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台北の通化街夜市

 

アジアグルメ図鑑(台北)

通化街夜市(臨江街観光夜市)と老店頭台南意麺


通化街夜市(臨江街観光夜市)

 通化街夜市(臨江街観光夜市)はMRTの信義安和駅を歩いてすぐのところにある夜市で、多くのB級グルメ店と衣類や雑貨の店が集まる夜市です。夕方から夜中の1時頃までは大変なにぎわいで、夜10時を過ぎて遅い時間に台北に着いた時でも、ここ通化街夜市に来るとまだまだどこも店を閉めるような状況にはないので、台北の夜市風情を十分に楽しめます。
 台北の夜市というと、観光客は台北最大の夜市、士林夜市に行きがちですが、地元の人たちが集まる雙城一条街 やここ通化街夜市の方が、台湾らしくて私は好きです。
 このページでは「通化街夜市」という表現を使いますが、臨江街観光夜市というのは同じ夜市を指しています。どちらが正式名称なのかは私は分かりません。通化街も臨江街も通りの名前でこの二つの通りが交差しているあたりを中心に、その周辺エリアが夜市と化しているわけです。
 さて、私が台湾で夜市を歩くときは専らB級グルメが目的です。ここ通化街夜市にも上の写真のような屋台は数多くありますが、屋台で多いのはむしろ服飾・雑貨の店かも知れません。一方で、この夜市では人気のB級グルメ店が建物の一階に店舗を構えている場合もあります。



通化街夜市に来たら老店頭台南意麺の乾意麺 

 そうした建物の一階に店舗を構えるB級グルメ店の一つに、老店頭台南意麺があります。店の前にテーブルとイスが出されていて、店頭で食べることもできるし、店内で食べることもできます。
 意麺というのは小麦粉と卵から作った細平打ちのちぢれ麺で、台湾では一般的な麺の一つです。台南の意麺は予め軽く油で揚げてあって少しコシが強いところに特徴があります。この店はそうした台南らしい意麺を出してくれる食堂なのです。
 店頭の看板にも書いてある通り老舗の店で、開店は1969年ですから、今年2015年時点では看板に書いてある「35年」ではなく、既に「46年」の歴史を持つ老舗の食堂です。上の写真からも分かるように、店内はそんなに広くはありません。
 代表的なメニューも看板に出ています。意麺には乾意麺と湯意麺があります。お分かりかと思いますが、前者は汁なし麺で後者はスープ入りの意麺です。私のおすすめはもちろん汁なし麺の「乾意麺」です。
老店頭台南意麺の乾意麺(台北、通化街夜市)
  これが噂の老店頭台南意麺の乾意麺です。細平打ちのちぢれ麺、意麺が見えますね。乗せられているのは魯肉飯の上に乗せられるのと同じ脂身の多い豚肉の細切れです。甘辛く味付けられた豚肉が絶妙の味で、これにもやしがあるので脂っこさを感じさせません。
 食べる前にこれをよくかき混ぜ、肉、もやしと麺をよく馴染ませます。普通の汁なし麺を食べる要領です。意麺にはほど良いコシがあって、これに豚肉の煮汁などがかみ合い、とても美味しいのです。
老店頭台南意麺の綜合湯意麺(台北、通化街夜市)
 もちろんスープ麺もあります。湯麺と書いた料理がスープ麺です。上の写真は綜合(総合)湯麺です。綜合という字が入ると総合した麺という意味になりますから、いろいろ入ったスープ麺、日本式に言えば全部乗せ麺といった意味になるのでしょう。沢山の具が入っていて、平内の縮れ麺も見えます。
 ではこの綜合湯意麺というのは美味しいのかというと、人により好き好きでしょうけど私はちょっと苦手です。というのも、そのスープの甘さなのです。台南の料理というのはスープが甘めです。これはたまたま相席になった台湾の子が教えてくれたのですが、台南のスープは甘いので私たち台北っ子もスープ麺にすると苦手ですなどと言っていました。私も同じ感覚です。老店頭台南意麺で麺を食べるならやっぱり乾麺の方を選んでしまいます。
老店頭台南意麺の綜合湯(台北、通化街夜市)
 私は甘いスープが美味しくないと言っているわけでは決してありません。甘いスープは甘いスープとして飲めば、これは美味しいのです。甘いラーメンが口に合わないというだけです。
 上の写真は綜合湯です。日本式に言えば全部乗せスープです。乾意麺と綜合湯の組み合わせはなかなか良いものです。写真で見るとわかりづらいですが、このスープは量が多いです。小食の人ならこれ一つでお腹いっぱいになってしまうかもしれません。
 このスープについては老店頭台南意麺に来ると必ず注文するか否か葛藤してしまう料理です。美味しいから食べたい、でも食べると通化街市場で他の料理を食べられなくなってしまう。そんな葛藤です。でも、たいてい私はここで食欲に負けてしまうのです。それだけ魅力的な美味しいスープなのです。
 そして、上の写真は壁にぶら下がっていたメニューから選んで注文した炒青菜です。青菜炒めですから、シンプルな料理が出てくると思っていたのですが、油菜を炒め、これまた魯肉飯の上に乗せられる豚肉の細切れ煮が乗っています。乾意麺に乗っている具と同じですね。
 見た目と違って脂っこくなく、これがすごく美味しいのです。実はこの炒青菜は初めて注文しましたけれども、今後は私の老店頭台南意麺における定番料理になることは間違いないです。いつもメニューに入っているのかどうかは分かりません。もし、老店頭台南意麺に行かれてこの料理があるようでしたらぜひお試しいただきたい料理です。
 そして、来るたびに注文している料率の一つに油豆腐があります。これは台湾の定番料理で特にこの店のが美味しいということではないのですが、台湾に来たぞという気持ちが高まる一品です。
 そんなことで、ここ老店頭台南意麺はMRTの信義安和駅から通化街夜市に入る一番手前のエリアに位置しているものですから、この通化街夜市に来ると真っ先に立ち寄って腹ごしらえしてしまいます。ただ、乾意麺だけの食事にすれば量的にはお腹いっぱいになってしまうほどではありませんから、この後も通化街市場であれこれ食べたい人は乾意麺でお腹を半分くらい満たしてから、通化街夜市になだれ込むという感じが望ましいとは思います。
 そうは思っていても、私はいつも老店頭台南意麺であれこれ食べてしまって、かなりお腹いっぱいになってしまうのです。意志薄弱な自分が情けないです。



