深圳での飲茶は蘩楼がおすすめ |
深圳の蘩楼は工夫茶で飲茶 |
![]() 深圳の蘩楼、店内 |
コロナ騒動が収束してしばらくたった2023年くらいから、香港人の北上行動(深圳は香港の北にあるので、深圳に行くことを「北上行動」という)が盛んになっています。週末になると、家族や友達と連れ立って国境を越えて深圳に入り、深圳でのグルメやショッピングを楽しむ人が増えているのです。 グルメ目的には、潮州料理や湖南料理など中国各地の料理を美味しくかつ廉価に楽しむということもありますが、蘩楼のように深圳での飲茶を楽しみたいという人も少なくありません。私は深圳に住んでいますが、実際に蘩楼などいくつかの店では、ここ数年は広東語を話すお客さんが増えてきました。(深圳に住む中国人の90%か95%以上は広東省以外の人ですから北京語を話しています。) |
![]() 深圳の蘩楼では工夫茶 |
蘩楼の特徴には三つあります。一つはお茶と点心が美味しくビジュアルにも優れていること、二つ目は店内が明るくゆったりしていること、そして三つ目は広州式飲茶であることです。 ここで広州式飲茶というのは、上の写真のように各テーブルにやかんと茶盆がありお客さんが工夫茶でお茶を淹れるスタイルを言います。工夫茶は広東省の伝統的なお茶の淹れ方で、小さい茶壷と茶杯を使ってお茶を淹れる方法で、お茶を最も美味しく淹れる方法だとされています。100年以上昔から広州の茶楼では工夫茶でお茶を飲むスタイルでしたので、これが広州式飲茶と呼ばれるようになりました。 |
![]() 深圳蘩楼店内 |
最初のお茶は店員がセットして淹れてくれますから、工夫茶の経験がなくても心配ありません。ただお茶の種類は聞かれますので、香港の飲茶と同様に普洱とか鉄観音とか飲みたいお茶を伝えてください。 私の場合はいつも自宅から茶葉を持参して飲んでいます。常連客にはこういうお客さんも少なくありません。広州式飲茶店では自宅の延長のような気分で飲茶を楽しめるのです。 |
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深圳・蘩楼の美味しい点心 |
![]() 深圳の蘩楼でエビ餃子 |
では蘩楼の点心を紹介していきましょう。 まず。エビ餃子です。香港や深圳の飲茶店で最も人気の高い点心はエビ餃子(蝦餃)です。それはこの店でも同様です。新鮮な大粒のプリプリしたエビに人気があるからです。しかもそのエビの善し悪しには店によりかなりの差があります。地元の人に人気がある店のエビ餃子は美味しいし、エビ餃子が美味しくない店は地元の人に人気がありません。蘩楼のエビ餃子も、もちろん香港・深圳での超一流品です。 |
![]() 深圳蘩楼のエビ焼売 |
| ですからここ蘩楼のエビ餃子も美味しいのですが、それ以上に美味しいのがこのエビ焼売なのです。 この大きい焼売に大きなエビが乗ったビジュアルも良いですし、その味も香港や深圳で圧倒的にトップクラスなのです。 |
![]() 深圳蘩楼の美味しいエビ焼売 |
| エビ焼売というのは肉の入った焼売の上にエビが乗っているというのが普通で、そのエビの大きさや鮮度が勝負なのですが、蘩楼では実は焼売の中にも大きなエビが入っていて、しかもプリプリです。これまで何人もの日本人に食べさせてきましたが一様にその味に満足してくれた逸品です。 ぜひ、皆さんも蘩楼のエビ焼売を召し上がってみてください。深圳まで足を運んだ価値を感じるはずです。 |
![]() 深圳蘩楼のウズラ焼売 |
続いて、ウズラ焼売です。これはメニューにあったりなかったりします。ウズラ焼売は伝統的な点心で、私の好みではあるのですが、深圳の中国人はもともとが広東人ではないですから、あまりウズラ焼売には感動しないようです。 私は香港に初めて住んでから30年以上ですのでこういう伝統的な点心には目がないのですが、深圳でも香港でも、特に若い人を中心に人気の点心はこういう昔の点心から新しい点心に移ってきているように感じます。 |
![]() 深圳蘩楼のエビニラ餃子 |
| 餃子の中ではこれも蘩楼での私のおすすめです。エビニラ餃子です。薄い餃子の皮の中にたっぷりととニラなどの野菜が包まれています。日本人は餃子を見ると醤油や辣油を付けたがりますが、香港・深圳の店では醤油など調味料が必要な点心を運んでくるときに調味料も置いていきますので、何も置いていかない時はそのまま食べて下さいという意味になります。 で、このエビニラ餃子をそのまま食べると、エビのプリプリ感やニラやニンニクの味が餃子の味に包まれて実に美味いのです。 |
