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アユタヤのワット・チャイ・ワッタラナーム

 

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 ワット・ラチャブラナ


 ワット・ラチャブラナは1424年に建立された寺院です。アユタヤ王朝の8代目の王が王位継承争いで亡くなった二人の兄たちを弔うために建立した寺院だといわれています。この寺院も崩壊が進んでいて原型をほぼとどめていませんが、現存している建物の壁だった部分を見ると、建立当時の壮大な寺院の様子を想像することができます。
 

 ワット・ラチャブラナは、斬られた仏頭が木の根に囲まれて取り込まれている神秘的な仏頭がある寺院、ワット・プラ・マハタートの向かいにあります。ワット・ラチャブラナもアユタヤ陥落時にビルマ軍に相当破壊されていて、まさに廃墟のようになっています。
 アユタヤの王宮はワットプラシーサンペットに隣接していましたが、ワット・プラ・マハタートやワット・ラチャブラナはその王宮からほど近いところに位置していますので、まさにビルマ軍により徹底的に破壊されてしまったのです。
 下にあるアユタヤ中心部拡大地図を見ていただくと、その位置関係が分かると思います。


ここをクリックすると大きな地図が別ウィンドウで開きます。
 
 上の地図をご覧いただくと分かる通り、アユタヤの市街地は川に囲まれた島のようなエリアに集中していて、このエリア内はビルマ軍によって徹底的に破壊されたのだろうと思います。一方で、地図の右下にあるワット・ヤイチャイモンコンはビルマ軍の破壊から免れ、原型をかなりとどめています。
 このワット・ラチャブラナはアユタヤの主要観光スポットに隣接していながらも、ツアーでは殆どパスされてしまう寺院なのであまり観光客は多くありません。その分、静かなアユタヤの風情を感じることのできる寺院で、私はアユタヤに来ると必ず立ち寄る寺院です。



 ワット・ラチャブラナの仏塔


 ワット・ラチャブラナの魅力は、その静けさと上の写真にある美しい仏塔です。入口から入って、恐らくは本堂だった地点から眺めた仏塔です。本堂らしき建物は屋根がなくなってしまっています。
 この仏塔は定期的に修復されているようで、上の写真は2007年の時の写真で、恐らくは修復されたばかりの状態だと思います。


 上の写真は2014年の写真です。観光客が少なく静かな寺院だということを紹介しましたけれども、上の写真にあるように、この寺院では物思いにふけったり、本を読んでいたりするタイ人の人々をいつも見かけます。
 この場所はかなり居心地が良い場所です。暑いアユタヤですから太陽の直射日光を建物の壁で避けながら、ちょっと一休みするのに良い場所です。アユタヤの雰囲気を満喫しながら物思いにふけるには絶好の場所なのです。


 上は2014年11月に撮影した写真です。この日は祝日で作業している人がいなかったので確たることは言えませんが、単なる清掃ではなく修復中なのだろうと思います。
 ご覧の通りよく手入れをされた美しい仏塔で、この仏塔の存在がワット・ラチャブラナの価値を高めています。それは単に外見が美しいということだけではなく、この仏塔に入ることができ、かつ、この仏塔の上部から見た風景も見事であるということです。
 そのあたりを順にご紹介していきます。

 
 ワット・ラチャブラナの仏塔に彫られている像です。仏塔に彫られている像というのはアユタヤではここでしか見たことがありません。ちょうどこの辺りを修復しているような気がします。


 そして、ワット・ラチャブラナでは、仏塔の中に観光客も入ることができます。この階段を上っていくのです。



アユタヤ時代の仏像


 上の写真は、ワット・ラチャブラナの仏塔の内部です。天井が高く、外がどんなに暑くても仏塔内はひんやりとしています。中央には階段があって、下に降りていくことができます。実は、この仏塔の地下には、‥‥。

 

 ワット・ラチャブラナでは、1958年の修復の際、多くの宝物類が発掘されました。このページの冒頭で紹介したとおり、この寺院はアユタヤ王朝の8代目の王が王位継承争いで亡くなった二人の兄たちを弔うために建立されたもので、その際に多くの宝物をこの仏塔の地下に収めていたのです。ワット・ラチャブラナの仏塔の地下で発掘された宝物の一部が、仏塔内に写真で紹介されています。それらは、現在はチャオ・サン・プラヤー国立博物館に展示されています。


 仏塔から、南側を見たところです。本堂と思しき建物が、まるでローマの遺跡のように見えます。壁の手前に首を切り落とされた仏像が小さく見えます。 


 一つ上の写真で紹介した壁の前に安置されている首を切り落とされた仏像です。近くで見ると、お顔だけではなく腕も斬りおとされていました。この仏像を含め、ワット・ラチャブラナでは五体満足な仏像は一体として残っていませんでした。

 
 仏塔から北側を見たところです。こちらにも大きな建物跡があり、その手前には回廊と思われる建物跡も見られます。左右に伸びている部分が回廊跡だと思われます。その回廊跡には破壊された仏像が並んでいます。


 仏塔から眺めた今のアユタヤの街です。遺跡を保存しながら、恐らくは一定の地域には建物の高さ制限をしているのでしょう。静かなことの佇まいを感じさせるこの風景は、アユタヤらしくて私のお気に入りなのです。