香港から深圳への行き方(羅湖・落馬洲ルート)

香港から深圳への行き方(羅湖ルート、落馬洲ルート)

香港・深圳間の移動方法は様々です。出発点と目的地の位置により上手に使い分けしましょう。
香港と深圳間の様々なアクセス方法(移動ルート)はこちらのページで紹介しています。
2018年9月に開通した広深港高速鉄道(香港新幹線)乗車記はこちらです。

香港から広州への行き方についてはこちらのページで分かりやすく説明しています。





 羅湖と落馬洲、どちらのイミグレを通過すべきか

香港・深圳間にあるイミグレーション地図
地図をクリックすると大きな地図が別ウィンドウで開きます 

 香港・深圳間には10箇所近いイミグレーションがあります。イミグレーションとはチェックポイントのことで、国境みたいなものです。国境と言わない理由は、中国と香港は一つの国だからです。香港は「一国二制度」という政治体制であることは皆さんも聞いたことがあるでしょう。
 そして、それらのイミグレーションに行く方法を乗り物種類別に考えると、大きく分けて4つあります。
 一つは、電車で行く方法。これは、このページで詳しく説明します。二つ目は、深圳までの直通バスで行く方法。そして、三つ目は、船で入る方法です。さらに四つ目の方法は乗合バスやミニバスで行く方法ですが、これは香港や深圳に住んでいる方以外にはあまりお勧めしていません。
 なお、直通バスにしても、船にしても、本数が少ないので、時間を確認していかなければならないということがあるのと、船の場合は、深圳市の蛇口港に行くため、そこから深圳市街に出る交通手段を考えると、初めて深圳に入る方にはおすすめできません。

 
 では、一つ目の電車で行く方法です。香港市街から電車で深圳へ行くのに、MTR東鉄線で羅湖(ローウー)に行く方法と落馬洲(ロクマーチャウ)に行く方法とどちらが良いのかという点です。一般的には、便の良い羅湖からの深圳入りをおすすめします。でも、落馬洲駅は深圳市の地下鉄福田口岸駅に接続していますので、福田区の中心エリアや深圳北駅、龍華方面に特定の目的地があるのであれば、ここで降りて深圳入りする方法が便利です。国境通過(特に中国側の入出国手続き)に要する時間は、この二つのイミグレであれば大差はありません。最近は、落馬洲経由の方が時間がかかるような気もします。
 香港空港から深圳に入る場合は電車を乗り継いていく方法は大変遠回りですし、費用的にも高いです。どうしても電車で深圳に入りたい人は、香港空港から上水までバスで移動して羅湖や落馬洲に行くことをおすすめします。

深圳地下鉄路線図2017
深圳地下鉄路線図2018
 
 深圳の地下鉄路線図です。上述の通り、落馬洲は福田口岸駅に、羅湖は深圳地下鉄の羅湖駅にそれぞれ接続しています。深圳側のアクセスを考えて使い分けると良いと思います。なお、地下鉄路線図をクリックすると大きな画像が別ウィンドウで開きます。深圳地下鉄の羅湖駅と福田口岸駅のどちらが近いかを駅の数で測ってみると良いでしょう。目的地に近い駅までの駅数を数えて一駅あたり2分で計算し、乗換えには5分以上かかる前提で時間をプラスすれば、大体の所要時間が分かります
 深圳は日本人が想像しているより広い都市です。例えば南山区の前海地区に行こうとして羅湖から前海湾まで地下鉄で行くと、地下鉄1号線で21駅で40分以上かかります。深圳市内の移動には意外に時間がかかるのです。ですから、南山区や宝安区に行く場合には、一般的に羅湖や福田口岸ではなく深圳湾から深圳に入った方がトータルな時間では短くなるのです。



