本文へスキップ

桂林、興坪古鎮|アジア写真帳(桂林)

(2016年6月21日以来)

興坪古鎮、漓江観光拠点の村GUILIN


 興坪古鎮は漓江観光の拠点の村

 
 興坪は桂林と陽朔を結ぶ漓江の途中にある古い街で、中国広西チワン族自治区桂林市陽朔県に属しています。バスで移動すると、桂林から約1時間半、陽朔から1時間弱かかる場所にあります。興坪の歴史は今から1700年以上前の三国時代(西暦265年)に遡ります。歴史のある古い街で、興坪にはそうした中国の古鎮としての味わいに加えて、漓江観光の拠点としての魅力もあります。

興坪古鎮

 上の写真は興坪古鎮に桂林側から入るところです。山々と漓江に囲まれた狭いエリアに、明代・清代に建てられた建物が集積しています。
 興坪について説明するときに、興坪古鎮と言えばこの古い街のことを指します。一方、興坪と言った時には、古鎮を含めたこのエリア一帯を指します。また、興坪漁村は、興坪古鎮から筏で15分くらい陽朔寄りに行ったところにある漁村のことで、興坪古鎮とは別の場所です。

 
 一つ上の写真の橋の上から漓江方向を眺めたところです。筏がたくさん止まっている場所が漓江の興坪古鎮側の岸辺で、奥に見える山々は漓江対岸の山です。興坪が風光明媚なエリアであることはこの写真からも垣間見えます。

 
 興坪の周りには黄布倒影や九馬画山といった漓江沿いの名所があって、そうした風光明媚な場所への筏(いかだ)遊びの拠点にもなっていて漓江観光の拠点としての人気があります。上の写真は興坪の筏乗り場です。私も興坪古鎮から後述する興坪漁村まで筏に乗って移動しました。船で移動する漓江下りとはまた違った楽しさがあります。

 
 
 興坪から見る漓江の雄大な風景です。興坪の周辺は揚堤と同様に尖った形の山が多いので、いかにも桂林らしい風景を楽しむことができます。漓江下りの遊覧船から見るばかりでなく、興坪の岸辺に上がってこうした風景を見ると、桂林旅行が充実すると思います。何といっても、遊覧船で走るように通り過ぎながらでは見切れないくらいの素晴らしい風景がそこには広がっているからです。

 
 興坪で最も有名な漓江の景色は黄布倒影でしょう。人民元20元札の裏面の図案の場所です。黄布倒影は興坪から少し桂林側に戻った場所にあります。漓江対岸から見ると確かに山の影が漓江に美しく映ります。ただ、天気や光線の加減で映り方はかなり左右されます。船上から見るよりはずっと綺麗なことは間違いありません。


 私が興坪に宿泊した朝はあいにく雨が降ったりやんだりの天気でしたが、それでも軽く朝もやがかかった風景は昼間よりもずっと情緒があります。これを見たかったら、興坪に宿泊するしかありません。
 そんな黄布倒影の風景で最も素晴らしいと思うのは夜明けの時間です。周囲には街頭や建物などの灯りは全くありません。暗闇から夜が少しずつ明けてきて、黄布倒影が姿を現すときの素晴らしさは何とも形容しがたいものがあります。
 この日はちょうど鵜飼いの漁師もいて思わぬ素晴らしいショットを撮影することができました。山の影と林の影の間を走る鵜飼いの船など、めったに撮影できるものではありません。興坪に宿泊したのはわずか一泊なのに、こんな光景に出会えたのはラッキーとしか言いようがありません。



興坪古鎮の街並み


 さて、これまでは興坪エリアの話でしたが、ここからは興坪古鎮の紹介になります。
 上の写真は興坪古鎮の入口の門です。この門の中は石畳の道の両側に明清時代の建物が並び、地元の人向けの商店が軒を連ねています。


 雨上がりの朝の興坪古鎮のメインストリートです。何百年もの歴史を刻む石畳の道路の両脇に商店が並びます。興坪は漓江観光の拠点となる観光地ですが、まだいわゆる観光地らしい土産物屋はなく、地元の人向けの商店がほとんどです。多少は土産物っぽいものも販売されてはいますが、素朴な古鎮としての味わいが感じられます。

 

 朝七時過ぎの古鎮です。 ひっそりとしたこの時間に古鎮を歩くと、遠い昔にタイムスリップしたかのようです。因みに右の建物は現在カフェとして利用されていて、その奥には戯台といって村での催し物が開催されていた建物があります。


