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台北の台湾料理・欣葉

 

アジアグルメ図鑑(台北)

台湾料理の名門、欣葉創始店


欣葉は台湾料理の最高級レストラン

 台北には数多くの台湾料理レストランがあります。私がかつてよく行ったのは青葉です。庶民的な店構えで庶民的な料理を出してくれて、そこそこ美味しいけど安い。そんな印象が青葉にはあります。その青葉も先日10年ぶりくらいに行ってみたら、別の店かと見間違うほどにきれいな内装の店に変わっていました。残念ながら予約していないと入れないと言われてしまいましたので、青葉は次回の楽しみにしたいと思います。
 さて、台北に数ある台湾料理レストランのうち、最も伝統的で高級なレストランと言えば、欣葉でしょう。欣葉は台北市内に五つの支店がありますが、今回訪問したのは創始店です。欣葉発祥の地に建てられている由緒正しいレストランです。
 今日は6人で食べに来ています。6人もいるといろいろな種類を食べられるので楽しみです。ただ、私を含め5人が観光客で、そのうち私を除く4人は台湾が初めてということなので、私と台湾在住1年の友人と二人でメニューを決めました。
 まず一品目は、アサリとニンニクの炒め物です。台湾料理というのは屋台料理みたいなものが多いですから屋台で食べても変わらないのではないか、と言われる方がいます。これはある意味、当たっています。ただ、欣葉のような高級店では、アサリにしても質の良いアサリを使うなど素材が違うのと、油も屋台で使うような使い古したものとは異なります。(すべての屋台が質の悪い油を使っているという気は毛頭ありません。)
 写真を見てください。美味しそうなアサリですよね。
 あまりにも美味しいので、アサリをアップして撮影してしまいました。新鮮で大粒のアサリにニンニクベースの味付けがとても似合います。この料理なんか、まさに屋台料理ですけど、実は私が台湾料理で最も強い印象を持っていたのがこの料理だったのです。それで、迷わず私が注文した一品です。
 もちろん、私好みの味でした。満足です。
 牡蠣の玉子焼きです。この玉子焼き料理も台湾料理レストランの定番です。切干大根入りの玉子焼きというのが基本形ですかね。今日は台湾が初めてという方が多いので、切干大根ではなく下記の玉子焼きにしました。
 台湾の玉子焼き料理、これは中国の潮州料理(広東料理の一つ)から来ているのだと私は思いますが、日本人にも合うサッパリした味付けです。台湾など亜熱帯や熱帯の牡蠣は日本産と比べると小さいので、こういった玉子焼きの中にはたくさん入っています。均等には入っていませんが、写真でもたくさんの牡蠣が入っているのが分かると思います。美味しいですね。最高です。
 ここでスープです。欣葉自慢の鶏肉のスープです。見た目よりずっとあっさりしていて、飲みやすいスープです。あっさりしているのですが、かなり長時間煮込んであるのではないでしょうか、滋味に富んだ味でした。お替りしてしまいました。