![]() 深圳蘩楼のエビ春巻 |
日本人の大好きな春巻も紹介しましょう。春巻は中国では一般的に最も大衆的な点心の一つで、油があまり良くなかったりして美味くないのですが、さすがに蘩楼ではご覧の通り美味しく上品に揚がっています。 私も時々注文するくらいですから上等です。日本で食べる春巻よりはかなり美味しい思います。 |
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![]() 深圳蘩楼の綾魚球 |
| 次に紹介するのは綾魚球です。川魚のつみれを蒸しています。牛ひき肉を蒸した牛肉球と同様に、香港や深圳で人気が落ちない伝統的な点心の一つです。酢をかけて食べます。 この綾魚球は広東省の順徳発祥の点心です。「食在広州、厨出鳳城」(美味しい食は広州にあり、良い厨師は鳳城から生まれる)という言葉の中に出てくる 鳳城は順徳の昔の地名です。日本では周富徳さんがこの順徳の出身です。このように、順徳料理は広東料理の源泉の一つであり、香港で人気の点心のいくつかは順徳で生まれたものです。 |
![]() 深圳蘩楼の均安魚餅 |
| 順徳点心の一つ、均安魚餅です。日本の中華料理レストランではほぼ見かけない点心ですが、香港・深圳の飲茶メニューに欠かせない点心の一つです。 均安というのは順徳の中の地域で、そこで生まれた点心です。この均安魚餅に魅せられて私も何回か順徳均安に行きましたが、現地で食べる均安魚餅はやっぱり美味いです。でも、香港ではあまり見かけないし、深圳では見かけるけれども美味くない。そういう点心です。 |
![]() 均安魚餅は順徳の点心 |
| そんな希少価値の点心ですが、ここ蘩楼の均安魚餅は現地での味を再現した香り高い味わいになっています。綾魚球と同様に漁業が盛んな順徳らしい味わいの点心です。 |
![]() 深圳の飲茶(蘩楼、順徳ミルク揚げ) |
| 蘩楼で食べられる順徳発祥の有名な点心としては、他に炸牛奶(順徳ミルク揚げ)があります。かつての順徳は漁業のほかに酪農も盛んでした。そうしたことから牛乳の生産が盛んで、その延長線上でヨーグルトの産地としても有名です。 炸牛奶(順徳ミルク揚げ)はそうした牛乳生産の中から生まれた点心で、軽やかに揚げた点心です。食べると濃厚でまろやかなミルクがトロリと流れ出てくるのが本物です。香港の添好運などで食べる炸牛奶(順徳ミルク揚げ)などは、単にミルクを揚げているから日本人にとって珍しいだけで、全然美味しく感じられません。 本物の炸牛奶(順徳ミルク揚げ)を蘩楼で味わってみてください。 |
![]() 深圳蘩楼の中山粉果 |
次に紹介するのは、広東省中山市の中山小榄粉果です。粉果というのは米から作られた皮に野菜や肉、ピーナツなどを包んだもので、日本人から見ると餃子みたいなもので、最も有名なのは広東省潮州の潮州粉果です。おかずとして食べるよりも主食の一つとして位置づけられている点心です。 中山の粉果は潮州粉果に比べるとかなり小粒で、蒸籠に入れる個数も潮州のなら3個ですが、中山のは5個です。小さいがゆえに食べやすくて、日本人から見ると餃子の一種として結構美味しく味わえます。滅多にない点心ですから、多くの点心を注文される時には加えても良いと思います。 |
![]() 深圳蘩楼の焼きニラ餃子 |
| こちらは焼きニラ餃子です。中国南部で餃子というと蒸し餃子がメインで、北部では水餃子がメインです。日本でメジャーな焼き餃子は、実は中国ではどこでもメジャーではなくて一般的に鍋貼という名で呼ばれています。この鍋貼が日本並みに具が少ない焼餃子で、おそらく日本の焼餃子の原型は鍋貼です。 この焼きニラ餃子は鍋貼と比較して、4-5倍の具が入っていますから主食に近い分量です。ニンニクが大量に使われていますから、ニンニクを苦にしない人なら美味しく食べられる餃子です。 |
![]() 深圳蘩楼の大根餅 |
飲茶でお茶のお供として。私が最も好んでいるのは大根餅です。外がカリッと焼きあがっていて、中がジュルっとしている大根餅が美味しいですね。蘩楼の大根餅がまさにそれです。写真にあるように辣椒醤を付けて食べます。香港では一般的に 辣椒醤を付けて食べません。香港人は辛い料理を好まないからです。私は香港でも辣椒醤を出してくれるようにお店にお願いしています。 |
