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元朗での飲茶は大栄華酒楼(香港)


 元朗での飲茶は大栄華酒楼


元朗の街を歩いてみよう 

香港・元朗の街並み

 元朗は香港の新界地区にある郊外の街。昔から栄えていた街なので、老舗の店が多く、昔ながらの香港が残っている街です。軽便鉄道(軽鉄)とも呼ばれる路面電車が走る街としても知られています。
 かつては地下鉄(MTR西鉄線)もなかったのでバスとこの軽便鉄道を乗り継いで来たものですが、今では地下鉄で香港中心部と約30分で結ばれているので、旅行者でもかなり行きやすくなった街です。大栄華酒楼の話をする前に元朗の街を少し紹介しましょう。

香港・元朗の粥麺店
 
 元朗の街を歩くと、懐かしさがこみあげてきて嬉しくなります。1990年代、あるいは1980年代の香港がここにはあるのです。上の写真は香港粥や腸粉を食べさせてくれる専門店。もちろん、今の香港市街にも同様な店はいくつもありますが、店の雰囲気が昔風なんです。日本でいえば昭和の匂いを感じさせるという雰囲気なんですね。

元朗の焼味屋(焼臘店)
 
 焼臘(シウラップ)屋さんもショーケースを隔てずにぶら下げられているので、美味しそうな香りが周りに充満しています。こういう風景って、昔の香港です。

 

 そして、大声で広東語が飛び交っているオープンエアの飲茶屋があって、お茶を飲んでくつろいでいる人々の姿が元朗にはあります。

香港・元朗のレトロな街並み

 一般の商店も上の写真の通り、レトロな雰囲気というか、昭和の匂いというか、今の香港市街の冷たい街並みに比べるとずっと庶民的で、見ているだけでうれしくなってしまいます。

元朗で飲茶するなら、大栄華酒楼

 こんな元朗の街の中に、このページで紹介する大栄華酒楼があります。元朗では最も格式の高い酒楼(レストラン)です。とは言っても壁の花輪みたいなのを見てもらえば想像できる通り、大変レトロなレストランで、昔ながらの香港の飲茶風情を楽しめる店です。2016年に内装を改装しましたが、雰囲気はいまだにレトロです。

 


 大栄華酒楼でレトロな飲茶

元朗・大栄華酒楼の飲茶風景
 
 大栄華酒楼の店内です。店内は改装されたばかりだから綺麗になっています。でも、昔ながらの広々とした酒楼の雰囲気はそのまま残っています。ここにいると聞こえるのは広東語ばかりです。私は香港に住んでいましたが広東語は全く話せません。ですから、相席していても隣が何を話しているか全くわかりません。それでも気軽に話しかけてくる方もいて、そんなところに下町の飲茶風情が感じられます。そんな時は私は北京語で対応しますが、何とかギリギリのコミュニケーションはできます。
 嬉しいじゃないですか。相手は私が香港人でないことはとっくに見抜いていますし、それでも気軽に話しかけてきて、あれこれ話し相手になってくれる。そんな温かさがここ元朗の茶楼には残っているのです。

元朗、大栄華酒楼の飲茶風景
 
 この大栄華酒楼も点心の注文はオーダー式です。本当のことを言えば、レトロな元朗の雰囲気に合わせてワゴン式であればもっと魅力的ではあります。でも、言い方が悪いですが、店自体は改装したモダンになっても、制服は赤を基調にしたモダンなものであっても、やはりここは大栄華酒楼です。老舗の貫禄というか、昔ながらの香港の飲茶風情が感じられるのです。

元朗・大栄華酒楼で飲茶(オーダーシート)
 
 香港の普通の酒楼と同様に、テーブルに通されたとたんにお茶の銘柄を聞かれます。当然ながらレトロな香港らしく「ポーレー(普洱茶)」と答えます。点心の注文は上の写真のオーダーシートを使います。大栄華酒楼で最も人気のあるのは奶黄馬拉糕(カスタードクリーム入りのマーライコー)です。オーダーシート上段の中央くらいに書いてあります。 オーダーするときには忘れないようにしましょう。

元朗・大栄華酒楼の焼売
 
 大栄華酒楼の点心は、香港の中で際立って美味しいというほどの点心ではありません。特に何が美味しいということでもありませんから、奶黄馬拉糕(カスタードクリーム入りのマーライコー)以外は、私はその日の雰囲気で適当に注文しています。
 この日は焼売から始めました。香港の平凡な水準の焼売です。それでも、日本のものに比べれば、どんな中華料理レストランよりも美味しいとは思います。

大栄華酒楼のエビにら餃子(香港元朗)

