地元民に愛される中山・豊圓軒の飲茶
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中山の茶楼、豊圓軒について
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広東省中山市の茶楼、豊圓軒(丰圆轩) |
広東省中山市の茶楼、豊圓軒(丰圆轩)の素晴らしい早茶(飲茶)を紹介します。中山市は広州市の南に位置していて、香港から行く時は、従来は広州市に出て広州から南下しなければならなかったため、観光客になじみのないエリアでした。現在は深圳市から深中通道という東京湾アクアラインよりも長い橋ができて、深圳市南山区の前海から1時間で到着できる距離になりました。
下の方で、中山市への行き方や中山市の観光スポットなども紹介していますので、中山市での素晴らしい早茶と観光をぜひ楽しんでください。
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豊圓軒(丰圆轩)の飲茶風景 |
豊圓軒での飲茶風景です。豊圓軒は中山復古茶楼という看板も出ているくらい、実に伝統を感じさせる茶楼で、飲茶というのはこういう楽しみ方をするのだということに気づかせてくれる店です。豊圓軒は中山市内に7店あって、私が行っているのは中山二路店です。
私は香港に1992年に渡り、以来30年以上飲茶を楽しんできましたが、ここ豊圓軒は90年代の香港の飲茶も思い出させてくれる茶楼です。私は深圳に住んでいますが、本格的に飲茶を楽しみたくなると、わざわざ1時間かけて中山まで行くようになったほどです。
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豊圓軒(丰圆轩)の飲茶風景 |
上の写真は早茶の時間の様子ですが、右手前にあるコーナーに点心が並べられていて、お客さんは注文カード(点心カード)を持ってこのカウンターに行き、食べたい点心を注文するスタイルです。
私は何回も行っていますが、この時間にメニューを見せられたことはありません。
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中山市の茶楼、豊圓軒(丰圆轩)で飲茶 |
店内の壁には昔の中山の街が描かれていて、まさに復古茶楼。最高の雰囲気で飲茶を楽しめます。
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豊圓軒の点心注文シート |
豊圓軒では2024年までは、点心コーナーで並んでいる点心から点心を選ぶシステムでしたが、2026年1月現在、上の点心シートから注文するスタイルに変更されています。
シートをご覧いただくと分かる通り、香港、深圳、広州の点心に比べ30-50%くらい価格が安いです。ですが、味は全く遜色ありません。美味い、安い、雰囲気が良いという三拍子そろった店なのです。だからこそ私も1時間バスに乗ってわざわざ中山まで飲茶をしに来るのです。
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豊圓軒の素晴らしい点心
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中山・豊圓軒のエビ餃子(虾饺) |
それでは点心を紹介していきましょう。
まず、点心の王様、エビ餃子(虾饺)です。写真の通り、皮は薄くツヤが良いです。そして食べてみると、エビがプリプリしていて、まさにお手本のようなエビ餃子(虾饺)です。これは外せない点心です。
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中山・豊圓軒のエビ焼売(鲜虾烧卖) |
エビ焼売(鲜虾烧卖)です。ビジュアルに派手さはないのですが、新鮮なエビと美味しい焼売は一流品の味です。特に焼売部分の肉が美味いですね。いつ食べても外れのない味です。
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中山・豊圓軒の蒸しハチノス、カレー味(咖喱金钱肚) |
これはハチノス蒸しですが、豊圓軒のハチノスはカレー味です。これはちょっと珍しい味付けです。カレー味と言っても広東省のカレーですから辛くありません。いろいろな点心を食べる中で、一つカレー味の点心も入れて変化を付けた点心です。
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中山・豊圓軒の中山金吒(ジンジャ) |
中山市の伝統的な点心もあります。中山金吒と言います。皮は粉果と同じように米の皮です。金吒というのは、中国の伝説に出てくる英雄が使っていた武器の名前で、形がその武器に似ているので付けられたとされています。