通化街夜市を彷徨う

 通化街夜市はB級グルメ店と衣類や雑貨の店が集まる夜市です。もちろん台湾チックな衣類や小物を見て回るのは楽しいですけれども、私の興味はやっぱりB級グルメです。ここから先はそんなB級グルメを中心に、通化街市場を紹介していきます。
 まず、台湾の屋台のB級グルメの代表として紹介しなければならないのが臭豆腐です。臭豆腐の屋台はあちこちにあって、どこもあの臭豆腐のかぐわしい匂いを撒き散らしています。私に言わせれば、臭豆腐の匂いをかぐわしいと感じるか、ただ臭いと感じるかは紙一重の差で、それまでただ臭いと感じていた人が、ある時から忽然とかぐわしく感じてしまうことはよくあります。どんな時からというと、それは臭豆腐を美味しいと感じた時からです。
  臭豆腐には、上の写真のように焼いたもの、揚げたもの、煮たものがあります。臭さで言うと、順に煮たもの、揚げたもの、焼いたものになるでしょうか。ですから、まだ臭豆腐の美味しさが理解できないという方は、まず焼いたものから挑戦する方がハードルが低いので良いでしょう。
 私のように中国の大陸を数多く訪問していると、臭豆腐の店の価値というか評判というのは臭ければ臭いほど高いように感じます。この傾向は台湾とは少し異なっているようです。その証拠に台湾の臭豆腐は私が大陸のあちこちで食べる臭豆腐に比べると全く臭くないのです。この程度の臭さで臭豆腐と呼ぶには抵抗があると感じるくらいです。ある意味、多くの日本人にとって台湾の臭豆腐は食べやすい臭豆腐だと私は思います。台湾の臭豆腐なら、過半数の日本人は対応可能だと私は思うのです。
 そして、台湾の臭豆腐が美味しいと感じた方はぜひ大陸にも行っていただき、さらに臭い臭豆腐に挑戦してもらいたいと思います。
 イカ焼きも美味しそうですね。夜市の混雑が少し収まっている時間帯に、これをかじりながら夜市を闊歩すれば、台北っ子になった気分です。
 
