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アジア写真帳(アンコールワット)             アンコール遺跡の観光とグルメを紹介しています。 

         回廊の風景(ベンメリア遺跡)|アジア写真帳

  ベンメリア遺跡は密林の中に埋もれている廃墟のような遺跡です。建物などは崩れているため、建物や回廊を歩いて観光できません。そこでベンメリア遺跡では歩行者用通路が整備されています。その歩行者用通路を歩きながら、ベンメリア遺跡の素晴らしさを写真とともに紹介していきます。

歩道を歩き回廊を中心に遺跡を見る

ベンメリア遺跡では建物のがれきがころがっている

 この前のページ「南門からの風景」の中で、ベンメリアは建造物を順に辿ることができない遺跡ですから、クメール遺跡の専門家でなければ、ベンメリアの楽しみ方としては、今遺跡の中のどこにいるかは重要ではなくて、まさに遺跡が持つ雰囲気そのものを楽しむものだと考えても良いのではないかという話をしました。
 上の写真にあるように、ベンメリア遺跡の中は観光客が歩きやすいように歩道がめぐらされていて、この歩道から遺跡を楽しめるようになっています。ただし、その歩道は例えば回廊に沿ってできているのではなくて、歩道を作りやすい場所に造られているので、建造物ごとに順を追って遺跡を見ていくことができないようになっています。

 
 
 上の図面はWikipediaに掲載されているベンメリア遺跡の配置図で、赤い線で囲まれている部分が遊歩道で回遊可能な部分です。(Wikipediaでは「見学可能な範囲」として紹介していますが、これは間違いです。あくまでも「遊歩道で回遊可能な範囲」です。)
 このサイトではこれまで参道を通り南門へ南門からの風景の中で、南側(上の図で下)から入場して南門から南門のすぐ上側のあたりを紹介してきたわけです。このページでは、赤い線の内側を説明していくことになります。南門からの風景の中で、ベンメリア遺跡の見どころは遊歩道を外れて歩いたところにあるということを既に書いていますが、それは上の図からも分かる通り、赤い線で囲まれた範囲が極めて限定的だからです。赤い線の外側の部分は天空の城ラピュタのページで詳しく紹介しています。

 
 Wikipediaの図の中の赤い線に囲まれたエリアには上の写真のような遊歩道が整備されていて、安全に見て回ることができます。この遊歩道を歩いて回るだけでも、ベンメリア遺跡の良さは楽しめます。森の中に埋もれていた遺跡が忽然として目の前に現れたという感じは、この遊歩道を回るだけでも味わえるのです。

ベンメリア遺跡はまさにアンコール時代の遺跡です
 
 例えば、一つ上の写真で門の上に気が覆いかぶさりつつある光景を見るのは、少し離れた歩道の上からですから、そこを近寄って下から見上げるアングルの場所へすぐに移動することは困難です。歩道を少し横に動いて、すぐ上の写真のようにまた別の角度から見ることになります。

ベンメリア遺跡では歩行者用通路を歩いて観光する

 この写真は、一番上の写真を単にズーム加工しただけです。本当は歩道から下に下りて、下から見上げる形で見てみたいという気持ちになるのですが、相当に遠回りしないとその場所に行けないものですから、ついつい断念してしまうのです。

ベンメリア遺跡は苔生した遺跡

 歩道を歩いているだけでもベンメリアは一定楽しめますから、このページでは歩道からの眺めを中心に見ていきます。上の写真のあたりは、屋根がないですから分かりづらいのですが、回廊があった部分です。
 歩道が下から伸びていて、この部分については屋根の上に歩道がついています。このように、ベンメリア遺跡の場合は建物が崩れ落ち地面に散乱していますし、森に埋もれている間に木々が大きく成長してしまっていますから、地面にスペースがなくなるので屋根の上に歩道をめぐらしています。したがって、歩道だけを歩いていると、屋根の高さから遺跡を見ることが多くなるのです。

ベンメリア遺跡のレリーフ

 屋根の高さと地面とは階段でつながれていますから、門の上に彫られたレリーフなどは、かえって見やすくなります。。

ベンメリア遺跡のレリーフ

 このレリーフはシヴァのダンスを描いたものでしょうか。
 ただ、ベンメリア遺跡のレリーフは苔が彫った隙間に入り込んでいて、ちょっと見づらいというのが難点で、修復もされていませんので、強烈な印象はさほどありません。