 香港から深圳へ行く方法(羅湖ルート)……紅磡駅がスタート

MTR東鉄線紅磡駅に行くトンネルバス
紅磡(ホンハム)駅に接続するバス停

 さて、羅湖に行くか落馬洲に行くかを決めたら、MTR 東鉄線にどこから乗るかです。東鉄線の始発は紅磡(ホンハム)駅です。九龍サイドの方は、紅磡(ホンハム)駅か九龍塘駅まで地下鉄で出て乗り換えるのが分かりやすいでしょう。
 一方、香港サイドから紅磡(ホンハム)駅に向かう方は、トンネルバスで紅磡(ホンハム)駅に行くのが便利です。上の写真は、紅磡のバス停です。香港島からのトンネル手前の道路にはバス専用レーンがあるので、バスで行ってもトンネルの手前で大渋滞に会うリスクは小さいのです。香港島からトンネルを抜けて最初のバス停ですから、間違えることはないと思います。

MTR東鉄線紅磡駅近くのバス乗り場
紅磡(ホンハム)駅に接続するバス停

 バス停からMTR東鉄線の紅磡駅は、歩道橋を歩いて3分くらいの距離です。上の写真は、歩道橋から海底トンネル方面を見たところです。正面に海底トンネルの料金所、右側に香港島から走ってきたバスのバス停が見えます。紅磡駅は写真に写っていませんが、位置からすると、左側になります。

MTR東鉄線紅磡駅
紅磡(ホンハム)駅

 紅磡駅の建物です。紅磡駅は、MTR東鉄線の始発駅です。また、私がまだ香港に住んでいたころは、MTR東鉄線ではなく、九広鉄路という独立した会社でしたが、その後、MTRと合併して、今のMTR東鉄線という名前に変更されています。
 紅磡駅から乗る場合、窓口で羅湖行きの切符を買ってください。座席には、普通車と頭等車(ファーストクラス)があります。頭等車の料金は、普通車の倍額です。頭等車(ファーストクラス)はそんなに豪華な座席ではありませんが、高い確率で座れるということと、車内が混んでいないことがメリットです。紅磡駅から羅湖駅まで45分の所要時間ですから、よほど疲労している場合を除いて、普通車で良いはずです。
 もちろん、オクトパスカードでも乗れます。オクトパスカードを利用する場合は、予め切符を購入する必要がありません。また、頭等車に乗る場合は、予めホームでオクトパスカードをかざして、頭等車割増料金を支払ってください。(この要領は日本のJRのグリーン車の料金を支払うやり方と同じです。)
 
MTR東鉄線紅磡(ホンハム)駅
紅磡(ホンハム)駅構内

 上の写真は、紅磡駅の建物内にあるショッピングゾーンです。特に珍しいものを売っているわけでもないし、美味しいものを食べさせてくれる店もありません。紅磡駅での時間つぶしは、せいぜいマキシムエクスプレス(広告左手にあるファーストフードの喫茶店)やマクドナルド(通路奥に看板が見えます)あたりになってしまいます。ランチを食べるなら紅磡駅で食べるなんてことは考えない方が良いでしょう。

 さて、話を深圳行きに戻しましょう。深圳に行く場合は、単にMTR東鉄線に乗って終点の羅湖駅まで行くわけですから、日本のJRや地下鉄に乗るのと、変わることはありません。途中で乗降客は沢山乗り降りしますし、出入国といった手続きも、羅湖駅の改札を出るまではありません。羅湖行と落馬洲行が2対1くらいの割合で走っていますので、ここで乗り間違いしないようにしましょう。なお、終点の一つ前の上水駅までは同じ路線を走っています。

 
MTR東鉄線車内風景
紅磡と羅湖を結ぶMTR東鉄線の車内
 
 上の写真はMTR東鉄線の車内の様子です。かつての東鉄線はもっと混んでいましたが、最近は深圳への入り方が多様化したことや深圳市民の香港への入境が制限(深圳市民は前回の入境時から一週間開けないと香港に入れない)されたことから、比較的にすいている印象があります。大きな荷物をいくつも抱えた中国人の姿はめっきり減りました。この背景には、入境制限とあわせて、中国内の通販マーケットが活性化した結果わざわざ香港に行かないでも欲しいものが通販で手に入る時代になったこともあります。
 視点を変えれば、これは香港経済の地盤沈下を意味するものでもあります。

