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「西塘古鎮」を歩く − 西街の茶楼


アジア写真帳(西塘)


 西街は、煙雨長廊と川を挟んで反対側を並行して走る通りです。写真にある門みたいなところは永寧橋からすぐのところです。写真のように、狭い通りで、しかも屋根もない裏道のような通りですが、こんな感じの通りが、その街のにおいを感じさせてくれることがよくあります。さて、中に進んでいきましょう。


 ご覧の通り、狭い通りが続きます。永寧橋から環秀橋方面に歩いていきます。地図を見ると分かってもらえますが、環秀橋に向かって右側は、川に面している店になります。
 食堂もありますが、これは左側ですので、川沿いではありません。右側にお茶屋を発見です。

 
 この写真は永寧橋方面を向いて撮影していますから、左側が川沿いです。
 さて、茶楼の名前は「福聚堂」といいます。
 実は、西塘について本を読んだときに、「西塘でバスを降りるとすぐに観光ガイドが群がってくるが、ガイドが中国語しか離せないので、日本人やその他の外国人はその場に取り残される」という話を聞いていました。短い時間で西塘を見て回りたい私としては、このバスを降りたときに群がる観光ガイドの中から一人を確保して、道案内・観光案内をしてもらいたいと思っていたのでした。
 ところがこの日、西塘に着いて煙雨長廊を端から端まで歩いてきましたが、これまで、観光ガイドからのお誘いは一切かかってきませんし、お客さんを探している観光ガイドを見たこともありません。
 一人で観光していても、風景を見ているだけで、もう一つ気持ちが乗ってきません。そこで、川沿いの席で雨に煙る「煙雨長廊」を見ながら、龍井茶でも飲んで、今日の観光の作戦建て直しをしよう、そんな気持ちで、茶楼「福聚堂」に入ったわけです。



  
 
 この茶楼は奥行きが広く、西街側にある入口から入ると、途中、池で魚が泳いでいる中庭を抜けて、川沿いの建物へと入っていきます。お客さんの座席は、西街側と川側との両方にあります。西塘の民家には中庭があるなんて話を聞いていますが、この店も民家を改造したのかもしれません。


 川沿いの場所に出ました。時間は11時ごろだったと思いますが、お客さんが誰もいません。私としては、目的通り、川に沿った窓側の席を確保したのでした。
 なかなか、この福聚堂という茶楼は、内装に凝っています。テーブル、椅子は、木彫りの入った中国家具、窓の格子にも木彫りが入っています。そして、壁側には、中国風の絵が飾られています。
 

 見たところ、掛けられている絵は、すべて西塘を描いたもののようです。時間があれば、こういった書画を販売している店も回りたいものです。


 そして、予定通り、お茶を飲みながら、今日の作戦の立て直しです。
 一人で西塘を回っていると、街がよく分からない。効率よく回れない。一人旅の多い私でも、今回の西塘への旅は大いに違和感を感じます。
 今日の作戦ミスの第一は、事前資料が殆どないということです。地図がない、ガイドブックがない、旨い店の情報がない、等々。作戦ミスの第二は、観光ガイドの確保を安易に考えてたことでしょう。
 そこで、考えました。



  
 
 この福聚堂のお姐さんに、観光ガイドの紹介を依頼してみました。この時間、広い店に客一人、お店の人も一人です。
 お姐さん曰く「日本語や英語のガイドはいないと思いますよ」(中国語でいいよ。)「お客さんの中国語、あまり上手ではないけど、大丈夫ですか?」(大丈夫。)「80元でいいですか?30分くらいでガイドさんが来ます。」という感じで、てきぱき(?)と観光ガイド派遣会社に連絡してくれました。
 このお姐さんは学生さんで、つい最近、大学で日本語の勉強を開始したとのこと。日本人は、この店にはあまり来ないらしいのですが、西塘ではよく見かけるとのことです。

 
 ガイドが来るまでの間、川に通じるドアから外に出てみました。ちょうど、煙雨長廊の向かい側に出ます。屋根がないので、視界が広いですね。永寧橋方面を見ると、こんな眺めです。下の写真は永寧橋脇のにぎやかな商店街です。


 茶楼のお姐さんの協力で、無事、観光ガイドを確保できました。大変感じのよいガイドさんでした。福聚堂は、お店の雰囲気も良くて、お姐さんも親切で、この茶楼は二重丸です。
 さて、この福聚堂のように、いわゆる喫茶店のような機能を持つ「茶楼」は、西塘のあちこちにあります。ぜひ、眺めの良さそうな店、雰囲気の良さそうな店を探して、西塘の思い出の一つにしてみましょう。
 最後の写真は、福聚堂から見た煙雨長廊です。