ピンクイルカと水上建物を見に大澳へ|アジア写真帳(香港)

大澳(タイオー)のピンクイルカと水上建物


香港ランタオ島の漁村、大澳への行き方

香港大澳(タイオー)の水上家屋(棚屋)

 川沿いに続く水上建物(棚屋)と背景に見える木に覆われた山を見て、ここが香港だと分かる方はよほどの香港通です。ちょっと見た感じはタイの田舎のようにも見えるこんな漁村が香港にも残っているのです。香港がイギリスの植民地になった頃、すなわちアヘン戦争の時代には香港のエリアには岩山と漁村しかなかったと聞きますが、こんな感じだったのでしょうか。

香港大澳(タイオー)の水上建物(棚屋)
 
 こんな昔々の香港の姿を見ているかのような風景があるのは、ランタオ島の大澳(タイオー)です。ランタオ島と言えば香港国際空港がある島です。空港ができるまでは陸路で九龍とつながっていたわけではなく九龍や香港中環からフェリーで渡る必要があった孤島でした。そういう意味では香港では最も開発が遅くなったエリアだということもできます。だからこそ、こうした昔の風景が残っているのでしょう。

香港大澳(タイオー)の地図
地図をクリックすると大きな地図が別画面で開きます。
 
 大澳(タイオー)は、ランタオ島が陸路で九龍とつながった今でも、交通の便が悪いので開発から取り残されています。それが幸いして今や休日になると香港人が自然を求めてやってくる観光地になっています。上の地図(地図をクリックすると大きな地図が別画面で開きます。)で現在地と書いてある場所がバスやフェリーで大澳に来た時に到着する場所です。
 普通に街歩きとピンクイルカ見学ツアーに参加しようということであれば2・3時間もあれば十分なくらいで足ります。見どころが集中しているからです。街歩きにハイキングを組み合わせて半日ちょっとくらいの行程になります。大澳(タイオー)には美味しいB級グルメもたくさんありますから、結構楽しめます。

大澳(タイオー)と屯門を結ぶフェリー

 それでは大澳への行き方を説明します。
 大澳へのアクセスはいまだに良くなく、バスかフェリーになります。私は住んでいる場所が屯門方面なので、屯門からフェリーで来ました。屯門から東涌経由で大澳まで約一時間です。東涌・大澳間は30分の所要時間ですからバスより速いのがメリットですが、本数が少ないです。屯門~東涌~大澳のフェリー時刻表は富裕小輪(フェリー会社)のホームページを参照してください。
 この船は屯門と東涌の間は香港空港に着陸する飛行機の真下を走っていきますので、着陸する飛行機を時々下から眺める珍しいアングルも楽しめます。


地図をクリックすると大きな地図が別画面で開きます。

 一方、バスですが、こちらは本数があります。東涌駅から大澳行きのバスは時刻表のバスに加えて、土日・休日には臨時便も出て5分から10分おきにバスが発車していきますから、とにかく本数だけはあります。ただ、東涌から大澳まで一時間以上かかりますし、バスに乗るために大行列に並ばなければならないし、ということで地下鉄で東涌駅に着いてから
一時間半以上はかかるとみておいた方が無難です。
 それであれば、予め時刻表を調べておいたうえで屯門か東涌からフェリーに乗った方が精神衛生上もよろしいかと私は思います。

香港大澳(タイオー)の街

 フェリーターミナルから見た大澳(タイオー))の街です。いかにも漁村といった風景で心が和みます。

自然があふれる香港大澳(タイオー)
 
 上の写真はフェリーターミナルから大澳(タイオー)の街と反対側を見たところです。自然がほとんどそのまま残されていて香港では珍しい風景です。こうした山の上にハイキングコースがありますから、山の上に行けば香港の島々や新しい高層住宅街、晴れていれば香港市街の摩天楼も見える場所があると聞きます。



大澳(タイオー)をぶらぶら歩く

大澳(タイオー)の街

 大澳(タイオー)の街歩きと言っても一時間もかかりません。上の写真が大澳(タイオー)の街の中心街です。商店や食堂は永安街と吉慶街という二つの通りに集積しています。上の写真は吉慶街付近になります。上の写真は朝10時ごろのものなのであまり人がいない感じですが、土日の12時くらいになるとこの通りが観光客で埋まり、道を歩くのにも人とぶつかりながら歩く感じになります。