ベンメリア遺跡、建物と樹が一体になっている

 このあたりは建物の上に木が生えてしまっていますが、意外に建物部分はきれいに残っている部分です。このまま放置しておくと、気の重さや根による浸食で崩れてしまうかもしれませんが、現状は美しく残っています。



遊歩道から見えるベンメリアの姿

ベンメリア遺跡を上から眺める

 ベンメリア遺跡を回ってみて、私が最もベンメリアらしいと感じる場所はこのあたりです。ほとんど崩落してしまっていますが、中央祠堂だと思います。

原型をとどめていないベンメリア遺跡

 この中央祠堂の崩落は随分と早い時期だったと思われ、崩れ落ちた石は崩れたままの状態で放置され、その周りに生い茂った木々のために、日が当たらず苔がかなりむしている状態です。人工的なものは自然により崩されるという無常感が感じられます。

ベンメリア遺跡、修復していないアンコール遺跡

 遠くから一帯を眺めれば、回廊が部分的に原形をとどめ、その姿がかえって自然の力の強さというものを感じさせます。

無常感が漂うベンメリア遺跡

 このあたりがまだ原形をとどめている部分ですが、木々の枝や根が建物に絡みつき始めていて、このまま放置すれば、やがては木々の成長の力により建物が崩されるであろうことが分かります。

ベンメリア遺跡

 このように同じアングルからベンメリア遺跡の中を見ていると、近くから見たり遠くから見たり、全体を眺めたり一部分を凝視したりしているうちに、絢爛豪華であったであろう建設当時の姿が思い浮かんできたり、逆に木々の成長によりさらに浸食が進んでしまった姿を想像してしまったり、という具合に、想像が膨らんできてしまうのです。
 ですから、このベンメリア遺跡については時間をかければかけるだけ、その魅力を発見できる遺跡なのだと私は思います。



ベンメリア遺跡の木々

ベンメリア遺跡の回廊とガジュマルの樹

 回廊に覆いかぶさろうとしている木々とそれに登って遊ぶ子供たちです。
 私はこの時は板で作られた歩行者用通路を通っています。ここの木を見ているとタ・プロームこの姿を思い浮かべてしまいます。一つ違うのは、一本の根が写真でいうと手前の方まで絡み付かずに伸びているという点です。

ベンメリア遺跡
 
 木の根は連子窓の中にも入っていったり土台の石の間にも根を這わせていったりしますから、それが長い間に建物の崩壊をもたらすのです。ただ、上の写真のあたりはベンメリア遺跡の中でも最も建物が崩れていないエリアで、だからこそ写真に撮ると見栄えの良い場所でもあるのです。

ベンメリア遺跡の回廊とガジュマルの樹

 横から見るとこのようになります。木の根が何故このような伸び方をするのか、何故ちょうど子供が木登り遊びをするのに適した形で斜めに伸びているのか、ちょっと不思議に思っています。

ベンメリア遺跡

 上の写真は北東の経蔵です。地面に生えた木の枝が建物を破壊した部分です。この建物は経蔵ですが、右側は浸食されずに残っていますが、左側が枝の成長に耐え切れず崩れてしまっています。
 このように木々の成長の力が、建物の強度を超えてしまったときに、恐らくカラカラと建物が崩れるのでしょう。

崩れた連子窓(ベンメリア遺跡)

 この窓は木々によって崩されたのではないですが、もうたった一つの連子で窓枠を支えています。その下から草なのか木なのか分かりませんが、植物が生えています。建物の上、特に屋根の上に大木が生えるケースというのも、このように最初は小さなものがやがて育って建物を崩すまでの力を持つわけで、こういった新たな浸食の芽が次々と育っているということになります。

連子窓の奥には石のがれき(ベンメリア遺跡)

 上の写真は通常の連子窓です。ここは建物の内側に崩れた屋根の石が積み重なっていますが、連子窓はほとんど原形のままです。が、よくよく見ると、両側の連子が重さに耐えかねて少し曲がって見えます。何も修復をしないと、ここもそのうち崩れてしまうでしょう。

ベンメリア遺跡

 壁面に木々が絡み付く光景というのは、ある意味美しくもあるのですが、一方では建物の崩壊というリスクもあります。このベンメリア遺跡の今の美しさや神秘的な姿を後世にも残していくために、一定の修復作業が今後必要とされるものと思います。