 日本人が大好きなエビにら餃子。香港ではエビ餃子が最も人気がありますが、日本からの友人に食べさせるとエビ餃子よりもエビにら餃子の方が美味しいと言う人が多いです。エビ餃子は比較的大きめのエビが入っていますが、エビだけなのでちょっと物足りなさを感じるのかもしれません。また、にらの入った餃子の方が日本人には食べ慣れているという点もあるかもしれません。

元朗・大栄華酒楼の春巻
 
 私にしては珍しく春巻も注文してみました。この春巻は、私好みですね。油が軽くて全体的にパリッとしたすっきりした揚げ具合です。べたついていないこういう春巻は香港では珍しいと思います。
 点心については香港での昼食(飲茶を中心に)のページでたくさん紹介していますから、点心にあまり詳しくない方はこちらのページをよくご覧になって食べたい点心を探してみてください。

元朗・大栄華酒楼の?黄馬拉?(カスタードクリーム入りのマーライコー)
 
 そして、奶黄馬拉糕(カスタードクリーム入りのマーライコー)です。この点心は大栄華酒楼の一番人気のメニューです。一般的な馬拉糕(マーライコー)に比較すると、カスタードクリームの味が強い分だけ甘みが増しています。私は飲茶の時にあまり馬拉糕(マーライコー)は注文しないのですが、ここ大栄華酒楼に来た時だけは例外です。やっぱり何度食べても美味しいのです。
 美味しい普洱茶(ポーレー茶)を飲みながらつまむ甘い馬拉糕(マーライコー)に、レトロな香港の飲茶風景が良く似合います。



大栄華酒楼で楽しむ素朴な点心

元朗・大栄華酒楼のイカのニンニク蒸し
 
 香港の飲茶で食べる点心というのは洗練されたものが多いのですが、ここ元朗の大栄華では昔ながらの素朴な点心が多いのも特徴です。上で紹介した奶黄馬拉糕(カスタードクリーム入りのマーライコー)がそうです。
 それから例えば、上の写真のイカの煮物などはニンニクがたっぷり効いていて、これはこれでかなり美味しいです。お茶を飲みながらつまむのにちょうど良いです。まさにお茶を飲むために注文するのに適した点心なのです。大栄華酒楼のイカのニンニク蒸しは私の定番です。

元朗、大栄華酒楼で食べる伝統的な点心
 
 上の写真は四寶滑鶏扎という点心です。たまたま隣の人が食べていたので同じものを注文したものです。「扎」という字はまとめるとか一括りにするとかといった意味で、鶏肉やサトイモなど4種類の具を湯葉にくるみ蒸した料理です。見た目には少し脂っこく見えますが食べてみるとそれほどでもなく、朝からでも食べられる点心です。この点心なども伝統的な香港点心です。エビ餃子や焼売のような華やかさはないものの、お茶と一緒に食べると美味しい点心なのです。

元朗、大栄華酒楼の点心(香港)
 
 上の写真はチャーシュー饅頭です。チャーシュー饅頭は飲茶をしている広東料理レストランにはどこでもある点心ですが、ここ大栄華酒楼のチャーシュー饅頭は大きいチャーシューがゴソッと入っている点が特徴です。美味しいですよ。そして迫力があります。

腊腸ロール(中国燻製ハム巻きパン)
 
 同じような感じですが、上の写真は栄華腊腸巻と言って、店の名前を冠した点心です。日本語で言えば腊腸ロール(中国燻製ハム巻きパン)とでも言うのでしょうか。
 腊腸とは中国燻製ハムのことです。細かく刻んで炒め物やチャーハンなどによく使われている食材です。こういう風にドーンと一本入っていると、味がかなり強くなります。
 私のように中国燻製ハムを食べ慣れていても、一人で二つ食べるとお腹にヘビーにたまります。普通の日本人なら4人でシェアして、ということは二本入りですから一人半分ずつ食べてちょうど良いくらいでしょう。
 腊腸巻の巻はパンで巻いていることを指しています。饅頭と異なりフワフワ感がなく、昔のパンみたいな感じです。実はレトロなメニューですから、こういう点心を食べているとちょっと通っぽく見えます。

元朗、大栄華酒楼の伝統的な香港点心

 今度は中国版焼きナスです。ナスだけ焼いて出てくるのとばかり思っていたら、中国式さつま揚げも少し入っています。上の写真でもちょっと顔を出していますね。日本の焼きナスと違ってさっぱりした味わいはないものの、お茶のつまみとしては相性の良い点心だと思います。

 
カボチャ餅は大根餅に劣らず美味しい(香港・大栄華酒楼)
 
 茄子の次はカボチャです。大根餅ならぬカボチャ餅です。これもレトロなメニューで、大根餅は今でも飲茶の点心の定番の一つですが、カボチャ餅というのはごく限られた老舗茶楼でしか見ることはできません。
 では美味しくないのかというと、私は甘みが感じられて美味しいと思います。大根餅の場合は味付けの良し悪しで店によって美味しさの差が大きいです。カボチャ餅の場合はもちろん味付けもありますが、それよりもカボチャ本来の味が生かされている点心です。この味が実はあ茶に合うのです。飲茶を楽しむ時に一度試してもらいたい点心です。

