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九份観光と九份老街

 

アジアグルメ図鑑(台北)

九份観光は九份老街のそぞろ歩きから


九份老街

 九份観光の魅力は、昔ながらの古い街並みであり、老街での買物やB級グルメであり、美しい海岸線であり、それぞれが魅力にあふれています。九份は台北からわずか一時間半のバス移動で到達できますから、観光の時間を入れても十分に日帰りが可能な観光スポットです。
 そうした手軽に台湾のレトロな街並みを体験できる九份は、台北を観光する日本人に大変親しまれています。台北から九份への行き方「千と千尋の神隠し」で有名な阿妹茶楼については、それぞれ別ページで詳細に紹介しています。
 九份老街のメインロードは上の写真の基山街です。台北からのバスを降りて、セブンイレブンのところを曲がったところから、この基山街は始まります。基山街の両側にはB級グルメや土産品の店舗が並び、基山街は大変なにぎわいです。
 この賑わいの背景には、中国本土からの観光客受け入れ解禁という台湾の政策があります。九份に限らず台北には沢山の中国人観光客が訪れています。私がビジネスでよく台湾に来ていた時期は、2008年の台湾と大陸との「三通」(「通商」「通航」「通郵」)が実施される前で、台湾と大陸の直行便もなかったばかりか、中国人の台湾観光も許可されていない時代でした。私はその時代、香港に住みながら、大陸と台湾をマーケットに仕事をしていましたが、上海から台北に移動するのにわざわざ香港や成田経由で移動していたものでした。
 どうでしょうか。 この日だけ見れば、7割か8割くらいのお客さんは大陸からの観光客だったのではないでしょうか。大陸の発音と台湾の発音は同じ普通語を話していても異なりますので、話している言葉を聞くと出身はだいたい分かるのです。
 台湾に住む日本人の中には、こうした中国人観光客の急増はそのマナーの悪さや傍若無人ぶりから、台湾の観光地の価値を下げていると言う人がいます。また、台湾人の中からは、こうした中国人観光客の急増も含めて、台湾の中国化を懸念する声が数多く聞かれます。「三通禁止」の時代は、それはそれで不便だったのですが、今のような大陸に急接近するような台湾政府の政策には疑問の声も多いのです。
 この九份老街を歩いていて私が真っ先に印象を受けたのは、まさに大陸からの観光客が多いということだったのです。実は私が九份に来たのは11月の土曜日だったのですが、これまでの写真をご覧になっても分かる通り、大変な混雑です。で、大陸からの観光客が多いということは土日に関係なく混んでいるということでもあるのです。まあ、台湾の人や日本人観光客も来ますから、総じて20%くらいは土日の方がお客さんは少ないかもしれませんが、あまり変わらないという気がするのです。逆に、中国の国慶節(10/1)や春節(旧正月)の連休時期は、こんな混み方ではないということになります。
 ということで、基山路の混み具合を示す写真をここまで載せてきましたが、ここからは一つひとつの店舗を見ていきましょう。
 上の写真で右側にある店には伝統切仔麺の看板が見えます。切仔麺は担仔麺のことです。担仔麺はもともとは台湾の台南市が発祥のラーメンで、台湾全土で担仔麺と呼ばれてはいるのですが、台北では切仔麺とも呼ばれます。一般的にはお椀で麺の量も少ないのですが、さっぱりした味付けなのでおかわりしてしまいます。
 
 ランニング姿のおじさんが作っています。台湾ではこの屋台風の感覚が美味しそうに見えるポイントですね。もし、これがエアコンが効いたモダンなデザインのラーメン屋でしたら、そこで出される担仔麺は、味が期待できないですね。
 上の写真をよくよく見ると看板には担仔麺の写真がないので、下に士林夜市で食べた担仔麺の写真を参考までに入れておきます。