子供たちに

ベンメリア遺跡で遊ぶカンボジアの子供

 ここベンメリアにいる子供たちは、アンコールワット等にいる子供たちとは違って、物を売ったりせびったりするような真似は一切しません。
 遺跡の中で遊ぶ子供たちは無邪気です。ここにいる子供は無邪気で、私も小さいころにこんなに冒険心をくすぐる場所があれば、毎日遊びに来ていたかもしれません。

ベンメリア遺跡で遊ぶカンボジアの子供

 木登りもできるし、隠れん坊もできる。鬼ごっこもできるけど、観光客が多いから、それはやめてほしいのですが、子供たちが遺跡の中で無邪気に遊ぶのもベンメリアらしくていいなあと私は思います。

ベンメリア遺跡で遊ぶカンボジアの子供

 この子たちには、まだこの遺跡の素晴らしさやこの遺跡を作った祖先の偉大さなどは分からないと思います。でも、せっかく小さい時から遊び親しんだこのベンメリアを、自分が大人になっても変わらない姿で保存しなければならないということを早く分かってほしいと思います。

ベンメリア遺跡

 子供たちはこのように崩れた石の上でも遊びますし、連子が一本外れている窓から中に入ると何があるのかも知っています。知っているから保存ができるのです。

ベンメリア遺跡

 この石の崩れ方をご覧ください。これらの石を動かしてしまうと、苔の生え方が不自然になり、ベンメリアの神秘性は失われてしまいます。この上に、さらに建物が崩れて苔の生えていない石が乗ってしまうことはやむを得ないかとは思います。
 また、窓枠の連子が石と壁の間で縦に崩れ落ちている姿など、自然に放置されているが故の光景です。こうした光景をいつまでも残してもらいたいと思っているのです。

ベンメリア遺跡

 このページでは、板張りの歩行者用通路から撮った写真を中心に構成しながら、ベンメリア遺跡の魅力を見てきました。そして、この素晴らしさを後世にも残していくために、ここで遊んでいる子供たちに活躍してもらいたいということも書いてきました。

ベンメリア遺跡で遊ぶカンボジアの子供たち

 ベンメリア遺跡の参道で出会った子供たちです。みんな可愛く素直で賢そうな表情です。この素晴らしい芸術を作ったクメールの誇りを胸に刻んで、この中から一人でも二人でも遺跡の保護や遺跡の紹介という仕事についてくれたら素晴らしいと私は思っています。




 ベンメリア遺跡のページ構成(ご覧になりたいページをクリックして下さい。)
参道を通り南門へ
長い参道の途中では素晴らしい蛇神ナーガが見られます。地元の子供たちが出迎えてくれました。
南門からの風景
発見された当時のまま、修復されずに残るその光景に、思わず目を見張ります。
  回廊の風景 
遺跡内はどこも崩壊が激しく、原形をとどめていません。ほの暗く苔むした遺跡の姿に感動します。
天空の城ラピュタ 
地下の回廊を通った先には、まるで「天空の城ラピュタ」のような世界が広がっていました。
ベンメリア遺跡への行き方
シェムリアップからベンメリアまでは直線距離で約50㎞あります。途中の村の風景です。


アンコールワット

アンコールワット概要
西参道から聖池まで
第一回廊
十字回廊と第二回廊
デバター
中央祠堂と第三回廊
アンコールワットのサンライズ

バイヨン寺院    

 バイヨンの概要
 バイヨンの威容と第一回廊
 バイヨンの観世音菩薩四面塔

アンコールトム

 象のテラス
 空中参道のあるバプーオン
 王宮とピミアナカス
 南大門

バンテアイ・スレイ


タ・プローム


ベンメリア遺跡


 ベンメリア遺跡の概要
 参道を通り南門へ
 南門からの風景
 回廊の風景
 天空の城ラピュタ
 ベンメリア遺跡への行き方

プリア・カン


その他のアンコール遺跡


 タ・ネイ
 バンテアイ・サムレ
 トマノン
 チャウ・サイ・テボーダ
 プレ・ループ
 タ・ソム

シェムリアップとその周辺


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 プンタナン(奇岩で埋まる神秘の山)
 バンコクへの直通バス
 オールドマーケット(観光客向け)
 プサールーマーケット(地元向け)
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 シェムリアップの街角
 カンボジアの村の子供たち

シェムリアップのグルメ

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カンボジアらしい食事

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SIMカードケース

粘着式ですから大切な
SIMカードを落としません。
私も使っています。