大澳(タイオー)の海産物商店

 観光客のほとんどは香港人で、最近は大陸の人も増えてきたようで北京語もよく聞こえます。そうした観光客向けに海産物の土産店がたくさん並んでいます。日本人は持って帰れないので眺めるだけになってしまいます。

 大澳(タイオー)の住宅街
 
 商店街は5分も歩けば住宅街になってしまいます。大澳の人口は私は知りませんが、街自体は小さいです。日本にもありそうな漁村の風景です。

大澳(タイオー)の商店
 
 大澳は田舎ですから、日本と同様に商店でもお客さんとのコミュニケーションがあります。上の写真は大澳の名物である蝦醤(調味料)を製造・販売する店の店頭です。お客さんはおそらく香港人観光客です。この店の製品がいかに素晴らしいかを広東語で説明していました。

大澳(タイオー)の商店街
 
 上の写真は永安街です。上の写真を見ると結構栄えているように見えますけれども、この商店街もすぐに終わってしまいます。でも、香港の街中ではどこを歩いても同じチェーン店のストアやレストランが並んでいて変わり映えしなくなっているのに対して、ここ大澳ではチェーン店の支店の類は全くないので、個性あふれるお店が並んでいて見ていて楽しいです。

香港大澳(タイオー)の車站豆腐花
 
 そんな永安街にある車站豆腐花という甜品屋は香港のグルメサイトで高い評価を受けています。見落としてしまいそうなくらい小さい店です。ここで一休みです。なお、豆腐花は豆腐のデザートです。

香港大澳(タイオー)の車站豆腐花
 
 上の写真が豆腐花です。後ろに写っているシロップと砂糖で甘く味付けして食べます。

香港大澳(タイオー)の車站豆腐花
 
 豆腐が嫌いでなければ美味しく食べられるデザートです。私は豆腐花を食べる時はシロップを途中で何度もかけて甘くして食べています。暑い日に香港の街歩きをすると疲れますので、甘いものを食べて元気を取り戻すのです。


元朗のB級グルメについてはこちらのページで詳しく紹介しています

 大澳のグルメ、海鮮咸湯丸

大澳小食は大澳で人気が高い食堂

 大澳は香港人の間ではB級グルメの街として知られています。せっかくで大澳に来たのですから、何か大澳らしいものを食べてみましょう。ということで、やってきたのが大澳小食という食堂です。この大澳小食は上の写真左にある香妃巻が日本では紹介されていますが、店頭を見ると、香妃巻よりも海鮮咸湯丸の方が前面に紹介されています。

 
大澳小食のメニュー

 メニューがこちらです。海鮮咸湯丸が圧倒的な存在感を示しています。夏の盛りで暑いしここで湯丸など食べると汗が止まらなくなりそうですが、30香港ドルという安さもあって海鮮咸湯丸を注文しました。
 大澳小食は奥にテーブルがあって奥で食べることができるようになっています。また、奥には強力なエアコンがありますので、冷気は表に出て行ってしまうのですが食事する場所はまあまあ涼しくなります。

大澳小食の海鮮咸湯丸
 
 表に面した調理場で汗をかきかき調理するおばさんを見ながら、待つこと10分、海鮮咸湯丸が運ばれてきました。海鮮咸湯丸の咸は塩辛いという意味ですが、確かに味噌味で塩辛い味付けです。調理したおばさんの汗が沢山入っているみたいです。

大澳小食の海鮮咸湯丸
 
 海鮮咸湯丸が運ばれてきた瞬間は、表の写真に比較して海鮮が少ないという印象でしたが、中の方にカニやエビなどがたくさん入っています。ただ、カニやエビはいずれも小ぶりです。その点については値段からしてそんなに期待していませんでしたから、想定内です。また、カニにしてモエビにしても新鮮さに欠けているのは残念です。たまたまこの日の海鮮が新鮮でなかったのか、あるいはいつもそうなのかについては私は分かりません。が、香港のグルメサイトを見る限りにおいては、大澳小食は評価が高く、また、素材が新鮮でなかったというコメントは見当たらないので、たまたまだったのかなという気がします。漁村まで来たら、新鮮な素材を食べたいですからね。