  


 東鉄線羅湖駅は羅湖のイミグレに直結

MTR東鉄線羅湖駅は深圳への入り口
MTR東鉄線羅湖駅は深圳への入り口

 MTR東鉄線の終点、羅湖駅です。香港側の羅湖駅(深圳地下鉄の羅湖駅とはつながっていません。)は改札を出るとすぐに香港から出境するイミグレーションになります。その香港側イミグレーションを出て、境界の小川を渡ると中国側のイミグレーションである羅湖口岸(口岸はイミグレーションのこと)になります。なお、境界となっている小川の手前に免税店がありますから、タバコや酒などを買う人はここで買い求めください。
 順番としては、MTR東鉄線→香港出境手続き→小川を渡る→羅湖口岸で中国入国手続き→羅湖口岸から深圳市内へ、という手順になります。初めてここを通過する方にアドバイスですが、この一連の手続きは、香港人(香港居民)か中国人か外国人かによって、窓口が異なります。この際に大切なのが、自分が外国人であるということを忘れないことです。外国人のことを、香港側では「訪港旅客」、中国側では「外国人」と呼びますから、ここを通過するときは「訪港旅客」「外国人」という字を見逃さないようにすることが大切です。

MTR東鉄線羅湖駅でイミグレに向かう人々

 MTR東鉄線羅湖駅の改札口へ向かう人の列です。長い編成の車両がひっきりなしに羅湖駅に到着します。外人について行けば良いかというとそうでもありません。香港に住んでいる外国人(日本人を含みます)は香港居民の資格を持っていますので、香港居民の列に並びます。3年間香港に在住していた私も、かつては香港居民だったわけです。中国人も香港側のイミグレーションでは外国人ではありませんし、香港人は中国側のイミグレーションでは外国人になりません。

MTR東鉄線羅湖駅改札口の向こうは深圳
 
 羅湖のイミグレーションを通過する人々の中では、「訪港旅客」「外国人」に該当する人はあまり多くありません。人について行くのではなく、あくまでも自分の目で「訪港旅客」「外国人」という字を探してください。
 上の写真の改札口を出ると、もう香港の出境検査所です。羅湖駅で下車する乗客の全員がこの改札口を出て香港を出境・中国に入国します。

香港・中国国境(羅湖口岸)
 
 上の写真は香港のイミグレを出て中国側のイミグレに向かう地点です。(本当は写真を撮ってはいけない場所です。)
 小さな川が流れていて、それが香港と深圳の境界です。このわずか30mか50mくらいを進むのに、90年代は一時間以上かかったこともしばしばありました。多くの日本人がパスポートを盗まれたのもこのあたりです。今は特定の日を除けばスムーズに流れるように進みますので盗難被害にあうリスクは随分と軽減されました。でも、特に初めて通る人はあまりキョロキョロしないで貴重品に気をつけてください。

羅湖口岸(深圳側)

 上の写真は、中国への入国手続きを終え、羅湖口岸の建物を出たところです。雰囲気が香港とは一変します。
 かつては、香港出境後に中国ビザを申請し、ビザ取得をした上で中国への入国手続きをしたのですが、現在は、日本人なら中国への入国は、観光で入る場合は15日以内であればビザが不要となっていますので、至って簡単です。
 なお、羅湖駅の改札口から一連のイミグレーション手続きを終えて深圳市内に入る所要時間ですが、通過する時間やシーズンによって大きく左右されます。早いと15分くらいで通過できますし、混んでいると1時間かそれ以上の時間を要します。最大でどの程度の時間がかかるのかについては保証できません。時間には余裕をもってスケジュールを立ててください。

羅湖の中国側イミグレーションの建物
 
 上の写真は2016年に撮影したものです。実はもう一つ上の写真は1995年に撮影したものです。深圳側のイミグレーションの建物は変わっていないので同じような感じですが、周りが大きく変わりました。羅湖の中国側イミグレーションを抜けると広々とした広場が広がっています。香港から深圳に入ってきた人が最初に見る風景です。ゆったりしていて気持ちの良い広場です。深圳は様変わりしたなあとつくづく感じさせる場所です。