この点心は、香港、深圳、広州では見たことがありません。中山でないと食べられない点心です。
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中山・豊圓軒の中山金吒(ジンジャ) |
中山金吒の中にはチャーシューなどの具が南乳という広東省でよく使われる調味料で味付けされて入っています。日本人の味覚からすると、日本のみそ味に近く、気に入る人が多いと思います。
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中山・豊圓軒の順徳ミルク揚げ(炸牛奶) |
中山は、グルメの街、順徳に隣接しています。そのためか、順徳発祥の点心も数多くメニューに入っています。上の写真は順徳点心の代表格である順徳大良ミルク揚げ(炸牛奶)です。 順徳の点心はその発祥地である順徳の地名を付したものが多くあって、ミルク揚げについては順徳の中心地である大良が地名として付いています。
順徳は漁業が盛んですが、かつては酪農も盛んで、牛乳やヨーグルトは今も名産になっています。そのミルクを揚げた点心です。トロリとした食感と牛乳の甘さが特徴で、もちろん香港や深圳でも食べられますが、本場順徳でのミルク揚げはやっぱり美味いのです。そして、ここ豊圓軒でのミルク揚げも負けず劣らず美味しいです。本場に近いからかな。
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中山・豊圓軒のルンジャオケーキ(伦教糕) |
同じく順徳発祥の点心で、私が好きなものにルンジャオケーキ(伦教糕)があります。発祥の地である順徳ルンジャオ(伦教)の専門店で出来立てを買って、家に帰って食べたらすごく美味かったのです。本場の伦教糕は違うなと強い印象を受けて、以来。順徳に来ると飲茶の時に必ず注文するようになっています。
そのルンジャオケーキ(伦教糕)を豊圓軒で食べてみたら、豊圓軒、恐るべし。まるで順徳にいるかのように、滑らかで甘いルンジャオケーキ(伦教糕)本来の味でした。
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豊圓軒の饅頭系点心が美味い
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豊圓軒のくるみ饅頭(核桃包) |
豊圓軒の点心は美味い、美味いと連発している私ですが、中でも私が気に入っているのは饅頭です。特にこれから紹介する三種類の饅頭は、実に素晴らしいです。
まず、くるみ饅頭です。饅頭の中にはクリームとくるみが包まれています。ですから甘いです。香港や深圳でもくるみ饅頭はメニューに入っていて時々食べますが、ここ豊圓軒の味ははるかに美味しいのです。食べやすい甘さと言うか柔らかい甘さと言うか、私はすっかりファンになってしまいました。
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豊圓軒の流沙包(カスタードクリーム饅頭) |
そして、流沙包(カスタードクリーム饅頭)です。これは香港や深圳の流沙包と肩を並べる美味しさという評価です。ご覧の通り、流れ出すようなではなく、下手すると手が汚れてしまうくらい流れ出るクリームが実に美味いのです。
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豊圓軒のニンジン饅頭(甘筍饅頭) |
でも、豊圓軒での一番のおすすめ饅頭はこのニンジン饅頭(甘筍饅頭)です。擦ったニンジンを饅頭に挟んでいます。ニンジンの甘さが何とも言えず美味いのです。
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 豊圓軒のニンジン饅頭(甘筍饅頭) |
クリーム饅頭やくるみ饅頭は甘すぎてちょっとと敬遠される方も、このニンジン饅頭であれば食べられるはずです。豊圓軒の饅頭の美味さを感じてもらうには最高の饅頭だと思います。ご覧の通り、擦ったニンジンがたっぷり入っていて、ニンジンってこんなに甘いのだと改めて実感しますし、日本の中華まんと比較して本場の中華まんというのはこんなにふっくらして美味しいのだということも実感できると思います。
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豊圓軒の健康よもぎカステラ(健康艾叶糕) |
もう一つ、饅頭ではないですが、健康よもぎカステラ(健康艾叶糕)も紹介しておきます。これは甘くないカステラです。中国カステラというと、馬拉糕(マーラーカオ)が有名で、馬拉糕(マーラーカオ)も豊圓軒のメニューにありますが、私は健康よもぎカステラ(健康艾叶糕)の方がよもぎの爽やかな味が楽しめて好きです。これはお腹にたまらないから、デザート的な点心として、お茶のお供に最適だと思います。