 戯台のある建物です。朝七時過ぎなので門が締まっていますが、9時くらいから中に入って見学できます。入場無料ですが、自分のカメラであっても写真撮影をするとお金を支払う必要があります。 戯台は中国の古鎮には必ずある街や村の中心になる建物で、中国の古い街や村では必須の建物です。興坪古鎮の戯台は立派な風格のある建物です。

 
 興坪古鎮の店の多くは8時くらいから店を開けます。その前の時間は上の写真のように門を閉めていますが、かえってその方が古鎮らしい風情が感じられます。逆に10時くらいにもなると、中国人観光客が押し寄せてきて、賑やかになりすぎてしまいます。古鎮としての静かな雰囲気を見たいのなら朝早い時間がおすすめです。


 興坪古鎮にはレストランや食堂も点在しています。のちほどグルメの項目でも紹介しますが、そうしたレストランでは地元の広西料理のメニューに加えて、スパゲティやピザ、ハンバーガーといった欧米からの観光客向けのメニューもあります。店内の雰囲気は中国民家風、料理は地元の料理と欧米料理といった具合になります。

 

 いくら古鎮だからと言って車まで古い必要はないのではないか、などと軽口をたたいてしまいたくなるような車が停まっています。ヘッドライトが今にもポロリと落ちてしまいそうなくらい古いです。
 興坪古鎮では、北京、上海や広州などの大都市ではほとんど見かけない中国製の小型トラックをよく見かけます。バイクのエンジンにトラックの車体を乗せた車で、のちほど紹介するように興坪ではタクシー(トゥクトゥク)として使用されています。中国製の車ですが、会社名は私も初めて聞く名前でした。




 8時過ぎの古鎮です。開いている店も多くなり、興坪に宿泊している観光客が散歩する姿が増えてきます。この時間であればまだ静かな古鎮風情です。

 

 戯台の前の通りにも観光客の姿が現れます。ですが、この時間ですと桂林や陽朔に宿泊している観光客は来ませんから、狭い道ではありますが窮屈な雰囲気はしません。

 
 小型トラックで遊ぶ地元の子供たちです。この古鎮で見かける子供たちはすれていない素朴な子供ばかりです。無邪気な子供たちの笑顔が古鎮らしい雰囲気をさらに高めています。

 
 
 商店の数はそれほど多くなく、メインストリートを少し歩けば民家もあります。どこにでもある中国の田舎の風景ですが、欧米からの観光客も大勢やってくる観光地でこうした風景が見られる場所はそれほど多くありません。ノスタルジックで良い雰囲気です。

 
 
 古鎮のはずれにある民家です。見ている方が平衡感覚を失ってしまいそうなほど、傾いています。猫や鶏も沢山います。


 朝の時間は地元の農家や漁師の方の露店も数多く出ます。野菜類と漓江の水産物が良く売られています。タニシが名産のようで、多くの露店で取り扱われていました。 

 
 夜8時くらいの古鎮です。もう歩いている人も殆どいません。興坪古鎮にはホテルや旅館はたくさんあるのですが、 皆さんどこに消えてしまうのでしょうか。私が宿泊したホテルのスタッフに聞いてみると、古鎮の中心部に行ってみたところでどうせ大した店はないのでホテルの中や隣接したところでご飯を食べたりお酒を飲んでますよということでしたが。

CTN漓江ホテル(Li River Hotel)


 私がこの日興坪で宿泊したホテルはCTN漓江ホテル(Li River Hotel)です。黄布倒影の目の前にあって、川べりに出れば黄布倒影の風景が広がります。天気が良ければ上の写真のような風景も楽しめるようです。(あくまでも川べりに出ればという意味です。ホテルのリバービューの部屋でも木々に遮られて漓江の眺めはそれほど良くありません。)
 桂林や陽朔と違って夜は寂しい場所ですが、朝の黄布倒影を楽しめるのでおすすめのホテルです。歩いて15分くらいの興坪古鎮まで行けば何軒かのレストランやバーがあります。とは言え、途中に街灯や建物がなく真っ暗になりますから移動にはトゥクトゥクを利用したほうが安全です。
 フロントには英語の流暢なスタッフも一名います。彼女の言によれば、日本人はめったに宿泊しないホテルだそうです。彼女以外も感じの良い親切なスタッフばかりですし、セキュリティも一定の水準にありますので、快適に滞在できるはずです。桂林観光を予定しているならぜひ検討してみてください。

