桂林のグルメ、桂林の椿記焼鵞｜アジア写真帳（桂林）

桂林の椿記焼鵞（桂林のグルメ）GUILIN

桂林のおすすめレストラン、椿記焼鵝

　桂林は世界に名だたる観光地です。素晴らしい桂林の景色に感動する観光客は数多くいますが、桂林の料理が美味しかったと絶賛する人に、私はこれまで出会ったことはありません。せいぜい桂林米粉は美味しかったという人がいるくらいです。むしろ、桂林の食事には困ったという人には何人も会いました。
　桂林のグルメに関していうと、私も全く同感で、桂林米粉以外の地元料理（広西料理）は残念ながらおいしくありません。と言って毎日米粉ばかり食べるのも脳がありません。
　でももっと良い方法があります。広東料理レストランに行くことです。上の写真は桂林市内の椿記焼鵝というレストランです。桂林は広東料理の本場、広東省に近く、しかもガチョウの産地ですからきっと美味しいと思って選んだレストランです。地元の人にも人気がある高級レストランです。

　

　椿記焼鵝の店内です。椿記焼鵝は2016年6月現在７店舗ありますが、私が行ったのはそのうち建干路店です。地元で人気のレストランですから混んでいるはずですので、閉店である9時の一時間前、8時ごろに店に行きました。桂林は田舎町ですから夜が早いのか、思った通り、既に食事を終えた席も多く待たずに入れました。
　広々として明るく清潔な店内にいると、香港や深圳にいるかのようで、桂林にいることを忘れてしまいそうです。なお、メニューは広東料理や広西料理を中心に大変豊富です。写真付きのメニューもありますので、注文はそんなに困らないはずです。

　桂林に来たら本来地元の広西料理を食べるべきなのですが、広西料理の味ははどうにも私の好みに合いません。広西料理は広東省の広東料理（素材の味を生かした料理）と湖南省の湖南料理（唐辛子をかなり効かせた辛い料理）の間などという人もいますが、それは地理的なことを言っているだけで味付けの説明ではありません。広西料理は海の素材が入手しづらいエリアですから、味付けを濃いめにして食べるのが特徴で、甘味、辛味と酸味を組み合わせた料理ですが、広東料理や上海料理などと比べるとかなり脂っこくなってしまいます。
　広西料理で有名な料理にビール魚（啤酒魚）という料理があります。上の写真です。陽朔名物だともいわれています。これは川魚をビールを入れた鍋で煮た料理です。魚をビールで煮るという調理法は新たな発見ではありますが、もしそれが美味しいのであれば中国全土に世界にこの調理法が広がるはずです。当然美味しくないから他のエリアに広がらない。でも、美味しくない素材（魚）しか手に入らないからこんな調理法を用いる。そんな感じの料理です。もちろん、私は食べませんでした。
　何回か広西料理に挑戦した私ですが、広西料理は自分には合わない、が私の結論で、そこで選んだレストランが椿記焼鵝なのです。ここは自信を持っておすすめできる美味しいレストランです。

椿記焼鵝の料理。看板料理の焼鵝は外せない

　今回の桂林旅行は一人旅です。ですから食事も一人飯です。あまり多くの注文はできませんが、それでも看板商品である焼鵝（ガチョウのロースト）は外せません。幸いなことにガチョウのローストは4分の1から注文することができました。2・3人で食べるのにちょうど良い量だと思います。
　ガチョウのローストは広東料理の定番で、私も香港や広州などでよく食べています。桂林が所在する広西エリアは広東省に隣接しています。また、広西エリアはガチョウの産地でもあるので美味しいガチョウが食べられるのだそうです。そんな予備知識がありましたので、私はこの椿記焼鵝に来るにあたって一番食べたかったのがガチョウのローストだったわけです。
　素晴らしい焼き色で、見るからに美味しそうなローストです。

　肉を少しずらして、焼き加減が見えるようにしました。皮がパリパリ、肉はジューシーな感じがお分かりいただけるでしょうか。確かにここのガチョウのローストは香港や広州などで食べるものに遜色ない、と言うよりもむしろ美味しいくらいの味です。肉も良いですし、写真からもわかる通り焼き方も素晴らしいです。
　香港では鏞記や甘牌焼鵝あたりがガチョウのローストで高い評価を得ていますが、そのレベルにあるといっても過言ではないでしょう。美味しいです。幸せです。

　美味しいガチョウのローストというのは見た目ほどには脂っこくありません。それでも2・3人分を一人で食べようとしているのですから、ガチョウのローストばかり食べていては飽きてしまいます。
　そこで口直し料理としてさっぱり目の料理として選択していたのが、この海藻料理です。さっぱりしているのでガチョウのローストを食べる合間につまみます。

　そして、本日のメインディッシュとして選択していたのがホタテと春雨のニンニク蒸し（蒜蓉粉絲蒸帯子）です。これも広東料理定番です。嬉しいことにこれも2つから注文できる料理でしたので、お一人様の私にはぴったりのメニュだったのです。

　ホタテと春雨のニンニク蒸です。味付けは素晴らしいです。でも悲しいかな、ホタテが小さくて豪華さに欠けます。これが山奥にある桂林で食べる限界なのです。良い素材が安価に手に入らないのです。したがって海の幸については素材の質が良くないということになるのです。味付けが良いのに惜しいです。
　でも味付けは上手ですから大変満足できました。桂林に来て広東料理を食べるなどというのは邪道ですが、美味しくない広西料理を食べて欲求不満になるより、ずっと良い思い出になります。なお、椿記焼鵝では広西料理も食べられますので、こういうレベルの高いレストランで広西料理に挑戦すれば、ひょっとして美味しいのかもしれません。そんな気持ちもちょっと芽生えましたけれども、実行には移せませんでした。

　デザートはドリアンパイにしました。ドリアンパイは広東料理レストランのデザートメニューでは人気の高い一品です。椿記焼鵝では可愛い白鳥を模したデザインになっていてお洒落です。
　味付けは極めて一般的です。ねっとりとしたドリアンの味が口の中に広がり、あたかも香港でドリアンパイを食べているかのようです。

　椿記焼鵝の評価です。ガチョウのローストについては最高の評価をしたいと思います。俗っぽく言えば、超美味しいです。その他の料理もすべて水準もしくは水準以上にあって、桂林のレストランの中でも高い評価を受けているのは納得できます。料金も桂林ですからリーズナブルです。一人3,000円も出せば美味しい料理にありつけます。桂林でのおすすめレストランです。

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