本格的な台湾料理が続々と

 次は、欣葉の名物料理の一つ、欣葉潤餅(いろいろ野菜入りの生春巻き)です。先ほども書いた通り、欣葉は台北を代表する台湾料理レストランです。その欣葉ももともとは雙城 で11のテーブルしかない小さな食堂からスタートしています。この欣葉潤餅はその当時からこの食堂で人気のあったメニューだと聞いています。
 この欣葉潤餅は潤餅という皮で大根などの野菜を包んだ簡単な料理ですが、潤餅が美味しいですね。以前に欣葉に来た時もこの潤餅を食べた記憶が強い印象に残っていて、今回本当に二十年ぶりくらいに食べたのですが、その遠い過去の記憶が蘇るほどの伝統の味です。
 中華料理で包んで食べるものというと、焼き餃子や蒸した焼売、それに揚げ焼売くらいしか日本人には思い浮かびませんが、中国では餃子と言えば南では蒸し餃子、北では水餃子が一般的ですし、小籠包もあれば湯包(揚州の富春茶社が有名)もあります。さらに、北に行くとこの潤餅と似たようなもので春餅(大連の大地春餅が有名)というのもあります。なお、潤餅も春餅も春節になると食べていた料理ということですし、中に包むものは基本的には何でも良いということですから、春餅と潤餅は同じ系統の料理だと思います。
 欣葉潤餅は野菜だけを巻くというヘルシーな料理なのに皮自体の味も良く、さらに具の味付けも凝っていて、日本人向けの味だと言えます。
  今度は台湾の家庭料理の定番、空心菜のニンニク炒めです。ニンニクが効いていて美味しいですね。台湾や中国や香港では、日本風の野菜炒めよりも空心菜炒めの方がポピュラーです。ニンニクが効いていて美味しいですね。
 ただ、この料理だけを食べたいのなら欣葉まで来ないで、屋台のような場所でも同じレベルの料理を楽しめます。今回、空心菜炒めを注文したのは、野菜炒めで他に注文したくなるようなメニュがなかったからです。
  続いて、中華風ハンバーガーです。パンみたいなものは花巻(正しくは「花捲」)と言われる中華点心で豚の角煮を挟んでいます。花巻は小麦粉から作られた蒸しパンみたいなもので少し砂糖が入っているので甘みがあります。これに中華料理の定番である豚の角煮を挟んでいるのです。
 もう少し正確に言うと、メニュー上は角煮ではなく東坡肉です。東坡肉は杭州の料理なのですが、もう少しトロトロになるまで煮込まれているので、私からすると角煮という表現になってしまいます。
 本場杭州の東坡肉はこんな感じです。なお、この東坡肉という料理名には歴史があります。
 西湖を舞台にした詩を書いている蘇東坡は、実は宋の時代の杭州地域の太守(首長)でした。蘇東坡は西湖に蘇堤を作ったことでも名を残していますが、こうした工事に関わった労働者たちの労苦に報いるために、太守である蘇東坡が振舞った肉料理がこの料理で、蘇東坡の名を取って「東坡肉」と呼ばれているのです。
  どうですか? 美味しそうでしょう? 本場杭州の東坡肉みたいな肉だったらもっと良かったのですが。
 l炒飯、焼きそばやビーフンなどを食べるという手もありましたけれども、日本ではそれなりの専門店に行かないと食べることができない中華ハンバーガーの方が、初めて台湾に来られた方々には喜んでもらえるのではないかということで注文した料理です。
 カロリーを心配しつつも、美味しいという評価が全員から出ましたので、注文した人間としては嬉しい限りです。
  続いては、欣葉名物の一つワタリガニのおこわ、黒ゴマ油風味 です。これも日本では食べられないし、何と言っても欣葉の看板料理の一つですから、注文しないわけにはいきません。
 嬉しいことに、ワタリガニの甘い身と蟹ミソがたっぷり入っています。おこわは黒ゴマ油に加えて少しお酒が入っているかなという印象で、流石に美味しいです。これも、日本人に合う味付けでしょう。満足です。お腹いっぱいです。
 


 デザートも忘れずに

  欣葉のデザートとしては杏仁豆腐が有名なのですが、杏仁豆腐は日本でも食べられるということで、あえて杏仁豆腐以外のデザートを注文しました。最初に結論を言ってしまうと、杏仁豆腐にすべきだったと思います。
 デザートの一品目は黄な粉餅です。これはお餅も出来立てで柔らかく、甘さも期待通りでしたから私としては大変気に入ったデザートです。一人一個でなく二個食べたかったという気もします。この黄な粉餅はおすすめです。
 デザート二品目は杏仁のお汁粉です。油条付です。油条は揚げパンみたいなもので、よく粥などに入れて食べられるものです。杏仁豆腐はありきたりだからということで、若干のひねりを入れて注文した一品でした。
  上の写真のように油条をつけて食べます。油条そのものは脂っこいのですけれども、杏仁スープの甘さが加わると、意外に食べやすくなるものです。とは言え、これを食べるのなら、杏仁豆腐にすべきだったかなと反省しています。ちょっと華やかさに欠けるんですね、このデザート。
  そして、デザート三品目は小豆入り西米露。西米露は中華料理のデザートの定番で、冷たいものと温かいものとがありますが、これは温かい西米露です。タピオカがたくさん入っていて、それはそれで美味しいのですが、このデザートも強いインパクトに欠けています。美味しくないということではないのですが、これなら杏仁豆腐の方が、日本人には無難です。

 ということで、欣葉での食事を終えました。全体の感想ですが、日本人の舌には合う料理が多いということが言えます。そもそもこの店のお客さんの半分くらいは日本人観光客ですから、日本人に多少は合わせているところがあるのかもしれません。
 最後に、若干気に入らない点を申し上げます。例えば魚料理を注文しようとすると「時価」という表示になっています。ベテランの店員に時価の価格を聞くとNT$2000という返事が返ってきましたが、魚の種類さえも教えてくれません。香港に在住していた私としては、香港でもあるいは中国本土でも、時価の料理を食べる時にはレストランから現物を見せられ説明を受けていました。魚の種類は何かわからないし、大きさも重さも分からないけど値段は高いよという説明は如何なものかと思います。こればかりでなく、店員の対応は概してぞんざいです。あまり細かなことは気にせずに現地流に過ごすのも海外旅行の楽しみ方ではありますが、日本人客が多く日本人は文句を言わないという前提で仕事をしているスタッフが多いという印象を受けました。この点は、改善すべきでしょう。

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 私が利用して便利だった台北のガイドブックはこれ、「歩く台北」です。新しいビルが次々に建設されている台北の街歩きには、最新の地図代わりになるガイドブックが欲しいものです。
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