興坪古鎮のレストランと食堂 


 たびたび書いてきているように興坪古鎮は漓江観光の拠点です。加えて宿泊施設も相当数ありますので、古鎮内にレストランも何軒かあります。但し陽朔に比較すると街の規模は数十分の一ですし、外国人観光客もあまり多くないので、レストランの選択肢や水準には限りがあります。
 上の写真は、そんな興坪古鎮の中にあって最もモダンなレストランで、スタッフの英語力も一定レベルにある老街餐庁というレストランです。

 
 店内には写真もついたメニューもありますが、いくつかのメニューが店頭の看板に出ていました。これを見ていただくと分かりますが、メニューは中華料理と西洋料理です。中華料理はこのエリアの地元料理である広西料理が主です。もちろん、四川料理と広東料理もメニューに含まれていますが、食べてみると広西料理風にアレンジされてしまっています。広西料理は、甘味、辛味と酸味がミックスされた料理で、そう聞くと美味しそうに聞こえるかもしれませんが、食べてみると日本人の舌には合いそうもない味付けです。中華料理ならどんな料理でも大好きな私でさえ、この広西料理だけはどうしても続けて食べる気が起こりません。


 中国のウェブサイトで老街餐庁に続いて二番目に評価が高いのが、上の写真の温聲餐吧です。興坪古鎮内に三店舗構える人気店です。 「餐」はレストラン、「吧」はバーのことですから、温かいレストランバーという意味になります。とは言え、ドリンクメニューから見てもバーというよりは、やはりレストランと呼ぶべき店です。料理メニューは老街餐庁と似たり寄ったりで、広西料理と西洋料理が主たるメニューです。味付けはこちらの方が私にはまだマシに思えましたが、再訪したい気持ちが生まれるような味ではありませんでした。
 興坪古鎮のレストランでは他に多くの選択肢があるわけではありませんので、夕食はある程度諦めの気持ちを持つことが大切でしょう。

 
 広西料理は美味しくない、興坪古鎮には美味しいレストランはないなどとけなしているのに、おすすめ料理の話を出すのも変な話ですが、温聲餐吧で食べた奇香茄子(茄子の甘辛揚げ)です。これは私が桂林で食べた広西料理の中では最も美味しく感じた料理です。これとて、脂っこい中華料理が大好きな私さえ脂っこいと感じる料理ではありました。でも、それでも他の料理に比べたらはるかに食べやすい料理だったのです。


 興坪古鎮にはほかにもいくつかのレストラン・バーがあります。上の写真は老街餐庁や温聲餐吧のある通りの角にある店で、オープンエアーの店です。ここは遅い時間まで飲んでいる人がいましたから、閉店時間が他の二店よりも遅いのかもしれません。バーの性格が強い店かもしれません。

  

 以上の通り、夕食のディナーを考えると興坪のレストラン事情はお寒い限りですが、朝食や昼食についてはまずまずの評価を与えることができます。上の写真は朝食を食べた桂林米粉の老舗食堂で、香香米粉農家飯という食堂です。米粉以外にもチャーハンなどいくつかのメニューがあります。
 朝食はホテルで用意されていたのですが、ありきたりの中華朝食を食べるよりも地元の人に交じって食堂で地元らしい朝食をとるのが私の旅の流儀です。ここ桂林では当然桂林米粉を朝食で食べることになります。


 上の写真は香香米粉農家飯で食べた桂林米粉です。かなり美味しいです。
 注文の仕方や食べ方など詳しくは桂林米粉のページで紹介していますが、この米粉の下に特製のタレが入っていて、さらに調味料を加えたうえで、麺とよくかき混ぜて食べます。見た目は日本のうどんのようですが、味は全く違います。食べれば桂林米粉の虜になること、間違いありません。

桂林米粉の食堂
 
 このような桂林米粉の店は古鎮の中で何軒も見ることができます。少なくとも香香米粉農家飯では美味しい米粉が食べられますし、他の店でも美味しそうな店がいくつもあります。自分の目で見て、気に入った店に入ってみましょう。米粉は朝食でも昼食でも美味しく食べられます。


 米粉以外でB級グルメ(小吃)というと、小籠包の店もあります。ここでは小籠包以外にいわゆるラーメンや米粉なども食べられますから、日本の中華料理屋で食べているノリで食事できる食堂です。こうしたB級グルメ店(小吃店)もいくつか古鎮内にありますから、朝食や昼食には困らない場所なのです。