元朗、大栄華酒楼の綾魚球(香港)
 
 陳皮綾魚球です。これも定番です。この手のボール状の点心ですと牛肉球が有名ですが、綾魚球は魚のすり身を丸めたもので、日本で言えばつみれです。牛肉球は臭みがあるので黒酢をつけて食べますが、綾魚球では酢をつけずに好みにより胡椒をかけて食べます。料理を運ぶお姉さんが胡椒を一緒に持ってきてお客さんの好みに合わせて振りかけてくれます。

綾魚球(香港の点心)
 
 綾魚球の中を見るとまさにつみれです。日本のつみれより一回りか二回り以上大きいです。私の好きな料理ではあるものの、欠点はお腹にたまりすぎて他の点心が食べられなくなってしまうことです。

大栄華酒楼の香煎蝦米腸(香港元朗で飲茶)
 
 お腹にたまる点心としては伝統的な腸粉である香煎蝦米腸は如何でしょうか。香煎蝦米腸とは干しエビ入りの腸粉を少しあぶったもので、写真の通り腸粉自体はあまり大きくありません。ただ、量が沢山あって一人で食べると結構お腹いっぱいになってしまいます。腸粉のたれやゴマで味はついていますが、写真右のたれをちょっとつけるとすごく食べやすくなります。
 もちろん、腸粉にはチャーシュー入りとかエビ入りとか他の店でよく見る一般的な腸粉もありますが、お茶を飲みながら長時間おしゃべりするお供としては、この香煎蝦米腸がおすすめです。それに伝統的な茶楼である大栄華酒楼の雰囲気には香煎蝦米腸の方が似合うのです。

大栄華酒楼で一人飲茶(香港元朗)
 
 元朗まで来て飲茶をする日本人というのはあまりいないでしょう。私のように元朗方面に住んでいる者くらいしか日本人は見かけたことがありません。私もしょっちゅう大栄華酒楼に行っているわけではなく、お茶を飲んで一休みしたいとか休みの日の朝にゆっくり飲茶したいといった場面で、ぶらっと一人で行くわけです。一人飲茶にはひったりの場所かも知れません。いつも相席で周りは香港人ばかりという環境の中で、まさに香港らしい飲茶風景を味わえるのが大栄華酒楼です。

元朗、大栄華酒楼の店内
 
 香港には美味しい点心を食べられるお店は沢山あります。わざわざ元朗まで行って飲茶をするのも如何なものかと感じる方も少なくないでしょう。でも、私がこの大栄華酒楼を気に入っているのは香港庶民の生活に溶け込んでいる飲茶風情を見れるからなのです。香港リピーターの方には是非お勧めしたい酒楼です。





 元朗では香港スイーツも楽しみましょう

香港・元朗、佳記甜品

 上の写真は元朗で人気のスイーツ店、佳記甜品のB仔船(カットフルーツ盛合せ)です。佳記甜品の看板商品であるB仔涼?を小さくしたようなものです。元朗にはこの佳記甜品もあれば香港各地に店を持つチェーン店、許留山の一号店もある香港スイーツ発祥の地なのです。
 私が元朗に来る一番の目的はB級グルメです。ここ大栄華酒楼か蝦子撈麺や雲呑麺(ワンタンメン)で有名な好到底に来て、ついでに香港スイーツを食べて帰るのは定番の行動なのです。

香港元朗・佳記甜品の芒果糯米?
 
 佳記甜品では、マンゴーのもち米団子(芒果糯米巻)もおすすめです。マンゴーが新鮮で香りが強く、もち米が柔らかく、そして適度に甘みがあって最高の味です。これは写真でもわかる通り、パックに入れてくれますから、食べきれない場合はホテルに持ち帰って食べることができます。その他ではマンゴー・パンケーキも美味しいですね。

香港・元朗の栄華

 香港スイーツに加えて、月餅などの香港菓子の人気店も元朗を発祥としている店が多いです。上の写真はそうした店の一つ、栄華です。栄華の月餅は香港のあちこちで見かけますが、上の写真がその本店で、元朗の軽鉄大棠路駅駅前にあります。

 
香港・元朗、栄華のお菓子

 月餅以外にも上の写真のような気軽なお茶菓子もいろいろあります。ホテルに持ち帰って、翌日に食べるなんてことも良くあります。

 元朗は香港市街からそんなに近いわけではありませんから、せっかく大栄華酒楼に来たなら、ついでにスイーツ類も食べるなり調達するなりして、十二分に楽しむようにしましょう。

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