 エビやカニを胡椒で揚げた料理の専門店です。美味しそうには見えるのですが、実は私は食べたことがありません。香ばしい香りがあたりに漂います。
蟹、蝦のコショー揚げ(台北、通化街夜市)
  匂いからすると、しっかりと香辛料が利いているようなピリッとした料理なのだろうと思います。 食指がかなり動きましたが、ここは踏みとどまりました。と言うよりも、老店頭台南意麺であれこれ食べ過ぎてまだ空腹感が不足しているからです。
 串焼き屋さんは沢山あります。鶏肉や豚肉、牛肉に羊肉、さらには台湾ソーセージなど様々な焼き串屋さんがあって、これも夜市めぐりをした時には食べ歩きに欠かせないB級グルメです。 
 焼き串を何か食べたいと思ってさらに歩き、この日私が選んだ串はこちらの店。「焼肉の達人」という看板に引き寄せられてしまったのです。
 上の写真のようにソーセージを焼くパフォーマンスも見せられると、思わず足を止めて見入ってしまいます。
  上の写真のように美味しそうに焼かれているのを見ると、よだれが垂れてしまいます。さらに、私の顔のどこかに辛いものが好きだと書いてあったのでしょうか、「辛くもできますよ」などと声までかけられてしまったものですから、思わず注文してしまいました。美味しかったです。
 焼餃子です。焼餃子などというものはわざわざ台湾で食べなくても良いのだと思いつつもあまりに臭いが良いとついついつまみ食いしたくなる料理です。しかもアツアツで美味しそうです。
台北の焼餃子(通化街市場の屋台)
 大と小のパックがありましたので、もちろん小を注文です。値段から言ってもせいぜい3個くらいだろうと思って注文したのですが、意に反して6個も入っていました。確かに美味しい焼餃子ではあります。しかし、これでいくらかスペースを空けた胃の中に6個の餃子が入ってしまったので、もう満腹です。美味しかったけれども何か後悔の残る餃子でした。
  餃子を食べ歩きしながら見つけたこの屋台には人だかりです。ぶっかけご飯の屋台です。鶏肉飯、鶏滷飯や魯肉飯などのメニューが50元です。豚の足を煮込んだ物かけご飯もありますね。これは美味しそうです。台湾の人がこんなに真剣に品定めをしているのですから、かなり美味しい店なのでしょう。
 今日はもう食べられませんから、次回来た時には胃袋を半分開けておいてこの屋台に来てみましょう。



 チーズタルトも美味しいね

  老店頭台南意麺の後、臭豆腐、焼き餃子、台湾ソーセージと食べ歩きを続けていたのですが、そろそろデザートにフルーツでも食べたい気持ちになっていました。そんな時に見つけたのがここのチーズタルトの店。三つで100元ですよと明るい声で呼びかけています。見ると、マンゴー味やチョコレート味、ココナッツ味など、様々な味付けがされたチーズタルトです。
 これは美味しそうです。実は辛いもの好きな私は甘いものも好きなのです。デザートにフルーツを買おうと思っていた予定を大きく変更して、今日のデザートはチーズタルトにしました。上の写真の通り、マンゴー味、抹茶味、チョコレート味を選択し、ホテルに帰って食べることにしました。
 しかし、一人旅ですから、三つも食べられませんね。この日は二ついただき、ホテルの冷蔵庫に入れた残り一つは翌朝のおやつになりました。期待していた以上に美味しいチーズタルトでした。

 地元の人が会社や学校帰りに、あるいは一度家に帰って家族と一緒に、ふらっと来るのがこうした夜市です。 上の写真のような日常的な台湾の街角の風景がここ通化街夜市にはあります。
 台湾最大の夜市、士林夜市は観光客ばかり多くて期待はずれだったという方には、地元の人たちが集まる雙城一条街寧夏夜市やここ通化街夜市がおすすめです。本当に台湾らしい屋台街です。

おすすめの本: 歩く台北 2018

 私が利用して便利だった台北のガイドブックはこれ、「歩く台北」です。新しいビルが次々に建設されている台北の街歩きには、最新の地図代わりになるガイドブックが欲しいものです。
 MRT(地下鉄)が次々に開通している台北での私の歩き方は、地下鉄の駅を中心に考えるようになってきました。この「歩く台北」では、主要駅を中心に駅周辺のショッピングやグルメの店を紹介していますので、その点が使いやすいのです。駅ごとに出ている詳細な地図は、私の台北歩きに欠かせません。薄くて軽いことも、街歩きの地図としての位置づけからすれば、嬉しいことです。
 さらに言えば、私が買っているのはKindle版です。ご承知のようにKindle版はKindle端末に加え、iPadやAndroid端末でも利用できます。私はiPadにダウンロードしていますから、旅行先にタブレットを持っていけば、ネット環境がないところでも、いつでも自由に情報にアクセスできるのです。