 興坪古鎮のタクシー(トゥクトゥク)


  興坪のタクシーです。これは新車のタクシーです。でも、車の性能が悪いのでスピードはあまり出ません。構造的にはタイのトゥクトゥクと同じで、小型のトラックの荷台を改造してお客さんを乗せます。
 興坪のタクシーは女性ドライバーが多いです。このドライバーは威勢が良くて親切です。私の顔を覚えてくれて、すれ違うと必ず声をかけてきます。当然ですが、英語は話せません。中国語しか通じませんので念のため。


 原付に荷台がついているような車です。
  私のホテルは興坪古鎮から歩くと15分くらいあったので、タクシー(トゥクトゥク)をよく利用しました。因みに料金は事前交渉制です。私のホテルから興坪古鎮まで、一人で乗っても二人で乗っても10元です。このあたりの人はすれていませんから、中国語が話せなくてもぼられることはないと思います。


 桂林周辺は中国の中でも運転が荒いエリアです。乗合バスや観光バスでさえ追い越し禁止のカーブで追い越しをするのは日常茶飯事です。もちろん、 前方は視界が遮られていて対向車の様子が見えないカーブにおいてです。
 そんな危ない道路交通事情ですが、トゥクトゥクは安心です。何故ならスピードが出ないからです。時々イライラしてしまうくらいスピードが出ません。でも、その分安全だから、ちょっと安心して乗ることができます。


 興坪の普通のトゥクトゥクはこのくらい古い車です。上のお姉さんの新車よりもスピードが出ません。音だけはすさまじい爆音を轟かせます。

 

 興坪古鎮への行き方(興坪へのアクセス)


 さて、最後になりましたが、興坪古鎮へのアクセスです。乗合バスで移動すると、桂林から約1時間半、陽朔から約1時間ほどかかる場所にあります。乗合バスは1時間に日本程度は走っていますから、移動はそんなに苦になりません。
 上の写真は高鉄(新幹線)の陽朔駅です。この高鉄陽朔駅は名前は陽朔駅となっているものの、陽朔の街よりもずっと興坪寄りにあります。興坪古鎮と陽朔の街から高鉄陽朔駅への乗り合いバスが発着しています。高鉄を使うと興坪への移動はもっと楽になります。

 
 この高鉄に乗ると、陽朔駅から桂林(桂林北駅または桂林西駅)まで約30分で、料金は特急料金込みでわずか日本円300円台です。但し、指定席を予約する必要があるので、ウエブ(私はいつもC-Tripを使っています。中国の会社ですが日本語サイトです。)で予約し、駅の窓口でパスポートと予約番号を提示してチケットを受け取っています。私は中国の新幹線予約やホテル予約でC-Tripをよく利用していますが、一度もトラブルはありません。信頼できる会社です。

 
 実はこの新幹線を使えば、陽朔から広州まで2時間20分程度で、料金も日本円で2000円弱です。長距離乗るのでしたら一等車の方が楽ですし、値段も日本円で300円位しか変わりません。この新幹線が2016年に開通したことにより、実は桂林や陽朔、興坪へのアクセスは大幅に改善されたことになります。桂林に行くのにフライトを乗り継がなくても、広州まで飛行機で行って広州から新幹線で桂林に向かうというルートが生まれたのです。
 広州では美味しい中華料理が食べられますから、ぜひ広州でも一泊してみてください。




バナ

 桂林 TOP
桂林の魅力(桂林観光のポイント)
漓江下り
陽朔
遇龍河(陽朔から現地ツアー)
 世外桃源郷(陽朔から現地ツアー)
 
興坪とその周辺
興坪の朝の鵜飼い(水墨画の風景)
 黄布倒影(人民元20元札)
 興坪古鎮
筏に乗って興坪漁村へ
高鉄陽朔駅(中国新幹線で桂林へ)
 桂林のグルメ
本場の桂林米粉
おすすめレストラン、椿記焼鵝
桂林は広西料理の本場

桂林に行くなら
中国聯通香港のSIMカード

中国では規制により
Google、Yahoo!検索、Facebookや
Twitterなどができません

香港製のこのカードを使えば、
その規制に関わりなく
中国内でもそうしたサイトに
アクセスできます。

データ通信専用SIMカード

(電話はできません)
香港だけでなく桂林をはじめとした
中国内で利用できます。


SIMカードケース

粘着式ですから大切な
SIMカードを落としません。
私も使っています。




ースペース