大澳小食の海鮮咸湯丸。B級グルメです。

 海鮮咸湯丸の湯丸というのが上の写真です。日本語で言えば団子です。普通は倍くらいの大きさで、香港では主としてデザートとして食べられています。ここ大澳小食の湯丸はモチ米からできている感じでお腹にたまります。ですからおやつというよりは主食になってしまいます。本当は大澳のあちこちの店でB級グルメの食べ歩きでもしようかと思っていましたが、こで食べ過ぎてしまいました。
 なお、こういったB級グルメの食堂が営業を始めるのは11時くらいからだと思った方が良いです。店は開いていても観光客が少ない時間帯は調理していません。12時を過ぎたくらいからようやくあちこちの店で短い列ができるという具合です。この日は朝から大澳に行ったので、店に行列ができるのを待たずに帰ってしまいました。



 大澳の関帝古廟


 関帝廟は三国志の武将、関羽を祀った寺です。中華圏を歩くと関帝廟というのは本当にたくさんあってどんな街にでもある、どんな村にでもあると言っても過言でないくらいです。ここ大澳もその例外ではなく、上の写真のとおり立派な関帝廟があります。関帝古廟と言われています。
 三国志で無双の強さを誇った関羽は学問の神様や商売の神様等、様々な神様になっています。三国志を読む限り学問や商売というと諸葛孔明の方が似合いそうなのですが、諸葛孔明はそうした神様にはなっていません。代わりにと言っては変ですが、諸葛孔明の子孫は有名な薬の製造販売会社を営んでおり、諸葛孔明の子孫が隠れ住んでいる諸葛八卦村の人々は今でも多くの人が漢方薬関係の仕事に従事しているとされています。これは、諸葛孔明が「不為良相、便為良医(良き宰相とならずんば、良き医者たれ)」という言葉を子孫に残したからだと言われています。

 
 さて話がそれてしまいましたので戻しましょう。
 関帝古廟の話です。関帝古廟の中は、奥行きがあって表から見るより広い感じがします。同じく関帝を祀っている香港の文武廟ほど広くはないですが、渦巻線香がぶら下がっている中の印象は文武廟と変わりません。逆に関羽像や周りの武将の像などは大澳の関帝古廟の方が立派な気さえします。


 上の写真が関帝(関羽)です。立派に見えるのは衣装のせいかもしれませんが、黒くて精悍な顔つきは神様というより、武将の関羽そのものです。

 

 関羽像の周りには4人の武将増があり、こちらは周倉(右)と王甫(左)です。反対側に関平ともう一人がいます。いずれも関羽とともに呉軍に捕まり処刑された武将です。

大澳でピンクドルフィンに会いに行く

香港大澳のピンクイルカ・ウォッチングツアー
 
 ピンクドルフィン・ウォッチングツアーは、実は今回の大澳訪問の最大の目的だったのですが、あいにく午前中は海にガスが出ていて霞んでいたので、海が晴れるまで待って参加することにしました。
 上の写真にある通り、20香港ドルで参加できます。まず、川を走って大澳の棚屋(水上建物)を見学し、その後に外海に出てピンクイルカ(ピンクドルフィン)を探します。ピンクイルカは生態学的には支那薄色イルカという名前だそうで、大人になると白からピンクの色になるイルカだそうです。香港の大澳には現在150頭くらい生存しているだけで絶滅危惧種に指定されています。
 このツアーでは必ずピンクイルカに会えるのではありません。運が良ければ会えるというツアーです。私の友人は残念ながら見つけられなかったそうです。まあ20香港ドルのツアーですからそれも仕方ないですね。

香港大澳のピンクイルカ・ウォッチングツアーのボート
 
 このツアーに使われるボートは10人乗りくらいの小型で、お客さんが集まると出発するという仕組みですから、観光客が少ない午前中に行くと待ち時間が長くなりそうです。小さいですから外海に出ると揺れが激しいです。

香港大澳のボートツアー
 
 ツアーではまず川を上って大澳の水上建物群(棚屋)を見学します。写真を撮りやすいように時々停まりながらゆっくりと走っていきます。上の写真のすれ違うボートがこのツアーで使われるボートです。

香港大澳の水上建物(棚屋)
 