美味しそうな饅頭は、テイクアウトで食べよう。土産にも最適。

 私は小さい時から食いしん坊で、辛いものもお酒も好きですけど、甘いものも大好きです。そして、B級グルメも大好きです。そんな私にとって、この九份老街は目に毒です。美味しそうなお店ばかりが目に入ってしまいます。
 上の写真は芋団子のお店。芋団子はタロイモを蒸してつぶしたものを白玉粉と混ぜて、棒状にして切ったものです。店頭でおじさんが素早い手つきで作っていきます。作りたての芋団子は食べたくなってしまいます。
 上の写真のようにパックに入ったものも売られています。
 作りたてのものをテイクアウトして老街をぶらつきながら食べるのも良し、パックに入ったものを日本へのお土産として買うのも良し、です。
  上の写真は肉団子のお店。紅糟という酒粕を使った調味料で味付けされた肉を使用しています。紅糟は特に福建省においてよく使われる調味料で、中国料理で時々見る赤く色のついた肉などは、この紅糟で味付けされたものです。上の写真の担仔麺にも入っています。その紅糟で味付けされた肉の入った饅頭なのです。
  残念ながら調理中です。上の写真で見ると、紅糟肉がどんなものか分かると思います。因みに、明の時代から中国では紅糟には血行を良くする効能があるとされており、最近の日本の研究では、血中脂肪を下げる働き、血糖値を正常にする働き、肝臓の強化、免疫力の向上があるとされ、高血圧に良いとされています。
 日本では滅多にお目にかかれない紅糟ですが、食いしん坊で実は血糖値が高い私は紅糟の効能を以前から聞いていたものですから、日本で紅糟を使った料理を出してくれる中華レストランでは必ず注文しています。この日は、とうとう食べずじまいで終わってしまいました。
  この店にも芋団子が店頭にあります。芋団子はシャキッとした食感が何とも言えず癖になります。この店では店内のテーブルで食べられるようになっています。もちろん、芋団子以外のメニューも豊富です。
 上の写真は別の店です。少し歩き疲れてきましたから、休憩を取りがてらスイーツを食べてみようかと、きょろきょろしながらスイーツ店を探して基山街を歩きます。
 スイーツ店は基山街には沢山あります。どこも美味しそうに見えて迷ってしまいます。



 マンゴーかき氷で一休み

  結局、私が入ったのは上の写真のスイーツ店。芋団子が店の名前になっていますけれども、メニューを見るとまさにスイーツ店です。かつては芋団子専門店だったようです。中で食べている人を見たら、マンゴーかき氷が美味しそうなので、吸い込まれるように店に入ってしまいました。
 マンゴーかき氷です。マンゴーかき氷は台湾では大人気で、最近では日本でも台湾の「マンゴーチャチャ」が進出し、ブームを起こしつつあります。台湾で食べるマンゴーかき氷の素晴らしさは、日本では高級品のマンゴーを惜しげもなく大量に使っていることです。台湾に行ったらマンゴーかき氷を食べなきゃいけません。
 因みに私おすすめのマンゴーかき氷のお店は東門にあるマンゴー皇帝で、日本人がよく行く鼎泰豊本店のすぐ近くにあります。
 どうですか、このトローリとしたマンゴーは。 美味しそうでしょう?
 このお店のマンゴーかき氷が特別に美味しかったのではなく、マンゴーの美味しい台湾では、そして、マンゴーかき氷の水準が高い台北周辺では、マンゴーかき氷であまりはずれはないのだと思います。マンゴーたっぷりで、マンゴーやマンゴーアイスクリームの味がしみ込んだかき氷は、疲れを癒してくれます。大満足です。