深圳地下鉄羅湖駅へ降りるエスカレータ
 
 深圳地下鉄羅湖駅へはこの地下への入り口を降りていきます。正面の円形の回転展望台があるビルがシャングリラホテルで、イミグレーション建物側から撮影しています。この広場の下が地下鉄駅になっていて、イミグレーション側の切符売り場は大変混みあいます。中国の地下鉄では手荷物検査もあって、イミグレーション側ではその手荷物検査も大行列になっていることが多いです。切符購入と手荷物検査で15分以上かかってしまうことは珍しくありません。できるだけシャングリラホテルに近づいてから地下に降りて切符を買い乗車した方が良いと思います。



落馬洲・福田口岸ルート

落馬洲・福田口岸ルート(香港から深圳へ)

  MTR東鉄線は羅湖の一つ手前の上水駅で羅湖行と落馬洲行と二手に分かれます。既に書いたように福田区方面に行く人や深圳北駅から高鉄に乗る人は落馬洲に行くのが最短です。
 基本的にイミグレ通過の方法は上記の羅湖ルートと同じです。違うのは、香港側は落馬洲、中国側が福田口岸というように、地下鉄の駅名が異なるだけです。このイミグレを挟んで地下鉄を乗り継ぐのであれば、羅湖よりも歩行時間は短いと思います。
 上の写真は香港側の落馬洲駅プラットホームから見た深圳福田区方面の風景です。

落馬州・福田口岸ルート
 
 上は香港側落馬州と深圳側福田口岸を一望した写真です。左手前の建物が香港MTR(地下鉄東鉄線)落馬州駅と香港側イミグレーションです。川が見えると思いますが、これが香港と深圳を隔てています。川に二階建ての橋が架かっていて、その向こうに福田口岸のイミグレーションが見えます。
 手前のバスターミナルは香港側のバス停です。後ほど紹介しますが、元朗との間に二階建てバスとミニバスが走っています。二階建てバスを利用して途中の新田まで行くと、空港行きのバス(香港空港から深圳・広州へ(上水・羅湖ルート)で紹介しているA43バス)に乗り換えることができて便利です。

落馬州の免税店は広くて明るい
 
 落馬州のイミグレーションは比較的新しいので広々していて明るいのは良いのですが、意外に混んでいるのと係官の処理スピードが遅いような感じがします。いつも時間がかかるので、私は深圳湾とか羅湖を使うようにしています。時々思い出したように利用しては、やっぱり時間がかかるなあといつになっても良い印象を持てないイミグレーションです。
 良い点は免税店が広くて明るいことでしょうか。

落馬州・福田口岸ルートの国境
 
 先ほどの写真で見えた国境の二階建ての橋の部分です。羅湖よりも川幅があって、その分距離は長いですが、動く歩道がありますからある時間は大して変わりません。川を渡って中国側のイミグレーションを抜けると、同じ建物の地下に深圳地下鉄の福田口岸駅がありますから、地下鉄を乗り継ぐには羅湖よりも便利だと思います。

 落馬州・福田口岸ルート
 
 さて、落馬州のイミグレが羅湖のイミグレと異なる点の一つに、香港側にバスのアクセスがあるということです。二階建てバスのB1が走っていて、元朗や天水圍と結んでいます。このバスの利用価値は二つあります。一つは、このバスに乗って新田まで行き、そこで香港空港行きのA43(香港空港・上水間のバス)に乗り換えれば、香港空港と福田口岸を結ぶ最速ルートになるという点です。もう一つは、同じく深圳・香港空港間の移動で、元朗で乗り換えることにより、元朗のB級グルメを楽しみながら移動することができるという点です。