 上の写真を見ると分かるように、柱はすべて川の中に建てられています。バンコクのチャオプラヤ川みたいな光景です。この家の人は川のボートでしか出かけられないのかというとそうではなくて、川の反対側は陸地になっていて道路で街に出かけられます。その点はタイの水上建物とは異なる点です。

香港・大澳の水上建物(棚屋)
 
 この蓮香酒家はレストランで、上で紹介した永安街に面しています。お客さんは永安街から入ってくるわけです。鳥かごがぶら下がっているところが、小鳥好きが多い香港らしい風景です。
 こんな感じで水上建物を10分弱見て回ってから、ボートは外海に出ていきます。

大澳ヘリテージホテル
 
 この辺りはまだ湾の中ですが、上の写真で見えるのは香港ヘリテージホテルです。イギリスの植民地時代に海軍により使われていた建物で、いかにもコロニアルな雰囲気が漂います。ボートから降りた後に歩いていきましたので、後ほど紹介します。


香港・大澳の将軍岩
 
 湾から外海に出るところにあるのが将軍岩です。山の上から海辺までの岩をこの角度から見ると、将軍が寝そべっているように見えますよね。

香港・大澳のピンクイルカ・ウォッチングツアー
 
 さて、キャセイパシフィック航空のホームページによれば、ピンクドルフィンの伝説というものがあってそれは「ピンク色のイルカに出会えると幸福が訪れ、恋人や夫婦で出会えると永遠の愛を手に入れることができる」というものだそうです。
 私は一人で来たのでそんなロマンチックな話じゃなくて、ただただピンクイルカを見たいという気持ちだけです。でもこの広い海に出ると果たしてピンクイルカなんて見つかるのだろうかとちょっと不安になってしまいます。ボートはピンクイルカを求めてグルグルと走り回ります。

香港大澳のピンクイルカ(ピンクドルフィン)
 
 するとその時です。ピンクイルカが遠くに現れました。2・3頭が海の上に飛び跳ねていく姿が見えました。30秒くらいに一度くらい飛び跳ねるピンクイルカの姿が見えました。ただ、跳ねている時間はほんの0.5秒くらいですし、広い海のどこで飛び跳ねか分かりませんので、カメラを構えられません。
 やむを得ず写真としては小さくなりますが、ターゲットを広めにしてiPhoneを構えたのですが、今度はなかなかイルカが現れません。ということでやっと撮影した写真を拡大したのが上の写真です。白く見えていますが、飛び上がっているイルカを肉眼で見ると、確かにピンク色に見えます。間違いなくピンクイルカです。
 わずか20香港ドルのツアーでピンクイルカを見れたのは感激と言うか、ラッキーと言うか、実はあまり期待していなかったものですから正直驚きました。

 
 このお兄さんがボートの船長です。ピンクイルカの居場所を探してくれてありがとうです。

港珠澳大橋
 
 ピンクイルカを見つけた場所は上の写真の港珠澳大橋のすぐ近くです。
 港珠澳大橋は、香港、珠海と澳門を結ぶ長さ35㎞の橋で、2017年末の開通を目指しているそうですが、遅れても2018年上期には開通しそうです。これができるとこの三つの街が片道三車線の陸路で結ばれ、珠江エリアの経済がまた大きな変革期を迎えることになりそうです。



 大澳ヘリテージホテル

大澳ヘリテージホテル
 
 ボートから降りた後、帰りの屯門行きの船の出発時間まで一時間ほどあったので、ボートから見えた大澳ヘリテージホテルまで散歩してみました。往復で40分くらいの時間です。

大澳ヘリテージホテル
 
 先ほども書いた通り大澳ヘリテージホテルはイギリスの植民地時代に海軍が使用していた建物をホテルとして使用しているものです。コロニアル風の風格ある建物で、海が見える絶景の場所に建てられています。値段を調べてみると、中環(セントラル)や尖沙咀にあるファイブスターホテル並みの価格です。部屋数も少なく希少価値ではありますが、自分には縁がないかなというホテルです。なお、一階に資料館がありますが、その頃の歴史によほど興味がある人以外には退屈な展示内容です。

香港の漁村、大澳の風景
 
 大澳ヘリテージホテルに向かう道はのどかな島の雰囲気を漂わせていて、時間があれば大澳ヘリテージホテルまで往復して、まったりとした昔の香港を味わうのも良いかもしれません。