九份には臭豆腐の店もたくさんあります 

  皆さんは臭豆腐はお好きですか。
 強烈な美味しい臭いをあたり一帯に拡散する臭豆腐、私はこの臭さをかぐと中国に来た実感が湧きます。そして、この味が大好きです。臭豆腐の臭いは日本で言えばくさやの臭いに似ているかもしれません。くさやについてはホテルの客室などで食べていると苦情が出てしまうのですが、中国本土では臭ければ臭いほど好まれます。台湾ではどうなんでしょうか。
 臭豆腐の臭さというのは発酵臭です。調理中の臭いがくさいのであって、食べてみると口の中では臭くありません。これは、くさややドリアンなどと同じで、口の中に入れてしまえば臭さなどは感じず、美味しく食べることができます。煮込んだものや上の写真のように焼いたものがありますが、私は焼いた方が好きです。
 台湾では豆板醤をつけて食べるのが一般的なようで、ここに来る前日も台湾の屋台などで台湾の臭豆腐をエンジョイしました。 
 上の写真ではカウンターに豆板醤が見えますね。奥は醤油でしょうか。大陸の人は湖南省近辺を除くと、臭豆腐に豆板醤をつけて食べる習慣はないように思えます。それで、豆板醤と醤油を置いているのではないでしょうか。 
 九份老街ではどこでも日本円100円くらいで臭豆腐を一皿買うことができます。口にさえ入れてしまえば、こんなに美味しい豆腐料理はありません。 まだ臭豆腐を食べたことがない方は、私に騙されたと思ってぜひ試してもらいたいと思います。
 臭豆腐を看板にしているお店は、ここ九份老街にはそれこそ数えきれないくらいあります。ここ基山街だけでも数十店舗あると思います。店頭で買って食べ歩きが基本ですが、この店のように店内のテーブルで食べることもできます。上の写真の店ですと、臭豆腐は普通の臭豆腐と麻辣臭豆腐の二種類がありますし、臭豆腐以外のメニューも豊富ですから、口に合わなかった時の保険として、口直しになりそうなメニューを一緒に注文して食べるなんてこともできます。
 臭豆腐の話が長くなってしまいました。上の写真は臭豆腐のお店ではありません。魚丸、すなわち魚のすり身の団子が売り物の総合食堂です。 魚丸の入ったスープとか、魚丸入りのラーメンとかが看板商品になるのでしょう。こういう雰囲気のお店は私は好きですね。
 奥の壁に貼ってあるメニューを見ると、一番右にクラゲの冷菜があったり、野菜の鍋があったり、皮蛋豆腐があったりします。また、お腹にたまるものとしては、一番左に魯肉飯もあります。魯肉飯も台湾B級グルメの代表の一つですから、 ぜひ試してみてください。
 ソーセージなどをその場で焼いている店もあります。結構おいしそうなのですが、夜市で見るソーセージの方が美味しそうですのでパスです。 
 基山路の端から端まで、混雑した人の中を歩きますので、寄り道したり写真を撮ったりしなければ15分から20分くらいで歩けるとは思います。ただ、私のようなB級グルメ党やショップ大好き党の方は、あちこちで引っかかってしまうので結構時間がかかると思います。
 その長い基山路も豎崎路といって阿妹茶楼に下る道とぶつかった先で見どころは終了です。上の写真は基山路と豎崎路の交差点で、交差点の角に人気店があるので大行列が豎崎路に伸びています。確かジュースか何かを売る店だと思いましたけれども、どうしてこんなに人気があるのか不思議なくらいです。それにしてもすごい混雑ですね。  



阿妹茶楼をちょっと紹介 

  上の写真は阿妹茶楼前の豎崎路です。阿妹茶楼については別ページで詳細に紹介していますので、このページではほんの少しだけ紹介します。
 基山路と豎崎路の交差点から豎崎路を少し下ったところに阿妹茶楼はあります。豎崎路は写真の通り、石段の階段の道で九份観光の写真でよく出てくる通りです。そして、阿妹茶楼は「千と千尋の神隠し」に出てくる湯婆婆の屋敷のモデルだと言われている建物です。
阿妹茶楼の中国茶セット
  その有名な阿妹茶楼では、茶楼ですから中国茶を楽しめます。中国茶の淹れ方や作法については日本語で実演してくれますから、すぐに覚えられると思います。上の写真のような中国茶セットで、自分で中国茶を淹れる体験ができるのです。
九份・阿妹茶楼からの景色
 そして、素晴らしいのは阿妹茶楼の二階テラスからの海岸線の眺めです。上の写真は私のテーブルから撮影したものですが、こんな素晴らしい景色を見ながら、台湾の茶菓子をいただき、中国茶を楽しむのです。こんなにぜいたくな時間、そして心癒される時間は他にあるでしょうか。阿妹茶楼での中国茶は、九份観光の中でも私が特におすすめしたいことです。詳しくは阿妹茶楼のページをご覧ください。
 
 なお、台北市内から九份への行き方についてはこちらに掲載していますので参考にしてください。

おすすめの本: 歩く台北 2018

 私が利用して便利だった台北のガイドブックはこれ、「歩く台北」です。新しいビルが次々に建設されている台北の街歩きには、最新の地図代わりになるガイドブックが欲しいものです。
 MRT(地下鉄)が次々に開通している台北での私の歩き方は、地下鉄の駅を中心に考えるようになってきました。この「歩く台北」では、主要駅を中心に駅周辺のショッピングやグルメの店を紹介していますので、その点が使いやすいのです。駅ごとに出ている詳細な地図は、私の台北歩きに欠かせません。薄くて軽いことも、街歩きの地図としての位置づけからすれば、嬉しいことです。
 さらに言えば、私が買っているのはKindle版です。ご承知のようにKindle版はKindle端末に加え、iPadやAndroid端末でも利用できます。私はiPadにダウンロードしていますから、旅行先にタブレットを持っていけば、ネット環境がないところでも、いつでも自由に情報にアクセスできるのです。