アジア写真帳(タイ)−バンコクの街角:パッポン通りとタニヤ通り

    


 パッポン通りは、言わずと知れた歓楽街。昼間は何も無い通りですが、夕方ともなると屋台が出始め、まるで香港の女人街のような賑わいとなります。バンコクも、昼間は暑いですが夜にもなるとかなりしのぎやすくなり、ちょっと散歩でもしたくなるような気分になります。そんな時にふらりと立ち寄るのが、このパッポン通り周辺です


   

 この写真の通り、昼間は何もなくガランとした通りです。ここがあんなすさまじい屋台街になるのかと思うと驚きですし、毎日屋台を組み立て毎日屋台を解体するという、ある意味無駄な作業がここで行われています。


 夕方になると組み立てられる屋台。「TATTOO」という黄色い看板が一つ上の写真と同じですね。この時間は7時なのですが、7時にもなると、もう、立派な屋台街ができあがっています。この屋台街、あちこちの店を冷やかしながら端から端まで歩くと、軽く2時間はかかってしまいます。まさに巨大な屋台街です。


 このあたりの店はニセモノを売っている店が殆どですが、みんながニセモノと知ってニセモノを買うのだから、たいして問題はありません。買った人が、これは本物だよと言って誰かに渡すとこいつはいけないと思いますが、ここで売っているニセモノについては、その心配は殆どありません。何故ならば、香港あたりで売っているニセモノに比べると、本物との違いが極めて分かりやすい(すなわち、すぐばれる。)からです。したがって、売る側も、買う側もそして場合によっては、もらう側も、みんながニセモノだと思っているわけなので、言ってみれば、「ニセモノごっこ」なのです。

 でも、やはり、ニセモノは、持っているだけでも犯罪になりますので、買うのはやめましょうね。

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 パッポンというと、ゴーゴーバーやオカマバーなどが多い風俗街という印象が日本では強いようですが、そうした店は決して少なくないものの、以前のような元気の良さや激しさはなくなってきたような気がします。パッポンに並行して走るタニヤ通り(日本人向けバーの多い通り)に至っては、本当にお客さんが減ったなあという気がします。日本の景気低迷、日本円の下落とバーツの高騰、どれをとっても、タニヤ通りにとってはアゲインストの風です。
一方、元気なのは、このパッポンの屋台街ということで、安物需要といいますか、ニセモノ需要といいますか、それは相変わらず好調なのです。


 この日は、まだ7時過ぎくらいなので、お店の人も暇にしています。もう少し立つと、この通りもお客さんであふれて、あちこちで値段交渉のやり取りを見ることができます。
 ところで、安物とはいえ、ここの屋台では値切るのが当然と言われています。一体どの程度の水準まで値切れば良いのでしょう。答えは不明です。売り子により「ふっかけ方」は違いますし、吹っかけ率はどんどん高くなっているような気がします。

 同じようなものは、この通りのあちこちで売っているので、最初はいくつか値段交渉をして水準をイメージすると、後で後悔しないでしょう。
 そんなことまでしなくても、もともと高い物を買うのではないのでどうでもいいのでしょうが、ここに来ると10バーツでも高く買うと何か損したような気持ちになってしまうのです。


 値切りがスポーツになっている感じです。
 我々は、売り子の最初の値段に対して10%の金額を提示することから交渉を始めます。香港あたりだと、こんな値段をぶつけると「おまえあっち行け」という感じで露骨にいやな顔をされますが、こちらはそうでもありません。結局、ああだこうだといいながら、この日の値段交渉を振り返ると、売り子の最初の言い値の2割程度の金額で成約した例が多い感じです。
 白人さんもニセモノがお好きです。パッポンでの一番のお得意さんは、間違いなく白人さんたちでしょう。上の写真のおねえさんも、とても安いTシャツをスポーツ感覚でガンガン値切っていきます。値切られるほうも、相手がどんなに可愛い子でも簡単に値を下げません。長時間の交渉の末、二度ほど帰るそぶりを見せたお姉さんの勝ち。やはり、値段が不満なら帰るそぶりを見せると、しかも、二回くらい帰ろうとすると効果が出てきます。

 それまではどんなに厳しい交渉をしていても、契約が成立すれば、もうお友達です。
 「You are my friend !!」


 こちらは、パッポン通りに並行して走っているタニヤ通り。日本語の看板やセブンイレブンなどを見ると、どこか日本の街のように見えなくもないですね。日本人向けのバーや料理屋が建ち並ぶ通りです。昼間ですから雰囲気が出ませんが、夜になると、客引きのお姉さんたちが道行く日本人に声をかけまくります。
 つくづく思いますが、私が最初にバンコクに来た1980年代に比べると、この街も随分寂しくなったものだと思います。日本経済がアジア経済に引っ張られて急成長していた90年代がピークだったでしょうか。


 日本の経済力が弱まっている今でも、このタニヤ通りだけは、日本人向けの店が集中しています。一つのビルにこんなに日本人向けのバーの看板が出ていますけど、つぶれないのかななんて心配してしまいます。
 しかし、これだけの看板を見ていると、どこか日本の繁華街みたいですね。店の名前も「あなた」「ひとみ」「キスミー」「あいのり」などと、日本にありそうな名前が多いですね。でも、どうしても、「やっぱりね、タイらしいね」なんて微笑んでしまう店名もあるんです。クラブ「ダンヒル」です。


 拡大して見てみましょう。
 最初はクラブ「ダソヒル」と書いていたのだと思います。「ソ」の字をちょっと伸ばして「ン」と直したわけです。さすがです。でも、これを受け狙いをするために意識的にやっていたとすると、もっと凄いですね。
 もう一つ、英語のスペルが「dunhin」となっています。これは、タイ人の英語特有の問題で、「l」と「n」の発音がごっちゃになっているのです。例えば、「ホテル」の発音は「ホテン」になり、「ヒルトン」の発音は「ヒントン」に聞こえます。このタイ人特有の発音が英語の店名表示に現れているので、「ここはやっぱりタニヤだなあ」と感心してしまうのです。と言うか、ついつい微笑んでしまうんです。
 タニヤを元気にするためにも、もっと日本経済が活性化しないといけないですね。


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