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お腹にたまる点心 |
![]() 深圳蘩楼の饅頭盛合せ |
今度はお腹にたまる点心です。 まず饅頭盛合せです。チャーシュー饅頭、くるみ饅頭と流沙包(カスタードクリーム饅頭)のセットです。こういうセットはお一人様には有難いメニューです。三人以上で食べる時は二種類くらい饅頭を注文すればよいのですが、一人飲茶ではチャーシュー饅頭などは大きすぎて、それだけでお腹いっぱいになってしまいます。せっかくの飲茶ですからいろいろな点心を食べたいのです。 |
![]() 深圳蘩楼の流沙包(カスタードクリーム饅頭) |
流沙包(カスタードクリーム饅頭)です。甘いもの好きな人にはたまらなく美味しい饅頭です。女性や子供が喜んで食べる饅頭ですが、実は私も大好きです。 |
![]() 深圳蘩楼の流沙包(カスタードクリーム饅頭) |
流沙包という名の通り、クリームが流れ出てきます。液体のまま流れ出してくる感じですから、かじる時に気を付けて食べてください。私も何回か手がクリームでベトベトになりました。 チャーシュー饅は日本の肉まんとは比較にならないほど美味しいです。チャーシューの味付けが店によって異なっていて、特に蘩楼のチャーシュー饅の味は私の好みです。 くるみ饅頭も私は最近よく食べます。一人飲茶が多い私の場合、流沙包とくるみ饅頭を一緒に注文することはないので、注文するとしてもどちらか一方です。ですから、くるみ饅頭を食べる機会は少なかったのですが、最近はくるみ饅頭の美味しさに目覚めてしまって注文する回数が増えたかもしれません。 |
![]() 深圳蘩楼の荔湾艇仔粥 |
飲茶の際にお腹にたまる点心の代表格は粥でしょうね。広東粥という米をとろとろに煮込んだ粥です。何種類もあって、もっともポピュラーなピータン豚肉粥、モツなどを入れた状元及第粥(状元のテスト合格を応援するためスタミナをつける粥です)など、有名な粥は色々ありますが、私のおすすめは荔湾艇仔粥(荔湾漁師粥)です。荔湾は広州の漁村名(今は街の真ん中ですが)で、その漁村の料理の家でありあわせの材料を使って作っていた粥が原型です。上の写真ではわからないのですが、粥の下の方にイカや海老などがごっそり入っています。蘩楼の荔湾艇仔粥(荔湾漁師粥)は特に美味しいです。 |
![]() 深圳蘩楼のチャーシュー腸粉 |
チャーシュー腸粉です。お腹にたまる点心として、腸粉も人気がある点心です。私個人的にはチャーシュー腸粉が好きなのですが、エビ腸粉が好きな人や牛肉腸粉が好きな人もいます。 その日に注文した他の点心との関係で、例えばエビは餃子も焼売も注文したのであれば腸粉は叉焼にしようということになるでしょうし、例えば叉焼饅を注文した日に腸粉を叉焼にすることもないでしょう。腸粉の美味しさは腸粉自体の皮にあります。皮の美味しさを考えれば、要は、他のメニューとの関係で腸粉の種類を決めていくのが普通なのです。 |
![]() 深圳蘩楼の紅米腸 |
腸粉のなかには変わり種腸粉というべきものもあります。最近人気が高いのが紅米腸です。初めて見た瞬間は肉巻きかベーコン巻かと見間違えましたが、カリカリの腸粉の皮で包まれています。サクサク感がたまらなく美味しですし、 中にはエビや野菜や豚ひき肉などが包まれていて、味付けはちょっと濃いめです。 写真左側に見える三種類のたれを好みで付けて食べます。蘩楼の紅米腸は美味しいですからぜひ試してみてください |
![]() 深圳蘩楼の陳村粉 |
お腹にたまる点心で、日本から来た方にお勧めしたいのが陳村粉です。これも順徳点心の一つで、順徳の陳村で生まれたうどんです。ご覧の通り薄い幅広のうどんです。スープを入れずにニンニクの味を効かせて、混ぜうどんとして食べられるのが一般的です。 陳村粉は香港ではあまり見かけませんが、ニンニク味が嫌いでなければ日本人の好みに合うと思います。お腹にたまる点心の中では、私も饅頭の次によく食べています。 |
![]() 深圳蘩楼の焼きそば |
こうしていろいろ紹介してくると、焼きそばも紹介することになるわけですが、焼そばに関しては美味しいことは美味しいけど、似たような味は日本で食べられることがあります。蘩楼の焼きそばが美味しくないということでは決してありません。 人数が多い会食での機会を除けば、焼そばを食べる機会は殆どないのです。お腹にたまる点心としてはもっと他の点心を注文してしまうのです。 。 |
