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中国、紹興市にある柯岩(カーイエン)風景区の最大の見所は、「柯岩景区」です。私の持っている知識では、この雲骨と言われる石が有名なだけの観光地だと思っていましたが、実は見所豊富な観光地です。 前日、紹興で夕飯を食っていて、お店の小姐(おねえさん)から「柯岩風景区は絶対に気に入りますよ」と強い推薦を受けてきたものの、行く前は話半分で、むしろ、やっぱり東湖や王義之で有名な「蘭亭」あたりに行こうかと思っていたくらいです。ただ、臭豆腐を食いたいと思って入ったレストランなんですが、こんなにいい所を教えてくれて、小姐に感謝しなければなりませんね。 |
柯岩景区は、石仏、鏡水湾、普照寺、越中名士苑から成り、面積1.2kuあります。開園は1995年で、柯岩風景区の中で、最初は柯岩景区だけが先行してオープンしています。 写真は、柯岩風景区の入口です。入場料は100元です。100元などというと、中国では大変高く感じますが、観光客は殆ど中国人のようです。中国人も100元支払って入場するのですから、相当見応えがあるんだろうな、などと期待が膨らみます。 この入口を入ってしばらくは視界の利かない道を歩きます。そこで、突然現れるのが「天工大仏」と呼ばれる大仏(石仏)と、「雲骨」と名づけられた巨石です。 |
天工大仏です。一つの岩から彫り上げたものです。 もともと、この柯岩エリアは、三国志の時代から採石場だったそうで、この石仏については、隋の時代に着手され、唐の初期に完成したものです。高さは20.8mあります。 この石仏の第一の特徴は、工法です。通常、石仏というのは、石の壁に張り付いた形で彫られるか、大きな石をただ外側から彫っていくか、いずれかです。しかし、この柯岩の石仏は、石仏と石仏を包む石は一つの石なのですが、足の部分がつながっているだけです。つまり、大きな石の中に穴を掘って、その中に石仏を彫り上げているという工法です。そういう意味では、他で見られる石仏と彫り上げるコンセプトが違いますし、弥勒仏の慈悲深い端正な顔つきや、石仏を包む石自体への手の込んだ装飾とも相まって、他では見られない素晴らしい石仏として、人気が出てきているものです。 |
観光客に人気が出るのはいいですが、とにかく人が多くてなかなか写真が撮れません。しょうがないから、しばらく写真を撮っている中国人を写していたのですが、これはその中の一枚。 朝10時半くらいなので、一番人が多い時間帯だったのかもしれません。でも、日本人旅行者が少ない紹興市の、しかも新しい観光スポットですから、日本人観光客の姿は殆ど見かけません。 |
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石仏の前では、沢山の人がお参りしています。私ももちろん、お参りして、あることをお願いしました。 |
お参りしている親子です。おそらくは観光客だと思いますが、真剣な表情が印象的です。 |
さて、今度は、雲骨です。岩には、「雲骨」という字が彫られていますが、この岩は「炉柱晴煙」という名称で呼ばれることもあります。「炉から立ち上る煙」とでも言うのでしょうか。確かにそうした形をしています。 そのあたりは、写真家の故水津英夫さんが1989年に撮影した写真がありますので、そちらで確認されるとよく分かると思います。水津さんの写真で見ると、上が広く下が細いというこの岩の様子がよく分かると思います。下のほうは、周囲4メートル以下で厚さは1メートル以下です。よく倒れないなという印象です。1989年というと、まだ、柯岩風景区がオープンしていない時期ですので、まわりも、まだ採石場の跡のようですね。 こんな石の頂上に、柏の大木が植わっているのも、驚きですね。 |
「柯岩景区」にある普照寺の入口です。普照寺は、上から3つ目の写真で、石仏の奥に見える建物です。 |
普照寺の境内です。正面が鐘楼、左手が弥勒殿です。唐の時代の建築だと言うことですが、確かに京都あたりの寺院の造りと少し似ていて、仏教が中国から日本に伝来したということを改めて感じさせてくれます。 |
弥勒殿に安置されている弥勒菩薩です。日本の布袋様なんですが、ここが日本と中国の仏教の違いですね。仏教が日本に伝わる中で、どのようにして弥勒菩薩が布袋様になってしまったのか、興味があるところです。 |
仏殿に続く廊下ですが、仏陀の生涯が絵物語になって、廊下の壁に描かれています。おそらくこの絵は、最近塗り替えられたのかと思いますが、色彩も綺麗ですし、表情も豊かで、時間を忘れて見入ってしまいました。 |
その中の一枚で、仏陀の弟子である阿難と恋に落ちた女性に対して、仏陀が人間の生き方を説いているところです。真ん中が仏陀、その右が女性、一番右が阿難でしょう。 |
山の上の方に立っている仏殿です。大変大きな建物で1,000平米あります。また、建物の高さも25メートルあります。とにかく大きくて、全体を写真に撮ることができませんが、屋根が重層になっていて、重厚な建物です。 柯岩景区の「鏡水湾」については、次のページで紹介します。 柯岩景区(その2−鏡水湾) |
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