落馬州・元朗間のミニバス
 
 さらに、落馬州駅と元朗の間にはミニバスも走っています。このミニバスは元朗の軽鉄大棠路駅近くにある福康街ミニバスターミナルを結んでいて、この福康街まで行くと周りは元朗のB級グルメ街です。
 このミニバスは大変便利なのですが、時々大行列ができていることがありますから、そういう時は二階建てバスを利用して、終点の天水圍まで行かずに、途中の元朗で降りるようにしています。

落馬洲・福田口岸ルート(香港から深圳へ)
 
 中国側の福田口岸駅前にはバスターミナルもあって、またバスにも乗り継ぎできます。バスやタクシーで福田口岸まで来た場合も福田口岸のビル(地下鉄駅も入っているビルです。)の中に、上の写真のように香港方面への矢印が出ていますので、これらの目印をもとに歩いていけば、イミグレは容易に見つけられます。

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 私は、香港や深圳、広州には仕事や旅行でたびたび行くことがあります。 そんな時に私が使っているのがこのSIMカードです。私のように日本で買ったiPhoneをSIMロック解除していれば、SIMカードを入れ替えるだけで日本の携帯でWEBやSNSにアクセスできるようになります。
 毎回の出張や旅行ごとに買い替えても日本の海外パケットし放題などに比べてはるかに安く済みます。頻繁に行く人にはチャージして使い続けるという方法もあります。SIMカードの入れ替えは簡単ですし、チャージの方法などは同梱されている日本語説明書に丁寧に書いてあります。
 中国聯通香港(チャイナユニコム香港)のSIMカードですから、中国にいるときもフェイスブック、TwitterやYahoo!、Googleにアクセスできることも、このSIMカードの長所です。中国への出張者・旅行者必携のSIMカードです。なお、電話は使えませんのでご注意ください。

 電話が使えて開通後1年間繰り返し利用できるカードもあります。但し、こちらは中国専用なのでGoogle等への接続にはVPNが必要です。
 なお、このようにSIMカードを入れ替える際には粘着式SIMカードケースを買うなど、SIMカードをなくさない防止策も忘れないようにしましょう。

 香港から深圳に入る……昔話も含めて


 ちょっと昔の話になりますが、お付き合いしてください。
 さきほど書いた「日本人で15日以内の観光であればビザ取得を免除」という制度になったのは、2003年の9月で、それ以前は、深圳や広州に行く場合も中国ビザが必要でした。上の写真は、当時の1回ビザ。広東省公安庁の印の中に「一次入境」という字が見えますが、一回だけ入る許可を与える中国ビザで、しかも深圳市内の滞在しか許可されません。このビザは、羅湖の中国側イミグレーションの手前にビザ申請事務所があって、そこで1時間弱かけて取得していました。


 当時、私は香港で仕事をしていたので、週1・2回のペースで香港・深圳間を移動していました。そのたびにビザ申請をするのは手間ですので、上の写真のような多次入境ビザというのを、香港のビザ事務所で別途申請して、3ヶ月有効なビザを取得するわけです。当時の中国イミグレーションは、とにかく隙間を見つけて印を押すなどという習慣がないので、上の写真の通り、何が何だか分からないパスポートになってしまいます。
 それ以上に悲惨なのは、香港から深圳を往復すると、1日で4つの印(香港・中国それぞれで入出の印が押されます)が押されるため、パスポートのページがすぐになくなってしまうことです。そうした意味では、同じページにこんなに印を押してくれる中国のイミグレーションの係員の方々には、心の中で感謝していたのです。


 そこで何を考えたか、誰が考えたのか分かりませんが、上の写真のように、パスポートに挟む記録用紙なるものが出回って、これをパスポートに挟んでいると、中国のイミグレーションではそれに印を押してくれるようになりました。でも、香港のイミグレーションの係員さんは、決してこの用紙には印を押しませんし、また、印が重なるようなスペースのところには印を押してくれませんので、着実にパスポートのページは消費されていってしまいます。
 で、上の写真をよく見ると、5月13日の入境の横には5月22日の出境が押されて、逆に、5月22日の入境の横に、5月13日の出境印が押されています。もっとひどいのになると、パスポートの本紙に入境印が押されていて、この別紙に出境印が押されたりしています。ということは、この紙をなくしてしまうと、入境したけど出境した日が見つからないということで、不法滞在・不法出国の疑いをかけられることもあるわけで、今考えると恐ろしいことです。
 でも、この紙のおかげで、私はパスポートの作成を3冊くらいはセーブできたと考えています。因みに、この紙は、私が香港にいる間に使用禁止になりました。今は使えませんので、念のため。