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デザートと工夫茶で話が弾みます |
![]() 深圳蘩楼の楊枝甘露 |
最後に、デザート的な点心について紹介します。飲茶する時には最後にデザート的な点心を食べるとかいう習慣はありません。もともと点心とはおやつみたいな意味ですから、一つ一つの点心がデザートみたいなものなのです。ですが、日本人的には、最後にさっぱり系のものを食べたいという気持ちがありますので、そういう時に注文する点心を紹介します。 まず、楊枝甘露です。飲茶屋で食べる楊枝甘露には、言い方は悪いですが楊枝甘露もどきみたいなものが多いのですが、ここ蘩楼ではマンゴー。ポメロ、タピオカがちゃんと入っていて正統派の楊枝甘露になっています。日本人にはとても美味しく感じる楊枝甘露だと思います。おすすめです。 |
![]() 深圳蘩楼、マンゴーのココナッツプリンはさみ |
続いてのおすすめは珍珠香芒椰汁糕(マンゴーのココナッツプリンはさみ)です。これも甘すぎずさっぱりした味付けのデザートで日本人好みの味です。ビジュアルもきれいです。 |
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もっと中国っぽくということであれば米糕(米のケーキ)という選択もあります。ケーキというよりもお菓子という感じですね。味付けはいろいろありますが、全般的に甘い味付けですが素朴な味で、さっぱりした食感があります。 |
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それから、これは広東省発祥ではないですが緑茶糕(緑茶ケーキ)もあります。これは想像以上に、そして見た目以上に甘さが強くて、私はあまりお勧めしませんが、中国伝統のお菓子ではあります。 そもそも緑茶糕にしても小籠包にしても、中国東部(華東地区=上海周辺)の点心は飲茶には合いませんし、広東省で食べても美味しくありません。私がこのサイトで小籠包を一切紹介しないのも理由は簡単、美味しくないからです。小籠包を食べるなら、華東地区(上海周辺)もしくは台湾に限るのです。 |
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| 以上、蘩楼を紹介してきました。蘩楼の店舗は深圳市内に12店あります。多いのは南山区と羅湖区です。深圳は東西に長い都市ですから、深圳で行かれる方向により蘩楼の店舗を決めれば良いと思います。私はそのうち半数の6店に行っていますが、味やサービスで著しく劣る店舗は特にないですから、地図ソフトやグルメソフトの点评で近くの蘩楼を探して行かれたら良いと思います。 なお、蘩楼での注文はスマホで行います。スマホなら商品の写真を見ながら注文できますから、微信(WeChat)か支付宝(Alipay)を予めインストールしておくと良いと思います。 |
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管理人から一言(揚州の点心)![]() |
揚州点心というものを聞いたことがありますか? 揚州は江蘇省にある都市で、中国の歴史の舞台にはよく出てくる都市の名前です。いわゆる典型的な玉子炒飯には「揚州炒飯」という名前がつけられていますが、その揚州です。 この揚州には、隋の時代から点心を作り続けている富春茶社という老舗のレストランがあって、今でも高いレベルの点心を食べることができます。最近、この揚州に行き、本場の揚州炒飯を食べるとともに、富春茶社や冶春花園の点心を味わってきました。揚州においても、点心をつまみながらお茶(但し、緑茶です。)を飲むのが朝の習慣で、そのあたりは香港や広州の飲茶の習慣に近いものがあります。むしろ、飲茶の原型を見たような気がしました。 |
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| これは湯包という代表的な揚州点心です。小さな蒸籠いっぱいの大きさの点心で、揚州点心を知らない人から見ると、小籠包のお化けのように見えます。実は小籠包と同じように点心の中には煮凝りがたっぷり入っていて、これをストローでチューチュー吸うのです。と言うかスープを飲む点心です。最高に旨いです。 |