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その他の点心
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豊圓軒に以前あった点心コーナー |
先にも書きましたが、豊圓軒では2024年まで点心コーナーがあって、点心コーナーで食べたい点心を注文するシステムでした。これですと、名前の分からない珍しい点心も注文できるので大変便利でした。茶楼である豊圓軒では、そのくらい点心の種類が豊富なのです。
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豊圓軒の大根餅(萝卜糕) |
伝統的な点心である大根餅(萝卜糕)もあります。美味しい大根餅というのは、表面がカリっと焼けて中がジュルっとしている感覚なのですが、その理想的な焼け方で出てきます。できるだけ温かいうちに食べると、その食感が楽しめます。大根餅というのは普洱茶に本当によく合う点心なので、私が頻度高く注文する点心の一つです。
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豊圓軒の焼きニラ餃子 |
日本人が大好きな焼き餃子もあります。ニラ焼餃子です。餃子一つ一つが日本の焼餃子より大きいので、4個乗せです。具がたっぷり入っていてニンニクがかなり効いています。
写真には入っていませんが、中国では辛い辣椒醤(ラージャオジャン)を付けて食べます。慣れてくると、これが大変美味いのです。逆に私は日本に帰っても焼餃子を全く食べなくなりました。美味く感じなくなってしまったのです。
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豊圓軒の栗子餃子 |
点心で餃子というと、エビ餃子だったりニラ焼餃子だったり、このページでは紹介していませんが、潮州粉果だったりが有名ですが、広州、順徳や中山では上の写真の栗餃子もよく食べられています。
とりわけ美味しいからおすすめというほどではないですが、甘くて爽やかな味わいで、普通に美味しい点心です。香港ではあまり食べられないので、興味のある方はぜひ挑戦してみてください。
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豊圓軒の金沙红米肠 |
豊圓軒に来るときはいつも一人飲茶の私です。ここでは饅頭が美味しいので、お腹にたまる点心として、粥とか腸粉とか、順徳の陳村粉などは殆ど食べる機会がありません。いつも饅頭になってしまうのです。
よくよく過去の写真も探したのですが、腸粉は1回だけ食べていました。と言っても、紅米腸と言って、腸粉に紅麹などで赤く色づけして揚げている金沙红米肠という変わり種の腸粉です。この腸粉は中国人には人気があるのですが、私はあまり好みではありません。
この店の一般的な腸粉は普通に美味しいのだろうなとは思うのですが、実は周りのテーブルでも食べている人をあまり見たことがないかも。
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豊圓軒の陳皮ケーキ(新会陳皮糕) |
デザート的な点心として私が時々食べるのは陳皮ケーキ(新会陳皮糕)です。陳皮というのはミカンの皮を乾燥させたもので、料理にも使われる食材でもあり、薬としても使われる薬材でもあります。これをゼリー状にしたもので、酸味の強いゼリーで、お茶に合うのです。なお、新会というのは広東省にある陳皮の有名な産地です。
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中山市、豊圓軒で飲茶 |
豊圓軒の点心をいろいろ紹介してきました。この茶楼にはとにかく様々な点心があって、私は何十回と来ていますが、何を注文してもこれは失敗だったという記憶がないです。お茶に合う点心がいろいろ揃っている良い茶楼だと思います。
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中山市への行き方、中山市の観光
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深圳市と中山市を1時間で結ぶ公共バス |
このページの冒頭でも触れたように、 2024年6月末に深圳と中山を結ぶ深中通道が開通し、珠江河口の東西の両岸、深圳市と中山市が高速道路で結ばれました。その結果、深圳南山区の前海地区と中山市の中山博覧中心の間を約1時間で結ぶバスが10-15分おきに走行することになり、深圳・中山間の移動時間が画期的に短縮されました。