香港から深圳への行き方

 2009年の羅湖口岸(イミグレーション)ビルです。道行く人のファッションセンスも、香港人に近づきましたし、深圳市内にも地下鉄もできました。パスポートの写真の前に紹介した5年前に比較すると、大きく変わっています。

深圳の羅湖駅前の風景

 再び、2009年の深圳駅前の写真です。左に中国国鉄の深圳駅で、中国各地と列車で結ばれています。深圳と広州の間には時速200kmで走る和楷号と呼ばれる新幹線が走っています。和楷号に乗ると、深圳・広州間は1時間40分です。もっと速い新幹線は高鉄と言われていて、深圳北駅から専用軌道を広州に向かって走っています。さらに北京や厦門、武漢などともつながっています。
 正面の回転展望台付きのビルがシャングリラホテルです。ここは、1990年頃にできましたが、当時はこのビル以外、安心していられる場所がなかったと言うと言い過ぎかもしれませんが、我々外国人からするとオアシスみたいな場所でした。そのくらい、深圳では、市街地であっても色々と事件が多かったということです。
 右に見えるのが、人気の商業ビル、羅湖商業城です。深圳に来たら、ぜひ、立ち寄ってもらいたいショッピングスポットです。週末になると、深圳の街には沢山の香港人の若者が買物に来ますが、彼らに人気のショッピングスポットの一つがここ羅湖商業城なのです。そして、この羅湖商業城の下が東莞、恵州や広州など長距離バスのターミナルになっています。

深圳の羅湖商業城(1階は長距離バスターミナル)


 羅湖商業城の中です。このけばけばしい広告の張り方は、いかにも中国ですね。私の感覚からすれば、広告がないほうがスッキリしていていいと思うんですが、さすがに商売熱心という熱気が広告からも伝わります。
 この羅湖商業城は、中国の特産品など土産物みたいな商品も売っていますし、電気製品も売っていますし、アクセサリーやファッション関連の商品も沢山売っています。ディスプレイの方法はまさに中国式で、深圳といえども、まだまだ香港のディスプレイを見習ってほしいなという感じです。
 でも、商品はとにかく豊富ですし、価格は香港より明らかに安いですね。驚いたのはニセモノ商品もこのビルの中で堂々と売られていることです。でも、深圳市内は、最近ますます各種の取締りが厳しくなっていますので、いつまでもこの状態は続かないと思います。

深圳の中国茶市場、深圳茶葉世界のお茶屋さん
 
 深圳に来たら、中国茶市場の深圳茶葉世界もおすすめです。もちろん、香港にも良いお茶屋さんはありますし、私も香港に行きつけのお茶屋さんがあります。でも、香港のお茶屋さんは売れ筋である普洱茶(プーアール茶)の品揃えが良いかもしれませんが、鉄観音や龍井茶、紅茶といった様々な中国茶の品揃えでは、少し物足りなさを感じます。
 私がおすすめしたいお茶屋さんは、深圳茶葉世界という卸売市場です。深圳市の羅湖地区にあります。香港MTR東鉄線の羅湖(ローウー)駅から歩ける場所にあります。上の写真は、深圳茶葉世界にある私がよく行くお茶屋さん、潮汕茶人です。価格は香港と比較すると激安です。卸売市場ですから、品揃えや価格で香港のお茶屋さんが敵うはずがないのです。

