春雨蒸しです。これがボリュームたっぷりで、かつ、美味しいです。二人で食べたのですが、ご飯を注文するのをやめました。春雨だけでお腹一杯になってしまいます。


 大きなエビが8尾も使われていて、その味が春雨に染み込んでいて大変美味いのです。ある程度期待して注文した料理であることはその通りですが、その期待をはるかに上回る出来栄えに満足したのです。エビの新鮮さと絶妙の調理が相まって素晴らしい味わいに仕上がっていました。

 

 概して言えば、味、雰囲気、サービスともに西関粤は十分に私を満足させてくれる水準のレストランです。特に、大根のXO醤炒めはもう一度食べに来たいという気持ちを強く持たせてくれる一品でした。日本人には殆ど知られていないレストランですから内緒にしておきたい気持ちもありましたが、良いレストランなので紹介させていただきました。
 食後、また、腹ごなしに沙面の街を散策です。沙面の街並は、喧騒と排気ガスの街、広州にいることを忘れさせてくれるような静かで落ち着いた雰囲気を漂わせています。沙面の散歩と西関粤での食事は、ゆとりあるリッチな気分を味わえた朝のひとときでした。

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