深圳側の起点は前海で、地下鉄前海湾駅のB1出口そばにある専用バス停を経由しますので、ここから乗車すると便利です。香港から来てこのバスを利用する場合は、深圳湾口岸から地下鉄13号線で2駅、后海駅から11号線に乗り換えて2駅乗ると前海湾駅ですので、深圳湾から入境すると便利です。深圳湾への行き方は、下のリンクのページを参照してください。
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深圳市と中山市を結ぶ深中通道 |
深中通道は、全長約24キロで、高架橋(長さ16.7キロ)と海底トンネル(6.8キロ)で構成されています。全体を橋にしなかったのは珠江河口は大型船の往来が多く、海上交通を妨げない配慮があったのでしょう。
バスの車窓からは、晴れた日や夕暮れは素晴らしい景色を楽しめます。
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孫中山故居記念館(広東省中山市) |
このように中山へのアクセスが良くなったので、私も豊圓軒によく行くようになりましたが、ついでに中山市内も観光しています。中山市内の観光スポットを三つ紹介します。
一つ目は孫中山故居記念館です。孫中山は孫文のことです。中山市は孫文の生まれ故郷なので、孫文にちなんで中山市と命名されています。上の写真は孫文が住んでいた住居で、当時の村の状態が保存されています。中国人にとっては聖地のような場所ですから大変混みあいます。ただ日本人にとっては、孫文に強い関心を持つ人以外にはあまり興味が湧かない場所かも知れません。
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孫文西路歩行街(広東省中山市) |
続いて、孫文西路歩行街です。ここは中山市の旧市街で、中華民国時代の街並みが1KM以上にわたって続いています。観光客向けに2025年に改装されて、写真の通り見事な街並みになっています。
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 孫文西路歩行街(広東省中山市) |
茶楼の豊圓軒は中山市内に7店ありますが、私が行く中山二路店からは歩いて行ける距離です。でも、孫文西路歩行街のもっと近くに、孫文中路店という支店もあります。私が行っている中山二路店の方はほぼ地元の人の利用ですから、茶楼らしさがあると思います。
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中山詹园(広東省中山市) |
中山市の観光スポット、三つめは詹园(じゃんゆえん)です。ここは中国庭園ですが、20世紀末にできたばかりの庭園です。マカオのカジノ経営者が母親のために造った庭園で、 広さは約40ha(12.2万坪、サッカーコート約57面分)もあります。
川の両面に庭園が広がっていて、上の写真の長さ68mの善源橋で両側が結ばれています。山や川といった自然を庭園の風景に生かす借景という手法を使った造園コンセプトは、蘇州の庭園に似たところがあります。私のように蘇州庭園が大好きな者にとっては、たまらなく魅力的な庭園です。
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 中山詹园(広東省中山市) |
詹园(じゃんゆえん)です。豊圓軒で早茶した後に詹园(じゃんゆえん)に来て、中国庭園の雰囲気に浸る。これ以上ない幸せな時間です。
豊圓軒から詹园(じゃんゆえん)までは、私はいつもバスで移動しますが、皆さんは道に不案内ですから滴滴などのネット予約車で移動された方が無難だと思います。滴滴などのネット予約車であれば、30分もかからないで移動できます。
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 中山詹园(広東省中山市) |
詹园(じゃんゆえん)です。このあたりを歩いていると、まるで蘇州に来ているかのようです。広大な土地に歴史を感じさせる建造物。マカオのカジノオーナーは、やはりとてつもない大富豪だと実感します。
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 中山詹园(広東省中山市) |
上の写真の池にいる水鳥。毎回、ハートを作ってくれています。
中山に来て、豊圓軒で飲茶した後に、詹园(じゃんゆえん)と孫文西路歩行街を散策して、夕方には深圳に帰れます。香港からでも日帰りが可能です。ぜひトライしてみてください。
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