深圳の中国茶市場、深圳茶葉世界の鉄観音
 
  「卸売のお店だけど小売りもしてくれるの?」という質問が出てきそうですが、その点は全く問題ありません。どの店も喜んで小売りをしてくれます。卸売ですから、店によっては普洱茶を得意にしていたり、龍井茶を得意にしていたり、鉄観音を得意にしていたりして、例えばジャスミン茶を扱っていなかったりもします。そういう場合も、全く問題ありません。近くの店から仕入れてくれます。200近いお店が集まっていますから中国茶や茶器などは何でもそろうし、自分の店にない商品は近くの店から仕入れてくれますから、一つの店でワンストップショッピングができるのです。それが卸売市場の良さの一つでもあります。
 中国茶市場の深圳茶葉世界への道順などについてはこちらをご覧ください。
 

鄧小平さんと深圳

鄧小平さんが書いた深圳の字


 上の写真は、まだ1990年代だったころ、深圳駅で撮影したものです。
 写真が上手く撮れていませんが、これは鄧小平さんが深圳駅のために書いた「深圳」という字です。当時は駅のコンコースの中にガラスケースに入れられて飾られていました。

深圳駅に飾られている鄧小平さんの深圳の文字

 今、鄧小平さんの書いた深圳というその字は駅の正面に飾られています。何の説明もありませんから、この字が鄧小平さんの字だということをご存知の方はどのくらいいるのでしょうか。

鄧小平さんが書いた深圳の字(深圳市)

 意外に鄧小平さんは字が上手ではないですね。
 冗談はさておき、鄧小平さんの改革・開放路線や経済特区がなければ今の深圳の発展はなかったわけで、鄧小平さんが中国の実権を握っていなければ、深圳には昔のままの漁村風景が広がっていたかもしれません。
 彼はまさに、深圳の産みの親であり、現代中国を築いた偉大な指導者だと言うことができます。

深圳の生みの親は鄧小平さん


 深圳発展の大功労者、鄧小平さんのコンピュータグラフィック画像です。
 茘枝公園の近くにあります。地下鉄なら、羅湖駅から乗って、3つ目の大劇院駅で降りると、鄧小平さんの画像への矢印が出ていますので分かると思います。かつては手書きだったのですが、最近はコンピュータグラフィックになって、ますます綺麗になりました。深圳訪問のときにはぜひ立ち寄ってもらいたいスポットです。

香港から深圳への行き方(深圳駅前)

 上の写真は、深圳シャングリラホテルの客室から見た深圳駅前の様子です。2014年5月の写真です。右に深圳駅、正面に羅湖口岸が見えます。深圳駅の正面の壁には鄧小平さんの書いた深圳という字が見えます。

 私は近年、広州や深圳の中華料理のレベルが相当に上がってきたという印象を持っています。私の香港旅行の目的の第一がグルメにあるのですが、そうすると香港に旅行するだけではどうしてももったいなく感じて、短い旅行期間であっても、広州や深圳まで行きたくなってしまうのです。ですから、行きは香港空港から入って帰りは広州空港から日本に帰る、或いはその逆、といった航空券の買い方をしていて、香港・広州間は列車で移動するという旅行パターンになってきました。深圳には寄ったり寄らなかったりしますが、深圳に行くと、鄧小平さんの書いた深圳という字を拝み、この鄧小平さんの画像まで足を運んで、鄧小平さんにご挨拶をするのが私の行動パターンです。

深圳、蓮花山公園の山頂にある鄧小平の銅像
 
 上の写真は深圳市の中心に近い蓮花山公園の山頂にある鄧小平の銅像です。標高300mにも満たない小さな山なのですが、暑い季節に登ると一汗かかされます。でも、鄧小平さんは深圳の生みの親ですから、出張者を含め深圳で仕事をする日本人は必見のスポットです。

蓮花山公園から見た深圳の街並み
 
 鄧小平さんの銅像が向いている方向には、発展を遂げた深圳の街並みが広がっています。手前の波打った屋根が深圳市政府の建物です。ひときわ高い建物が現時点(2016年8月)で深圳で最も高いビルです。


香港から広州へ行く方法はこちらのページで、
香港空港から深圳や広州などに直接入る方法はこちらのページ
それぞれ紹介しています。


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